東方葬想録   作:KUS

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レミリアの怒り

レミリア視点

 

私の目線の先には1人の男━━Ghost3が立っていた。

相手はまだ私に気づいていない。

今が攻撃を当てるチャンスだと思った。

私は適当に魔弾を撃ち込む。

だが、相手はこちらを向かずにそれを避けた。

本当に未来予知に片足を突っ込む程の精度のようね。

 

「嫌な予感がしたと思ったが、魔弾を放ったのはお前か」

「初めまして、レミリア・スカーレットよ。

 貴方達が殺そうとしているリーパー、もとい十六夜誠斗の主よ」

「………従属の命乞いか?」

「違う、私は貴方を倒しに来たの。

 それと……

 

 誠斗は従者だけど、私の大切な家族よ。発言を撤回してほしいわね」

 

私は誠斗のことを従属扱いされたことに、心の中で怒りを燃やした。

誠斗だけじゃなく、紅魔館の皆んなは家族だ。そんな奴隷みたいな関係じゃない。

 

「ほざけ吸血鬼。魔物風情が家族を語るのか?」

「ふふ、良いことを教えてあげる。吸血鬼にも親がいて、共に過ごす従者もいるのよ。

 それと、魔物は知性を持たない魔力を持った異形の総称、私達吸血鬼は魔人に分類されるわ」

「関係ない。所詮は人間との生存競争に敗れた敗北種族だろう」

「そう、私を舐めない方が良いわよ?」

 

私は手にスピア・ザ・グングニルを召喚する。

相手もアサルトライフルを構えた。

 

近くの木の枝が折れた音がした瞬間、Ghost3が引き金を引いて戦いが始まった。

 

三人称視点

 

レミリアはGhost3の銃撃を持ち前のスピードで全て回避する。

吸血鬼という種族のポテンシャルは高く、スピードにおいては幻想郷でも勝てるのは烏天狗くらいだ。

Ghost3は銃撃を回避されたことに驚きを隠せない。

彼の出身は東アジア地域、創作の吸血鬼のことは知っていても、

実際の伝承は聞いたことも調べたこともなかった。

強いて言うなら、Ghost5から吸血鬼の伝承(前話のフランのやつ)を聞かされていたくらいだった。

彼は必死に狙いをレミリアに合わせようとするも、そもそも狙いがつけられない。

彼は所詮、勘が鋭い以外は訓練しただけのただの人間だ。

レミリアと彼の地力はそもそも勝負にすらなっていない。

それでも彼がレミリアと渡り合えているのは……

 

「紅符“スカーレットシュート”!」

「……!?」

 

一重に彼の勘の鋭さのお陰だ。

だがそれでもレミリアは連続でスペルを放つ。

 

「紅符“スカーレットマイスタ”!」

「!?」

「まだまだよ!

 天罰“スターオブダビデ”!

 紅符“不夜城レッド”!

 紅魔“スカーレットデビル”!」

 

撃つ撃つ撃つ、Ghost3がどれだけ勘が鋭くても、避けきれなければ意味がない。

レミリアは最初の攻撃の回避を行った時の動きから、

Ghost3の身体能力が常人に毛が生えた程度しかないと見抜いていた。

レミリアが選んだのは消耗戦だった。

だが、Ghost3が誠斗を従属呼ばわりしたことにキレており、最初の策など頭から吹っ飛んでいた。

だから短期決戦のような戦闘を行なっている。

それでも回避しきれない弾幕を用意するあたり思考はしっかりとしている。

おまけに能力をフル活用し、的確に逃げ場に弾幕を設置する。

Ghost3は段々と避けきれなくなっていき、ダメージが蓄積していく。

そしてレミリアは切り札を切る。

 

「はあはあ、はあ」

「少しは耐えるみたいね。

 でもこれで終わりよ」

「!?」

 

レミリアの手に魔槍が握られる。

彼女の十八番とも言える技だ。

 

「まっ!」

「終わりよ。神槍“スピア・ザ・グングニル“!」

 

レミリアの手から放たれた槍はGhost3に直撃した。

例えどこに来るかわかっていても音速を超えるスピードの物は避けるどころか反応すら出来なかった。

Ghost3はグングニルが自分に直撃したことすら認識できずに気絶した。

 

「………私を怒らせると怖いわよ。まあ、もう聞こえないでしょうけど」

 

最後にそういった。その顔はいっそ清々しかった。

レミリアは先程の誠斗の従属扱いの他に、誠斗を殺そうと画策していた男に対する鬱憤もぶつけていた。

Ghost3は犠牲になったのだ。レミリアの鬱憤晴らし……その犠牲に。

レミリアはGhost3を拘束して、紅魔館に戻った。

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