誠斗視点
スキマを抜けた瞬間、夜の空気が一度に流れ込む。
香りも音も、そして空気も外の世界とは別物だった。
「……懐かしい、って感じがあまりしないな」
「6年振りだもの、まああなたがここで過ごした時間は長くはないけれど」
隣で紫が笑いながら言う。
まあ、(他にもいるか知らないが)他の出戻りの連中と比べれば俺がここで過ごした時間は短い。
長く見積もっても半年か?
「さて、向かう先は白玉楼よ。
剣くんもそこに送ったし。今頃は妖夢ちゃんと剣術談義で花を咲かせるでしょうし」
剣らしいなと俺は呟いた。
もう、10年も会っていない幼馴染のことを思い出し、苦笑した。
じゃあ、行くかと隣を見たら紫の姿はどこにもなかった。
1人で行けと?
俺は白玉楼がどこにあるか知らない、存在は知っているが。
ここにいた時聞いた噂じゃ空から行くらしいが、残念ながら俺は飛べない。
いや飛べてたまるか、俺はそこまで人間辞めてない。
魔法で飛べばいい?俺に飛行魔法は使えない。使えるのは軽い属性付与魔法くらいだ、あと回復魔法。
「よし、取り敢えず、森を抜けよう」
夜の森は危ないし、何に襲われるかわからないし。
その後、案の定野良妖怪どもが襲ってきた。
まあ、どいつもこいつも自我のない木端だったが。
一匹だけ自我がある奴がいた、見た目は金髪の幼女。喰ってもいいかと聞いてきたので蹴り飛ばしておいた。
そんなこんなで森を抜ける頃には夜が明けていた。
「ここは……」
目の前にはかなり長い階段と、その上に立つ鳥居が見えた。
鳥居には博麗と刻まれている。
博麗神社、幻想郷を覆う結界“博麗大結界”の要、ようは幻想郷の要だ。
誰に説明してんだ俺は。
長い階段を昇り切ると紅白の巫女装束を纏った少女が境内を掃除していた。
博麗の巫女か。見覚えのない奴だが。
「お客さん?こんな朝早くから珍しいわね」
巫女がこちらを向く。
淡々としているが、その瞳には確かな鋭さがあった。
「突然で悪い、迷っていたらここに出た」
「ふぅーん。外の人間ってところね。しかも普通じゃない。」
自分のことを普通じゃないと言われた。普通はイラつくが自分が普通じゃないと自覚してるのでキレるとかはない。
しかし、さすが博麗の巫女といったところか。俺の普通じゃない部分を一目で見抜くとは。
「紫に連れてこられたの?」
「あぁそうだ。まぁ白玉楼に行くと言われた後に気づいたら消えてた」
「あー……ご愁傷様」
哀れまれた………あとであのスキマ妖怪一発殴るか。
「取り敢えず上がって、お茶でも出すから」
「いや、白玉楼に……」
「お茶飲んだ後でも遅くはないでしょ」
彼女はそう言う。確かに遅くはない。
「あっ……自己紹介がまだだったわね。
私の名前は博麗霊夢、この神社の巫女よ」
「十六夜誠斗だ。世話になる」
お互いに自己紹介した後に神社の中に入った。
お茶は美味しかった。
キャラ紹介
十六夜誠斗
種族:人間
年齢:21歳
能力:
本作の主人公。日本出身。
元は地球連邦の暗部から殺し屋として依頼を受けていたが、ある時普通の生活に戻りたいと思い殺し屋を辞めた。
殺し屋としての最後の仕事を終えた後、紫の誘いを受けて幻想入りをする。
かつて時空間の歪みに巻き込まれたことがあり、故郷では未だに行方不明の扱い。
戦闘では刀を使った近接戦闘を行う。
能力の“
なので加速系の能力と間違われる。
誠斗は個々の物や人に限定して能力を欠けることが出来る。