時は遡ること誠斗が幻想入りする数週間前。
剣視点
目玉だらけの気持ち悪い空間を通って落ちた先は大きな屋敷だった。
凌牙はいないみたいだが。
「綺麗だ・・・」
最初に出た言葉がそれだった。
庭は枯山水の様式で整備されていて、桜の花びらが風に煽られて辺りを舞っている。
その景色はかなり幻想的だ。
だがよく見ると辺りを白い何かがフヨフヨ漂っている。
ここってもしかしてあの世か?
……ってことは俺死んだのか?
そんなことを考えていると屋敷からこちらに対する敵意を感じた。
直後、屋敷から白髪の少女が刀を片手に斬りかかってきた。
俺は咄嗟に腰に帯刀していた愛剣を抜いて防ぐ。
「あなた何者ですか!」
「ちょっ……まっ」
少女は俺に再び斬りかかってくる。
いきなり斬りかかってくるとは……よくよく考えたら俺ってぱっと見不法侵入者だし、仕方ないのか。
いやでも警告なしでいきなり斬りかかるのは……
取り敢えず俺は彼女に会話を試みる。
「ちょっと一回待て、話を……」
「問答無用ぉ」
彼女は問答無用に突っ込んでくる。
俺は仕方ないので取り敢えず倒して大人しくしてもらうことにしよう。
そう考えながら彼女が振るってきた刀を受け止める。
「普通の人間でこの反応……!?」
しばらく鍔迫り合いが続くが、しばらくして彼女は離れ俺に対し口を開いた。
「あなた、敵意を感じない。一体何の目的でここに?」
「それは俺が聞きたいよ!急にここに落とされたんだから」
それを聞いた彼女の敵意が薄くなった気がした。
今が好機と俺は話を聞いてもらうことにした。
事情を説明している途中で目玉だらけの気持ち悪い空間の話をしたら少女は何故か納得したような表情をした。
その後、彼女からこの場所についての説明を受けた。
ここは幻想郷、“忘れられた者達が集う最後の楽園”らしい
ここはその中でも死者が流れ着く冥界という場所らしい。まじであの世だった。
幸い俺はまだ死んでなかったらしい。
「ふふっ、何の騒ぎだと思って出てきてみたら、お客さんだったのね」
少女と話しているといつの間にか屋敷の縁側に桃色の髪をした女性が漂っていた。
見た目は普通の人間だ。だが、彼女からは生気を感じられない。
十中八九、彼女も人外の存在だろう。
「話は聞いていたわ。紫に連れてこられたのね」
「初めまして、私の名前は西行寺幽々子。ここ、白玉楼の主よ」
「魂魄妖夢です、ここで庭師をしています」
そういえば、俺この子と自己紹介してなかったな。
「初めまして、神田剣です。よろしく」
「よろしくね剣くん。それからよければここで住まない?
土地勘ないでしょ?」
俺はこれに応じた。まぁ土地勘がないのは事実だし。
これが俺の幻想郷での生活の始まりだった。
キャラ紹介
神田剣
種族:人間
年齢:21歳
能力:なし
誠斗の幼馴染兼親友。日本出身
実家が剣術道場をしており、本人も通っていた。
明るく社交的、だが少し考えなしなところが玉に瑕。