誠斗視点
霊夢に入れてもらったお茶を飲んだ後、俺は白玉楼に案内させてもらうことになった。
案の定、白玉楼には飛んでいく必要があった。
だが、前にも言ったように俺は飛べない。
霊夢は飛べるらしいので運んでもらうことになった……世話になってばかりだな俺。
しばらく飛んでいると空に大穴が見えた。
地上からは見えなかったはずだが。
「あの穴は?」
「冥界と顕界を隔ててる結界の空いた穴、あそこから白玉楼に行けるわ」
「大丈夫か、それ?」
要はあの世とこの世の間を塞ぐ結界に穴が空いてるってことだろ。
やばい霊とかこっち来ないのか。
「安心しなさい、そういう霊は地獄に行って、冥界に行くのは大人しい奴ばっかだから」
声に出てたらしい。
そうこうしている内に俺と霊夢は穴に入って行った。
霊夢視点
穴を抜けて冥界に着地する。目の前には白玉楼に続く長い階段があった。
相変わらず長い。
本当は自分一人で飛んで行きたいけど……ここにこいつを置いていくのもなあ。
「この上か?」
どうしようか考えていると、隣にいた誠斗が聞いてきた。
「ええ、そうよ」
「そうか……長いな……」
言葉から唖然としているのがわかる。
まあ誰だって初見でこんな長い階段を見たら唖然とするし引くだろう。
幻想郷の大体の奴は飛べるけど、誠斗は外来人飛べない。なのでショートカットも出来ない。
また運ぶか……?
そうこう考えていると、気づいたら誠斗が階段を上り始めていた。
「あっ!ちょっと!」
私は急いで追いかける、もちろん飛んで。
誠斗視点
大体1時間くらいだろうか。
この長い長い階段を俺は上り切っていた。
霊夢は俺の横を飛びながら上っていた。
ズルいなぁと俺は思うが、飛べるならもっと速く上れる筈だ、だから俺に合わせてくれたんだろう。
素っ気ない態度を感じるが何だかんだ優しいんだろう。
「ここが白玉楼よ」
目の前には和風の門がどっしりと構えておりここから見える壁を見ただけでも、ここがかなり大きい屋敷だとわかる。
俺はその門をゆっくりと開けた。
中には綺麗な日本庭園が広がっていた。
枯山水と桜の二つが庭を彩っており目の前には大きな日本屋敷が見える。
「あら、誰かと思ったら霊夢じゃないの。それと……」
庭を見ていると屋敷から女性が出てきた。
周りに霊魂らしきものが漂っているからこの人は霊なのだろう。
彼女はまず霊夢を見て、次に俺の方を見た。
「あなたが十六夜誠斗くんね。紫から話は聞いているわ、どうぞ上がって」
あのスキマ妖怪もいるらしい。
こんなに早くチャンスが舞ってくるとは。
中に入ると紫が優雅にお茶を飲んでいた。
横には狐の獣人と思わしき女性が座っている。
「あら、誠斗遅かったわね。遅すぎて退屈してt……」
取り敢えず一発殴っといた。
紫は綺麗に輪を描いて奥に吹っ飛んだ。
狐は主が急に殴られて唖然としている。
霊夢と霊の人は一瞬唖然としていたが、すぐに笑い始めた。
なんなら霊夢の方はゲラゲラ笑ってる。
どんだけ嫌われてるんだこいつ。
「紫様!?大丈夫ですか!」
「あいたたたた」
割とガチで殴ったつもりなんだが、平気そうだな。
まあ俺の気は晴れたから追撃はしないが。
「痛いわぁ。いきなり酷いわね」
「俺を放置して行った仕返しだ」
それを聞いた瞬間紫は一瞬首を傾げて、すぐに手をポンっと叩いて「スッカリ忘れてたわ」としたり顔で言ってきた。
前言撤回してこいつをもう一回殴ることにした。
ガチで忘れてたならともかく、最初に俺に言ったセリフとこの顔は確信犯だろコイツ。
取り敢えず腰に差していた刀を鞘に入れたまま持ち上げたら霊夢と狐に羽交い締めにされて止められた。
流石にこれはもう一発殴らせて欲しかった。
……数分後
「はあ、驚いたわ」
「マジでもう一発殴ろうか?」
それを聞くと紫は土下座してきた。物凄く鮮やかだった。
コイツ曰く俺を置いて行ったのは理由があるんだと。
「まずは霊夢と会って欲しかったのよ。
ほら今の幻想郷を案内してもらうに当たって適任でしょ。
私は忙しいし」
横で霊夢が「誰が暇人だ」とツッコんでいた。
それに対して狐が「事実だろう」と反論していた。
「さて、まずは一回みんなで自己紹介しましょうか」
「待たなくていいの?
後少しで妖夢ちゃんと剣くん、帰ってくるわよ」
剣の名前を聞いた瞬間、俺は反射的に部屋から出ようとしていた……紫にスキマで捕まったが。
「何をする!」
「どこ行くつもりかしら?
まさか会うのが怖いの?」
怖くないと言ったら嘘になる。
アイツならまず喜んでくれるだろう。だがそれ以上に怒るとアイツは怖い。
10年もご無沙汰だったのだ。内6年は外にいたにも関わらず連絡を取っていないのである。
取り敢えず急いで離脱するために踠くがビクともしない。
「幽々子様〜、紫様〜戻りましたよー」
そうこうしていると門の方から声が聞こえた。
女の声、多分霊の人が言ってた妖夢ちゃんとやらだろう、つまり剣が一緒にいる。
更に激しく踠くがやはりビクともしない。
「只今戻りました」
「はあ、慣れないなぁ、あの長いかいだ……」
剣と俺の目が合う。
「つ、つるぎ……」
「せい、と?」
おおよそ10年ぶりに俺は幼馴染と再会した。
キャラ紹介
博麗霊夢
種族:人間
年齢:16歳
能力:空を飛ぶ程度の能力
本作の原作である東方Projectの主人公。博麗の巫女を務めており幻想郷では有名人。
割と気が強い。貧乏で参拝者や訪問者にお賽銭を要求するくらい守銭奴。
ただ、何だかんだ困っている人は放って置けない面倒見の良い性格。
魔法の森に住む魔法使い、霧雨魔理沙とは親友。