東方葬想録   作:KUS

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紅魔館へ

レミリア視点

 

私は今暇を持て余していた。

 

「咲夜〜、紅茶欲しい〜」

「お持ちしました、お嬢様」

 

相変わらず咲夜の仕事は速い。

私は咲夜に持ってきて貰った紅茶を飲む。

そうして飲んでいるとパチェがやってきた。

 

「咲夜、私にも紅茶頂戴。後、凌牙が読んでいたは」

「お持ちいたしましたパチュリー様。それでは失礼いたします」

 

そう言って咲夜はその場からパッと消えた。

彼女の能力で時間を停止させて移動したのだ。

 

「そうだパチェ〜、日除魔法かけて〜」

「何でよ?」

「だって暇なんだもん〜」

 

本当に暇だ。

もう一回紅霧異変を起こそうかしら?

そうすれば霊夢と魔理沙も相手になってくれるでしょう。

 

「レミィ……考えてることが丸わかりよ。第二次紅霧異変なんて辞めなさい」

「うう〜、パチェの意地悪〜」

 

本当に暇だ。

だから気まぐれに能力を使った。

私の能力運命を操る程度の能力は未来予知のようなことだってできる。

だから私は気まぐれに未来を見た。そこに見えたのは、

再び紅魔館で私の前に立っていた、かつて居なくなった家族の姿だった。

私はそれを見た瞬間立ち上がっていた。

隣に座っていたパチェが突然のことに驚いた。

 

「レミィ!?どうしたの?」

「ごめんパチェ準備しないと」

「準備?」

「えぇ、

 あの子を迎える準備よ」

そう言って私は自室へ戻った。

 

精一杯威厳ある姿を見せるために。

 

誠斗視点

 

俺は剣との勝負が終わった後、一緒に部屋に戻っていた。

 

「終わりましたよ〜……あれ紫さんは?」

 

よく見ると室内には霊夢と幽々子さん、妖夢の姿しかなかった。

 

「紫と藍は帰ったわよ。まだ用事があるって言ってた」

「ああ〜」

 

さっきから剣が俺の気持ちを代弁してくれる。

まあ紫は管理者だし、藍はその補佐だろうし、あまり時間は取れないか。

 

「じゃあ誠斗、紅魔館行くわよ。

 剣、あんたも来るでいいのよね?」

「ああ。咲夜の顔も見たいし」

 

剣も行くらしい。

まあ、そうだろうなと思った。

 

「妖夢ちゃん。あなたも言っていいわよ」

「私もですか!?」

 

幽々子さんが提案した。

当然妖夢は驚いている。

 

「幽々子様、私まで行く必要はないのでは?

 霊夢は案内という役目がありますが、私はその……部外者ですし」

「妖夢ちゃんが行かないと剣くん、どうやってここに戻ってくるの?」

 

それを聞いた瞬間、剣と妖夢が固まった。

まあ剣は飛べないし。

 

「そ、そうでしたね。失念していました」

「ははは……そう言えば俺飛べないのをすっかり忘れてた」

 

二人が乾いた笑いを出している。

まあそんなことは置いといて。

 

「「置いとくな(かないでください)!」」

 

なんか言ってるが無視だ無視。

そうして俺たち4人は紅魔館を目指した。

場所は……変わってなきゃあそこの筈だ。

 

少年・少女移動中

 

 

15分くらい飛行して俺たちは紅魔館に到着した。

相変わらず紅いな。

6年前と何ら変わっておらず安心感すら覚える。

門の前まで歩いてきた。

そこでは美鈴が俺達を出迎えた。

 

「あら、今日は起きてるのね。珍しいこともあるもんだわ」

「あはは‥‥お嬢様から出迎えるようにご命令されまして」

「レミリアが?」

 

どうやらレミリア様が俺達の訪問を予知していたらしい。

しかし、美鈴は未だに居眠りをしているのか……。

 

「私は今回皆さんの案内を任されています。

 それと……」

 

美鈴がこっちを向く。

他の3人も釣られてこっちを見た。

 

「久しぶりですね、誠斗くん。大体どれくらいの振りでしょうか」

「6年だ。それはそれとして居眠り癖は治っていないようだな」

「あはは……それにしても6年ですか。時間の流れは早いですね。

 あんなに小さかった子がもう私と同じくらい身長があるんですから」

「いつの話をしている?」

「ちょ、ちょっと待って。話についていけないんだけど!」

 

霊夢が慌てて聞いてきた。

後ろで剣と妖夢も首をウンウンと頷いている。

 

「話してなかったっけ?」

「されてないわよ!?聞いたのはあんたと咲夜が兄妹だってことだけ」

 

そうだったな。

咲夜との関係は説明したが、紅魔館との関係は話してなかった。

 

「俺は6年前までここで働いていたんだよ」

「来たのは大体10年前くらいですかね?」

 

俺達の口から出た情報を聞いて三人が混乱している。

一回整理させた方がいいか?

 

「まあ詳しい話は後で、中でお嬢様とパチュリー様がお待ちです」

「そうね、詳しいことは全員で話す方がいいか」

 

霊夢は取り敢えず納得したらしい。

剣と妖夢も同じみたいだ。

そして、俺達は美鈴の案内の元、紅魔館に入った。

中に入って初めて感じたのは少し広くなったような感じだった。

 

「なあ美鈴、この屋敷広くなったのか?外からは前と変わってないように見えたが。

 パチュリーさんが魔法で拡張してるのか?」

「いえ、パチュリー様じゃなくて咲夜さんの能力ですね。

 能力で空間を拡張しているようです」

 

あいつの能力ってそんなこと出来たのか、初耳だ。

俺達は美鈴に案内されながら大部屋に向かう。

そこは会議や模擬戦で使う部屋だ。それが出来るくらいの広さを持っている。

奥には一つの玉座があり、そこに少女が座っていた。

紫と形容した方が速い髪に真紅の瞳を持つ幼い容姿の少女。

だが背中の翼が彼女が人外であることを物語っている。

レミリア・スカーレット、ここ紅魔館の主の吸血鬼だ。

横にはパチュリーさんが構えている。

相変わらず本に夢中そうだが。

 

「お嬢様、お連れしました」

「ありがとう美鈴。

 さて、久しぶりね霊夢。それと白玉楼の半人半霊、確か妖夢と知ったかしら。

 後ろの赤髪の子は初めましてね。

 そして……」

 

「久しぶりね、そしてお帰りなさい誠斗」

「ああ、ただいま」

 

俺は今、家族が待つ家に帰ってきたような感動を覚えていた。




キャラ紹介
レミリア・スカーレット
種族:吸血鬼
年齢:500歳程度
能力:運命を操る程度の能力
紅い館“紅魔館”の主である人物。
幼い見た目をしているが吸血鬼であるため実年齢は500歳近い。
お嬢様として動く時は威厳のある姿を見せるが、普段は年相応(吸血鬼基準)の姿を見せる。
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