【残念美人】☆-1サーヴァント安里真由ペロペロスレpart7何も不審な点などありません。無害です。安全です。不審な点など■■ 作:逃■ろそ■は■界■を喰■■■■絶■育■
カルデアの食堂、あるいは特異点の野営地。場所はどこであれ、その女の周りには常にどこか弛緩した、残念な空気が漂っていた。
「ファ──────ック!なんで私のガチャだけ爆死? 絶対確率操作してんだろ死ね! 潰れろバカツキ!」
安里真由
アラサー無職。
整った顔立ちと、それを台無しにする陰気でダウナーな目つき。
着古したジャージ姿で、テーブルには彼女が平らげたであろう十数皿の空皿が積み上げられている。
こいつは、通りがかった黄金のサーヴァント──英雄王ギルガメッシュに対して、物怖じした態度を取っている
「フヒッ、英雄王様、すみません、すみません」
愛想笑いを浮かべながらなにに謝ってるのかも分からない謝罪を繰り出している
その姿に三十分前までナーサリーライムに「真由ちゃん天才美人素敵ナイスバディーZカップ爆乳」と自分を称えるのを上から目線で命令していた傲慢なバカの気配など微塵もない。
あるのは、強そうな相手への脊髄反射的な媚、おまけに行き遅れへの焦燥、社会への逆恨み、そして自身の境遇を他人のせいにする怠惰な精神構造のみ。
完璧な『クズ中のクズ』。
誰が見ても、取るに足らない道化。
ギルガメッシュは、その赤い瞳でゴミを見るかのように彼女を一瞥した。
「……雑種。貴様のその腐りきった性根、見るに堪えんわ。貴様のような生産性の欠片もない汚物が息をしているだけで、大気が淀む」
「うへへ……そうですよね……すみません、すみません」
真由はこいつ絶対元いじめられっ子だろと一発でわかるような卑屈な態度を取る
その挙動、発言、微細な表情筋の動き、魂の波長に至るまで。
そこには一切の矛盾がなかった。
彼女は、安里真由だった。それ以外の何者でもなかった。
だが。
英雄王は、立ち去ろうとした足を止めた。
単なる気まぐれか、あるいはあまりに救いようのないその魂の在り方に、王としての審判を下そうとしたのか。
彼は無意識に、その『星』を発動させた。
──全知なるや全能の星(シャ・ナクパ・イルム)。
万象を見通し、真実を暴き、未来すら予見する至高の精神性。
王の瞳が、侮蔑の色から、深淵を覗き込むごとき鋭さへと変貌する。
彼が観たのは、未来ではない。
目の前の『道化』の内側に詰まっている、情報の奔流だ。
ギルガメッシュの背筋に、戦慄が走る。
それは戦士としての武者震いではない。
「……ほう? 貴様、ただの無能でh──」
そこには、逡巡も、別れの言葉も、正体を現す際の口上も、一切存在しなかった。
「貴様は」と言いかけた英雄王の唇が閉じるよりも速く。
突っ伏していた女のガワが、弾け飛んだ。
それは『絶望的なまでの質量を持った黒』。
「──ッ!?」
ドオォォォォォォォォォォン!!!
カルデアの食堂を中心とした一瞬にして消し飛んだ。
爆発ではない。
ただ『それ』が、質量を現世に叩きつけ、同時に、■■■■いた英霊の剛力、その他多種の権能を乗せた『初手』を繰り出した余波に過ぎない。
黒い■。
四肢を持つ悪夢。
その両手には、概念すら両断する破壊不可の爪、神速の二爪流がギルガメッシュの首を刈り取りに走っていた。
咆哮はない。
殺意の宣言もない。
ただ、機械的な『処理』として、最速・最短・最適解の暴力が振るわれる。
(──速いッ!)
全知の星が未来を見通していなければ、即死していた。
ギルガメッシュは咄嗟に『王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)』を展開、無数の盾と防御宝具を自身の周囲に空間断絶ごと展開する。
ガギィィィィン!!
火花が散るどころか、空間そのものが軋み、悲鳴を上げる。
防御宝具が紙のように斬り裂かれるが、そのコンマ数秒の時間を稼いだことで、英雄王は天翔ける王の御座を複数の補助宝具を使い小型化させ光速まで加速、間合いを取ることに成功した。
それは追跡する。
そこには、先程までの怠惰な女の面影など微塵もない。
ただ、圧倒的な『■■』を内包した、黒い■が飛んで来ていた。
その瞳には、■■も、■■も、■■すらも映っていない。
あるのは、フローチャートに刻まれた『■■』という結論への道筋のみ。
「……は。ハハ、ハハハハハハハ!!!」
ギルガメッシュは、宙に浮きながら嗤った。
だがその瞳は、かつてないほど冷徹に、眼下の怪物を射抜いている。
それは、好敵手に向ける熱量ではない。
害虫駆除業者が、想定外に巨大な巣を見つけた時の、事務的かつ絶対的な殺意だ。
「驚いたぞ。道化の皮を被った害獣か。……いや、貴様は獣ですらないな」
■は答えない。
ただ、ゆらりと剣を召喚し構える。
その所作は、かつて■■した剣の達人のそれでありながら、人智を超越した■の膂力によって、異形の軌道を描く予備動作に入っている。
「『■』だ。貴様はただの、世界に空いた■よな」
ギルガメッシュの背後に、黄金の波紋が展開する。
十、二十ではない。
千、万、億。
空を覆い尽くさんばかりの宝具の煌めき。
彼は普段、慢心という名の枷を自らに課す。雑種相手に本気を出すなど王の威厳に関わるからだ。
だが、今、彼はその枷を自ら粉砕した。
眼下のソレとやる事は、戦いではないからだ。
雑種達相手でも英雄王は曲がりなりにも戦いの土俵に乗ったと感じている、だからこそ手を抜く。戦いで本気を出すのは情けないからだ。
それに戦いの土俵に乗ったと感じられる様な敬意を英雄王は払わなかった。路傍の石未満の何かと思った。
これは戦いでは無い、障害物の排除、害獣駆除、ゴミ掃除だ
その癖出力は放置すれば世界そのものを■■■■■、システム上のバグ。
■■も、■■も、■■も、■■も無い、雑種と言う領域にすら無い、生物でありながら、生物未満のナニカ
──故に王は本気を出す。
「喜べ、害獣。貴様ごときに使うには惜しいが、手早く終わらせてやる」
パチン、と指が鳴らされる。
同時に、射出される宝具の質が変質した。
ただの投擲ではない。
自動防御宝具が、■の初撃を防ぐために自律展開。
身体能力強化の宝具が、王の肉体を英霊の限界を超えた領域へ押し上げる。
王の財宝の射出速度と範囲を無限に拡張する補助宝具が起動。
さらには、万が一の死亡、消滅を無効化し、身代わりとなるスケープゴートの概念礼装級宝具までもが発動する。
サーヴァント相手には、文字通り死んでも、ビースト相手にすら躊躇うような宝具を躊躇いなく展開する。
慢心抜き、手加減なし。
初手から、全・力・全・開。
「死に絶えよ。我が庭に、貴様のような異物は不要だ!!」
轟音と共に、黄金の雨が降り注ぐ。
それに対し、黒い■は無言のまま、大地を蹴った。
その思考リソースの全てを『■■』と『■■』の演算に回し、神代の弾幕の中へ、一直線に突っ込んでいく。
英雄王ギルガメッシュにとって、この戦いは「決闘」ではない。
彼はかつて、泥にまみれた友(エルキドゥ)と対等に殴り合い、また幾多の英雄と刃を交えてきた。そこには敬意があり、王としての矜持があった。
だが、眼下の『それ』は違う。
それは、王の蔵に侵入した鼠であり、美しい庭園に湧いた汚泥であり、取り壊すべき廃ビルに過ぎない。
ゆえに、一切の手加減は「不合理」となる。
喧嘩は素手でやるべきと言う信条の解体業者がビルを壊す際、わざわざパンチとキックで解体をするだろうか? 否。ダイナマイトと重機を用い、最短効率で瓦礫の山に変えるのがプロの仕事だ。
「──限定解除(リミッターカット)。宝具展開数、無制限」
ギルガメッシュが冷徹に告げると、空間の断絶音が悲鳴のように響き渡った。
展開された『王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)』の門(ゲート)が、桁を変える。千や万ではない。億の単位に及ぶ黄金の波紋が、空という空を埋め尽くし、ドーム状の閉鎖空間を形成した。
英雄王の背後で、一つの宝具が輝く。
『王の財宝』の演算機能を外部委託し、同時射出数の限界を強制的に撤廃する補助宝具。
さらに、自身の筋力、耐久、敏捷をEXランク超へと引き上げる常時発動型の身体強化宝具、あらゆる毒と呪いを無効化する原初の薬、空間転移を阻害する楔。
対サーヴァント戦であれば、その一つを使うだけで「大人げない」と言われるチートアイテムの数々を、彼は呼吸をするように全展開した。
ドラえもんが制限なく秘密道具を使えば映画の敵等2秒で死ぬ。
今やっているのはそれだ。
今の英雄王は疑似とは言え全能の領域に至っている。
「消え失せろ。塵一つ残すな」
射出。
それは雨ではなく、黄金の壁が落下してくるような物理的圧力だった。
対する■■■■■■■■■■
その思考は、この絶望的な飽和攻撃を前にしても、冷え切った■■のままである。
■の体表を、■■■■■■複数の概念装甲が覆う。
合成宝具【絶界・不滅なる■らう城塞の竜皮(ヴォーパル・アヴァロン・ファフニール・ロード)】
それは、英霊の座の理を冒涜する悪夢のパッチワーク。
英雄王が放つ、本来ならば余波でサーヴァントを消滅させる■ランク超の宝具の雨。その全てが、■の皮膚から数センチの不可視の断層で弾け、あるいは触れた瞬間に光の粒子となっていく。
傷つかないのではない。傷つくという「結果」が発生する前に、因果ごと防御し、減衰させ、変換し、無効化しているのだ。
重ね掛けされた6つの伝説が、物理法則を無視した最強の要塞となって顕現する。
Bランク以下の攻撃及び魔術の完全無効化に加え、Aランク以上の攻撃であっても計算値から数値を削減(マイナス)し、致死ダメージをかすり傷へと変える概念装甲
『悪竜の血鎧(アーマー・オブ・ファフニール)』
精神の在り方を物理防御力へと変換する、■の持つ「底なしの■■■」と「■■への執着」が続く限り、その壁は決して崩壊せず、際限なく硬度を増していく『今は遙か理想の城(ロード・キャメロット)』
あらゆる敵対干渉(物理・魔術・呪い)を概念的に十分の一(90%カット)にまで削減する、神々の王から剥ぎ取った黄金の皮膚。上記の血鎧の減算効果と合わせることで、実質的なダメージをゼロ、あるいはマイナスの領域(回復)へと反転させる
『日輪よ、具足となれ(カヴァーチャ&クンダーラ)』
投擲武器及び飛び道具に対して絶対的な防御判定を持つ七層の概念障壁。英雄王の射出宝具に対して自動的に多重展開され、着弾の衝撃を花弁のように散らす
『熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)』
受けたダメージを自らの魔力・体力・筋力へと即座に変換し、蓄積する。攻撃を受ければ受けるほど■の出力は無限に上昇し、傷が癒えると同時に強化される永久機関回路『疵獣の咆吼(クライング・ウォーモンガー)』心臓という霊核が存在する限り、肉体が滅びようとも蘇生し続ける呪いじみた不死性。さらに、周囲に「私の旗(ルール)」を強制し、物理的な攻撃判定そのものを無効化する聖女の守り
『我が神はここにありて(リュミノジテ・エテルネル)』
これら全てを、規格外の魔力炉心で無理やり溶接し出力を上げ、常時発動(パッシブ)スキルとして纏っている状態だ。
それゆえに、英雄王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)による飽和攻撃ですら、この黒い■に致命傷を与えるに至らない
だが、ギルガメッシュの『全知なるや全能の星』は、その防御特性すら既に見抜いている。
「硬いな、ならば、こうだ」
指先が動く。
射出される宝具の属性が一瞬で切り替わった。
この■■は、あまりに多くの英雄、魔獣、神霊を■■■すぎた。
■■を得るということは、その「性質」を背負うということ。
竜であり、神性があり、悪属性、魔性、猛獣、巨人、男性、王、人類の脅威……。
今の■■■■■■■■■■は、この世界に存在するほぼ全ての「特攻(弱点)」対象に該当する、歩く弱点見本市だ。
『竜殺し(ドラゴンスレイヤー)』の魔剣バルムンク、アスカロン。
『神性特攻』を持つエルキドゥの鎖(天の鎖)。
『不死殺し』の鎌ハルペー。
『悪特攻』、『巨人特攻』……。
あらゆる神話の「弱点特効」が、英雄王の反則級補助宝具の重ねがけによって出力を上げられ、雨あられと降り注ぐ。
ズドォォォォォォン!!
防御の上から、特攻倍率の乗った致死の一撃が■の肉を抉る。
鱗が砕け、肉が裂ける音が響く。
だが、■は止まらない。
無言。無音。
痛みに呻くことすらない。
合成スキル【十二の試練(ゴッド・ハンド)】改・起動。当該攻撃に対する耐性を即時獲得
傷口が、沸騰する泡のように盛り上がり、瞬時に塞がる。
ヘラクレスから■■■■蘇生と耐性獲得の理屈を、■の代謝機能で更に高速化させたバグじみた再生能力。
さらに、特攻が刺さるならばと、自らの霊基構造を書き換えるスキル『変化(極)』により、被弾の瞬間に「■」属性や「神性」属性を一時的にオミットしてダメージを軽減する離れ業を見せる。
だが、それでもギルガメッシュの猛攻は止まない。
耐性に穴があれば埋めるが再生すれば、再生速度を上回る火力で消し飛ばす。
英雄王は、■が再生する端から、その再生因子を壊死させる『ヒュドラの毒』を塗布した矢を撃ち込み、修復を阻害する。
「しぶとい。ゴキブリ並みの生命力だな」
ギルガメッシュの冷徹な評価に対し、■はついに反撃の一手にでる。
右手の魔剣が、どす黒い極光を纏った。
それは、かつて■■■■聖剣の輝きと、魔剣の呪い、そして破壊神の雷を無理やりミキサーにかけた、冒涜的な輝き。
合成強化宝具【約束された終焉の雷光(エクスカリバー・インドラ・モルガン)】
振るわれたのは、剣閃ではない。
必中、即死、先制攻撃の概念と、その強固な概念すら霞むほどの純エネルギーが圧縮された黒と赤の奔流。
ギルガメッシュが展開していた数億の宝具の雨が、その極太のビームによって蒸発し、かき消される。
力を取り戻しきれてなくとも、純粋な魔力放出量だけで言えば、■■の出力は神霊すら凌駕する。
「チッ──!」
ギルガメッシュは舌打ちし、空中に足場を作り瞬時に転移回避。
抑止力が出張らなかったのが奇跡とも言える空間の歪を見て英雄王は言う
「……なるほど。力任せの破壊だけは一流か」
ギルガメッシュは空中で腕を組む。
その背後には、未だ尽きることのない無限の蔵。
対する■■は、瓦礫の中で無機質な瞳を向ける。
その体表には、再生しきれていない傷跡から黒い血が滴っているが、その目は「痛み」ではなく、「どうすればあの金色の■■■■■■■■■■■■■■■■■■」という計算のみで埋め尽くされている。
■は、耐性を持ってしても完全に防ぎきれない特攻攻撃(特に『人類の脅威』特攻を持つ謎のヒロインXX等の宝具原典や、エヌマ・エリシュ級の対界宝具)によるダメージを、膨大な魔力リソースによる高速再生で強引に帳消しにしている状態だ。
防御の穴はある。だが、その穴を埋める「HP(体力)」と「ガッツ(蘇生)」のストックが異常すぎる。
(生物としての理屈が通じぬか。ならば、完全に「無」へと還すのみ)
ギルガメッシュの手元に、鍵剣が現れる。
解体作業は、仕上げの段階に入る。
雑種相手に使う玩具ではない。これは、世界の理を正すための裁定の剣。
「死に絶えよ、害獣」
赤い風が巻き起こる。
■の思考回路に、初めて最大級のアラートである《死の予感》が点滅した。
だが、それでも■は吠えない。
黒い■の輪郭が、泥のように崩れた。
それは一瞬の早業だった。
巨大な怪物の姿が収束し、白きローブを纏った、緑の髪の人型へと変貌する。
中性的な美貌。土塊から生まれ、神々さえも恐れさせた「天の鎖」。
かつて、この英雄王が唯一「友」と呼んだ存在。
■■■■■■■■■■は、声帯を調整。
記憶データから抽出した波長、トーン、息遣い、その全てを完璧に再現し、かつてその友が死の間際に残した「呪い」のような慰めの言葉を吐き出した。
「──悲しまないで、ギル。僕は兵器だ、数ある財宝の一つに過ぎない」
そして、微笑んだ。
友が最期に見せた、儚くも美しい笑顔の形状(コピー)で。
無論、■に「これで騙せる」などという甘い思考はない。
これは単なるスイッチだ。
「友の姿を汚された」という激情。その沸騰によって生じる、英雄王の精神防御のほんの僅かな綻び。
そこへ、予め装填していた『精神汚染』に特化した、最悪の合成宝具を叩き込む。
合成宝具【永劫回帰・無間精神崩壊(パンデモニウム・マインド・クラッシュ)】
その構成要素は、■が■■■■「精神」に関する英霊・魔性の力の悪魔合体。
ジル・ド・レェの『螺湮城教本(プレラーティーズ・スペルブック)』による深淵の狂気。
マタ・ハリの『陽の目を持つ女(マタ・ハリ)』による強力な洗脳・思考麻痺。
巌窟王から■■■残留思念による『監獄塔』の閉鎖性精神負荷。
メフィストフェレスの『微睡む爆弾(チックタック・ボム)』概念による思考回路への時限爆弾埋め込み。
酒呑童子の『千紫万紅・神便鬼毒』による脳髄を溶かす猛毒の概念付与。
清姫の『転身火生三昧』による逃れられぬ執着と嘘への呪い。
これらを筆頭としたの精神干渉宝具を、■の権能で無理やり接着し、「対象の自我(エゴ)を内側から食い破り、自害を強要する」即死級の精神ウイルスとして、視線と声に乗せて発射した。
物理防御不可。
英雄王の心臓を、泥塗れの絶望が鷲掴みにする──はずだった。
「────────」
ギルガメッシュは、動かなかった。
怒号も、悲鳴も上げない。
ただ、その紅の瞳が、絶対零度の「無」へと変貌しただけだった。
精神汚染の嵐が王を襲う。
だが、王の自我(エゴ)は、それら全ての汚泥を「雑音」として切り捨てた。
慢心ゆえではない。
友の姿を借りたその行為が、彼の逆鱗の限界点を超えさせ、怒りという感情すら通り越した「断罪」のシステムへと、王の精神を昇華させたのだ。
「……そうか」
低く、地を這うような声。
「貴様はこの星の歴史(テクスチャ)に、1ミリ秒たりとも残してはおけん」
ギルガメッシュが、虚空から鍵剣を取り出す。
同時に、空を埋め尽くす数億の宝具が、攻撃から「結界」へと役割を変えた。
自身の周囲、そして戦場となる空間そのものを、神代の防御宝具と空間断絶宝具で幾重にも、幾千重にもラッピングしていく。
アキレウスの『蒼天囲みし小世界(アキレウス・コスモス)』と同等の概念結界を複数枚。
空間の漏洩を防ぐ『冥界の檻』。
その他、世界つを護れる守護の宝具を、内側への爆発を閉じ込めるためだけに惜しげもなくありったけ展開。
それは、これから放つ一撃が、世界(ガイア)や抑止力(アラヤ)に「やりすぎだ」と感知されないための隠蔽工作。
そして、この害獣を決して外へ逃さないための「鳥籠」。
「見せてやる。これが『本気』だ、汚物」
鍵剣が回転を始める。
赤い風が鳴く。
それは大気ではない。空間そのものが悲鳴を上げ、亀裂が走る音だ。
■の超直感(インスティンクト)が、《生存確率:0%》を弾き出す、即座に対■■■、対ガ■■、対O■■、と言った、超越者への隠蔽に使っていたリソースを全て回収し構えた。
逃走、懐柔、脅迫、魅了、人質全て不可。
意思、自我、狂気
搦手等無く純粋な戦闘力で戦わなくてはいけない
「天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)」
ビームではない。
光の奔流ですらない。
そこに現れたのは、「真実」だ。
天と地が分かたれる前の、混沌の海。
物理法則も、概念も、時間も空間も意味をなさぬ、原初の裂け目。
3つの円柱が回転し、疑似的な時空断層が発生。
■■■■■■■■■■が展開していた多重装甲、合成防御宝具、概念耐性、その全てが「無」として処理されていく。
■■能力? 関係ない。
再生能力? 再生する空間ごと消し飛ばす。
不死性? 死という概念が生まれる前の「無」に還すのだから、死ぬことすら許されない。
「死滅などという生温い救いは与えん。存在の根源、その情報の最小単位に至るまで、我が乖離剣の藻屑と消えよ!!」
最大出力(フルパワー)。
対界宝具・出力全開。
赤い裂け目が、黒い■を飲み込んだ。
本来なら世界そのものを引き裂き、現実の裏側を露出させるその一撃は、幾億の宝具による結界の内側でのみ荒れ狂い、全ての破壊エネルギーが■■■■■■■■■■一点のみに収束する。
《■■■■》
現在の成長途上の肉体に、神代の技術、隠蔽に使っていたリソース、【奥の手】、それらを全て使ってなお、威力を半減させるのがやっとだった
全盛期ならともかく、今のそれに抵抗の余地など、最初から存在しなかったのだ。
それは理解していた。力を取り戻す前にに英雄王に正体を看破されたら勝ち目等無いことを。
殺されたその時でさえ、それの思考には■■■■ロー■■■■と地獄のインクで書かれたような■■と飢■だけだった
万が一に備え宇宙中にばら撒いたそれの分体のバックアップも根源から絶たれた
ただの害獣駆除。
世界最強の王による、慈悲なき清掃作業が完了した。
それは力のほぼ全てを全能との戦いで失った。
その根源たる異能を抜いた余った力をそれは2つにきり分けた。
一つは超越者相手への隠蔽能力
成長性を最大の強みとするが、その本質を上位者に見抜かれた場合、成長すらできずに確実に駆除される為
二つ目は世界線をまたいだ観測、別世界の自分の支配。
それはその目的において他世界の自分とも背反する為だ