正義の未熟者「私」   作:春萌枯らし

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 プロムンって難易度高いので人に勧めたくても出来なかったりしますよね。

 それはそうと本編どうぞ。


第1話 試験までの道中

 

 事の始まりは中国軽慶市

〝発光する赤子〟が生まれたというニュースだった!

 以降、各地で「超常」は発見され原因も判然としないまま時は流れる。

 いつしか「超常」は「日常」に……。

架空(ゆめ)」は「現実」に!!!

 世界総人口の約8割が何らかの〝得意体質〟である超人社会となった現在!

 混乱渦巻く世の中で!

 かつて誰もが空想し憧れた1つの職業が脚光を浴びていた!!

 

「どんな場所であろうとも、わたしが求めるものは変わりません……」

 

「会社に恥じない生き様を!」

 

 これは地獄のような世界で生きた私がこの世界の恐怖に立ち向かい、未来を創る物語だ!!

 

 2月26日

 

 毎年倍率300を超える超名門高等学校『雄英』

 

 ──ヒーロー、夢見る若者なら誰もが憧れる職業。

 将来なりたい職業ランキングでは例年1位を記録しているほどの影響力。

 日夜テレビではヒーローの敵退治やヒーローが出演するワイドショー、CMが放送されている。

 街中を歩けば企業の新商品の宣伝に人気ヒーローをふんだんに使った巨大広告が目に入る。

 生の敵退治には野次馬が集まり、民衆にとっては一種のエンターテインメントになっている。

 

 今日は雄英のヒーロー科一般入試実技試験の日であり、入口へ次々と受験生が進んでいく。

 自信、畏れ、焦り、余裕────十人十色、千差万別の面持ちをしている。

 

 ──その門の少し横で1人、「雄英高等学校 入学試験会場」と書かれた看板の前で何やら困った声を出している者がいた。

 

「三脚がない……! 自撮り棒も……なあぁい!!」

 

 手に持ったカバンを逆さにして激しく揺らし、中に入っていた荷物が次々と地面へ落下していく。行動から露見する精神年齢がかなり幼く、受験生とは到底思えなかった。

 

(((何してんだあいつ???)))

 

 探し物を見つけることに必死で、周囲の目線がまったく気になっていないようだ。恥も外聞も無いと言うのはこういう人間を指すのだろう。

 

「かくなる上、かくなる上は〝個性〟使って……! ──いや、試験内容が分からない以上下手に消耗するわけには……! うぅぅ、ピンチ……! ピンチです!! さすがは雄英……! もう試練は始まっているってことですか……!!」

 

 最初から見ていても、途中から見始めても何が起こっているかよくわからない状況である。どうやら看板とともに自撮りをしようとしているらしいが……そもそも入学式でしかそれをする奴はいない。普通なら関わらないように見なかったことにして去るのが吉と言えるこの状況。しかし、どう言うわけかその光景に目を奪われる者たちが大勢いた。

 

(((めっっっちゃ美人だ!!!)))

 

 この頭のおかしい奴、顔がすこぶるよかった。中性的な顔と声。緑色に輝く大きな瞳。白い透明感のある肌。線の細い体。金色の星々がキラキラと浮かぶ深い瑠璃色の夜空のようなポニーテールが本人の大きい動きにつられてゆらゆら動いている。ファッション雑誌の表紙を飾っていてもなんらおかしくないといえる。そんな人間が何やら困っているのだ、視線を集めるのは必然といえよう。

 

 雄英の実技試験の内容は受ける直前まで分からない。その為、試験内容と自身の〝個性〟の相性を気にし、不安から終始緊張している者は多い。しかし、なぜか今年はその数が少なくなりそうである。

 

「背に腹は代えられない……!」

 

 覚悟を決めて〝個性〟を使おうと決意したとき、そこへ声を掛けようと近づく人影が1つ。

 

「あのー私でよかったらやったげようか?」

 

 桃色、というよりピンク色の髪と肌、黒い眼、頭に2本の小さなツノを持った明るい雰囲気を纏った少女──芦戸三奈(あしどみな)が意を決した様子でそこにいた。

 

「──おおぉ、おおぉ! わああぁぁぁぁぁ……!!」

 

 先ほどの悩みと苦悶に溢れた表情はどこへやら、その整った顔が喜びに満ち溢れ、破顔して笑う。その未知数の破壊力にあてられる被害者が1名。

 

「うおっ!(顔強ッ!!)」

 

 驚いている芦戸の両手を素早い速度で掴み取りそのまま上下にぶんぶんと振る。

 

「あぁ! 嬉しい! ありがとうございます!! 貴女は私にとってのヒーローです! 私、すごく困っていたんです! あなたのファン第1号です!」

「アァーッ!! ちょっと、ちょっと!! すごい喜んでるとこだけど、写真!! 写真はいいの!?」

「そうでしたっ! じゃ、お願いします!」

 

 そう言ってポケットから取り出したケータイを手渡し、看板の元へ走っていく。

 

(せわしないなぁ……)

 

 そう思っているうちにいつの間にか看板横で両手ダブルピースをしながら「ピース! ピース!」と声を上げている。

 

「じゃあ撮るよー! ハイ、チーズ!」

 

 

 

 

 

────────────────

 

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────

 

 

 

 

 

「いやぁ! ホントに助かりました!」ピカッ

「(笑顔眩しッ)いいって、いいって! ヒーロー志望だし!」ニコッ

「お礼をぜひさせていただきたい! …ですが、これから試験ですのでお互い準備が必要でしょうから日を改めさせていただきまた後日ということで」ペコペコ

「いいよ、いいよお礼なんて!」フリフリ

「ではまた後程お会いしましょう! それではっ!!」ビュンッ

「ほんとに大丈夫だからっ……! ──って、行っちゃった……」オキザリ

(ん? っていうか……)ン?

「名前も連絡先も知らないんだけど……」アゼン

 

 

 

 

 

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────

 

 

 

 

 

 

『今日は俺のライブへようこそー!!! エヴィバディセイヘイ!!!』

 

 試験内容聞くため集められた部屋でDJのような衣装に身を包んだトサカ頭の男が観客に何かを求めるようなコールを送る。実際にはライブを見に来た観客などではなく受験生なのだが、求められると応えたくなる様子のおかしい美人(以降“変美人”)が1人この会場に紛れ込んでいた。

 

「(ヤヤッ! 何かを求められているッ! えぶりーばでぃせいへい…ということは)ヘイッ!!!」

 

 不正解である。

 

『うおっ! ──サンキュー!!! そこのビューティーリスナー!!! 欲しかったのはYOKOSOーだけどな!!!』

(ガーンッ……!! そうでしたか……)ションボリ

『それじゃあ受験生のリスナー! 実技試験の概要をサクッとプレゼンするぜ!! アーユーレディ!?』

(早速来ました挽回のチャンス! これなら分かりますよ! 答えは…)

 

『「YEAHH!!!」』

 

 正解である。

 しかし、応えている1人以外の受験生は自分もしたほうがいいのかとなんとも複雑な心境になっている。

 はっきり言うのであれば、この2人だけの空気感がとてつもなく気まずい。

 そういう意味では不正解である、出ていけお前。

 

「すごいよあの人多分プレゼント・マイクのこと知らないのにすぐに適応しちゃったよ! やっぱり雄英受ける人は優秀な人が多いんだなあ……!」ブツブツ

「両方うるせぇ」イラァ

 

『入試要項通り! リスナーにはこの後、10分間の“模擬市街地演習”を行ってもらうぜ!! 持ち込みは自由! プレゼン後は各自指定の演習会場に向かってくれよな!!』

 

(ロボが相手では【白】と【黒】は使えませんね!大人しく【赤】か【青】を使いますか! 昔は大丈夫だったんですけどねぇ……。持ち込み自由の部分は私にはあまり関係ありませんなぁ……。〝個性〟に触媒などの外部要因が必要な方や何かしらを貯め込む方は必要なのでしょう。私はどちらかと言えば後者ですg『O.K.!?』っとと……! え〜っと)

 

「YES,SIR!!(あいさつは基本ですからね!)」

 

 プレゼント・マイクは心なしか嬉しそうな目でこちらを見ている!

 

『演習場に“仮想(ヴィラン)”も三種・多数配置してあり、それぞれの“攻略難易度”に応じてポイントを設けてある!! 各々なりの〝個性〟で“仮想敵”を行動不能にしポイントを稼ぐのが君達の目的だ!! もちろん他人への攻撃等アンチヒーローな行為は御法度だぜ!?』

 

(大体プリントに記載されている通りですね! 必ずしも破壊しなくとも良いと言うのはいささか新鮮な感じですねぇ……。試験内容自体は特に問題があるわけではありませんが……──プレゼンでは三種、プリントには四種、誤字でしょうか? んー……もやもやするのでとりあえず聞いておきましょう!)

 

「ハイっ!「質問よろしいでしょうか!?」」

 

「むっ!?(さきほどから騒がしい……)」

「おや?(あやや……被ってしまいましたか!)」

 

 重なる質問、聳え立つ2本の手。変美人が振り返ると真面目さを隠し切れない眼鏡をかけた少年──飯田天哉(いいだてんや)と目が合った。片や変美人、片や眼鏡。はたから見れば相性が良さそうに見えないこの2人、冷や冷やとした空気が少し流れるが杞憂する事態は起きない。

 

「どうぞ、お先に!」

「ハッ……気遣い感謝する!」90度ペコッ

 

「プリントには四種の敵が記載されております! 誤載であれば日本最高峰たる雄英において恥ずべき痴態!! 我々受験生は規範となるヒーローのご指導を求めてこの場に座しているのです!!」

(おお! 私と同じだったようですね! いいですねぇ! 気が合いますねぇ!)ニマニマ

 

「ついでに……」

 

「そこの縮れ毛の君! 先程からボソボソと……気が散る!! 物見遊山のつもりなら即刻、雄英から去りたまえ!」

「ビクッ!? すみません……」

「「クスクス」」モブ

 

 ──実のところ、飯田は変美人のことも注意しようとしていた。1人ただはしゃいでいてふざけているのかと思ったからだ。ただ先程の短い2人のやり取りで変美人が見せた真摯な対応に考えが変わった。この人は騒がしいが、ふざけてこの場にいるわけではないのだと。──ちなみに変美人は縮れ毛が注意されたことをまったく気にしていない。結構ドライだ!

 

『オーケーオーケー受験番号7111くん、ナイスなお便りサンキューな! そっちの美人リスナーも同じ質問でいいか!?』

「ハイっ! 問題ありません!!」

『オーケー! じゃあまとめて答えていくぜ! 四種目の敵は0P! そいつは言わばお邪魔虫! スーパーマリオブラザーズやったことあるか、レトロゲーの!? あれのドッスンみたいなもんさ! 各会場に1体! 所狭しと大暴れしている“ギミック”よ!』

 

「なるほどな……避けて通るステージギミックか」モブ

「まんまゲームみてぇな話だぜ、こりゃ」モブモブ

 

「有難う御座います! 失礼しました!」90度ペコッ

 

『俺からは以上だ!! 最後にリスナーへ我が校の〝校訓〟をプレゼントしよう!』

『かの英雄ナポレオン=ボナパルトは言った!「真の英雄とは人生の不幸を乗り越えていく者」と!!』

 

『〝Plus Ultre〟!!』

 

『それでは皆良い受難を!!』

 

(ああ! いよいよですね! 私、わくわくが止まりません!!)

 

 ──これから始まるすべて試練に胸を躍らせ、私は半ばライブハウスと化したこの場所を後にした。




 図書館を買ったんですけどロボトミ終わってないのでプレイ出来ません。

 一応ストックありますが、無くなると心の余裕がなくなって[恐怖!]するので小出しで出していきます。
 誤字報告ください。感想くだひゃい。
 
 今日のポンコツ日記:育成中のランク4職員が雪の女王に凍らされてたの忘れて1日終わってしまった。

オリ主のイメージ像欲しい?(絵下手な奴がマウスで描いた)

  • 寄越せ
  • いらん
  • どけ!私が描こう
  • 自己補填できてるので大丈夫です
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