正義の未熟者「私」   作:春萌枯らし

3 / 19
 この小説を書くにあたってプロムン大好きな友人に設定などの意見を求めたのですが、ヒロアカについては全く知らなかったそうです。それでも相談に乗ってくれた彼に感謝しています。

 ちなみに現在私は原作漫画を26巻までしか持っていないので27巻以降の詳細な内容を把握していません。絶対揃えるのでお待ちをば。

 1話と結合すればよかったと後悔している2話目です。楽しんで頂けるなら幸いです。


第2話 実技試験をdelete

 

 模擬市街地

 

「おぉー!! 広いですねぇスゴイですねぇー!」キョロキョロ

 

(((こいつかよ!!!)))

(む、先程の)

(あの人全然緊張してへん!?)

 

 周囲の受験生がこれから始まる試験に備えて瞑想、準備運動、装備の確認、イメージトレーニング等、思い思いの時間を過ごしていた。

 そんな中にいる空気を読まないマイペース声でか人間、悪目立ちするのは必然である。当の本人は自身の周囲に人のいないスペースが出来始めていることに全く気付いていない。

 

(街ですね! ここまで広く物陰もそれなりにあると移動系と索敵系の〝個性〟の方が羨ましいですね! ──となれば、最初は足を止めず脆い“仮想敵”で稼ぎながら人が少ない所に行きますか!)

 

 ポイントの奪い合いで負ける気はしないが受験生同士で積極的に争うのは避けたい。私たちは共にヒーローを志す仲間なのだと本気で考えていた時……

 

『ハイ、スタートー!』

 

「「「え?」」」

 

 前触れの無い突然の開始合図に受験生は反応できずにいた。

 ……1人を除いて。

 

「(DJ試験官の声!! スタート言いましたね! では……)お願いしまーす!!」

 

 ──何故か入口に最も近かったのが私1人だけだったのもあるが、それ以上に優れた状況判断力と瞬発性、思い切りの良さ。結果として、私は最高のスタートダッシュを切ることが出来た。

 

 私が道を進んで少し経った時──

 

『どうしたあ!? 実戦じゃカウントなんざねえんだよ!! 出遅れてんぞ走れ走れぇ!! 賽は投げられてんぞ!!?』

 

 そうして後ろからドタドタと足音がこちらに近づくのが聞こえてくる。私は足の速さには自信があるがそっち方面の〝個性〟持ちには負けるので今のうちに武器を出して戦闘に備えておくことにする。

 

 フーっと息を吐く。ちゃんと使うことは久しぶりだが大丈夫、慣れてる。私なら、やれる。

 

 人々は大昔から罪を犯してきた。

 『なぜ彼らはそのようなことをするのだろう?

  それが悪いことだと知っているのに。』

 

 頭に響く誰かの声。

 

 かつての自分か。

 

 今の私か。

 

 もしかしたら会ったことも無い誰かかもしれない声。

 

 

 ……それは今考えてもしょうがない。やれやれ、考え事止められないのは癖だ。

 

 ──そう今は……

 

「【くちばし】*1お借りします!」

 

 この試練を全力でこなしましょう!

 

 ──特撮の変身のように私の衣服に変化が訪れる。

 先程まで来ていたスポーツウェアが赤いプロテクターが備えられた白いスーツに赤いネクタイを付けたものへと変わっていく。

 首元にはネックレス、手元には赤い模様のある白色の拳銃が現れ、それを道の先でこちらを見ている“仮想敵”のロボに向けて構えた。

 

『標的補足!! ブッ殺ス!!』

「お口が悪いですね!」

 

 手始めにコレで試してみることにする。自身の〝個性〟がどれだけ通用するかの検証だ。銃口をロボのカメラに向けて引き金を引く。

 Bang!

 続けて頭部と胴体を繋ぐ首を狙うために少し横にステップしつつ、そのまま数発お見舞いしてやる。

 Bang!Bang!Bang!バキッ!ガシャン!

 結合部分が壊れて支えを失った頭部が地面へと落下して乱雑な音を立てる。

 

「これで1(ポイント)……んー、1体ならまだしも複数を相手取るならコレでは少々パワー不足な気がしますね!」

 

 出して早々ではあるがメイス系か槍系に変えてしまおう。……尻軽というわけではありませんよ?

 

「──さて、どんどん行きますか!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────────────────

 

────────

 

────

 

 

モニタールーム

 

 

「今年はなかなか豊作じゃない?」

「いやー、まだわからんよ」

「真価が問われるのは……これからさ!!」

 

 

────────────────

 

────────

 

────

 

 

 

 

 

 

 BAAAN!!

 

「今ので、えーっと51Pですかね!」

 

 すでに【くちばし】から装備は変えており、首から下は黒スーツに拘束具のようなベルトが巻き付いたベージュのコートを羽織ったものになっている。顔は口元がベルトでぐるぐる巻きにされ、両手には先端がひしゃげた鉄の塊になっている巨大ハンマーを持っている。

 

 狩場を見つけたら腰を据えようと元々考えて居たが【後悔】*2に変えてからの激しい破壊音を認識してこちらにやってくるロボがたくさんいたのは幸運だった。

 

 ──途中3P敵にボコボコにされている人がいたので勝手ながら辻斬り的にぶっ壊してしまった分はカウントしていない。もしかしたら悪いことをしてしまったかもしれないが私だってヒーロー科に入りたいのだ。多少はなりふり構って居られない。

 

「このあたりにはもう居なそうですし移動するとしまっ『BOOOOOOM!!!!』──ややッ!!?」

 

 ──突然の破壊音、それもビルの爆弾解体でもやっているのではないかと思うほどの大きさだ。

 振り返って見ると、ここから少し離れた場所で10階建てビルほどの高さの巨大ロボの後ろ姿があった。それと轟音に紛れて受験生が逃げ惑う声も聞こえてくる。つい一刻前までと一変し一気に混沌とした状況に変わってしまったようだ。だが、私はこの混乱の正体を知っている。

 

「来ましたね!! 例の0P敵が!」

 

 質量を存分に生かした破壊力は確かに凄まじいようだが、鈍重であるため移動能力は低いようである。肌感【WAW】程度と予想する。少なくとも今の私では撃破することは至難の業だ。

 

 ──なので今回は撃破ではなく、別の目的で向かうことにする。

 

「火力検証と行きましょうか!」

 

 私の〝個性〟は逐一【武器】を切り替えなければ威力の調整が難しい。故に強い武器の火力検証を行うのに耐久性のあるサンドバックが前々から欲しかったのだ。的が動いてしまっているが、あの速度なら反撃される心配も無い。自宅でぶっ放す訳にもいかないので我慢していたのだが、Pも十分稼いだし少しくらい羽目を外すのも許されるだろう。許してください審査員の皆様方。

 

 ──そうこうしているうちに0P敵の右背面に辿り着く。さて、それでは好き放題させてもらいましょう。

 

「さあ! いきましょうか! 【4本目のマッチの──」

 

(SMAASH!!!)

 

 バッゴオオォォン!!!!!

 

 ──その時、0P敵は正面から受けた超パワーによって破壊され、その勢いのまま上体が後ろに引っ張られ鉄くずとなって倒れてしまった。私の目の前で……。

 

 ズウウゥゥ……ン

 

 再起不能に……。

 

 

 

「──NOOOOOOOOO!!!??」

 

 あ、あんな変わり果てた姿にいぃぃぃいいいい!!? 起きて下さい! 起きて下さい! あ、あなたにはまだ用があって……それで……。

 

 

 

『終了~~!!!!』

 

 そ、そんな……う、ううぅ……ひっぐ。

 

 

 

 

 ──────そこから先は……よく覚えていません。その場でしゃがんで沢山泣いてしまっていたら近くに来てくれた誰かが私の手を引いてくれて一緒に会場を出てくれた気がします。やけに優しくしてくれました。おててがたくさんありました。途中でおばあちゃんが頭をよしよししてくれました。あなたも受験生ですか……? 皆さんにはポイントうまく稼げなかったか0P敵が怖くて泣いてしまったかと思われていた気がします。ううぅ……。

 

 

 こうして私の入試試験は幕を下ろした。

 

 

 

 

 それから1週間後、雄英からの郵便物が来ていたと母から渡された。自室で中身を確認するとプロジェクターのような機械が入っていて、スイッチを入れると空中に映像が映し出された。すると、自らを校長と名乗るスーツに身を包んだ小動物──根津が現れ、私が試験に合格したことを告げた。

 

 ──筆記試験の結果は自己採点である程度は知っていたが「ほとんどの教科が満点であったが、国語にももう少し力を入れようと」と、言われてしまった。分かっていたことだが、いざ言われると少々しょんぼりしてしまう。昔から国語は苦手なんです……。

 

 実技試験は敵P54点でそれだけで合格圏内だったが、それだけでなく救助活動Pなるものがある事を告げられた。曰く、人助けに当たる行動が雄英教師陣によって審査されPとして割り振られるのだと。どうやら私は12点だったようだが、恐らく少ない……と思う。……確かに、正義のヒーローを志すならそういうものも基礎能力として加点対象になるのかと一応の納得はした。

 

 それと、No.1ヒーローのオールマイトが今年から雄英で教師を勤めるらしい。正義のヒーローを体現する彼に一度でもいいから会って話したいとずーっと思っていたが、その夢がこんな形で叶うとは思っても見なかった。

 ああ、嬉しい! 凄く嬉しい!! 母に報告しなければ!

 

 今から入学が楽しみで仕方がない。

 

 ──そういえば、救助活動Pが審査制ということはあの場には至る所にカメラがあったということに……。大泣きしている場面も見られていたことでは……。

 

 「ウギャアあぁぁぁああ!!!」

 

 は、はずかしいぃぃ! どんな顔して先生方に会えばよいのか分からないですよー!!

 

 ────よし、忘れましょう! 3……2……1……ポカン!

 

 

 

 

────────────────

 

────────

 

────

 

 

 

「実技総合、成績出ました」

「救助P0で1位とはな!!」

「“1P”“2P”は標的を補足し近寄ってくる。後半、他が鈍っていく中、派手な〝個性〟で寄せつけ迎撃し続けた。タフネスの賜物だ」

「対照的に敵P0で7位」

「アレに立ち向かったの過去にもいたけれど……ブッ飛ばしちゃったのは久しく見てないね」

「思わずYEAH! って言っちゃったからなー」

「しかし自身の衝撃で甚大な負傷……まるで発言したての幼児だ」

「妙な奴だよ。あそこ以外はずっと典型的な不合格者だった」

「細けえことはいんだよ! 俺はあいつが気に入ったよ!!」

「────それにしてもこの5位の子、すっごく綺麗じゃない。成績もいいしすごいわね」

「あら、試験終わりにずっと泣いてた子だね」

「そいつは知ってるぜ! 俺のプレゼンでノリに乗ってた奴だ!」

「〝個性〟で武器を作っていたが、その全てを使いこなしていた。この年でかなりの実力だな」

 

(……ったく、わいわいと…………しかしこいつ、戦闘慣れしているようだが、感情の浮き沈みが異様だ。まるで成長期を迎えてない子供だ。それに……こいつのプロフィールの備考に書いてあるこれは……)

 

 はぁ、と息を吐く。これから雄英に来る台風の目の如しトラブルメーカーたちに備え、準備しなくては……と。

*1
赤0.7 白0.8 黒1.2 青2.0──罰鳥

*2
赤0.7 白1.2 黒0.8 青2.0──捨てられた殺人者




 タグ付けって意外と難しく適当になっているのでその内増えるかもしれません。このタグあったほうがいいよ! ってのがあったら教えてくれるとめちゃ嬉しい好き。

 いかんせん私、こういう投稿の類は見る専でめっぽう初心者なもので何卒お許しください。

 恋愛タグつけたいけど筆者は恋愛初心者なので描写が終わり散らかしそうという思いから尻込みしています。恋愛要素出すとしても原作カップルの邪魔はしたくない。

 誤字報告ください。感想くれたらかーなーり嬉しい!

 今日のポンコツ日記:山田くん鎮圧中に死者が出たと報告されたので鎮圧メンバーの誰かが死んだんかと思って確認したんですけど全員無事だったんですよね。じゃあ誰だ、と思ったら美女と野獣に2回目の抑圧作業してたみたいです。幸せなテディ同様、皆さんは作業順序事故にはくれぐれもお気を付けください。

オリ主のイメージ像欲しい?(絵下手な奴がマウスで描いた)

  • 寄越せ
  • いらん
  • どけ!私が描こう
  • 自己補填できてるので大丈夫です
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。