正義の未熟者「私」   作:春萌枯らし

7 / 19
 戦闘描写なんて初めてなので練習も兼ねています。未来の私の表現力UPしていれば、修正を行います。

 最近インフル流行ってません? 今年は色んな学校で学級閉鎖が多いと聞きました。

 それでは第6話お願いします。


第6話 屋内戦闘 ~管理人のすゝめ~

 

 地下モニタールーム

 

 演習場に選ばれたビルの地下にて、建物内の至る所に仕掛けられたカメラから送られてくる映像を複数のモニターが出力している。私は見られる側しか経験したことが無かったので、こちら側に立っているというのはすごく新鮮で妙な感じがする。管理人はいつもこんな感じだったんですかね……。元職員としては少々感慨深く思えてならない。

 ──あの人は、こんな私を……許してくれますかねぇ……

 

「──どったの三鳥ちゃん? 考え事?」

「っ! あぁ、いえ何でもないですよ!」

「えーほんとそれー?」

「枝瑠職、緊張してんのか!? 自分の番じゃねえけどよ、俺はすげえ楽しみだぜ!!」

 

 急に芦戸さんに声を掛けられて驚いてしまった。楽しみ……ですか。私も──

 

「楽しみですよ!」

「おう! やっぱそうだよな!」

 

 元気をもらいました。ありがとうございます切島くん。──前の事はしばらく考えないようにしよう。私の〝個性〟は心が重要。今の私じゃ向き合うだけ周りに迷惑を掛けてしまう。正義のヒーローとなるため、今は彼らとの時間を大切にしましょう。

 

「そろそろ始まるぞ! おしゃべりはほどほどにな!」

「「はーい!!!」」

 

────────────────

 

────────

 

────

 

「さぁ、君たちも考えて見るんだぞ!」

 

 演習が始まり、ヒーローチームが窓からビルへと侵入した。ヒーローチームは核兵器の場所が分からず、緑谷と麗日は双方ともに索敵や情報収集に適した個性ではなく、敵の確かな位置が分からないためビル内を慎重に進んでいる。

 一方、敵チームは飯田がビル最上階の5階にて核兵器の守り、爆豪は各フロアを1人単独行動をしていた。敵チームも索敵はいない為、相手の情報を探るための斥候役は必要だがそれならば『エンジン』の飯田が適している。あえてこの割り振りにした思惑は……

 

「バクゴウくんの独断専行ですね!」

 

 爆豪が角から飛び出してヒーローチーム──の緑谷に向けて奇襲の右腕からの爆破。BOOM! しかし、緑谷は近くにいた麗日を庇いつつ直撃を避けて距離をとる。

 

「爆豪ズッケぇ!! 奇襲なんて男らしくねえ!!」

「奇襲も戦略! 彼らは今、実戦の最中なんだぜ!」

「ミドリくん、よく避けれたな!」

「え?」

「ゴメンもじゃもじゃの方」

 

 爆豪は再度攻撃するために右腕を大きく振りかぶるが、緑谷は爆破が起きる前に爆豪の懐に入り込み、右腕を掴み取って背負い投げてしまう。

 デクくんは相手方の個性や行動パターンを分析してそれを軸に戦うタイプのようです。奇襲の一撃を避けれたのはバクゴウくんのことを長い期間でよく分析していたからでしょう。幼馴染って聞きました羨ましいですね。それにしてもこれでもか、ってほど個性が本人の体と得意に合ってませんね。

 ──おや、デクくんが何か言ってバクゴウくんが怒り始めました。

 

「アイツ何話してんだ? 定点カメラで音声ないとわかんねえな」

「天哉くんからの無線を無視しない辺り精神力高いですねぇ!」

「その通り! 小型無線でコンビと話してるのさ! 持ち物はそれ(プラス)建物の見取り図、そしてこの確保テープ! コレを相手に巻き付けた時点で“捕えた”証明となる!!」

「制限時間は15分間で核の場所はヒーローに知らされないんですよね?」

「Yes!」

「ヒーロー側が圧倒的に不利ですね、コレ」

「相澤くんにも言われたろ? アレだよ、せーの!」

「「「Plus Ultra!!──「あ、ムッシュ爆豪が!」

「ウルトラ! ウルトラ!」

(無邪気だね、枝瑠職少年……!)

 

 ──爆豪は緑谷しか眼中になく戦闘から離脱した麗日には目もくれない。爆豪は動きを読まれることを避け、攻撃パターンを変えて空中での蹴りを放つが緑谷はそれをガード、隙のできたその脚へ確保テープを巻き付けにいく。爆豪はそれを嫌がり右腕からの爆撃を浴びせようとするがその動きを読んだ緑谷は体勢を低くし、右脇へと抜ける。緑谷は回避を優先しテープを巻き付け切れなかったため状況は再び元に戻る。

 

「おお! 冷静ですねデクくん!」

「爆豪は入試1位だろ!? 〝個性〟使わず渡り合ってるぞ!」

 

 だがデクくんにはバクゴウくんに勝つための“決め手”が無い。バクゴウくんが焦りと謎のこだわりがあるからこそギリギリ成り立っている一連の流れ。麗日さんには核を探しに行ってもらったので数の暴力を押し付けることもできない。

 デクくんは「このままでは駄目だ」と考えたからか戦闘を中断し一時撤退を選択する。それを許してしまったバクゴウくんは──

 

「なんかすっげーイラついてる」コワッ

 

 一方そのころ5階フロアでは、核の傍にて敵役を演じていた飯田とそれを見て吹き出し、潜伏がバレた麗日が対峙していた。5階フロアには麗日の『無重力』対策で飯田が全ての物を片付けてしまったので核以外何もない。麗日は浮かせる物が無く、飯田は余計な障害物を気にせず走ることのできる有利な状況。

 

 ──そして爆豪と緑谷が再び出会う。

 

 しかし、先程と打って変わって即座に攻撃を仕掛けに行かない爆豪。──彼のコスチュームには両手にMk2手榴弾を模した籠手が付いている。何かを口にしながら右手にあるそれをゆっくりとした動きで緑谷へと向け、籠手から出ているピンに左手の指を掛ける。

 

「爆豪少年ストップだ! 殺す気か!」

 

 その場の音声を唯一聞いているオールマイトがマイクを通して急ぎ伝えるが、爆豪はそれを聞かずピンを外したその瞬間────

 

 DOOOOOOOOOOOOOOON!!!!!

 

 一瞬にして空気が破裂したかのような轟音。爆発の威力は凄まじく、ビルの壁と床を抉り吹き飛ばした。乾いた空気に爆煙と砂塵が漂い、周囲には瓦礫が無数に転がっている。生み出された衝撃は地下のモニタールームにも伝わってくる。

 

「授業だぞコレ!」

「……!! 緑谷少年!!」

 

 この事態に皆は動揺を隠せない。オールマイトも爆発をその身に受けたかもしれない緑谷の無事を案じている。

 そんな中、枝瑠職はというと……

 

「……あぁなんて! なんてあなたは凄いんですか爆豪さん……!! ああぁぁ、あんなものを敵が受けるかと思うとゾクゾクしてしまう!!!」

「み、三鳥くん? キャラ崩壊してない……?」

「透さん!! 私は! 今! 心を!! 揺さぶられているのですよ!!!!」

「へ、へえ~……」

「私も混ざりたい私も混ざりたい私も混ざりたい私も混ざりたい私も混ざりたい!」

「コイツ爆豪よりヤベェやつなんじゃねえか!?」

 

 モニタールームにあったひりついた空気は突如として湧いた別の空気によってかき消された。クラスの“手に掛かる末っ子”的なポジションに成り掛けていた枝瑠職の豹変ぶりに皆驚きの色を隠し切れない。賑やかな動きで狂喜乱舞している。

 

 ──枝瑠職が暴走している間にも戦闘訓練は状況が変わり続けている。5階では麗日が飯田の隙を突いて自身を浮かし頭上を飛び越え、個性解除によって元に戻る重力の影響で核に飛び移ろうとしたがスピード勝負は飯田の本領。麗日が触れる前に『エンジン』のスピードで核を持って離れてしまった。こうなっては麗日だけで勝利条件を達成するのは難しい。緑谷がなんとかしなければならない。

 緑谷の前には今度は左の籠手で先程の最大火力を撃とうとしている爆豪がいる。

 

「先生止めた方がいいって! 爆豪あいつ相当……(チラッ)……1、2にクレイジーだぜ、殺しちまうぜ!?」

「いや……爆豪少年、次それ撃ったら強制終了で君らと負けとする。屋内戦において大規模な攻撃は守るべき牙城の損壊を招く! ヒーローとしてはもちろん敵としても愚策だ、それは! 大幅減点だからな!」

 

 オールマイトの本気の警告を流石の爆豪も突っぱねることは出来ず、近接戦闘を仕掛けるべく爆発の推進力を活かした空中飛行で緑谷へと接近する。

 緑谷はあの爆発に呑まれはしなかったものの極至近距離にいたためダメージを受けている。そして周囲の床は少し不安定になっている。回避を真っ先に考えたがそれらの影響で急な動きに踏み切れず、自信ないまま否応無く反撃に移らされる。

 しかし、爆豪は爆発を駆使して緑谷の背後へ回り無防備な背中へと爆発を繰り出す。

 

「目眩しを兼ねた爆破で軌道変更。そして即座にもう1回……考えるタイプには見えねえが意外と繊細だな」

「慣性を殺しつつ有効打を加えるには左右の爆発力を調整しなきゃなりませんしね」

「才能マンだ才能マン。ヤダヤダ……」

 

 爆豪の猛攻は止まらない。右腕での単純な殴りから緑谷の腕を掴み取り、自身を回転の軸に左の爆破で勢いをつけながら緑谷を地面へ叩きつける。

 

「リンチだよコレ! テープを巻き付ければ捕らえたことになるのに!」

「ヒーローの所業に非ず……」 

「緑谷もすげえって思ったけどよ……戦闘能力に於いて、爆豪は間違いなくセンスの塊だぜ」

 

「あ、逃げてる!」

「男のすることじゃねえけど仕方ないぜ。しかし変だよな……」

「デクくんが〝個性〟を使わないことが、ですか!?」ヒョコッ

「戻ってたのか……! いや、そう! まさにそれだ!」

「デクくんは個性把握テストで1回しか〝個性〟を使いませんでした! しかもその1回で指がぐちゃぐちゃに! 威力が調整できないなら直撃で爆豪くんは肉爆弾みたいになってしまいます!」

「おいおいマジかそれ……! ピーキー過ぎんだろ」

「結構エグいこと平然と言うのすごいね……」

 

 緑谷は壁に背を付け、爆豪はそこへ何かを喚きながら歩を進めている。一方は目尻に涙を浮かべ、もう一方は多くの冷や汗を浮かべて冷静でなきまま2人は言い争っている。

 そして互いに相手へ接近し右腕を振り翳そうとし始める。ただ、緑谷の様子が少し異なる。右腕に〝個性〟を使っているようだ。

 

「ややっ! 使いますか!」

「先生!! やばそうだってコレ! 先生!」

「フィルター無いですよ! ショッキングなもの写しちゃいますよ!」

 

 枝瑠職は人死にへの忌避感は薄い。人はいずれ死ぬ──これは絶対だ。しかし、好んで見たいとも思わないし避けられるものは避ける。新人というのは組織全体で守り育てるべき存在。一訓練で潰れてしまうのは勿体ない。

 ──それに彼らとはもう友達なのだ。好きな人はなるべく長生きしてほしい。

 

「双方……中止……」

 

 歯痒い思いをしながらもオールマイトは絞り出すようにそう言おうとしたが、インカムから聞こえてきた緑谷の言葉に言い切らず立ち止まる。

 緑谷はタイマンでは爆豪には勝てないと踏み、勝利条件──核の回収のために準備を進めていた。緑谷は拳を天井に向けて打ち、凄まじいエネルギーが5階フロアまで届く。ちょうど飯田と麗日の間の床を破壊して一部の柱を建物から剥がし、瓦礫を浮かび上がらせる。麗日は建物との結合が外れた柱を無重力にしてそのままバットのように振りかぶり、宙に舞った礫を飯田へとお見舞いする。飯田が防御姿勢をとった一瞬の隙を突き、自らを浮かせて穴を飛び越え、核に触れることに成功する。

 

「ヒーロー……ヒーローチームWIIIIIIN!!!」

 

「負けた方が無傷で勝った方が倒れてら……」

「勝負に負けて試合に勝ったというところか」

「訓練だけど」

「ああ、完全に分かってしまいました……! 私のサンドラッグちゃん(仮)をスクラップにしたのは……」

 

 

────────────────

 

────────

 

────

 

 

「まあ、つっても……今戦(こんせん)のベストは飯田少年だけどな!!!」

「なな!!?」

「勝ったお茶子ちゃんか緑谷ちゃんじゃないの?」

 

 

 第1試合に出ていた、保健室に行った緑谷を除く3人がモニタルームに合流し、全員で先の試合の講評を行っていた。オールマイト先生の言葉に天哉くんは驚きの色が隠せないようだ。実際その評価に付いていけてない生徒もいるし、なんなら私もそっち側だ。

 

「何故だろうなあ~? わかる人!!?」

「ハイ、オールマイト先生」

 

 オールマイトの問いかけに挙手したのはあの時(※個性把握テスト)のポニテ女子。──というか貴方もその……コスチューム防御力低すぎませんか?

 

「それは飯田さんが一番、状況設定に順応していたから。爆豪さんの行動は戦闘を見た限り私怨丸出しのの独断。そして先程先生も仰っていた通り屋内での大規模攻撃は愚策──緑谷さんも同様の理由ですね。麗日さんは中盤の気の緩み、そして最後の攻撃は乱暴すぎたこと。ハリボテを“核”として扱っていたらあんな危険な行為出来ませんわ。相手への対策をこなし、且つ“核の争奪”をきちんと想定していたからこそ飯田さんは最後対応に遅れた。ヒーローチームの勝ちは“訓練”だという甘えから生じた反則のようなものですわ」

「……!!」ジーン

「ま、まあ飯田少年もまだ固すぎる節はあったりするわけだが……まあ、正解だよ。くう……!」

「常に下学上達! 一意専心に励まねばトップヒーローになどなれませんので!」

 

 え~っと~……難しいですね。つまりぶっ壊しすぎ、雑すぎはダメということですかね。でも爆豪くんは敵なわけでなりふり構わずはむしろ正しいような……。1人じゃ分からないので聞いてみましょう。

 

「ハイ! 質問いいですか!?」

「なんだい!? 枝瑠職少年!」

 

 オールマイトは嬉しくなっている。言いたいことを全部、ポニテ女子こと推薦入学者が1人──八百万(やおよろず)(もも)に言われてしまって、先生らしいことをちっとも出来なかったからだ。

 

「はい! えーっと、デクくん、ではなくて緑谷くんはヒーローなので建物への被害を抑えた方がいいのは分かったのですが……爆豪くんは敵で、しかも核を街中に持ち込む頭のおかしい敵です。周りのことを考えず攻撃しても別に違和感はないと言いますか……いざというときは自分もろとも核を起動しそうと言いますか……」

「ふむ……いい着眼点だ! 確かに、後先考えない行動を取ってくる敵も中にはいる。だが、わざわざ大きな核を街中へと隠しているのに目立つ行動をすることは考えられにくい。それに隠しているということは、その時点では核を破壊目的で使う可能性は低い!」

「おお! 理解しました! ありがとうございます!」

「だが万が一ということもあるからね。ヒーローサイドとなったチームはそういう点も意識してみよう!!」

「分かりました! 私が敵チームになってヒーローに追い詰められた時は諸共自爆してやります!」

「そ、そういうことじゃないんだがね…………ま、まあ気を取り直して次の試合行ってみよう!」

 

 ふふ、また1つ賢くなっちゃいました! 

 




 頭のおかしい場所で頭のおかしい敵とばかり相手してきたからその感覚が抜けないんですかね、知らんけど。

 次回はオリ主の戦闘描写が入ります。頑張るぞい。

 それに伴い、属性(主に白と黒)のオリジナル設定が入ります。原作を重視する方がいましたらすいません。自己防衛お願いします。

 感想お待ちしています。また来てました。ウレシイ!!!

 今日のポンコツ日記:列車がイイ角度で来るんですよねぇ(遠い目)

オリ主のイメージ像欲しい?(絵下手な奴がマウスで描いた)

  • 寄越せ
  • いらん
  • どけ!私が描こう
  • 自己補填できてるので大丈夫です
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。