東方、竜と桃色玉の英雄伝 作:プルコギ
裏山では戦闘が激化し、山が崩れるのではないかと恐るほどの揺れや爆発がおこった
裏山の麓にたどり着いたピサロと霊夢は裏山の天辺にいる竜化した真竜王と宙に浮くゾーマを目の当たりにした
ピサロ「山には入れない!」
霊夢「あのボスの特権とやらかしら!」
ピサロ「ちっ、初代様ならやりかねないな、ここからじゃ良く見えない、どうすれば…」
霊夢「私に乗る?」
ピサロ「馬鹿言うな、墜落する」
霊夢「何を〜、私の力をあまり舐めないことよ!」
ピサロ「そういう問題じゃないだろ!体格的にも精神的にも無理だ」
霊夢「大丈夫よ大丈夫」
ピサロ「風で吹き飛ぶような奴がか??」
霊夢「」
ピサロ「霊夢には私は重すぎる、別の方法を探す」
霊夢「あ、陰陽玉に乗るってのは?」
ピサロ「で…出来るのか?」
霊夢「出来るわよ多分、操作するのは私だから時々荒ぶるけど」
ピサロ「う〜む……」(死ぬな)
霊夢「ほらほら、どーんとこい」
ピサロ「いや、遠慮しておく」
霊夢「だーいじょぶよ、だーいじょぶ」
そう言って陰陽玉をピサロの腹にブチ当ててすくい上げ、裏山を見下ろせる高さまで上昇した
洗濯物みたいにぶら下がるピサロは若干涙目になっていた
あたりどころが悪かったのだろう
霊夢「ほら!大丈夫でしょ?」
ピサロ「〜〜〜〜!!」
霊夢「え〜っと…大丈夫?」
ピサロ「馬鹿野郎…っ、」
霊夢「それよりアレ見て!」
裏山の天辺では炎と氷がぶつかり合い常に爆風が吹き荒れる
風に煽られながら霊夢が指をさす先には明らかに行動がガタついて来ているゾーマがいた
ピサロ「ゾーマ浮いてる!」
霊夢「そっちじゃないでしょ!!」
ピサロ「え?」
霊夢「ほら、なんか片眼だけこっち見ててキモい悪いわ!」
ピサロ「あ〜確かに、それより炎魔法や強力技を使わない事の方が気になってな」
霊夢「へ〜」
裏山
ゾーマ「はぁっ、はぁ…」
真竜王「バテるの早いなぁ…どうしたのじゃ?」
ゾーマ「ぅぐっ、……あー、あー、」
真竜王「マイクテスト?」
ゾーマ「竜王、今までありがとうよ、」
真竜王「ぁ?」
ゾーマ「安心しろ、今は俺だ、時間も十分に稼いでもらったからな」
真竜王「あ、そうなの?てかお前いつから飛べるようになったのじゃ?」
ゾーマ「俺に取り憑いた奴せいだよ、竜王、ちょっと俺から離れて、マホカンタ唱えてくれ」
真竜王「お、おう」
真竜王はゾーマから距離をとりマホカンタを唱えた
ゾーマ「ピサローー、やっほーーー、あと霊夢ーーー!」
ピサロ「や、やっほーーー」
霊夢「何してんのよーーー!さっさと来なさーい!大変なのよこっちはーー!」
ゾーマ「なんか知んねぇけど、みんなにありがとうって伝えといてくれーーーーー」
ピサロ「何か変だ、まさかお前!!」
霊夢「まさかって?…はっ!!」
ダークマター(何だこれわ!急に体が重く…)
ゾーマ(なぁダークマター)
ダークマター(貴様いつの間にっ何を!)
ゾーマ(俺はお前に礼を言わなくちゃならねぇ、)
ダークマター(何!?)
ゾーマ(もし、お前が他の奴に憑依したら、俺は仲間の足引っ張っただろう、敵だとわかっていて庇ったりして犬死にしただろう)
ダークマター(何が言いたい)
ゾーマ(それに、お前と普通に喋ってて楽しかった)
ダークマター(はぁ?)
ゾーマ(俺さ、一度いい奴だと思っちゃうと、なかなか嫌いになれないタイプでよ、俺の悪い癖なんだ)
ダークマター(!?、体がっ勝手に!?)
ゾーマ(ホントにありがとよダークマター、魔力も充分用意できた、俺のターンだぜ?)
ダークマター(何をするつもりだ!!)
ゾーマ(これは俺が密かに編み出してた改良版メガンテの失敗作…マダンテをメガンテ化したやつだ、魔力を暴走させて解き放ち、自らも魔力と共に解き放たれる)
ダークマター(な、なんだと!?ヤメロ!!くそっ!!強く憑依し過ぎて、体から出られねぇ!!)
ゾーマ「じゃあな…!」
真竜王「!!!」
ピサロ「早まるなぁああぁああああああ!!!」
霊夢「やめてぇーーーーーー!!!」
辺りが真っ暗闇に包まれた
音も声も何も聞こえない暗黒の世界
辺りが真っ白に包まれた
耳鳴りのような音が響く純白の世界
そして辺りが赤く、青く、黒く、染まった
吹き飛ばされた霊夢を受け止め、木々にブチ当たるピサロ
マホカンタの効果で直接のダメージはなかったが、爆風に押しつぶされ山の片隅を砕いて転がり落ちた
裏山からは巨大なきのこ雲が上がっていた
アイツは爆弾岩が?はたまた核爆弾かと言わせるど派手な爆発をおこした
いつもならネタにして笑い、「アイツのことだ、どうせ生きてる」「生命力はゴキブリといい勝負」となるだろう、だが今回は違った
憑依した者を徹底的に排除するため、憑依した者が欠片から復活する可能性を考え、彼は徹底的に何も残らぬように自爆した
ピサロ「…………!」
霊夢「そんな…」
ピサロ「竜王、竜王は無事か!?」
真竜王が転げ落ちた山の片隅に向かう
崩れ落ちた岩の上に1人、人間形態の彼が立ち尽くしている
ピサロ「竜王!竜王ーー!!」
霊夢「危ない!」
真竜王の元へ向かっている途中、彼は音を立てて倒れた
岩の上に着いた霊夢とピサロは慌てて彼をおこした
ピサロ「おい!しっかりしろ!」
霊夢「息はあるわ!……タイミングが悪すぎる、神社に置いておいたら狙われるし、私たちもカービィたちが向かったところへ行く必要がありそうだし……ゼルダとロザリーも心配だわ、」
ピサロ「くそっ、」
霊夢「これは永遠亭に行くしかないわね」
ピサロ「そうか」
霊夢「貴方はロザリーを」
ピサロ「だが女性にはキツイだろう、それに怪我人を陰陽玉に乗せるのも危険だ」
霊夢「真竜王はちっちゃいから大丈夫よ」
ピサロ「そうか、なら、竜王を任せたっ!」
ピサロはまた人里の方へ走り出した
霊夢「……何も残ってないのね…」
真竜王をおぶってゾーマが命を絶った場所の真下へ来る
あたりは吹き飛び、地面が削れ荒れ果てている
どこを探しても彼の遺品は見つからない
霊夢「永遠亭に急がなくちゃ、」
真竜王を背に、あまりスピードを出さずに空へ飛び出した
人里
ピサロ「ェグッ、このっ、このっ、バカやろうっ本当に死にやがって…一発殴らせろっ、死体を残せよっ!!」
うつむきながら、長い髪で顔を隠し、涙を流しながらロザリーを探して辺りを駆け回る
爆発はボスの特権とやらで、本当に小規模で収まった
他の人たちからすれば、突然爆風が吹いてきたくらいだ
まだ、彼の犠牲を他の誰も知らない