東方、竜と桃色玉の英雄伝 作:プルコギ
キシキシと骨が軋み壁を深い振動と異常なまでに早まった鼓動が伝う
ぐちゅりと腹の中のモノが押し潰される音が聞こえた
ひゅーひゅーと喉を鳴らし息を荒げ、言葉にならない声が滲む
今、扉の向こうでは何が起きたのか
ピサロ「……勝負あったな」
真竜王「マゾヒストは勝ったのか?負けたのか?」
ピサロ「自分の目で確かめてみろ」
扉を開くと部屋の片隅で壁にもたれかかり左足が不自然な方向に曲った禁擲がいた
その目先には目を開いたまま大の字に倒れ動かなくなった残破がいる
残破は翼がもげ、頭の角は折れ、口と左目からはドス黒い血が流れ
飛び散った腕や翼からは血と色の無い透き通った液体が滲みでている
リンク「相打ち?」
禁擲「……俺の…負け…、かな…」
真竜王「そうなのか?おーい残破ー」
残破「」
ピサロ「へんじがない ただのしかばねのようだ」
禁擲「っ………」
リンク「ここまで…する必要あったのかな……」
治壊「試合は終わった?…うわぁ、気持ちわるぅ」
部屋に入ってきた治壊はそれぞれのパーツを拾い集めて治療に取り掛かった
治壊「ねぇリンク」
リンク「な、なに?」
治壊「残破のシャツの下…どうなってると思う?」
残破の腹部を指さすとそこだけ妙に凹んでいる
恐る恐る赤く染まったシャツをめくるとそこには細長いチューブのようなモノや丸みを帯びた二等辺三角形のモノが溢れ出していた
リンク「ぉぇえ、」
治壊「ぉぉわ、きもっ、おぉえぇ!柔らかっ」
ピサロ「なにつついてんだよ!!」
治壊「骨見えるで!骨!」
真竜王「お!すげぇ!」
ピサロ「……なんかダイナミック」
リンク「よくそんなマジマジと見れるねぇ…」
ラディッツ「何だこの臭い……って、派手にやったなぁ」
次に部屋に入ってきたラディッツは顔色を変えずに見るも無惨な少年を見つめている
リンク「これ女の子たちには見せられないね、僕見張ってるよ」
ピサロ「なら私も見張ろう」
真竜王「わしは見学〜♪」
治壊「みてみて!これ!腕の断面」
真竜王「おおー美味そう!」
ラディッツ「気持ちわりぃから早く捨てろ」
治壊「くっつけるよー、まだ生きてるんだから」
ラディッツ「化けもんか?こいつは」
治壊「今頃?当たり前でしょ?」
ラディッツ「そうだな、忘れてた」
残破の応急処置を済ませて先に禁擲の治療を済ませる
禁擲は見た感じあまり目立った外傷はないが内部はスクランブルエッグ状態になっていて
閉じたまぶたを開いてみると瞳は潰れて黒目は変な方向を向いている
治壊「すんげぇ」
真竜王「ジュース」
何故内部スクランブルエッグか分かったって?
もちろん首からおへその当たりまでナイフで切り開いたからだよ
もう内蔵や骨が何が何だかわからないくらい細かくなって完全にスムージーだね
真竜王「南無阿弥陀仏」
治壊「まだ死んでないよ?」
真竜王「流石にひくわ」
ラディッツ「キモいとしか言えねぇな」
キモいキモいと言いながら魔術で治療を進めていく
不思議な色をした薬品を垂らしたり、陣を描いて光を発生させたり
次第にそれぞれのパーツは本来の姿を取り戻していき
最後に切り開いた場所を手をかざして閉じると
治壊は禁擲にラリアットをかました
禁擲「うぉおおっ!いってぇええええ!!!うわあああああ!」
意識を取り戻した禁擲は全身の関節を動かして地面をのたうち回り全力で痛みを表した
禁擲「ぁあああああ!ゴッヘェェ!!ぐぉあああああ!!」
治壊「次は残破ね」
ラディッツ「何でこんなに騒いでんのこいつ」
治壊「あー、そりゃあそうだよ、あの大怪我を短時間で治したんだから遅れて痛みが襲うのよ」
ラディッツ「にしてもうるせぇなぁ、」
残破にも同じように治療を施すと
残破をうつぶせにして背に乗り、脚を掴んで思いっきり引き寄せ逆エビ固めを決めた
残破「ブフォッ!?くぁっ!!ゴォワッ!!!」
体が思いっきり曲がらない方向に曲げられ必死に地面を叩きギブアップを伝える
ようやく体が自由になると次は全身の痛みに苦しんだ
〜数分後〜
残破「俺の勝ちだろ」
禁擲「うん、俺の負けかな」
残破「だろぉ!?グッハハハハハ!!」
ピサロ「何を基準に勝ち負けを決めたんだ?」
残破「ぐふふふふ…禁擲を腐らせたのだ!」
禁擲「腐ってしまった」
ピサロ「うわぁ……」
ラディッツ「それだけ!?」
残破「それと俺は自分の技の反動で倒れたが禁擲は俺の技で倒れたんだ」
禁擲「残破は相変わらずタフだね〜」
真竜王「反動で倒れるってダメじゃん」
禁擲「残破は俺の叫び声を聞いて心配したせいでうっかり技の反動を受けちゃったんだ、性別が変わっても残破は優しいんだよ」
残破「だろ?」
リンク「何その二度と戻れない感じ」
残破「いやー、だってさぁ?無理じゃね?俺もう」
ピサロ「もうラディッツと結婚できないな」
残破「!!」
ラディッツ「もういいからその話題」
リンク「どんまい」肩ポン
ラディッツ「触んなっつの!つーか俺はこれでいいんだよ!」
残破「それならそれでいいさ、俺たちは神友だろ?」
ラディッツ「はぁ!?俺はテメェとダチになった覚えもねぇぞ?」
残破「じゃあ自称神友な!そのうち本物の神友にしてやるから!」
ラディッツ「は、はぁ?」
リンク「なんか感動的」
ピサロ「良かったね、神友だってよ」
ラディッツ「意味わかんねぇな」