白狼救済録 作:らんらん出荷マン
最後にアンケートがあります。
――SRT特殊学園・ガレージ。
キヴォトス標準時 09:30。
ブリーフィングの翌日――。
出撃準備を整えたWOLFとFOXは、連邦生徒会を象徴する純白のハンヴィー2両へ乗り込んだ。
この世界で白は“権威”の色だ。だが闇の世界では、同じ白が“道標”にもなる。
分厚いドアを閉め、作戦書類に指をかけた瞬間、無線機が鳴った。
『WOLF1、こちら
「こちらWOLF1。5 by 5、感度良好。オーバー」
『WOLF1、貴隊のタスクコールサインはHUNTER1-1。任務の最終確認を行う。ブレイク――』
『作戦目標は、情報収集による熱圧弾保管庫の特定だ。
貴隊専属の
ブレイク――』
『――ROE確認。
不用意な交戦は避けろ。
民間人・第三者への流れ弾は厳禁。
発砲した場合は、位置/敵情/被害を即時送信。交戦継続の可否は司令部が判断する。
ただし生命の危険が切迫する場合、現場判断を尊重する。オーバー』
「HUNTER1-1了解。
ハンヴィー2両、総員搭乗。異常なし。
これよりブラックマーケットへ移動開始。
『OVERLORD了解。今回はあくまで情報収集が目的だ。
朗報を期待している。アウト――』
出発報告を終えたレナは、無線を部隊内回線へ切り替えた。
「WOLF1から総員へ通達。今日はショッピングと洒落込もう――
FOX、“金の準備”はできているか?」
『こちらFOX1、準備完了。いつでも行ける』
無線の向こうから、引き締まったユキノの声が返る。
「……よろしい。では行くぞ。『我らの剣は、義の下に』」
『『『我らの剣は、義の下に!』』』
「――出発!」
『『『了解!』』』
掛け声と同時に、ドライバーのリノがアクセルを踏み込む。
ハンヴィーのエンジンが唸り、車体が低く震えた。
――
――D.U.郊外・高速道路(トリニティー方面)。
特殊学園を発ったWOLFとFOXは、案内役のヒフミを回収するため、トリニティーへ進路を向けた。
助手席のレナは、手元のヒフミのプロフィールを眺めていた。
「……似ている」
「え? 何がですか、隊長?」
独り言に反応して、隣でハンドルを握るリノが首だけを向ける。
「いや、何でもない……」
(若いな……十四歳か。髪型は違う。だが――)
名前を呼びかけて、喉の奥で止める。
指に無駄な力が入り、紙の端がわずかに潰れた。
(やめろ。別人だ)
――
――トリニティ総合学園・中央区、カフェテリア。
《The White Hart(ホワイト・ハート)》
キヴォトス標準時 11:25。
白を基調とした内装は、いかにも“お嬢様学園”らしい上品さに満ちていた。
磨き上げられた木製の床。
壁際にはトリニティの伝統意匠を刻んだ装飾棚が並び、白磁のティーカップが整然と収まっている。
ベルガモットの香りが湯気に混じり、砂糖壺の蓋が触れ合う乾いた音が、会話の隙間を埋めていた。
制服姿の生徒たちは小声で談笑し、紅茶を嗜みながらビスケットをつまむ。
イレブンジーズの穏やかな時間――その窓際。
一番日当たりの良い席に、阿慈谷ヒフミが座っていた。
両手でカップを包むように持ち、窓の外をぼんやり眺めている。
(まさか……連邦生徒会に直接依頼されるなんて……。
でも……どうして、私がブラックマーケットに行ってることを知ってるんだろう?)
テーブルの上には飲みかけの紅茶。
その横には、見慣れた“気味の悪い鳥”を模したバックパックが置かれている。
(……戦いのことなら“何でもできる”くらい強い人たちが集まった学園、って聞いたけど……)
――そのときだった。
窓ガラスが、ほんのわずかに震えた。
カップがカタ、と鳴り、床の奥から重低音が這い上がってくる。
それは、この店の音ではなかった。
「な、なに……?」
誰かの笑いが途中で途切れ、スプーンが皿の上で止まる。
次の瞬間、低く重たいエンジン音が店内に染み込んできた。
控えめな弦楽のBGMが、重低音に押されるように遠のく。
ゴゥ……。
一台。
続けて、もう一台。
窓際の生徒たちが先に気づいた。
「……え?」
「なに、あれ……?」
「白い……装甲車? まさか、連邦生徒会……」
そして、ゆっくりと――純白のハンヴィーが2両、店の前に停車した。
静謐なカフェの空気が一変し、生徒たちに動揺が走る。
カップが触れ合う音。
椅子を引く音。
抑えきれない囁きが、波のように広がっていく。
ヒフミは他の生徒たちとは違い、純白の車体に刻まれた――“あるもの”に目を奪われた。
山羊のロゴと、SRTの三文字が刻まれたエンブレム。
――SRT特殊学園。
車から二人の生徒が降りてくる。
一人はSRT指定のセーラー服。腕章には「モノクロの狐」とFOXの文字。
もう一人は――
全く別規格の黒い制服。
腕章には「鎖を噛みしめる狼」とWOLFの文字が刻まれている。
どちらも頭頂部には、獣の耳が生えていた。
(……あ、あの人たちが……。
何だろう……すごい、というか……空気が違う……)
窓の向こうにいるのは、この“平和”な学園には本来入り込まないはずの人たちで――
ヒフミの待ち合わせ相手だった。
二人はハンヴィーの前で一度、呼吸を整えるように立ち、カフェへ向かって歩き出す。
その佇まいに、ヒフミは無意識に背筋を伸ばした。
カフェの扉が、静かに開く音がした。
――
遡ること10分前――
高速道路を降りた一行は、トリニティ自治区に足を踏み入れていた。
「随分、洒落た街だな……」
(……金持ちなだけあって、道も綺麗だ)
「トリニティーには美味しいスイーツ屋さんが沢山あると聞きました。
そろそろ、いい時間ですが……隊長。何か食べませんか?」
運転席横のデジタル時計を横目で見ながら、リノが提案する。
「あ! 僕、ケーキ食べたい! ――いいよね、隊長!」
後席のスイは、珍しく心が弾むような顔つきで強請った。
「ふん……そうだな。上に打診しよう――
メイ、オススメの店はどこだ?」
「……」
返事がない。
レナは後ろを振り向く。
メイは窓の外を眺めたまま、どこか虚ろだった。ここではない、遠い場所を見ているように見える。
「メイ!」
「うぇ!? た、隊長なぁに!?」
「聞いていなかったのか? ……そろそろ小腹が空く時間だ。オススメのスイーツショップを教えろ」
「あ、えっと……う〜ん……❦」
メイは薄く笑い、考える素振りを見せるが、どこか上の空だ。
彼女はスマホで検索をかけ、ヒットした情報をWOLF全員の端末に一斉送信した。
「ここがオススメだよ〜❦」
送られてきた店の情報には、煉瓦造りの外観とアンティークな内装の写真が並んでいた。
「……星5つか」
(……残高……足りるだろうか)
レナのスマホに表示される数字の桁が、容赦なく現実を突きつける。
(一番安いものにしよう……。あとはレーションでいい。
そうだ、レーションは裏切らない)
数字に打ちのめされていると、車体がわずかに揺れて停車した。
「……さあ、隊長。着きましたよ」
「ああ、ご苦労」
レナは無線機のスイッチを入れる。
「WOLF1よりFOX1。聞こえるか?」
すぐさま返答が返る。
『こちらFOX1、聞こえている』
「よし、FOX1。一緒について来い。案内人と顔合わせだ」
『FOX1了解』
「お前たちはここで待て」
「「「了解」」」
ハンヴィーの重たいドアを開け、歩道に降り立つ。
後ろへ視線を流すと、FOXのメンバーも降りて背伸びをしていた。
ユキノがこちらに近づいてくる。表情は凛としているが、少しだけ困惑が混じっていた。
「……レナ、集合地点はここか?」
「ああ、そうだ。……連邦生徒会が指定した場所だ。
――行くぞ」
二人は肩を並べ、カフェに近づく。
歩道を歩く生徒も、店内でティータイムを楽しんでいた生徒も。
全員の視線が、レナとユキノの一点に集まる。
(……何だ、こいつら……SRTがそんなに珍しいか?)
木製で彫刻のある高そうな扉を、ゆっくり開けて中に入る。
コツン、とコンバットブーツが硬い床を鳴らす。
それだけで、店内の音がひとつ落ちた。
生徒たちは二人から発せられる圧を受け、視線を切る。
椅子を引く気配だけを残して距離を取った。
皮膚がひりつくような緊張が、店内に満ちる。
レナは店内を見回し、ヒフミを探す。
(……あいつか)
ユキノに視線を送り、ついて来いと顎で示す。
「……あ、あの……」
ヒフミは思わず立ち上がり、近づいてくる二人を見上げた。
第一印象は――対照的だった。
一人は、真っすぐな瞳。どこまでも真面目で、凛とした表情に迷いがない。
もう一人は、白髪の隙間から覗く、ハイライトのない赤い瞳。
深淵みたいに、底が見えない。
視線が合った瞬間、ヒフミの背筋に冷たいものが走った。
敵意ではない。
冷徹で、機械的で――“生命”ではなく“情報”として周囲を走査するような眼差し。
なのに。
その奥にだけ、消え残った熱みたいなものがある。
(なんだか悲しそう……何でこの人は……こんな目をしてるんだろう……)
レナはヒフミの数歩前で足を止め、わずかに顎を引いた。
「阿慈谷ヒフミ……間違いないな?」
「は、はいっ! トリニティ総合学園、第一中学校三年の、阿慈谷ヒフミです!」
勢いよく頭を下げるヒフミ。その拍子に、テーブルの上の「ペロロ様バックパック」が揺れた。
レナの視線が、一瞬だけその“奇妙な造形物”に固定される。
(……これが、例の“鳥”か。
目の焦点が合っていない。舌も出ている。酸欠患者みたいな顔だな。
……これを好んで持ち歩くのか)
「SRT特殊学園、特務上級小隊長、大上レナだ。こちらは分隊長、七度ユキノ」
紹介されたユキノは軽く会釈する。
「よろしく、ヒフミさん」
「は、はい! よろしくお願いします!」
(……所作も丁寧、見た目も小綺麗……。奴とは違う。違うはずだ)
ヒフミを、ある人物と重ねてしまう。
レナは目を逸らした。――別人だと分かっていても、脳が否定しきれない。
「……行くぞ。時間が惜しい」
「え、まだ紅茶が……」
「さっさと飲み干せ。行くぞ、ユキノ」
「レナ……そんなに急ぐことは――」
言い終える前に、レナは歩き出していた。
ユキノは小さく息をつき、ヒフミに向き直る。
「ヒフミさん。私たちは、ハンヴィーで待っている。……そんなに焦らなくていい」
そう一言添えると、ユキノも店を出ていった。
――沈黙。
彼女の声が、そっと背を押す。
葛藤しつつ、ヒフミはテーブルの紅茶を見つめる。
「……うぅ……えい!」
淑女らしからぬ勢いで一気に飲み干した。
震える指でシワのないお札を取り出し、カチャリと音を立ててソーサーの下に滑り込ませる。
ペロロ様バックパックを掴み取り、そのまま店を飛び出した。
――
カフェを出たレナは、ハンヴィーの周りで雑談している隊員たちに叫ぶ。
「移動するぞ――全隊乗車ッ!
――スイは銃座に移れ、案内人が乗れんッ!」
「「「了解!」」」
レナは助手席に乗り込むと、勢いよくドアを閉めた。
「……隊長……どうしたんでしょうか?」
「さあ……? お腹空いたんじゃない?
早く行こう。グズグズしてたら作戦時間になっちゃう」
リノは運転席に乗り込み、スイは銃座(銃身にはカバーが掛けられている)に付く。
だがメイだけは動かず、じっとカフェテリアを見つめていた。
するとヒフミが、慌てた様子で扉を押し開けて飛び出してきた。
ヒフミはメイと視線が合うと、目を丸くして固まる。
「――え!?」
沈黙の中で、メイの呼吸が一度整う。
言葉が出るより先に、背筋が伸び、指先が揃い、顎が引かれる。
――上品さは演技ではなく、反射だった。
「……ごきげんよう」
「……その制服…………SRTに?
転校……したんですか?
“GA”は……辞めちゃったんですか?
連絡がつかないので……ずっと、心配してたんですよ……?」
矢継ぎ早に質問を浴びせるヒフミとは対照的に、メイは言葉を選ぶように沈黙した。
「御免遊ばせ……ヒフミさん。色々……ありましたのよ……」
「先輩……」
沈黙が一拍。その瞬間――
「メイ! 何してるの!?
――ケーキ食べる時間なくなっちゃうよ!」
銃座から身を乗り出したスイが叫ぶ。
「あ! うん! 今行くよ〜❦」
メイはヒフミに背を向け、逃げるようにハンヴィーへ乗り込んだ。
(い……今の口調は……)
ヒフミの思考が一瞬止まる。だが、すぐに再起動し、彼女も分厚いドアを開けて後席に滑り込んだ。
隣にはメイが座っているが、顔を背けて窓の外を見ている。
レナは無言で手元の書類を捲っていた。
車内には機械油のような、重い匂いがした。
紅茶みたいな爽やかさは、ここにはない。
リノは落ち着かない様子で、ちらちらとレナの機嫌を窺っている。
ヒフミは意を決して口を開く。
「あ、あの……これから、どこに行くんですか? ブラックマーケットじゃ……」
レナは視線を変えず、ゆっくり答えた。
「……スイーツだ」
「す、スイーツ……?」
精強で威厳に満ちた彼女から出た単語のギャップに、ヒフミは困惑する。
レナはそれを聞かなかったことにし、無線機へ手を添えた。
「WOLF1よりFOX1。WOLF3の希望で、スイーツショップに寄り道して小腹を満たす。異論はないか? オーバー」
『……スタンバイ。意見を聞く――』
無線から声が遠のき、数秒後――。
『――満場一致だ。オーバー』
「WOLF1了解。Lilium Blancheを目的地に設定。
目的地《Lilium Blanche(リリウム・ブランシェ)》――メイが指定したのは、トリニティでも名の知れた高級店だった。
無線機のスイッチを切り、レナはリノへ指示を出す。
「時間がない。出発だ」
「りょ、了解!」
リノはシフトレバーを操作し、アクセルを踏み込んだ。
ハンヴィーはゆっくり走り出す。
甘味と、過去と、そして再び向き合うために。
――
――SRT特殊学園・IOC(Integrated Operation Center)
コールサイン:OVERLORD
天井まで届く湾曲スクリーンに、複数のウィンドウが並んでいた。
市街地のライブマップ。ブラックマーケット周辺の監視データ。
WOLFおよびFOXの車両トラッキング。
淡い青白色の光が、無機質な空間を照らしている。
絶え間ないキーボードの音。
通信ログが流れる微かな電子音。
他部隊と交信するオペレーターの声。
IOCの中は常に賑やかだ。
キヴォトスから事件が消えない限り、ここが静まることはない。
一人のオペレーターがスクリーンから振り向いた。
「総司令……WOLF1から報告。
HUNTER1-1は……スイーツショップに寄り道をするそうです」
中央の指揮卓に座る総司令は、背筋を伸ばしたまま肘をつき、手を組んでいる。
蒼黒の長髪は肩の後ろへ流れ、表情は一切動かない。
少しの沈黙。
「……士気維持と見なす。好きにさせろ」
オペレーターが即座に回線を開く。
「……りょ、了解。
――OVERLORDよりWOLF1。
傍にいた副司令が耳元で囁く。
「大丈夫でしょうか……? 少々、心配になってきました」
総司令は微動だにせず、ただ一言。
「失敗はしない」
――
――トリニティ総合学園・西区。
キヴォトス標準時 11:37。
一行は信号で止まるたびに複数の視線を集めたが、トラブルもなく順調に進んでいた。
(うぅ……誰も喋らない)
レナは目を閉じて腕を組み、メイは一度もヒフミに視線を向けない。
リノはレナの機嫌を損ねないよう運転に集中している。
「ふ~ん~~♪」
銃座のスイだけは何も気づかない。
呑気に鼻歌を歌い、車内の沈黙を知る由もなかった。
――
――???
『――Cathedraより、Vigilia。
客人のご機嫌はいかが? “お茶の時間”は乱れていなくて?』
「Vigilia。Tally-ho、追尾継続中でございます。
通達の通り、下級生――阿慈谷ヒフミと合流いたしました」
一拍。通信越しでも分かるほど、報告は端正だった。
「ただ……進路に変更が。
対象――HUNTER1-1は、BM(ブラックマーケット)へ直行せず。
《Lilium Blanche》へ向かっております」
『まあ……』
柔らかな声が、花弁のように笑った。だが、その笑いに温度はない。
『ストイックな方々だと伺っておりましたけれど。
……ふふ。女の子らしい寄り道も、なさるのね』
「……“寄り道”かどうかは判別できません。
高級店を選定している点から、偶発ではなく――意図的な可能性が高いかと」
『ふふっ……リリウムをお選びになるとは、素晴らしい審美眼をお持ちの方がいらっしゃるようですわね』
「Cathedra。ご指示を」
『監視は継続。距離は崩さず。
無理に近付かないよう。――“こちらの存在”を匂わせるのは、まだ早いですわ』
「かしこまりました。Vigilia、継続監視いたします」
『……お気をつけて。
客人は丁寧でも、刃は隠しているでしょうから』
無線が切れると、Vigiliaは一度息を整え、視線を戻す。
――窓の向こう、純白のハンヴィーが信号待ちで止まっている。
その“白”は、権威の色。
“自分たち”と同じ白でありながら、性質はまるで違う。
――
Lilium Blancheへ向かう道は、白い石畳と街路樹が整然と並んでいた。
店舗の看板は控えめで、窓辺には花。
――“安全”が風景として設計された区画だ。
だが、その安全は、誰かの目で維持されている。
銃座の馬鹿はスイーツに浮かれて鼻歌を歌い、空を見上げている。
(頼りになるのは、俺の目と……薄汚れたサイドミラーだけだ)
交差点で停止した瞬間、レナは首を動かさず、視界の端だけで拾う。
車窓越しの歩道。
ショーウィンドウの反射。
一定距離を保ち、こちらの速度に合わせて動く白いセダン。
一度。
二度。
交差点を跨いでも、間隔が変わらない。
「一定距離。交差点を二度、同一ナンバー……。
――尾行だ」
レナの一言で、車内の空気が一変した。
鈍く漂っていた緊張が、一瞬で刃物みたいに研がれる。
その豹変ぶりに、ヒフミは右往左往した。
「……え!? ――え!?
つけられてるって何ですか!?」
レナが振り返り、一喝する。
「――黙れ。感づかれる。そのままじっとしていろ」
鋭い目で睨まれ、ヒフミは喉が固まった。
「……ッ!」
沈黙を保っていたメイが、重い口を開く。
「隊長……GAだよ」
「Guardian Angels……トリニティの特務部隊だな……?」
GAの二文字を聞いた瞬間、ヒフミが慌てふためく。
「えぇ、GA!? ど、どうしましょう!
私、捕まっちゃうんですか!?」
「……黙れと言った!」
レナは低く怒鳴る。
「ひぃ! す、すみません……」
ヒフミを落ち着かせるため、レナは言葉を継ぐ。
「――いいか?
連中は私たちの動向が知りたいだけだ。何もしなければ、向こうも何もしない」
「は……はい」
「FOXに連絡を送る。リノ、そのまま進め」
「りょ、了解!」
無線機のスイッチを入れる。
「FOX1、こちらWOLF1。気づいているか?」
『ああ、白いセダンか。
運転席と助手席、二人。
会話も少ない。間違いないだろう』
「アクションは起こすな。トラブルを起こす気はない」
『FOX1了解。平常を保つ』
信号が青に変わり、2両のハンヴィーが動き出す。
後ろに付ける、白い影を伴いながら――。
――
――トリニティ総合学園・西区。
《Lilium Blanche》
キヴォトス標準時 11:45。
「あ……み、見えてきましたよ。隊長」
リノの言葉に、レナはゆっくり目を開いた。
進行方向の先――街路樹の合間から、目的地が姿を現す。
煉瓦造りの外壁。
長い年月を経て色褪せた赤茶の壁面には、季節を越えて生き延びた蔦が絡みつき、窓枠を縁取るように這っている。
白い木製の看板。
手書きの筆記体で綴られた《Lilium Blanche》の文字。
古いランプが、昼間だというのに柔らかな橙色を灯していた。
“懐かしさ”という感情を、建築物として再現したような店だった。
「思ったよりボロいな……放棄されているのか?」
レナには、この感性が分からないらしい。
「隊長……やめてください。そういうデザインです……」
相変わらずの物言いに、リノは呆れた。
(……懐かしい。ここに来るのは、いつ以来だったかしら……)
記憶の中の光景と、寸分違わない“場所”。
駐車場にハンヴィーが止まる。
「よし、降りろ。車内で食える物を選べよ?」
号令でリノとスイが外に出る。
(わたくしも……行かないと)
「先輩……大丈夫ですか? 顔が……青いですよ?」
呼ばれた瞬間、視界の端に白い制服が差し込んだ気がした。
「……大丈夫ですわ。行きましょう」
重いドアを開け、地面に降りる。
無意識に背筋が伸びる。
翼が“決まった位置”に収まる。
指先が揃う。
顎が引かれる。
身体が、勝手に“あの頃”の立ち方をなぞっていた。
(……違う。今は、違いますのよ……)
呼吸が浅い。
鼓動が速い。
ここは“あの場所”ではない。
――なのに、身体だけが覚えている。
――
――回想。
白い壁。
大理石の床。
ガラスのシャンデリア。
「メイ……集中なさい」
「……はい、お姉様」
白い制服。白いベレー帽。純白の翼。
選ばれた天使たちが廊下に整列している。
当時のメイは期待の新人として、その中に加わっていた。
その奥――装飾が施された、一際大きな観音扉が鎮座している。
扉の向こうでは「パテル」「フィリウス」「サンクトゥス」――三大派閥の“お茶会”が開かれていた。
メイたちは、その護衛。
GAはティーパーティー近衛としての性質も併せ持つ。
(かれこれ一時間……どれだけ立てば、いいのかしら)
旧式の10連発ボルトアクションライフルを“立て銃”の姿勢で保っている。
足の裏が痛い。
お腹が痛い。
翼を思いきり伸ばしたい。
メイの中は、そんな思いで渦巻いていた。
廊下の空気は静かに張り詰めている。
お茶会の間、近衛たるGAは一歩たりとも動かない。
それが規律。
それが誇り。
それが、“選ばれた者”の証だった。
扉の向こう。
ティーパーティーの席には、三大派閥の代表者と、その補佐を務める上級生徒たちがいる。
メイにとっては雲の上の存在。
だが同時に――
(いつか、わたくしも……)
その場所に立つために、GAに選ばれたのだ。
一年生での選抜は、異例中の異例。
周囲の視線が突き刺さるように痛かったことも、覚えている。
――
「Aegis選抜……おめでとうございますわ、メイ様」
最初に声を掛けてきたのは、サンクトゥスの紋章を胸に付けたGAの上級生だった。
彼女の後ろには、同じ紋章を付けた複数の生徒がいる。
優雅な所作。丁寧な言葉遣い。
だが、その微笑の奥にあるのは――選別の視線だった。
「貴女のような方は、是非とも我々の派閥に入っていただきたいですわ」
「それは……とても、光栄です」
丁寧に返す。だが、返答の先は決まっていた。
「――ですが。わたくしは、どの派閥にも属するつもりはございません」
一拍。
空気が、わずかに変わる。
「……それは、何故かしら?」
別の日にはパテル。
また別の日にはフィリウス。
同じ問いを、三度受けた。
「GAはティーパーティー全体に仕える近衛です。
特定の派閥に肩入れするのは、本分に反するかと」
正論だった。誰が聞いても、間違っていない。
だからこそ――
「……そう」
それ以上、誰も“その場では”何も言わなかった。
正論すぎたのだ。
――
変化は数日後から始まった。
整備に出したはずのライフルが戻ってこない。
配給されるはずの予備弾が、一人分だけ抜かれている。
ロッカーの鍵が、何度も開けられた形跡。
訓練のローテーション表に、自分の名前だけがない。
「……手違い、ですわよね?」
誰に聞いても同じ答えが返る。
「……記録にありませんわ」
「……申し訳ございません。確認いたします」
「……わたくしでは判断できかねます」
誰も、目を合わせない。
――
ある日の射撃訓練。
「次、樋口メイ」
呼ばれて前に出る。
ボルトハンドルを引き上げ、ボルトを後退させる。
5発クリップを差し込み、10発マガジンへ弾を指で押し込む。
――1回。
空になったクリップを弾き、同じ手順をもう一度。
――2回。
ボルトを前進・閉鎖。
マットに伏せ、伏射姿勢を取る。
セーフティーを解除する。
息を吐き、トリガーを絞る――
――カチッ。
弾が出ない。
(……?)
メイはボルト後端のコッキングピースを指で引き、ファイアリングピンを改めてコックする。
再びトリガーを引く。
――カチッ。
(まさか、不発弾……?)
10秒待つ。
遅延発火がないことを確認してからボルトを操作し、薬莢(弾)を排出。
ボルトを戻し、次弾をチャンバーへ送る。
トリガーに指を掛け、もう一度。
――カチッ。
発射されない。
「……どういうことですの?」
疑問に思い、手前に転がった弾を拾う。
(雷管に凹みがない!?
――でも、確かにシアーは落ちたはず……!)
同様に10秒待機。
今度はマガジンを外し、チャンバー内を空にしてから空撃ちで作動を確認する。
――カチッ。
メイはリリースキャッチを押し下げ、ボルトを引き抜いた。
前方からボルトフェイスを覗き込み――息を呑む。
あるべきものが、ない。
ファイアリングピンが削り取られていた。
「嘘……」
クスクス、と小さな笑いが漏れた。
メイが振り返る。
誰かが呟く。
「整備不良ではなくて?」
「自己管理の問題かと」
「GAとしての自覚が足りませんわね」
それは嘲笑ではない。
“評価”だった。
――
その日の夜。
教育係である“お姉様”に呼び出された。
「貴女、最近……周囲との協調性に欠けていると報告が上がっています」
静かな声。
責める響きはない。ただ、事実を述べているだけ。
「GAは組織です。
個の判断で中立を標榜するのは、時に“分断”を生む」
言葉は柔らかい。だが――距離があった。
「……派閥に属さないことは、規則違反ではありません……が」
一拍。
「それは、
その瞬間。
胸の奥で、何かが崩れた。
「はい……お姉様……」
それから――
食堂の指定席で、自分の名札が消えた。
巡回のペアが組まれなくなった。
訓練の指導が、自分だけ後回しになった。
報告書のチェックが返ってこなかった。
挨拶に、返事がなかった。
GAは何もしていない。
ただ――“規律に則って距離を取った”だけだった。
誰も命令していない。
誰も指示していない。
ただ、“そうあるべきだ”と全員が理解していた。
殴られたわけではない。
罵られたわけでもない。
それでも、確かに削られていく。
規則の名で“存在を薄くされる”。
人は責任を負わずに、人を壊せるのだと――メイはそこで知った。
(なんで……?
派閥に入らないだけで、どうして……)
その日――
メイはGAの証であるピアスを捨て、トリニティから姿を消した。
――
過去の苦い記憶に呑まれる。
Lilium Blancheを見つめたまま、立ち尽くす。
冷えた背中に、ふっと優しく、グローブ越しの“温かい”手が触れた。
「何をしている。行くぞ……甘い物でも食えば、頭も冷える」
「う……うん。隊長……」
「あ、アハハ……私も楽しみだなー」
空気を感じ取ったヒフミが、慣れない演技で場を繋ぐ。
「金はあるか? ……無いならWARDENに強請って、経費で落とさせる」
ふざけた台詞のはずなのに、胸の奥が少しだけほどけた。
“気遣い”ではない。
“配慮”でもない。
ただ、今ここにいる自分を、最初から戦力として数えている言い方だった。
(……この方は、わたくしを“見て”くださっている)
その事実に、メイは心の底から安堵した。
「何言ってるの〜? 私はお嬢様だよ❦
お金の心配をするのは、隊長じゃない〜?」
メイの反撃に、レナの肩がぴくりと跳ねた。
クリティカルヒット、一撃必殺だ。
「き、気にするな……行くぞ。時間が押している」
――
――Vigilia。
「……ッ!? アレは……!
――ルー。至急連絡を。Aegis-9、Tally-ho」
「は……はい? Aegis-9とは、誰でございますか?」
「Aegisを知らないのか! GAの名が泣くぞ!
――早く通信を繋げ!」
「――い、イエスマム!」
ルーと呼ばれた少女は、慌ててCathedraに通信を繋ぐ。
「――Cathedra! Cathedra! こちらVigiliaです!
Aegis-9、Tally-ho!」
『ルー……それは確認できて?』
「……私が代わる」
ルーから無線機を受け取り、Cathedraに報告する。
「シェリー、代わります。
セミロングの金髪。一回り大きい身長と、それに比例する翼。
間違いありません。彼女です」
『雲隠れして行方不明でしたが……まさかSRTにいるとは……』
無線から聞こえるCathedraの声は重い。
『確認します。HUNTER1-1のリーダーはAegis-9ですか?』
「いえ、恐らく違うかと。隊長格と思わしき生徒が別にいます」
『実力主義のSRTで……Aegis-9が部下……』
Cathedraは思考に沈む。
一拍。
『Vigilia、お気を付けなさい。彼女が部下ということは、その隊長様――
文字通りの別格でしょう……くれぐれも慎重に……』
無線の向こうでCathedraは息を吸う。
『……現時点での接触は許可しません』
「Vigilia、かしこまりました……」
『――Aegis-9は、依然として近衛に分類されていますわ』
その一言で、車内の空気が変わった。
「……“回収対象”ということですか?」
『いいえ』
Cathedraは即座に否定した。
『――“未帰還戦力”』
一拍。
『彼女は除隊していませんわ。
解任も、免責も、発令されていない――
……行方不明後、通信・識別信号ともに完全に途絶していたため、正式な処理が保留の状態』
「…………」
『つまり法的には現在も、
ティーパーティー直轄特務部隊《Guardian Angels》所属――
近衛序列第九位のまま』
Aegis-9。
そのコールサインが意味するのは、単なる隊員番号ではない。
“ティーパーティーに最も近い九枚の盾”の一角。
『GAは志願制ではありませんわ。
近衛序列は、任命によって与えられる“役職”。
――個人の都合で離脱する権利は、存在しない』
静かに、言葉を置く。
『よって――我々がすべきことは、身柄の引き渡し要請』
「そ、それは……」
『法的には、正当な権利の行使に過ぎない。
連邦生徒会であっても、これを“正式な問題”として扱わざるを得なくなる。
……“知らなかった”では、済ませません』
一拍。
『――任務終了後、
彼女たちはヒフミさんを返還しに来るはずです。
その時に接触を』
「断られたら?」
『近衛序列の欠員は、ティーパーティーの安全保障上の問題。
その一柱を他校が抱えている――
皆まで言わなくとも、聡明な貴女なら分かりますわね?』
「……」
『これは我々の義務でしてよ?
GAを去った理由の予想はついていますが……彼女の意思は尊重されない。
心苦しいですけれど、放置することは重大な職務怠慢に該当しますわ。
彼女を連れ戻し、責任を果たす……いいですわね? ……シェリー』
「…………イエスマム……」
シェリーは無線機を置き、シートを倒した。
「ど、どうしましょう……」
「そんなの、私が知りたい……」
――
店内は外観と裏腹に、白い大理石の床が広がっていた。
天井には淡い光を放つシャンデリア。
調度品は控えめで、主張しすぎない。
高級店らしく、隅々まで小綺麗だ。
曇りひとつない磨き上げられた冷凍ショーケースの中には、
宝石のように綺羅びやかなトッピングを施されたスイーツが鎮座している。
「いらっしゃいませ」
白いベレー帽と白い制服を纏った店員の生徒が挨拶した。
(……この時間に生徒……バイトか?)
「いらっしゃいませ」――その声は柔らかいのに、距離が一定だった。
店員の会釈は、トリニティの接客より一段“儀礼”に寄っている。
目線は笑っている。
だが、瞳孔の動きだけが業務的に“人数”と“装備”を拾っていた。
そして一瞬。
店員の視線が、レナの胸元――識別章と階級章の位置で止まる。
(……まさか、グルか。監視の目はどこにでもある)
レナはショーケースより先に、出口と窓を見た。
ガラスに映る外――白いセダン。停車したまま、動かない。
レナが睨みつける。
するとセダンはゆっくり動き出し、視界から消えた。
「わぁ! すっごい! 金箔! 金箔だって!」
「隊長! これは中々見れませんよ!」
スイとリノがショーケースへ飛びついた。
遅れてFOXも入店する。
「今度……お菓子も挑戦してみようかな?」
「おー、流石トリニティ。スイーツっていうより芸術品ね」
「クルミ、何食べる? ――あ! 胡桃のロールケーキだって!」
「うっさいわね、オトギ! 共食いって言いたいの!?」
ユキノはオトギとクルミの啀み合いを横目で流し、
ショーケースに目もくれず、レナの耳元へ寄る。
「レナ……あの店員」
「分かっている。油断するな」
店の間取りを確認し終えると、二人もショーケースへ近づいた。
レナは値札を見て、その価格に絶句した。
(ケーキ一つでこの値段……?
20mm弾が買えるぞ)
たかがケーキ。されどケーキ。
使われているのは、キヴォトスでも最高級の食材ばかりだ。
スラム育ちのレナには、別世界の値札だった。
「総員……買うのは一品まで。追加は任務達成後だ」
「えー、なにその制限。学校の先生みたい」
「黙れ、クルミ。任務中だ」
(マカロン1個1000円……高いが、これでいいか)
なけなしの資金から絞り出し、店員へ告げる。
「……マカロン一つ」
「――かしこまりました」
隣で吟味していたニコが振り返る。
「うそ、レナちゃん。マカロン一個だけ?」
「私に構うな……」
レナは肩を落とし、明らかに声のトーンが下がる。
「なんだか……ごめんね? 夕飯は何か奢るよ」
「私に構うな……」
無表情でレナは突き放す。だが――
ぴんと張っていた狼耳は垂れ、尻尾も力なくぶら下がっている。
(((分かりやすい……)))
「……レナ、私が奢ろう。いつも世話になっているからな」
ユキノが助け舟を出すが――
「私に構うな……」
(奢りは借りになる。借りは、いずれ命令に変わる)
同じ返答を繰り返し、突っぱねてしまう。
「……そうか」
(頑固な奴……)
レナは店員から小さな紙箱を受け取ると、足早に外へ出ていった。
他の隊員も各々のスイーツを買い、店を後にする。
残っているのは、メイとヒフミ――
そして白い制服の店員だけだ。
店員が微笑み、口を開く。
「お久しぶりでございます、メイ様……
何になさいますか?」
――空気が一枚、厚くなる。
ヒフミは笑顔のまま固まった。
“メイ様”という呼び方が、ただの常連に向けた丁寧語ではないと本能が告げている。
「本日は――お連れ様もいらっしゃるのですね。
……お変わりなくて、何よりでございます」
言葉は柔らかい。
だが、“お変わりなく”の意味だけが温度のない刃だった。
メイは返事をしない。
代わりに、視線だけで答える。
「左様ですか……戻る気はないのですね?」
メイの喉が、わずかに鳴る。
演技の口調が、出そうで出ない。
「……えっと、先輩――」
ヒフミが小さく声を出した瞬間――
「ヒフミさん」
メイが、その先を遮った。
「“ももふれんず”とやらで、お小遣いを散財していらっしゃるのでしょう?
わたくしが、何か奢って差し上げます」
「え!? そんな! 悪いです! お構いなく!」
メイはそんなヒフミを無視して、ショーケースへ指を差す。
「こういうのは、いかが?
――『数量限定!金のペロロケーキ!』
貴女には、これ以上ないスイーツでありませんこと?」
「うっ……!」
「これ一つと……“いつもの”くださいな」
「――かしこまりました。
『数量限定!金のペロロケーキ!』と『リリウム・タルト』の2点でございますね?」
ショーケースから“黄金”のケーキと、“慎ましやか”なタルトを取り出し、箱へ詰める。
「お会計は……こちらになります」
メイは財布から黒一色のカードを取り出し、カードリーダーへ差し込んだ。
「お買い上げ、ありがとうございます」
メイは箱を受け取り、踵を返す。
「さあ、ヒフミさん。行きますわよ」
「は、はい!」
二人の後ろ姿に、店員はゆっくり頭を下げて一言。
「“またのお越し”を、お待ちしております……」
その声は見送りではなかった。
“帰還”の催促だった。
メイは足を止めない。
けれど、箱を抱える指先だけが――わずかに白くなる。
店の扉が閉まる直前。
店員は微笑みを崩さないまま、手元の伝票クリップに偽装したスイッチへ指を滑らせた。
『――Cathedra。
指先だけが、恐るべき速度で無機質なパルスを刻む。
『――
……
(=“尾行を戻せ”)
送信を打ち終えると、Aegis-1は微笑みを貼り付けたまま、客人たちが消えた扉へ優雅に一礼した。
ハンヴィーはそれに気づかない。
重たいディーゼルエンジンが唸りを上げ、排気ガスを撒いて走り去っていった。
WOLFチームのプロフィールは、あった方が良いですか? もし必要なら、設定用の立ち絵も含めて投稿します
-
ほしい、立ち絵もちょうだい
-
ほしい、立ち絵はいらない
-
いらない、把握している