フリーナちゃんかわいいよフリーナちゃん   作:中落ちカルビ

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フリーナちゃんかわいいよフリーナちゃん2nd

 

 

 

「ふふんっどうだい?

これがボクの実力ってやつさ!」

 

 

フリーナがそう言って小さな胸を大きく張る。

片付けられたテーブルの上にあるのは、青い王冠を被った巨大なケーキだった。

 

 

「その名もプルラジャスティス!」

「美しいだろう?可愛らしいだろう?美味しそうだろう?まるでボクのようだね!」

 

 

料理ができないという煽りに対してケーキを持ってくるのは果たして正しいのだろうか?

しかしそう言った疑問を抜きにしてもこのケーキの出来栄えは素晴らしいものである。言うだけはある、そういったレベルだ。

 

 

「むふふ、いやぁ随分好き放題言ってくれたよね?

演劇以外何もできないーとか、洗濯とか料理とかできなさそうーとか」

 

「どうだい!?これがそんな浪費専門の女が作れるものに見えるかい?!」

 

 

その結果を武器にフリーナが煽る煽る煽る!両手を広げ小刻みに、素早く、細かなステップを左右に繰り返す。怒涛の煽りだ。

 

 

「むふふ、ずいぶん悔しそうだねぇ、後悔したかい?ボクの真の実力を知って!

キミよりも遥か高みにいる存在なんだよ!こ!の!ボ!ク!は!」

 

 

煽りのステップそのままにくるくるくるりと踊るように周り、バット両手を広げて覗き込むフリーナ。まるでそのようなダンスがあるかのような動きだ。

無論、そんなダンスは無い。

 

 

「わかったら、はい!何を言うべきかわかってるよね!」

 

 

そして片手を耳の側につけ『さぁいえすぐいえ今すぐ言え、敗北宣言ぶち撒けろ』と言外に伝えてくるフリーナ。

 

「さぁさぁさぁ!!!」

 

完全な勝利者フリーナ、可愛らしい略奪者フリーナ、しかし…

 

 

「……ふふん声が小さいなぁ」

 

「ぇ?」

 

「ちょ、ちょっと!何でそうなるんだよぉ!

釣り合わないって、そんなことないってば!

ぇ、あ、いやそんな高嶺の花なんかじゃないって、別にボクは…ほら、今は水神もやめて、ただ演劇や演出にこってる料理上手のかわいい女の子だよ!」

「非常にお手軽で、ほらほら、いまだってキミのそばにいるよ?」

 

 

先程までの強気は何処へやら煽っていたはずの立場はどこへ?

ぎゅっと手を握ってみたら背中をさすってみたり。

立ち上がってさろうとすれば焦った様子で袖を掴み、妨害する。

 

 

「ぅ……いやいやそんな後ろ向きにならないでよ、ほら座って座って切り分けるから…いや、釣り合わないとかそんなことな………」

 

 

 

シンと部屋が静まり返る。

先ほどまで暖かな空間が嘘のようで、フリーナは泣きそうになりながら

 

 

 

「ぁ」

 

 

 

 

 

「わ、笑ってるだろキミ!肩が震えてるよ!」

 

キレた

 

 

「『そんな事ない、悲しくて震えてる』だってぇ!嘘をつくんじゃないよ!」

「キミ!キミね!ボクのこと揶揄ってるだろう!絶対そうだ!そうに違いない!」

「ほら!顔を見せてごらんよ!早く!手の端から見えてるんだよ!口角上がってるだろ!!」

 

 

 

ドタバタと騒がしく喧しい部屋の中、涼やかで静かで厳かで、寒々しかった水神の舞台からは遠く離れた部屋の中。

 

フリーナは幸せだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやだからさ、その…言うべきことがあるでしょ?」

「水神を辞めてやる事のなくなったボクにさ、キミが、キミだけがいうべき事が!」

 

「ほら」

「さんはい!」

 

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