戦国ダンジョン   作:斎藤 恋

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第01話:転生

俺の名前は、斎藤恋。

元ニ◯リの家具販売員である。

ブラックすぎる仕事形態がいやになって、去年仕事を辞めた。

今は、稼いだ金の運用で生活してるニートである。

 

 

おっと、いっけね。

どうやら、スマホを忘れたらしい。

これから、イ◯ンまで買い物に行こうと思って出たんだが、どうやらスマホを持ってないようだ。

 

「あー、一回取りに帰るか・・」

 

スマホなしで家を出るとか何を考えてたのか。

そういえば、家を出る前に荷物の整理したような気が・・・その時だろうな。

 

めんどくせー本当にめんどくせー

 

 

もうすでに、10分くらいは歩いてきてて、再度その道をもどらなきゃならない。

そして、またも横断歩道にひっかか・・・・・あ?

 

「・・・ぐぼぉっ・・・かはっ!・・・な、なに・・・あ・・・・」

 

お、俺の胸に何かが・・・

 

 

ドサッという音とともに、信号待ちをしていた男が倒れ伏せる。

周りには周りには人も居らず、車も通っていないタイミングだった。

 

血反吐を吐き、彼の身体から命が失われていく、その時。

彼の胸から何かの蔓のようなものが生えてくる。と、その次の瞬間、彼の身体からいくつもの小さな珠のようなものが現れ、すっと、彼の肉体と共に全てが消え失せた。

 

 

彼の倒れ伏した場所には、彼の衣服や荷物とともに大量の血痕が残されていたが、誰にも詳細は分からないまま彼は失踪扱いになり半年後死亡認定されることとなった。

 

 

 

 

──────はじまりの日

 

 

 

 

『・・・・・はっ!あ、あぁぁぁぁ・・・っ・・。』

 

『い、いったいなんだったんだ。助かったのか・・・?』

 

『あ?いや、なんだ?こ、これどうなってんだ!!お、おれの、おれのからあだ・・・・・』

 

 

・・・・・

・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・

 

 

 

『俺、死んだのか・・?ここは死後の世界とかそういう奴なのかな??』

 

『何も見えないけどどういうことなんだ・・・?』

 

 

・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・

 

 

 

『はぁぁぁぁ・・・暇だ。このまま時間が過ぎるのを待つしかないのか?くそしんどい・・・死後の世界ってこんな辛いのか・・・』

 

・・・・・・・・・・

 

 

『あー、今日は何するかなー?やっぱ戦国時代の検証とかかね?なにがあれば稼げるか!これがテーマでいっか。』

 

『石鹸、はありきたりか。塩?これは悪くないけど、どうなんだろ?やっぱり、絹あたりがいいかな?』

 

『しかし、戦国時代だといくら稼いでも銅銭がネックになるよなー』

 

・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・

・・・・・・

・・・

 

 

『・・・・・・・・・・・・・・・・・・』

 

『・・・・・・・・・・・・・・・・・・』

 

『・・・・・・・・・・・・・・・・・・』

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・

 

・・・・・・

 

 

もう、どれだけの時間が経っただろうか?

100年?1000年?それとも1万年かもしれない。

はたまた、全然時間が経っていなかったりするかもしれない。

 

 

しかし、俺にとって、この暗闇に包まれた静寂の時間は永遠より長くて・・・

幾度となく気が狂って、幾度となく絶望して、もうなにも考えることさえしたくなくなってたんだ。

 

 

───ぼふ

 

 

『・・・・?』

 

 

───ずさ

 

 

『・・・な、んだ・・・?』

 

 

音がした。

なんだろう・・本当に遠い昔に聞いたような・・・

そう、砂遊びのときの・・・・・っ!

 

 

「んしょ・・・。これをここに埋めて・・・」

 

 

『・・・・・あ・・・ひ、ひと!ひとのこえだ!!!お、おい!!だれか!!きこえるか!!!!へんじ!へんじをしてくれ!!!!』

 

 

この時は本当に必死だった。

でも、俺のこえはこの子には聞こえなくて。

 

結局、この時はこの子が何かを埋めようとするのを眺めるしかなかったわけなんだ。ま、何も見えてたわけじゃないんだけどね。

そして、その彼が埋めたものは、時間をかけて俺の中に吸収されていった。

 

 

・・・・・・・・・・

 

 

『結局、あれはなんだったんだ?・・・いや、あれ子どもだったよな、多分。で、土を掘り返して、た??いや、なんでだ?』

 

『俺は結局どうなってるんだ?なんとなく土の感触があったような気がする・・・。あと、何か取り込んだ、よな・・?あの感覚もなんだったんだ・・・??』

 

『だーーーー!!もうっ!分からん!・・・・ふぅぅぅぅ落ち着けー・・、冷静に頭を回転させろ。』

 

『わかったことをまとめよう。とりあえず、俺は今土の中にいるらしい。なんでなのかはさっぱりだけど。んで、子どもの声っぽいのも聞こえた。』

 

『つまりは、だ。身体の感触は少しだけれど残ってるわけだ。あとは耳もあるんだろう。あとは、なんで土の中なのか、だけど・・・・なんでだ??』

 

『くそっ!なんで土の中にいるんだよ!意味がわからん!!てことは死体なのか?アンデット、とか?ゾンビとかスケルトンみたいなのになったのならありえるかもしれんしな・・・』

 

『てことは、やっぱり俺は死んだのか?・・・死んだらこんな目に会うなんて思いもよらなかったぞ・・・くそっ・・・』

 

 

『いや、待て。そうじゃない。そうじゃないな。あの、何かを吸収した感覚はなんだ?死体って何かを吸収する・・・わけないな。とすると、まあ別の何かが原因か・・・』

 

 

『あーもうっ!何もわからん。しょうねんーしょうじょー、どっちなのかは知らんけど、早くまた掘り起こしてくれー』

 

 

・・・・・・・・・・

 

 

「・・・んしょ・・・確かここに・・。あれ?ここじゃなかったかな?」

 

『お、来たーーーー!!!少年!こっちだぞ、こっちに何か入れろー。』

 

 

ずさっずさっ・・・・・

 

土を掘る音が続く。

どうも、こちらから声をかけても、彼の耳には届かないらしい。

 

「あれ・・・?ここにもない・・。せっかく、お金隠してたのに・・・?なんだろ・・これ・・・?」

 

 

その時少年は、掘り進めていた穴に、さらに先があることに気づいた。

そして、彼が、ここを掘り進めたことが、彼の将来だけでなくもっと大きなものの運命までも変えていくことになった。

 

「・・・んしょっ・・。なんだろう?ここ、なにかの巣なのかな?変な穴ー?」

 

少年は穴を掘り進めその先にあった小さな空間を見つける。

 

 

「何かいるのかな・・?あ、じゃあこの木で・・・えいっ・・・?何もいないの・・?・・・なーんだ・・・つまんないの。」

 

少年は穴に枝を突き刺し、何か生き物がいないのかな?と穴の中を確認してみた。

しかし、その枝先に反応はなく、少年は、木を刺したまま家の中へと帰っていた。

 

 

『お?何か入ってきたな。よっしゃ!何かゲットー!』

 

 

・・・・・・・・・

 

 

『お、吸収できたっぽい?お?おぉぉぉぉぉぉぉぉ!見える!見えるぞ!!やったぁぁぁぁぁぁ!!!』

 

 

身体に入ってきた何かを吸収したあと。

俺は目が見えるようになった!

 

『よーしよし。・・・・・とりあえず、俺はスケルトンとか死体系じゃないな。というか、見えるけど、土と空しか見えん。首は動かせないのか??』

 

 

うーんうーん。しばらく唸りつつ、首を捻ろうとしたり、眼球を動かそうとしたりなど、いろいろやってみたんだが、。結局上を見る以外には何もできず、途方に暮れるしかなかた。

 

『しかし、わかったことがある。何かが腹の中に入ってくれば、俺はそのエネルギーで何かを得られるわけだな。よし!』

 

 

わかったことはそれ一つだが、永遠の暗闇と静寂の中で閉じ込められるだけよりずっと良かった。

あの暗闇の恐怖だけは俺の体の中に深く深く染み付いているのだから・・・・

 

 

・・・・・・・・・・

 

『まだかなー?少年まだかなー?今日もなにかくれー・・・』

 

『いや、もしか聞こえるようになったならこれじゃだめだな。俺もいい年した大人なんだから、もっと威厳のある風格を見せないといかんだろ。』

 

 

『よしっ!・・・少年、聞こえるか・・・。・・・こんな感じでいいか?神様っぽくやった方が雰囲気出るしなー』

 

 

・・・・・・・・・・

 

 

 

「・・・・ん?あれ、まだあるの?木、片付けてくれたのかな?」

 

 

『お、少年だ。』

 

 

「こんなところに穴があったら危ないよね・・・?」

 

 

『お、また入れてくれんのか。あんがとよ少年』

 

 

「んしょ・・・っしょ・・・」

 

 

 

少年が、庭に開いた穴へと土を入れ埋めていく。

庭の穴は、少年が見つけた時より、さらに大きくなっていたが、少年の見る角度からは窺い知ることはできなかった。

 

 

 

「んしょっと・・・。これでよし。」

 

 

少年は、穴を埋め直して満足し、その日は家へと帰っていった。

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