戦国ダンジョン   作:斎藤 恋

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第04話:父のステータス画面

───千秋季光

 

「父上!これを食べてください!」

 

その日の夕刻、息子がいきなり石を食えと差し出してきた。

 

 

「は・・?い、いや、四郎丸。あのな、人は石を食えん。わかるな?」

 

なんでこんな当たり前のことを・・、と少し心を曇らせながら息子を諭す。

 

 

「はい、そのようなことは承知です。しかし、これを飲み込めばわかります。いいから、さぁ!さぁ!」

 

息子の手にある小さな赤い石は、俺の見たことがない類の石だったが、それを食う、という考えは俺にはない。

 

「あのな・・・、四郎丸。見たことのないモノだが、それは石だろう?そのよっ!・・・・!!!」

 

 

俺が喋り出したのを隙と見たのか、四郎丸は、その赤い石を俺の口目掛けて投げ込みやがった。

 

「こ!・・・あ?」

 

俺は、怒りのまま息子を怒鳴りつけようとしたのだが・・

目の前にいきなり奇妙な板が出現した。

 

 

「こ、これはなんだ・・・??」

 

「すてーたす画面です。父上。」

 

「すてーたす?画面?」

 

 

息子はこの板について知っているようで、それを【ステータス画面】だといった。

どうにも最近、家の者たちを使って奇妙なことをしてると思ったが、これは本格的に調べてみる必要があるらしい。

 

「・・・で、そのステータス画面といのはなんだ?お前が食わせた石と関係あるのか?」

 

「はい、父上。それは父上の能力を数字にしたもの・・、だそうです。」

 

「は?能力?数字?・・・、どこにも数字なんぞ書かれておらんが・・?」

 

俺の目に映っているのは、奇妙な絵柄がそこかしこにある板が見えるだけだ。

そこには数字など載っていない。

 

 

====================

◻︎基本構成と状態

・名称:千秋 季光

・種族:人間

・年齢:34歳

・ランク:G

・状態:魔力中毒(極小)・覚醒

 

◻︎ステータス

・HP(耐久力):27/27

・MP(魔力):2/2

・STR(攻撃力):11

・DEF(防御力):12

・RES(魔法耐性):1

・SPD(速さ):15

・LUC(運):7

 

◻︎保有スキル

・スキル:熱田流剣術(Lv.2)

・スキル:弓術(Lv.2)

・スキル:軍略(Lv.2)

・スキル:魔力感知(Lv.0)

====================

 

 

 

 

 

「色々あるがわからん。四郎丸、わかるようなら教えてくれ。」

 

俺は、何が何やらわからまま、この板についての説明を受けることとなる。

 

 

 

───────────────────────────

 

 

それから、しばらくこのステータス画面というものについての説明を受けた後、俺は、息子のステータスというのもみることとなった。

 

「で、僕のものがこんな感じです。」

 

====================

◻︎基本構成と状態

・名称:千秋 四郎丸

・種族:人間(子供)

・年齢:10歳

・ランク:G

・状態:魔力中毒(極小)・覚醒

 

◻︎ステータス

・HP(耐久力):11/15

・MP(魔力):2/2

・STR(攻撃力):4

・DEF(防御力):3

・RES(魔法耐性):3

・SPD(速さ):7

・LUC(運):10

 

◻︎保有スキル

・スキル:魔力感知(Lv.0)

・スキル:土魔法耐性(Lv.0)

====================

 

「なるほど・・・わからん。」

 

結局、理解できるのは名前くらいだった。

しかし、ここで使われている数字というやつは、思いの外便利なのではないだろうか?

 

 

 

「しかし、どういうことだ?なぜ、このようなものが出ることになった。説明しろ」

 

 

俺は、こうなった経緯について、息子に詳細な説明を求めた。

すると、どうにもウチの敷地内には、神だか妖怪だかわからぬものがおり、それと契約を交わしているうちにこうなったのだという。

 

御霊蛇様だとか熱田大神と知るべだとかいっていたようだが、どうにも眉唾だ。

 

しかし、何かしらの神通力のようなものはあるのだろう。

それが原因となって、このようなものが出るようになったのだと思う。

 

 

どうにも、奇妙な話だったが、俺としてはそこまで悪いものであるようには感じなかった。

怪しげではあるが、今の所、当家には害は無いのだ。

 

ましてや、生贄を集めようとしている風でもない。

大きくなろうとしているというのは、些か心配だが、それも神宮を侵す形ではなく、地下方向へのようだ。

 

 

となると、ますます、ウチに害は無いのではなかろうか?

それに、息子へと下賜されたという"ガラスペン"・・・だったか?

 

あれは本当に美しいものだった。

流石に息子のものを取り上げるつもりはなかったが、信秀様などが見れば欲しがるのではなかろうか?

 

 

アレを見て、当家にとって不都合なものだ、などとは到底言えまい。

 

 

それに、餌となるのは、ゴミばかりだと聞く。

そうなると、わざわざ討伐せねばならぬような怪異とも言えないのだ。

 

まして、それがいるのは、当家。

熱田神宮の地下である。

 

 

熱田の社領に怪異がおったなどと、到底認められることではない。

どうせなら、神として遇し、そのまま当家のために利用したい。

 

 

 

俺は、そこまで考えると、一度、その穴まで向かってみることにした。

 

 

───────────────────────────

 

 

 

───ダンジョン

 

がざがさ

 

どうやら、人が来たらしい。

意識を向けみると、知らないおっさんがそこには立っていた。

 

 

「聞こえるか。御霊蛇とやら」

 

 

その男は俺に話しかけているようだったが、俺からこの者へ直接声を届けることはできない。

契約者の四郎丸しか俺の声を聞き取ることはできないのだ。

 

 

「四郎丸。四郎丸ー。何やら見知らぬ御仁が我のところに参っておる。恐らく、お主の父だろう。ワシの声を届けてはくれぬか?」

 

「はーい」

 

四郎丸の返事が聞こえる。

その間にも色々と、季光は話していたのだが、彼には悪いが無視させてもらった。

 

少しすると、四郎丸がやってきた。

 

「はーい、来ました。父上、僕、いえ私が御霊蛇様の声を届けますね。」

 

「ん?どういうことだ?なぜ、お前が・・?」

 

「あ、父上。どうも御霊蛇様の声は、契約している私にしか聞こえないようなんです。」

 

「なるほど・・。ではとりあえず、先ほどまで話していたことの返答を頂きたい。」

 

 

そういうと季光は、息子の方を見つめ、答えを求めた。

 

 

「はい。では話しますね。御霊蛇様は───」

 

 

と、俺は季光に対して四郎丸に話したことと同様に自分が古くから存在する蛇の神で、この地で力尽きていたところを熱田の大神によって回復のため封じられていたのだ、と説明した。

 

まぁ、この言葉はほぼ全く信じられてはいないようだったが。

 

その他にも、自分は力をとりもして己の肉体を作り直したいこと、そのために千秋の家と協力する意思があることなどを伝えていった。

 

 

そして最後に、

 

「石を取り込むと力が増す」ということも伝えた。

 

これについては、どの力がどれだけ増すのかはそれぞれ違うということも伝えたが、実際にステータス画面も見たのだろう。

半信半疑のようではあったが、信じてみることにしたようだった。

 

 

おれお、このついでに俺は、「生き物の死骸も何匹かもらえないだろうか?」とも言っておいた。

ダンジョンといえば、生き物の命を取り込むモノだしな。

 

 

 

 

───そうして、正式に千秋家と御霊蛇ダンジョンとの契約が交わされることとなったのだった。

 




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