戦国ダンジョン   作:斎藤 恋

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第05話:千秋親子強化

───千秋季光

 

御霊蛇様との話し合いを経て、薄らと将来への不安と希望を得た。

御霊蛇様は、どうにも我らとの共闘を望んでいるらしい。

 

少なくとも熱田神宮から離れるつもりも、そこに住む我等を害するつもりもなさそうだというのは伝わってきた。

それと、我が息子と何やら本気で繋がっているらしいということも、だ。

 

 

そして、再度、俺自身のステータスとやらを見てみる。

 

・LUC(運):7

 

これは低いのか高いのか?

その辺りがよくわからない。

 

息子が10であることを考えると・・・・、いや、比較対象が少なすぎてわからんな。

 

 

他の数値も、息子以上というだけではなんともいえない。

10歳の息子に負けている部分が、"運"だけであるのは、良いこと・・、なのだろう。

 

 

だが、御霊蛇様は、石を食すことで俺たちが強化されるとおっしゃっていた。

そして、御霊蛇様も、多くのものを取り込むことで成長すると。

 

 

だとすれば、少なくとも今は、御霊蛇様の力に縋り、自身を高めるときでは無いだろうか?

というか、このままいけば、息子だけが強化され10歳の息子に負けるんじゃないか?という不安がある。

 

 

それだけはごめんだ。

歳を取ってからなら・・・いや、それでも息子に負けるというのは嫌だが。

 

まだまだ、現役のこの歳で負けて仕舞えば笑いものしかならん。

 

 

明日、行く時に御霊蛇様に俺も強くなれるように頼んでみようか。

 

 

そう決めると、俺はその日はそのまま休んだ。

 

 

 

 

 

───次の日

 

 

季光は、早朝から近くの森で狩りを行い、雉を手に御霊蛇の下へと向かった。

 

 

 

 

───御霊蛇ダンジョン

 

足音と共に、二人の親子が私の下へやってきた。

千秋親子だ。

 

 

「御霊蛇様、こちらをどうぞ。朝から狩って参りました雉にございます。」

 

「うむ。感謝するぞ。端にでも置いておいてくれ、翌朝になれば吸収されるだろう。」

 

「はっ。・・それで頼みがござるのですがよろしいか?」

 

「お主らを鍛えることであるなら、こちらの目的にも叶う故、頼みとせずとも構わんぞ。」

 

「ありがたき幸せ!」

 

 

千秋親子は、元々鍛え上げるつもりだったのだ。

でなければ、俺は俺の契約者と理解者を失ってしまうかもしれないからな。

 

 

「だがな、一つだけ言っておくことがある。」

 

季光は俺からの言葉に疑問を挟んだ。

 

「季光。今のまま行けば、お主は翌年の加納口の戦いで逝くことになろう」

 

「えっ!?」

 

「ん?どうした、四郎丸?御霊蛇様はなんとおっしゃった?」

 

四郎丸は、顔面を蒼白にさせながら父に伝える。

 

「み、御霊蛇様が、今のままいけば、来年の加納口、の戦いで、父上が死ぬ、と・・。」

 

「・・・・・そうか。だが、今のままいけば、と仰ったのだな?」

 

「は、はい・・。」

 

 

季光は、息子を安心させるように微笑みながらいう。

 

「大丈夫だ。俺たちはこれから御霊蛇様の御力で鍛えることができるのだ。強くなれれば死ぬこともなくなる。そうだろう?四郎丸。だから、安心せよ。俺は死なん。」

 

 

四郎丸は、青ざめた顔色を元に戻しつつ、決意を固めた表情を見せる。

季光も、御霊蛇がどうやら予知の類もできるらしいと、信頼感を高めていった。

 

 

「今のわしでは、この"スライム"しか召喚できん。他の怪異を召喚するには、もっと色々なものを吸収せねばならん。」

 

俺が今召喚できるのは、スライムとゴーレムだ。

しかし、ゴーレムは消費魔力が多すぎて、鍛錬のために召喚するには不向きだったのだ。

 

それに、木刀でゴーレムを倒せるのかどうか、その辺りは自信がない。

なので、今はゴーレム召喚は教えることすらしてはいなかった。

 

 

「雉は助かる。しかしの、もっと犬や猪などもおれば、それらを元にした怪異を作れるやもしれん。」

 

 

犬を元にすればコボルトやウルフ系。

猪ならブル系だろうか?

 

そういったモンスターを召喚できるだろうという予測があった。

 

 

「なるほど・・。とすると、今日持ってきた雉であれば、鳥の怪異が作れるということですか。」

 

 

「まぁ、吸収してみねばわからん部分もあるがな。そういうことじゃ。」

 

 

 

 

 

───────────────────────────

 

 

「では始めるぞ?まずは10体じゃ」

 

 

俺は、10体のスライムを召喚し千秋親子に嗾ける。

今いる部屋は、今のダンジョンの中でもそれなりに広い。

 

千秋親子が走り回っても十分な広さがある。

しかし、相手は所詮、スライムだ。

それも、マッドスライムという雑魚。

 

 

勝負は千秋親子の勝利として一瞬でついた。

 

 

 

「ふむ・・、この程度ではダメじゃな。一気に1000体ほどいくか。」

 

 

そう考え直し、俺は1000体のマッドスライムを召喚する。

召喚されたスライムは、部屋の隅々へと広がり、千秋親子を包囲していく。

 

 

四郎丸は、そのまま近くのスライムを倒しつづけるが、

父親の季光は包囲の外へと回り、外側から攻撃することで、包囲されないように立ち回っていた。

 

 

そうして、30分ほどで決着がついた。

季光の方は余裕がありそうだが、四郎丸の方は息が上がっていてかなりしんどそうだ。

 

 

2人は、そのまま"魔石"を集めて、半分ずつ取り込んだ。

 

 

「む・・・、やはり石を飲むのは・・。もっと取り込みやすい方法はないのか・・」

 

「お尻・・・いえ、なんでもありません父上。」

 

「尻はやめておけ。あと、いくつかは身につけておこう。もしかすればそれでも吸収できるかもしれん。」

 

「あ、そうですね。なら、巾着に入れて腰につけておく分と手で握っておく分、2つに分けてみましょう。」

 

「なるほどな・・。よし、試してみるか。」

 

 

そうして、千秋親子は、飲み込む以外にも魔石を吸収する方法があることに気付くこととなる。

"魔石"は素手でに握ってもどうやら吸収されるようだ。

 

 

しかし、飲み込む以上に時間がかかるため、小粒の魔石の今だと、わざわざ手に持つより飲み込んだほうが早いのだった。

 

 

 

====================

◻︎基本構成と状態

・名称:千秋 季光

・種族:人間

・年齢:34歳

・ランク:G

・状態:魔力同調・健康

◻︎ステータス

・HP(耐久力):30/30(↑3)

・MP(魔力):3/3(↑1)

・STR(攻撃力):14(↑3)

・DEF(防御力):14(↑2)

・RES(魔法耐性):6(↑5)

・SPD(速さ):15(±0)

・LUC(運):7(±0)

◻︎保有スキル

・スキル:熱田流剣術(Lv.2)

・スキル:弓術(Lv.2)

・スキル:軍略(Lv.2)

・スキル:魔力感知(Lv.1)

・スキル:泥酸耐性(Lv.0)(New!)

====================

====================

◻︎基本構成と状態

・名称:千秋 四郎丸

・種族:人間(子供)

・年齢:10歳

・ランク:G

・状態:魔力同調・健康

◻︎ステータス

・HP(耐久力):18/18(↑3)

・MP(魔力):4/4(↑2)

・STR(攻撃力):6(↑2)

・DEF(防御力):5(↑2)

・RES(魔法耐性):8(↑5)

・SPD(速さ):7(±0)

・LUC(運):10(±0)

◻︎保有スキル

・スキル:魔力感知(Lv.1)

・スキル:土魔法耐性(Lv.0)

・スキル:泥酸耐性(Lv.0)(New!)

====================

 

───────────────────────────

 

 

「本日もありがとうございました、御霊蛇様。」

「ありがとうございました!」

 

 

こうして、千秋親子の今日の訓練は終わった。

 

 

 

そしてその日の夜、雉を吸収した俺は、新しい魔物が生み出せるようになったことに気づいた。

 

 

====================

◻︎基本構成とコスト

・名称:マッドバード

・ランク:H+

・コスト:魔力消費0.05・泥5g・鳥の羽1枚

◻︎ステータス

・HP(耐久力):3/3

・STR(攻撃力):2

・DEF(防御力):0

・RES(魔法耐性):2

・SPD(速さ):12

・LUC(運):3

====================

 

「明日からはこれもいけるな。」

 

こうして、着実にダンジョンと千秋親子の強化は行われていくのだった。




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