親愛なる貴方達へ   作:マアブルゥ

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 親愛なる貴方達へ
 まず初めに自分の理想のために貴方達を利用しようとすることを謝罪させてください。決して貴方達から許しや同情を得たいとは思いませんが、それでも貴方達に少しでも謝罪の意を示したかったんです。
 僕は貴方達みたいに優しくいられませんでした。
 僕は貴方達みたいに弱さを認められませんでした。
 僕は貴方達みたいに世界の不条理を受け入れられませんでした。

だから僕は貴方達を・・・





第一章 会合編
大森林の調査任務


「長期任務、ご苦労だったな。支度が済み次第、すぐにジュラの大森林へ向かえ」

 

 二年に及ぶ長期任務を終え、ようやく帰還した俺に対するギルドマスターの第一声がそれだった。

 

「やっと一段落かと思ったのに、間髪入れず次の任務? めんどくさい」

 

「すまないが急を要する。理由は……分かっているから途中で戻ってきたんだろう?」

 

「まぁね。ヴェルドラの件でしょ」

 

 ヴェルドラ。

世界に四体しか存在しない竜種の一角。“暴風竜”の異名を持つ天災級の怪物だ。

 

 国を滅ぼし、都市を消し飛ばす。

もはや魔物というより自然災害そのもの。

 

 三百年前、勇者によってジュラの大森林の洞窟に封印された――とされている。

 

 本来、封印程度で消える存在ではない。だがヴェルドラは、自身の存在を維持するため常に膨大な魔力を周囲へ放出している。もし何らかの理由でそれが断たれれば、理論上は存在を維持できなくなる。

 

 そして数日前その魔力反応が、突如消えた。

 

「つまり、消滅の確認と……その後の勢力調査、ってところ?」

 

「そういうことだ。ヴェルドラという抑止力が消えた今、魔物も魔王もどう動くか分からん。お前に任せる」

 

 封印されてなお影響力を持っていた存在だ。消えたとなれば勢力争いは必至。下手をすれば近隣諸国が巻き込まれる。

 

「先行して三人の冒険者を送っている。合流しろ」

 

「了解。……あ、お土産は何がいい?」

 

「…結果の報告だけでいい」

 

 

 

 

 

 

 

 唐突だが、僕は異世界転移者だ。

 

 しかも全く未知の世界、という訳でもない。

 

 ここは【転生したらスライムだった件】の世界。アニメ化も映画化もされ、スピンオフも量産された超人気作品のあの世界だ。

 

 主人公は三上悟。

通り魔に刺されて死亡し、スライムへ転生した。

転生した異世界で暴風竜ヴェルドラと出会ったのちに魔物の国を築き、やがて世界の命運を左右する戦いをする事になる存在だ。

 

 ……うん、ざっくりだけど間違ってない。

 

 

 

「■■■■!!」

 

 咆哮。

 

 振り返ると、巨体の蜘蛛が襲いかかってきていた。災害級《ハザード》。町一つを壊滅させる危険種だ。

 

「……エンチャント完了。聖剣《なんかすごい剣》」

 

 ユニークスキル【付与者(あたえるもの)】発動。

 

 振るった一閃は、外殻ごと蜘蛛の魔物を両断した。

蜘蛛の魔物は抵抗も悲鳴もなく、巨体が崩れ落ちる。

所詮は硬いだけの魔物。僕の一撃に耐えられるはずもない。

 

 ちなみにユニークスキルとは、強い願望が形になった固有能力だ。1人1人それぞれ特有の能力を持ち、同じスキルの名前はあれど全く同じスキルは存在しないとされている。

中には上位存在として究極能力《アルティメットスキル》もあるが、今は関係ない。説明も面倒だし。

 

 

 

 

 

 ……で、現在。

 

 俺はジュラの大森林、ヴェルドラが封印されていた洞窟にいる。

 

 調査と言ってもやったことは簡単。

ヴェルドラがいないことを確認し、魔力残滓から生まれた強個体を片っ端から処理しただけ。

本気で調べるなら封印解除か完全消滅かを断定すべきだろう、だがその必要は僕にはない。なぜなら原作知識があるから。

 

 答えを言うとヴェルドラは消えていない、とある存在にスキルで捕食され異空間へ格納されたのが正しい。

外部への魔力漏出が断たれたことで、ヴェルドラの魔力を観測できなくなったため周囲が“消滅した”と誤認したのである。

 

 

 

 じゃあなぜ俺が長期任務を切り上げたのか、その理由は一つ。

 

 主人公に接触するため。

できればリムルの側近ポジションを確保したい。

原作の観察目的もあるが、最終目標を達成するには彼の存在が不可欠だからだ。

 

 だからそのために洞窟調査を名目に、怪しい魔物を監視するという口実も作るためにこの森を訪れたかったのだ。

 

 先に調査している三人組?

 ……まぁ、死なない程度には何とかするだろ。多分。

 

 

 

 

 

 森の奥へ進む。

 

 妙に静かだ。

 魔物の気配が薄い。

 

 代わりに、空気が軋むような魔力の奔流がある。

 隠す気ゼロ。警戒してくださいと言わんばかりの禍々しさ。

 

 

 

 

 

 やがて。

 

 視界の先に、青い塊が現れた。

 

 形は楕円体のような滑らかな形である。

手足はなく、身体を変形させ、ぴょん、と跳ねる。

正直この魔物の説明はこれ以上は不要だと思う。

 

 その正体はスライムである。

 

 本当に紛う事なきスライムである。

 

 そして、この物語の主人公である。

 

 スライムが竜を捕食し、世界の命運を握る。

改めて考えると意味が分からない。

そんなことを考えていると、青い塊がぷるぷると震えた。

 

「プルプル……ボク、ワルイスライムジャナイヨ」

 

 ……いや。

その禍々しい魔力を垂れ流したまま言われても説得力ゼロなんだけど。




 オリジナル小説を書くための練習として転スラの二次創作の小説を書かせていただきました。
 最後まで投げ出さずに書き終えるよう頑張りますので、気にいってくれたら高評価やお気に入り登録、感想などお願いします。

 2026/2/16追記
 ちょっと戦闘シーンを書くのが苦手すぎるのでこれまで書いた文を軽く手直ししながら新しい分を書きます。内容に大きな変化はありません。

 2026/3/1追記
 余りにも文章を書くのが下手くそなのでChatGPTに添削してもらうことにしました。これから作成する流れとしては自分で一通り文を作成してからChatGPTに添削してもらう流れになります。
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