親愛なる貴方達へ   作:マアブルゥ

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 最近⭐︎0評価をつけられたのですがコメントを必須にしてなかったので改善点を知ることができなかったのでコメントを必須にしようか悩んでいます。

 ここをこうした方がいいよ!というのがあれば可能な限り改善したいので感想など書いていただければ幸いです。


森の騒乱編
大鬼族


「お疲れ様。まさかこんな短期間で家が建つとはな」

「それはリムルさんとタケルさんのおかげだ」

 

 念願だったログハウスが、ついに完成した。

テント生活にも慣れてはいたが、やはり家の安心感には勝てない。

 

 設計はリムルが、建築は僕とミルドの指揮で進められ驚くほどの速さで完成した。

とはいえ僕の役割は、慣れない作業に戸惑うゴブリンたちのフォローが主だったが。

 

「さて、少し休憩したら内装に取りかかろうか」

 

 

 

「タケル!ただい…!」

 

 内装も終わり、応接間のソファでくつろいでいると、勢いよくリムルが部屋に入ってきた。

その後ろから、赤、桃、紫と色とりどりの髪を持つ大鬼族(オーガ)たちが続いて入ってくる。…やっぱり会えたか。

 

 原作通りの展開に安堵しつつ、あまりにも人たらしなスライムをとりあえず踏んでおく。

……あ、床が少し凹んだ、後で直そう。

 

「いや床より俺の心配をしろよ!」

「森の覇者を何体も連れ込む奴に慈悲はない」

 

 軽く茶番を挟んだ後、僕たちはオーガたちと向き合った。

同席しているのはリグルドと、元族長を含めた四人である。

 

「さて…何があったのか、話してもらえるか」

 

 全員が席に着いてゴブリンが淹れた茶で一息ついた頃合いを見て、リムルが切り出す。

 

 語られた内容は、原作通りだった。

豚頭族(オーク)によるオーガの里の壊滅について。

 

「それは本当か!?」

 

 リグルドが声を上げるのも無理はない。

オークはC〜Dランク。確かにゴブリンよりは強いが、熟練の冒険者にとっては脅威とは言い難い。

一方でオーガはBランク。さらに約三百の集落規模となれば、一国の騎士団に匹敵する戦力だ。

本来であれば負けるはずがない。

 

「俺に……もっと力があれば……!」

 

 一人のオーガが、血が滲むほど拳を握りしめ、机に叩きつける。

彼は、里長でもあった父を目の前で殺されたらしい。

その時現れたオークは、明らかに異質だった。

巨大な体躯、濃密な妖気(オーラ)。そして同様の個体が三体。

 

 その四体が精鋭を引きつけている間に…

一万のオーク兵が里を蹂躙した。

しかも、全員が人間が使うような全身鎧(フルプレートメイル)装備だったという。

 

「……それが本当なら、オーク以外の勢力も警戒すべきだな」

「人間の国が関与してるってことか?」

「その可能性もある。でも(それ以上に厄介なのは魔王側の関与だ」

 

 人間がオークに完全装備を与えるメリットは薄い。

むしろ自分たちの脅威を増やすだけだ。

実はそれをしても問題なさそうな国は1カ国だけあるがこの場でそこまで言う必要はない。

 

「確かに……国のお偉いさんもタケルのこと怖がってるしな」

「は?」

 

 僕は【三賢人】の中でも穏健派のはずなんだけど?

睨むと、リムルは笑って誤魔化した。

 

「でも、わざわざオーガの里を襲った目的はなんだ?」

 

 そこか。

原作知識はあるが、説明のしすぎは不自然になる。

自分で推察できる範囲程度にしておこう。

 

「恐らく……ジュラの大森林の支配。そして、その延長で魔王を生み出すことだと思う」

「……暇つぶしとかじゃなくてか?」

「野心的な魔王もいたからそれは違うと思う。

ジュラの大森林には強力な魔物の個体が沢山いるから勢力として欲しいだろうし、ヴェルドラの消失以降支配下に置きやすい状況となっている」

「そうなのか……」

 

 リムルは難しい顔をしている。

支配欲とは無縁だから想像しづらいのだろう。

 

「確かリグルに名付けをした魔人が居たらしいな」

「は、はい!魔王軍の幹部のゲルミュッド様に名付けていただいてました。いずれは部下に欲しいと」

「名付けが勢力拡大の一環なら…オークを配下にしていてもおかしくない」

 

 そこまで言って、オーガへ視線を向ける。

 

「最近、似たような魔人が来なかったか?」

「……いたな。部下になれと言ってきた奴が」

 

 …やっぱりか。

 

「断ったんだな?」

「ああ。だから文句を言って帰ったが……」

「なら、理由は単純だ。プライドを傷つけられたからだよ」

 

 魔人というのは総じてプライドが高い。

拒絶された報復として、最優先で潰されたとみて間違いないだろう。

 

「その程度の理由で……!」

 

 殺気が室内を満たす。

ゴブリンたちは完全に萎縮していた。

 

「で、お前たちはどうする?」

 

 空気が重たくなったのを感じたリムルがお茶を飲ませて落ち着かせたあと静かに問いかける。

 

「決まっている。仇を討つ」

「我らは若と姫に従う!」

 

 全員が復讐を望んでいた。

 

「……なら、俺たちの配下にならないか?」

 

 空気が止まる。

 

「協力するなら…その願い、叶えられると思うぞ」

 

 流石に突然の誘いに戸惑っているようだ。

 

「すぐ決めなくてもいい。でも俺たちは戦う。……タケルもな」

「……当然だ。このまま放置すれば人類に害が及ぶから」

「……」

 

 リムル…これに関しては本気で言ってるから素直になれないんだなあって微笑ましいものを見るような目で見ないで欲しい。

 

「——承知した。我ら、貴方方に仕える」

 

 決断は早かった。

そして…ゴブリンの時と同様にリムルは勢いで名付けを行い、そのままダウンした。

 

「……まったく」

 

 ため息をつきながら、オーガたちへ向き直る。

 

「リムルが起きるまで、僕の指揮下に入ってもらう」

 

 異論は出なかった。

 

「じゃあ配置を決める。

シュナとシオンはリムルの世話。

ベニマルは警護隊長。

ハクロウはゴブリンの指南役。

クロベエはドワーフと合流。

……ソウエイには別任務だ」

 

 一通り指示を出し終え、最後に全員を見渡す。

 

「一つだけ言っておく」

 

 声の調子は変えない。

 

「この森で問題を起こした場合——僕が責任を持って処理する」

 

 脅しではない。ただの確認だ。

 

「相手が誰であっても例外はない」

「「「了解」」」

 

 誰も異を唱えることなくすぐさま了承した。

…それでいい。

 

 守るべきものを守るために、切るべきものは切る。

 それだけの話だ。

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