親愛なる貴方達へ   作:マアブルゥ

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 本編の前にいくつか報告
 ①前話を見返したところ魔素と魔力がごちゃごちゃだと思ったので魔力に統一させました。

 ②前話でオリ主の名前を書き忘れていました。
 主人公の名前は【安田 健(やすだ たける)】です。ちなみに名前の由来は安田HAPPYから考えました、なぜかは自分でも分からないです。

 ③最初まだリムルの事を主人公呼びする予定でしたがリムルと呼ぶようになります。

 ④今回はオリ主視点で次はリムル視点の予定ですが書いてて思ったこと…どうしてこうなった?


会合(物理)

【タケルサイド】

 

「プルプル…ボク…ワルイスライムジャナイヨ」

 

「……」

 

「……?」

 

 原作の主人公――リムルの捜索に成功した僕は、高ぶる気持ちを悟られないよう必死に抑えながら、腰に下げた剣を抜いた。

そしてそれを頭上高く振り上げ――

 

「ギャッ!!」

 

 躊躇なく、リムルへと垂直に振り下ろす。

ユニークスキルは使わず、魔力による身体強化だけの一撃。さすがに避けるだろうと思っていたのだが、リムルは抵抗の素振りも見せず直撃した。

 エクストラスキル【物理攻撃耐性】と【多重結界】のおかげで両断はされなかったものの、地面へ叩きつけられ、その反動で空へと打ち上げられる。

 

 ……何をやっているんだ、と思うかもしれないが、さすがに何の考えもなく攻撃したわけじゃない。そこは安心してほしい。

 

 理由は三つある。

 

 まず一つ目。

僕は「リムルを知らない冒険者」という立場を取っている。強大な魔力で周囲を威圧するスライムに遭遇したなら、警戒して当然だ。知らなければ即座に討伐対象として処理していてもおかしくない。

つまり、自然な反応を演出するための先制攻撃だということ。

 

 二つ目。

大森林の調査中に怪しい魔物と遭遇したため監視するという名目を作るため。監視任務という形にしてしまえば、ギルドマスターからの依頼をサボっているわけではないとアピールできる。

一応、僕は現在ギルドでもトップクラスの冒険者だから依頼は山ほど来る。だがそれらをこなしていては、リムルの近くで動けない。

だから長期監視任務に専念し、他の依頼を断る口実を作る。

 

 そして三つ目。

リムルは平和ボケしていること。基本は話し合いで解決しようとするタイプだ。だからある程度攻撃しても、最終的に協力的な態度を見せれば許してくれる。

……うん、我らが主人公、優しすぎる。

 

 以上の三点から、出会い頭に斬りかかっても問題なし、と判断した。

 

 

 今の一撃で耐久力は把握できた。

ユニークスキルで【極限】状態を付与し、緊張感を与えつつ、手数で削る。もちろん死なない程度に。

自分のユニークスキルは少々ややこしいので説明は後に回す……たぶん。

 

「ヒイィィ……!!」

 

 リムルは必死に逃げようとするが、戦闘経験に乏しい彼にそんな器用な真似ができるはずもない。

まんまるの身体を四方八方から打ち据えられる。

 

 何度も何度も吹き飛ばし、壁や地面、木へと叩きつける。

そろそろ飽きが生じ始めた頃、リムルに変化が現れた。

 

 完全に耐えきれず木に激突していたが、確かに身体の一部を変化させ攻撃に対応しようとしていた。

違和感を覚えつつ、今度は横薙ぎに一閃。

だがリムルは、水で形成した刃を僕の剣へ当て、完全に防いだ。

 

 さっきまで震えていた身体は静まり、冷静にこちらを観察している。

 

「もう少し本気を出してみるか」

 

 聞こえないほど小さく呟き、剣を鞘に収める。

 

「■■水斬」

 

 一瞬で死角へ回り込み、抜刀の勢いを乗せて斬る。

本来なら反応すら不可能なはずの一撃なのだが

 

「【圧縮水砲(ウォーターショット)】」

 

 高密度に圧縮された水が剣へ撃ち出され、相殺された。

初見で対応されたことに驚きつつも、これで確信する。

 

「お前……何者だ?」

 

返答はない。

だが正体は原作知識で分かっている。

リムルのユニークスキル【大賢者(だいけんじゃ)】だ。

 

【大賢者】は自我を持つ唯一無二のスキル。

本来あり得ない存在だが、高度な演算能力でリムルを支援する。

さらに、リムルが身体を明け渡せば、代わりに戦闘すら行う。

 

つまり今目の前にいるのは、リムルの身体を操る【大賢者】。

 

……とりあえず目的(内容は秘密)は達成した。

次はおまけの目的(これも秘密)だ。

 

「エンチャントセット【剛力】【瞬足】【スライム特効】」

「◼️◼️水斬」

 

放たれた一撃は再び【圧縮水砲】で防がれる。

だが今回はそれで終わらない。

 

「エンチャントセット【流転】――からの◼️◼️水斬」

 

圧縮水砲を回転させて受け流し、勢いを上乗せした袈裟斬り。

読まれていたのか、回避される。

 

だがこの技は一度きりでは終わらない。

相手か自分が動けなくなるまで、威力を増しながら連続で放ち続ける。

 

「◼️◼️水斬・無闘乱舞」

 

乱れ舞う斬撃。

さすがの【大賢者】も捌ききれないのか、徐々にスライムの身体が削れていく。

そろそろ止めるか、と考えた瞬間大量の水塊が目の前に出現した。

 

 予想外の出来事に対処が遅れ、吹き飛ばされる。

距離は大して離れていないが、連撃は止まってしまった。

 

この技は重ねるほど強くなるが、一度でも止められるとリセットされ最初からやりなおしとなってしまう。

あと普通に目と頭が疲れる。

 

 体勢を整え、剣を構える。

対してリムルは特に構えることもなくじっとこちらを見ている。

だが雰囲気が最初に戻った気がした。

 

 だが最初の頃と違う点がある。

自分を守るための【多重結界】を解き、明らかに無防備であること。

諦めたとは考えられない、…罠なのか?

 

 

 

 一歩、また一歩と

警戒しつつ、ゆっくりと間合いを詰める。

リムルが動く気配はない。

 

 

 そして自分の間合まで距離を詰めた。

それでもリムルは微動だにしなかった。

 

 

 

 剣を地面と水平に構え、突きの姿勢をとる。

 

……やはり無反応。

 

「■■電突」

 

 そして無抵抗のリムルへ、確実に死をもたらすはずの一撃を放った。

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