親愛なる貴方達へ   作:マアブルゥ

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 新たにお気に入り登録と高評価してくださりありがとうございます。
今回の話は凄い苦手な戦闘シーンですので下手くそなのはご了承ください、

 ここまで読んでくださった方でお気に入り登録や星9以上の高評価、感想がお済みでない方はしていただけたら励みになりますのでよろしくお願いいたします。


リムルvs英雄王

 大きく踏み込み右から左へ袈裟斬りを放つ。

タケルやハクロウに叩き込まれた剣術と、魔物としての身体能力を最大限に活かした一撃だったのだが…ガゼルはあっさりと剣を滑らせ、軌道を逸らした。

 

 振り下ろした勢いのまま刃を返し、今度は逆袈裟に斬り上げる。

しかし、それすらも正面から受け止められた。

 

 ならば次は一度距離を取り次は右から突きを放つ…と見せかけ左へ回り込みながら腰を狙って薙ぎ払うが、それも防がれた。

 

「どうした?その程度か?」

「まだ始まったばっかだろうが!!」

 

 強がってはみたものの、数合打ち合っただけで理解してしまった。

剣を学び始めたからこそ分かる格の違い。

 

 技術だけじゃない、圧倒的な経験の差だ。

恐らく剣を振るう前の読み合いの段階で負けている。

 

 いくら攻め込んでもあの鉄壁の防御を崩せる気がしない。

悔しいが、これがスキル抜きの俺の実力なのだろう。

 

 フェイントも混ぜている

 タイミングも変えている

 

 それなのに、ガゼルは微塵も翻弄されていない。

そして何より腹が立つのが…

 

(この野郎、一歩も動いてねえ……!)

 

 剣だけでは勝てない、

そんなことは分かっている。

だがそれで大人しく負けるつもりはなかった。

 

「おりゃああああ!!」

 

 雄叫びと共に斬り込むが、ガゼルは冷静に剣を弾いた。

だが…それは想定済みだ。弾かれる勢いすら利用し、体勢を崩さぬまま二撃目へ繋げる。

 

「馬鹿の一つ覚えのように剣を振り回したところで……む?」

 

 この時ガゼルの表情が初めて変わった。

そりゃあ当然だ、これは見様見真似ながらもタケルが大賢者すら追い詰めた剣技だからだ。

荒れ狂う嵐のように勢いを増し、連撃を叩き込む剣技…

 

「【無闘乱舞】!!」

 

 剣を振るう勢いで崩れそうになる身体を無理矢理支え、ひたすら剣を振り続ける。

 

 分かってはいたがかなり難しい。

正確な軌道で振らなければ次へ繋がらない、かといって遅ければ意味がない。

だがその分だけ威力と速度は凄まじい、このままなら…

 

「ほう、中々面白いではないか。……だが、まだ足りんな」

 

 その瞬間、初めて防御に徹していたガゼルが剣を振るった。

 

「……ッ!?」

 

 次の瞬間、俺の身体は吹き飛ばされていた。

剣同士がぶつかった……そう認識した時には、身体ごと弾き飛ばされていたのだ。

 

 尻餅をつきながらも慌てて立ち上がり剣を構える。

目の前には、相変わらず無傷のガゼルが佇んでいるのだが、俺はその光景に俺は笑みを浮かべていた。

 

「ようやく動かせたな」

 

 ほんの十歩ではある、だがそれでも確かにガゼルを後退させた。

しかも先程まで反撃すらしなかった男に、剣を振らせたのだ。

 

「なるほどな……侮っていたことは詫びよう」

 

 ガゼルはそう呟くと、剣を地面へ突き刺した。

 

「ならば、これはどうだ?」

 

 直後周囲の空気が変わった。

 

「ッ……!?」

 

 威圧感そのものが身体へ圧し掛かり、身体が硬直したように動けなくなる。得体は知れないがこの感覚には覚えがあった。

…タケルに殺されかけた時だ。

 

《告。エクストラスキル【英雄覇気】による影響です。

対象を萎縮させ、屈服させる効果があります》

 

 なるほど、あの時もタケルはこれを……

 

《否。タケルの場合はユニークスキルによるものと思われます》

 

 ややこしいな、おい。

……だが、対処法は同じであることは変わりない。

 

 要は、気持ちで負けなければいい。

俺は決めたんだ、タケルを守ると。

ならこの程度で膝を折ってどうする。

 

「うおおおおおおお!!」

 

 全身に力を込め、魔力を絞り出しながら叫ぶ。

瞬間暴風が吹き荒れた。

纏わりついていた威圧感が霧散し、身体の自由が戻る。

 

「……解けたぞ?」

「そうでなくてはな」

 

 ガゼルは一瞬驚いたように目を見開き…すぐに嬉しそうに笑った。

そして剣を引き抜く。

 

「では、次はこちらからだ」

 

 その瞬間、目の前からガゼルが消えた。

 

(違う……!!)

 

 以前も似た感覚を味わった。

魔力感知を掻い潜り、気配ごと消す高速移動。

 

「ッ!!」

 

 初撃を避けられたのは完全に直感だった。

だが、そのおかげで分かったこももある。

 

(次は上!!)

 

 両手で剣を水平に構える。

直後…凄まじい衝撃が剣越しに叩き込まれた。

 

「っぐ……!!」

「ははっ! クロベエの剣でなければ真っ二つだったな!」

 

 上段から叩き込まれた一撃。

以前にも似た攻撃を受けた経験がなければ、防げていなかった。

その事実に肝が冷える。

 

「ふはははは!! 見たかタケル!

こやつ、俺の剣を受け止めおったぞ!!」

「まあ、この程度はできないと困るし」

 

 完全に観戦モードである。

 

「お、おい!?」

 

 だが次の瞬間、ガゼルはあっさり剣を収めた。

 

「降参だ。俺の負けでいい」

 

 その宣言に、配下達から歓声が上がる。

……いや、どう考えても俺の負けだろ。

 

「いいのかよ?」

「元より、殺し合いが目的ではないのでな」

 

 じゃあ何しに来たんだよ。

 

「貴様が邪悪な存在ではないと判断した。良ければ話し合いの場を設けてもらいたい」

 

 どうやら本当に、俺自身を見極めに来ただけだったらしい。

……あれ?俺の安全性って、タケルが保証する予定じゃなかったっけ?

いや多分この王様はそんなの関係なく自分で直接確かめるタイプだからいいか…

 

「それより早く案内しろ、リムル」

「ッ!?」

 

 考え込んでいると、背中を思い切り叩かれた。

 

「上空から見た限り、中々に美しい街だったぞ?

当然、美味い酒くらいあるのだろう?」

 

 ……なんかさっきまでより距離感近くないか、この王様。

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