やっぱり戦闘シーンが苦手すぎ問題は解決できてませんでした。
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「ちっ……お供が焦げた程度か」
ベニマルの放った
本来なら炭すら残さず焼き尽くす技だが、メガロドン達は焼かれながらも辛うじて原形を留めていた。
そこまでは原作通りなのだが、黒炎はカリュブディス本体にも届いていること…巨大な鱗の一部が焼け焦げ、確かに損傷していた。
おかしい。
マサミチは原作より強化すると言っていたはずだ。
それなのにダメージが通っている……
むしろ弱くなっていないか?
いや、それよりもまず…
「全員その場から離れろ!!」
直後、カリュブディスの周囲を漂っていたメガロドン達が一斉に動き出した。魚群のように散開しこちらへ襲い掛かってくるので、飛来した一匹を剣で斬り裂いた。
「ご無事ですかタケル様!?」
「僕は大丈夫!回復班は負傷者を優先!動ける奴はメガロドンから片付けて!」
指示を飛ばしながら再び空を見上げるが、やはり違和感が消えない。
カリュブディスはそこにいる。
だが、生き物らしさがない。
風に流される巨大な死骸…そんな印象だった。
「タケル、怪我はないか?」
「大丈夫。それよりも……」
「ああ、カリュブディスだな」
リムルも同じことを考えていたらしい。
俺達は空を見上げるが反応が鈍い。
動きが少ないし、再生も遅い。
強化された魔獣というより、どこか壊れた人形のようだった。
「取り敢えずメガロドンは任せて良さそうだな」
「うん。監視を続けよう」
結局嫌な予感は拭えることはできなかった。
「なあなあリムル!ワタシも戦うのだ!」
「ダメ」
ミリムが我慢しきれずに頼み込んだがリムルは即答で拒否したため、ミリムが目を丸くする。
「最後まで聞いて欲しいのだ!」
「ダメ」
「むぅ……」
落ち込むミリムを見ながら苦笑する。
だが、今は本当に出番がなかった。
ベニマル達だけで十分対処できてしまっている。
それが余計に不気味だった。
「これで最後か」
ベニマルが最後のメガロドンを焼き払った、その瞬間だった…
ギィィィィィィ――――ッ!!
耳障りな音が空に響き、思わず顔をしかめる。
音の発生源はカリュブディスだった。
よく見ると全身の鱗が逆立っている。
「来るぞ!!」
次の瞬間、視界を覆い尽くすほどの数の鱗が射出された。
「……躱せぬなら突き進むまで!」
「馬鹿言うな!」
シオンは飛んできた鱗が回避できないと判断したのかランガの背に乗り、逆に押し切ろうとし始めたのでリムルがシオンの前に立って静止させた。
「リムル様!」
「こういう時くらい頼ってくれよ」
慌ててソウエイもリムルを助けようと前に出ようとするがその直後に起きた出来事に驚き止まってしまった。
カリュブディスが放った視界を覆い尽くすような鱗が消えたのである。
「うむ。あれが暴食者か」
ミリムが感心したように呟いていたが、俺は別のことを見ていた。
鱗が再生していない…いや正確には再生しているが遅い。
「試してみるか」
リムルが飛び出してそのままカリュブディスへ接近し、暴食者を発動するが…
「……駄目か」
完全捕食には至らない。
僅かに鱗を削っただけだった。
「一部は食えたんだけどな」
そう言ってリムルは戻ってくるが、僕は黙ってカリュブディスを見つめた。
もはや強い弱いの話ではない。
生きている魔物を相手にしている感覚がなかった。
まるで抜け殻みたいに…ん?
いや…まさかそんなことはないよな?
「シオン」
「はい!」
「剣貸して」
「どうぞ!」
突然の頼みにも関わらず迷いなく大剣を差し出してくれた。
その剣を受け取ると同時に魔力を流し込み、エンチャントで剣を更に巨大化させる。
「おいタケル?」
「確認したいことがある」
言い終えると同時に空へ飛び、カリュブディスの真横へと移動した。
もし予想が正しければ…
「【断頭鬼人】!!」
剣を勢いよく振るったことで巨大な斬撃が空を裂き、カリュブディスの身体が真っ二つに割れた。
「やったか!?」
カリュブディスを倒したと歓声が上がるが…
「いや」
俺は首を振った。
割れた胴体の内部…本来あるべき肉や内臓、骨がなかった。
「……空っぽ?」
リムルが呆然と呟いたその瞬間…
ピシッ…
ガラスにヒビが入るような音を立てて空間に巨大な亀裂が走った。
そして空間の亀裂は広がっていきついには空が砕けた。
「◼️◼️◼️◼️◼️◼️!!」
全身が総毛立つような咆哮が轟き、異形の魔物が黒い穴の奥から現れた。
二つに分かれた頭部。
針山のように逆立つ黒い鱗。
互いを威嚇し続ける二つの首。
そして…理性も知性も感じられない狂気だけを宿した四つの瞳。
「……何だよあれ」
珍しくリムルの声が強張る。
それに関しては僕も同意だった。
あんなもの原作には存在しない。
マサミチが何をしたのか知らない。
…だが一つだけ分かる。
さっきまで戦っていた奴は本体じゃない、あれは殻だ。
そして今、本物が姿を現した。
「◼️◼️◼️◼️!!」
咆哮と同時に重力が変わった。
足元が軋み、身体が沈んだ。
周囲を見ればゴブリン達は立っていることすら難しそうだった。
「ちっ……重力操作か」
予想以上だ、このままでは戦線が崩壊する。
「しょうがない」
温存したかったが仕方ない、あの子を出すか。
「【精霊召喚】」
魔法陣が展開され、修道服姿の精霊が現れた。
魂を僅かに削り精霊の能力を強化させる。
歌声によりカリュブディスの能力を中和することができたためかゴブリン達も動けるようになった。
「ゴブリン達は退避、オーク達は動ける奴だけ残って」
視線を前へ向けると、異形の怪物がこちらを見ていた。
…まるでここからが本番だと言うかのように。