親愛なる貴方達へ   作:マアブルゥ

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 19時に投稿予定と言っておきながら22時に投稿してしまうマーブルです。
今回カリュブティスを強化した結果自分がこんがらがってしまうという元も子もないような事態になって投稿が遅くなりました。

 新しくお気に入り登録していただきありがとうございます。
なんというか戦闘シーンとか下手すぎてなんか申し訳なく感じてきましたが今後工夫を重ねて上手に書けるように頑張ります。


カリュブティス討伐戦

 荒れ狂う暴風の中、四方八方から降り注ぐ雷を避けながらカリュブティスへと迫る。

だが二つの口から放たれた光線によって進路を塞がれたため咄嗟に回避し、反撃を試みるがカリュブティスが追撃するように巨体が突進してきたのを見て回避する。

 

「【崩壊霊子衝撃(メルトクラッシュ)】!!」

 

 地面へ激しい勢いで激突し、地響きが鳴り響いたのを確認してカリュブティスへ飛び蹴りを叩き込む。

その一撃はカリュブティスの鱗を砕き、内部へ衝撃を通したのだが…

 

「ちっ……」

 

 砕けた肉も鱗も瞬く間に再生していく。

カリュブティスはあまりにも巨大で、あまりにも生命力が強すぎた。

 

「かれこれ半日近くか……」

「ああ。流石にタフってレベルじゃ済まないな」

 

 異形へと変貌してから既に半日。

日は沈み、周囲は闇に包まれているのだがそれでも戦いは終わらない。

 

 途中からトレイニーやドワーフ王国のペガサスナイツも参戦と僕のエンチャントで原作よりもかなりダメージを与えている。

…筈なのだがどう見積もっても体力の三割程度を削れた程度のみである、幾ら何でも再生速度が異常すぎる。

 

「回復薬はまだ大丈夫そう?」

「ああ、ゴブリンやゲルド以外のオーク達が避難してくれたおかげで消費は抑えられてる」

「このまま押し切れそう?」

「いや」

 

 僕の問いに対してリムルは首を横に振った。

 

「俺かタケル、どちらかが戦えなくなった時点で終わる。

だから無理な消耗戦はできない」

 

 戦況は膠着しているがこのままこの状況が続くとこちら側が押し切られてしまう。

 

「なあ……今更なんだがいいか?」

 

 良い感じの作戦が思い浮かばず沈黙が続いていたが、リムルがカリュブティスを見て呟いた。

 

「なんであいつ、ずっと自分同士で喧嘩してるんだ?」

 

 言われてみればそうだ。

右の首と左の首が、まるで別の生き物みたいに噛み付き合っている。

 

「うむ。それは左の方がカリュブティスではないからなのだ」

 

 いつの間にかミリムが隣に立って呟いていた。

 

「み、ミリム!?」

「……もしかしてフォビオか?」

「正解なのだ!」

 

 どうやら左側の頭はフォビオの意思らしい。

騙されて依代にさせられても自分の身体を奪われまいと抵抗しているのとのこと。

 

「それにしても強化したにしては欠陥品じゃん……」

「だが、そのお陰で助かっておるのも事実なのだ」

 

 確かに。

もし完全に支配されていたら、今頃もっと酷いことになっていたかもしれない。

 

「だったら助けられないかな」

 

 リムルが呟くと、全員がこちらを見る。

 

「フォビオを?」

「まだ意思が残ってるなら可能性はある」

 

 少なくとも見捨てる理由は無いらしい。

 

「でもどうする?」

「……一応あるにはあるのだが」

 

 リムルが嫌そうな顔をしてこちらを見た。

 

「タケル。無茶するなよ?」

「分かった」

「絶対分かってない奴だ……」

 

 

 

「いくよ、リムル」

 

 リムルに元々付与していた【身体能力強化】【捕食能力強化】のエンチャント効果を強める。

このままではエンチャントの上限を超えてしまうのでデバフ要素として敵対心を向けさせる誘導を付与する。

 

 同時にカリュブティスへ【鱗による攻撃力上昇】のバフと【知能低下】のデバフを付与する

そして……【再生能力強化】のバフも忘れずに…

 

「おい待て!?」

 

 リムルが叫ぶ。

 

「なんで強化した!?」

「いいから信じて」

 

 知能を下げられたカリュブティスは、自分の生命力など考慮しない。

どれだけ傷を負おうとも再生する。

 

 傷を負う度に何度でも…何度でも…

無駄に…限界まで…だからこそ。

 

「頼むよ、フォビオ」

 

 俺は空へ跳び上がり、右首の隣まで到達した。

カリュブティスに向けて力強く剣を構えると同時に、自分の魂を削り取る。

ミリムとの戦いで覚えた、自分を燃料に変える技だ。

 

「一撃だけだ」

 

 世界が静止したような錯覚…そして…

 

「…………っ!!」

 

 音を置き去りにした斬撃が走った次の瞬間…カリュブティスの右側の頭が宙を舞った。

 

 

 

「タケル!!」

 

 切断された頭が最後の抵抗とばかりに光線を放ってきた。

回避は間に合わず直撃してしまい身体が吹き飛ばされてしまった。

リムルは心配だったのかこちらに来ようとするが静止した。

 

「気にするな!!」

 

 それよりも。

空で暴れている怪物の方が重要だった。

 

 

 

 首を失ったカリュブティスが絶叫している。

 

 再生…

 

 再生…

 

 再生…

 

 異常な速度で肉体が再構築されていく。

その度に生命力が削られていく。

 

「グオオオオオオオッ!!」

 

 暴走し、理性を失った本能が再生だけを繰り返す。

 

「返せぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 

 そこを突然、左の頭が右首へ噛み付いた。

 

「なっ!?」

「フォビオなのだ!!」

 

 ミリムの言った通り、フォビオが抵抗している。

まだファビオは身体を取り戻すことを諦めてはなかった。

 

「ファビオを援護しろ!」

 

 ベニマル達も再び攻撃を開始する。

それからカリュブティスは傷付いては再生を繰り返し生命力だけが凄まじい勢いで失われていった。

 

 

 

「リムル!!」

「分かってる!!」

 

 分かってる…

タケルがここまでお膳立てしてくれたんだ…

この勝機を逃す訳にはいかない。

 

「【捕食者】!!」

 

 黒い闇が怪物を飲み込んだ…

あれほど巨大だった怪物は瞬く間に消え去り、残されたのは気を失っている黒髪の魔人だけだった。

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