Links dive ー自分をマスターと呼ぶリンカロイドに出会った話ー   作:やさかみ

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プロローグ

プロローグ

 妙に近未来チックな部屋。そこに彼女はいた。

 整った顔立ちの彼女はいくつものコードに繋がれ、眠っているのか目を閉じながら椅子に座っていた。その姿は綺麗で、背筋は伸び、白く綺麗な手は膝の上に整えられて置かれている。後ろの機械から発せられているほのかな青い光が彼女を照らし、その様には月光の下にいる眠り姫を幻視した。彼女の顔が整っているからか、この様が画として魅力的だからなのかはわからないが妙に心が惹かれてしまう。自分は現在どんな状況にいるのか、ここがどこなのかも一瞬忘れてしまうほどに。

 

 

 そして、彼女はその瞼を開いた。

 瞼が開かれたことで見えたのは当たり前ではあるが瞳だった。それは無機質で、生命を感じない。しかし、まるでサファイアのように、いや、海のように、いや、空のように…なにに例えるかと言われれば決まったものが思いつかないが、とにかく自分にはそう、綺麗で深く、鮮やかに理論理屈では説明できない何かを感じた。そんな瞳はよく見れば生物的なものではなく機械的なものだとわかるが、どうにもそれだけには見えない。光を感じる。レンズの反射とかそんな者ではない。もっと、そう、言うなれば……

 

 

 

 

「こんにちはマスター。あなたの名前は、なんでしょうか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――

 

 ある日、この世界にリンク技術が生まれた。

 創常 博士によって生み出されたその技術は、人と機械を繋げることを可能とした。機械から情報を脳に送ったり、逆に脳から機械へと情報を送ることが可能になったのだ。例えば、データ上の文章を五感を使わずに読むことや、脳内の文章をキーボードなどを使わずに入力するなんてことができた。

 そんなリンク技術は電波ではなくオーズ波という人から発せられる特殊な波動を活用しているらしく、そのオーズ波を発見したのも創常博士である。

 

 そして、偶然か必然か、その年を境に様々な技術が実現しだしたのだ。

 人工心臓、電脳空間、パワードスーツ、アンドロイド、立体映像、全身像通信などなど、それまで空想の産物だったものが続々と開発された。

この技術の発展が立て続けに起こった時期をある人はこう言った。技術推進期ユーテップと。

 

 やがて、リンク技術やそれらの技術は社会を構築する技術の一つとなっていた。

 

 

 これは、そんな世界の話である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーー何もないライブステージーーーー

 

 大勢の人たちが何もない円形のステージを囲んでいる。

しかし、そんなステージを前にしても彼ら彼女らは静かに興奮していた。

 一見、何もないただのステージ。ステージ周りになにかがあるかと思えばなにもなく、ただ大勢の人がいるだけだった。しかし、彼らはみな同じ一つの存在を待ち続けていた。

 

 そして、突如として会場のライトが消える。それと同時に会場では話し声が消え、音のない空間が誕生した。

皆の視線はすべてステージに寄せられており、皆が手にもつペンライトが光を灯し始める。なにかの始まりが目前に迫っていることを感じる。

 

 それから数秒経つと、どこからともなくステージ上に向かっていくつもの色鮮やかな光が様々な浴びせられた。

それらの光は不思議なことにステージ上で収束し、強い光となった。眩いがしかし、みながその強い光から目を逸らすことはなかった。逆に、目を惹きつけられてしまう。ステージ上の光はさらに収束し、皆が持つペンライトの光も集めて人の形を作りだす。人の形をした光は髪、服、装飾なども形作っていき、この会場にいる人ならば誰しもが知っているシルエットが浮かび出していた。

 

 すると、そのシルエットは右手を上にあげるとこういう。

『READY?Let’s call my name!!』

 

 それと同時に空間は皆の声によって大きく揺れる。その空間を揺らした声はすべてある一つの名を呼んでいた。

 

『臨歌セイ』と。

 

 皆がその名を呼ぶと同時に、ステージ上の人型に向かって、光が流星のように線を描きながら落ちた。その光がシルエットに当たると、視界が埋まるほどの大きな光が発せられる。

 

 その光が収まると同時に現れたのは、先ほどとは打って変わった光景だった。

 何もなかった普通のステージは、近未来と言われそうな姿に変わり、宙にはホログラムや画面、スピーカー、スポットライトなどが出現している。

 しかし、観客の目線はステージの変化にではなく、ステージ上の先ほどまで光に包まれていた少女に向けられていた。その少女はオレンジ色の筋が通っている美しい銀髪を持ち、下を向いて立っている。光の翼が生え、その姿は近未来天使とも言われそうな姿だった。

 

 そして、皆が彼女のことを認識した瞬間、空間は歓声に満たされた。空間を揺らす程の歓声は、彼女の人気の高さを表している。そんな歓声の中、銀髪の彼女は顔をあげ、彼女の瞳が静かにゆっくりと開かれる。露わになった彼女の瞳は青く深く、透き通っていた。あまりにも惹きつけられるその雰囲気、瞳は一言で言えば人間離れ。それもそのはず、彼女は人間でない。彼女はAI、アンドロイドでありながらもリンク技術によって心を通わせることを可能とした技術推進期ユーテップとなった後に生まれた新世代の存在なのだから。

 そんな銀髪の少女こそが今宵のイベント、その名も電脳唱ディライブの主役であり、ここ、電脳空間Linksに突如として降臨した歌姫。世界初の”リンカロイド”歌手『臨歌セイ』である。

 

 

 彼女が目を開ききった瞬間、電子でつくられた曲が流れ出す。事前挨拶もなく始まったそれに、人々は一瞬の困惑を見せるが、いやおうもなくその雰囲気に飲まれた。宙の画面上にはThis music 【Links dive】と表示されている。

 

曲をバックにながしながら彼女は初の声を発すした。

『さあ、はじめるよ!』

 

 彼女がそう言った瞬間、会場の空気は一変し、彼女の歌が始まることを自分たちにより強く感じさせた。

 

 

 

 皆の期待のなか前奏が流れている。その間彼女は静かに体を揺らしてテンポをはかっていた。そして、彼女の歌が始まる。彼女の歌が自分たちの心に届いた瞬間、皆は彼女に支配されていた。

 

 

 

 彼女の歌声は自分たちに抑えきれない高揚感を与え、自分たちはただただ彼女、臨歌セイのライブに魅せられていた。

 

 

 

 曲が終わると、大きい歓声が空間を満たした。それと同時に、自分が観客の1人でしかなかったことを思い出す。自分自身の存在を忘れてしまうほど、自分は臨歌セイのライブに夢中になっていた。もしも歓声がなければ、その事実に気づくまでにどれほどの時間を要したのだろうか。

 臨歌セイの歌、声、動き。曲の演奏やライブの演出。それらに自分の全ての意識を持っていかれていた。

 

 

 歓声が収まると、臨歌セイは喋りだす。

 

 

『やっほー。臨歌セイだよ?みんな元気にしてたかな?』

 

 臨歌セイはいつの間にか手に持っていたマイクを口の近くに持って行き、全員が聞き取れる声で喋り出した。

 

『本当はこういう挨拶は曲を始める前にいうべきだったんだけど今言うね。これからリンカロイドの歌姫こと私、臨歌セイによる電脳唱ディライブを始めるよ!もう一回聞くね、準備はいいかなー?次の曲は… 』

 

 

その後のライブも興奮が絶えずに続いていった。

 ライブ中にはいくつもの歌があり、雰囲気に合わせるように会場や臨歌セイは何度も姿を変えていた。空にたくさんの星々が現れたり、セイの髪の青筋が赤くなったり、光の翼の形が変わったり、電撃が流れたりと視覚的にも歌の雰囲気に飲み込まれた。

 

 

 

 

 

………

 

 

『みんな!今回の電脳唱ディライブは残念だけど本当に終わりだよ!それじゃみんな!バイバーーい!!』

 

 最後の曲を終え、アンコールも終わらせた彼女は光に包まれ、宙へと消えていった。

 

 その後は臨歌セイが現れる前の最初同様のなにもない会場に戻り、ライブが本当に終わったことを感じさせる。

電脳唱ディライブ、想上以上だった。前評判で凄い凄いとは聞いていたが、実際にライブを体験すると想像以上だった。感動、そんな言葉では言い表せられないほどに、自分はライブに魅了されていた。それらは自分の魂が揺さぶられるとはこの感覚を言うのだろうか。魂にまで届きそうな歌、現実離れした演出、そしてライブ全体の一体感。この空間の全魂が共鳴していると錯覚してしまっていた。

 ライブへの感傷に浸っていると、周囲の人が光に包まれ消え始めた。どうやら、この空間から退出したらしい。

光に包まれて人が消える。現実では見ることができないこの光景は仮想世界だからこそ見れるものだろう。今更だが、ライブが行われたこの空間は現実ではない。接続空間リンクス、俗に言う電脳空間や仮想空間をリンク技術で作り出したものだ。

退場する人が増えていく中、自分は強制退出時間になるまでその場に立っていた。

 そして、強制退出時間になったと同時に視界が黒に染まる。そして、意識が現実に引っ張られる影響か、意識が遠ざかる。素直にそれに従い、意識を現実におとす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『………けました……ター』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 様々な感覚が回復することで、自分の意識が現実に戻ったことを認識した。接続空間リンクスから脱したことを理解して頭に被った装置を外す。そうすることで視界には現実世界が広がる。そして、いの一番に視界に入ったのはニヤッとしている黒髪ロングのお姉さんだった。

 

「やぁやぁ真くぅん、どうやらお戻りになったようだね。どうだったかな?初めての電脳唱ディライブは。楽しかったかい?」

「はい。楽しかったです。」

「それはよかったよ。そこまで楽しんでもらえたのなら手伝った私としても鼻が高い。」

 

自分に話しかけている彼女は自分が所属している部活【リンカロイド探究部】の部長である月島 彗子だ。今回の電脳唱ディライブに誘ってくれた上に、本来参加できない自分が参加する手助けをしてくれた恩人である。

 部長とそんな話をしていると、そんな部長の後ろからリング型の機械を頭につけた灰色髪のお兄さんが顔を出した。

 

「彗子。お前今回なにもしてないだろ。」

「おやおやぁ?それは酷いじゃないか。機材の準備をしたりと色々手伝ったというのに」

「機材準備したのアイだろ」

 

 部長と会話をしている頭にリング型のデバイスをつけたお兄さんは我が部の副部長、神於 博樹だ。人呼んで歩くハイパーコンピュータであり、彼がその気になればそこらのスーパーコンピュータをたやすく凌ぐ演算能力を発揮できるという噂がある。このまえ試しに50桁の計算を頼んだら瞬殺された。単純に化け物である。

 

 先ほど、副部長が言ったことが本当だとすると今回参加の手助けをしてくれたのは部長よりかは彼と言えるかもしれない。ならば副部長に感謝しなければならない。しかし、部長が誘ってくれなければそもそも参加していなかったので部長への感謝の気持ちも忘れない。

 

「そういえばそうだったかなぁ?まぁ、そもそも君と私は一心同体運命共同体。互いの功績は共有すべきだろう?そして、アイは私のバディだからアイの功績は私の功績と等しいのだよ」

「いつから俺とお前はそんな関係になった?」

「生まれる前からさ!」

「馬鹿か」

「おや、それは感謝と受け取らせてもらうよ?私の信条の一つにはバカと天才は紙一重途というものがあるからね。君の発言は自動的に最上級のお褒めの言葉へと変化した」

「なんだコイツ」

「リンカロイド探究部の部長兼創設者だよ!」

 

 そして、自分が所属している部の名はリンカロイド探究部。月島部長と神於副部長が2人でつくった部であり、ゴースト部員の割合がNo. 1の問題部である。部長はこの部のことを『私と博樹副部長の努力の結晶それこそがこの部なのだよ!』とたからかに語っていた。それに対して副部長は、無理矢理手伝わされた上に強制的に入部させられた、俺は被害者だと言っていた。

 

「あぁすまない真くん。話が逸れてしまったねぇ。」

「いえ、大丈夫です。」

「ならよかった。それにしてもライブをちゃんと楽しめたみたいでよかったよ。体験したことのない感覚だったろ?私もあれを初めてやった時は胸が躍ったものさ」

「はい。本当に。まだ体が震えます。こんなすごいの、自分1人じゃ参加もできませんでした。ありがとうございます。」

「これくらいのこと別にいいさ。どんどん頼ってくれたまえ。まぁ、彼の言う通り私は今回何かしたというわけでもないのだがね。まぁ副部長らにも感謝するといいさ」

 

 そう言われて自分は副部長を見る。副部長は先ほど部長と話していたが、既に作業に戻っていた。頭につけたリング型の機械を光らせながらキーボードを叩いている。何をしているのかは知らないが、集中してい流様子だ。気を散らさせていいのかと悩んだ結果、小声でお礼することにした。

 

「副部長、ありがとうございました。」

「あぁ。またなにかあれば言え。」

 

 しかし、副部長の耳には届いていたようで返事が返ってくる。自分はまた部長の方を向き、またお礼をする。いろいろ丸投げしていたらしいが、自分が参加できたのはこの人が誘ってくれたおかげだ。

 

「部長もいろいろありがとうございます。」

「これくらいなら構わないよ。どんどん頼ってくれたまえ。あぁ、もしどうしても私に礼をしたいというなら今後も部活動に励んでくれるといいさ。最近幽霊部員が多いとかで上がうるさいからね。君までいなくなられると余計にうるさくなりそうだ。」

「はい。わかりました。」

 

 部長は自分の返事に満足したのか、これで我が部も安泰だな。と言いながら手を組みうんうんと頷いていた。そうこうしていると、部長がふふと斜め上を見上げ、なにかに気づいたようだ。壁の方を見たらしく、そこに何かあるのかと思えば彼女がこちらに顔を向いて口を開く。

 

「あぁ、こう話しているうちに時刻も8:00を過ぎているではないか。夜も始まりを迎えてしまっている、そろそろ帰った方がいいんじゃないかな?」

 

 そう言われて部長が見ていた方の壁を見るとデジタル仕様の時計がかかっていた。数字と針両方で表示されているその時計のは8時5分を示している。

 

「そうですね。そろそろ帰ることにします。あ、片付けとかは」

「構わないよ。まだこちらの作業が残っているからね、終わってからまとめて片付けるよ。」

 

 部長の後ろでは頭のリングを光らせながらも副部長がキーボードを叩きながら作業していた。何をしているのかはそこら辺に詳しくない自分にはわからない。

 

「あぁそういえば、君の家はここから少しばかりかあったね。送ることもできるがどうする?」

「いえ、流石に悪いですよ。」

「そうかい?遠慮しなくていいんだよ?まぁ君がいいならいいが。まぁ家までではなくとも部屋前まではおくらせてもらうよ。一応ここの家主だからね。」

「はい。」

「それじゃ博樹副部長。少し外すよ」

「あぁ。」

「副部長、今日はありがとうございます。あと、お疲れ様です。」

「またな。」

 

 先ほどのような小声ではなく、ちゃんとしたお礼をする。副部長の別れの言葉を聞いたら顔をあげて部長と共に玄関まで歩く。玄関では自分の靴が履きやすいように整えられていて、その隣に靴べらがたてて置かれていた。その近くには長い黒髪に赤いラインがはしっている女性が立っている。近未来メイドと言えば良いのか、そんな格好をしていた。彼女は先ほどの会話の中で少し名があがっていたアイさん。人のようにも見えるがその実、部長のリンカロイドだ。彼女も臨歌セイと同じく人間ではない。部長がマスターとしてリンクしているリンカロイドである。

 

「真様がご帰宅のようでしたので勝手ですが少々整えておきました。」

「ありがとうございます。」

「どういたしまして。」

 

自分は用意してもらった靴ベラで靴を履き、そしてドアノブに手をかけそして振り返る。

 

「おせわになりました。それではまた。」

「あぁ、月曜日にまた会おうじゃないか。」

「さようなら真様」

 

 

 

 

 

 月島部長の部屋から廊下に出ると同時に、チーンという音が鳴った。その方向を見るとエレベーターがあり、先輩かアイさんが呼んでくれたのだと考えてそれに乗り込む。

 数秒後、一階についたエレベーターから降りてそのまま外に出る。正面玄関から外に出ると、冷たい風が身にあたり軽く震えた。

 なんとなく、自分が出てきたマンションを振り返って見上げる。価格的に高そうな見ためをしていて、物理的にもとても高い。部長と自分の世界の差を感じる。すでに察している人もいるかもしれないが、月島部長はお金持ちだ。大企業の社長令嬢だとかなんとか。まぁ、それにしてはお嬢様みたいな気配はしない。

 

 ここから自宅までは普通に歩いてだいたい60分くらい。自転車に乗るともっと早いが、今はそんなものない。やはり送って貰えばよかったか。電車を使えば少し楽だがどうしようか。

 まぁ、たまにはゆっくり夜を歩いて帰るのもいいだろう。なんでもポジティブに考えた方が人生は楽、どこかでそう聞いた。

 

 今は5月。昼は暑くなってくる季節だが、夜はまだ涼しく風が少し肌寒い。体がゾクゾクとして鳥肌がたつ。

 なんとなく空を見ると、綺麗な満月が道を照らしていた。しかし、その代わりなのか他の星々はあまり見えない。目を凝らせばうっすらと見えるが所詮その程度だ。やはり街中だと空の星が見えにくい。ここしばらく現実ではまともな星空を見れていない。いつか街の光のない山とかに行って天体観測でもしようか。

 

 それにしても、今日の電脳唱ディライブは凄かった。過去の電脳唱ディライブの映像は見たことあるが、見ると体験するでは大きな差があることを実感した。現実のライブも同じくらい凄いのだろうか。行ったことがないからわからない。

 電脳唱ディライブは電脳空間リンクスで行われている。今更であるが電脳空間リンクスは機器と脳をリンク技術によって繋げることで発生する擬似空間のことである。

 そんな場所で行われるライブというのは容易く参加できるものではない。特に自分のようなリンクが苦手な者にとってはだ。いくつもの機器や補助があってようやくできる。リンクの適正が高い者にとってはあそこまでの機器がなくともでできるのだろう。

 ちなみに、個々人のリンクの適正はアルファベットでランク分けされる。身体能力テストのようにいくつかのテストから総合的に判断されるのだ。そして、自分のリンク適正はE。補助機なしではほとんどリンクができない最低ランクである。ちなみに部長は堂々のA、最高ランクだ。

 リンクの適正というのは伸ばすこともできるらしいが才能の側面が大きいらしい。1ランク上げるくらいならば可能かもしれないが、少なくとも自分は昔からかわっていない。補助機を使ってようやくDになっている。世界は残酷である。

 もっとも、日常生活で使うようなリンクはDもあれば十分なのだが、やはり高い適正あって損はない。

 まぁ、今更そのことを悩んだところで改善なんてされないのだからと思考を止める。それに、こんななことばかりを考えていると憂鬱になってしまいそうだ。この数十分の徒歩の道、憂鬱になれば体感時間は伸び、体感消費体力精神力は増えると損ばかりである。何か楽しいことがないか考え、気分の転換をはかる。

 地の光であまり見えなくなっている星々を見ながら歩き、そしてなにか楽しいことはあるかと考える。そういえば、電脳唱ディライブで忘れていたが来週は校外学習があったはずだ。

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