対目が冴える蛇用オリ主   作:おれはきさまを倒すものだ

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1話

 どこだここ。真っ白で殺風景だな。目に悪そうだし観葉植物でもいいからなんか置いておけよ。

 

「悪かったな、殺風景で。でも変わらんよ。わしはほとんどここに来ないし」

 

 うお、びっくりした。何だよこのじいさん、急に現れやがって。

 

「おお、命知らずなガキじゃ。わしにじいさんと言うか。まあそうか、死んでおるのじゃし文字通り命知らずか」

 

 うまいこと言ったつもりかよ。……待て、今俺が死んだつったか?

 

「うむ、死んでおる。まあ正確にはあとひと瞬きで轢かれて死んでおったから、わしがぶっ殺してここに連れてきたんじゃ。普通に死んでおったならここにも来れず、問答無用で輪廻転生じゃからの」

 

 死にそうだから殺しましたって……別にそのままでも良かったんじゃないか? 俺なんか連れてきたってなんもない気がするが。

 

「そんなことはない。わしにだってちゃんと狙いがある。それこそお主のような人間でなければならんような」

 

 ほーん。まあいいけどさ。で、じいさんは俺を使って何したいわけよ。

 

「もちろん話すとも。しかし……そうじゃな、この話を聞く前提として、お主はわしの身の上について少し知っておく必要がある」

 

 ほう。でもなんとなくわかっちゃってるけど。

 

「それでもやはり伝えてはおくべきじゃろう。勝手な思い込みで動かれては困る。特に人間はそう言う所があるしの」

 

 いいから、早く言ってくれ。

 

「急かすでない。まずは、わしはいわゆる神というものじゃ。全知全能というわけではない、半知四半能といった所じゃがな」

 

 やっぱり神様か。そんなところだろうと思ってたよ。というか中途半端な能力だな。どうなんだそれ。

 

「人間の尺度で言えばそのくらいに位置するというだけじゃ。宇宙の半分を知りこの世の全ての法則の四分の一を行使することができる。思考を読む、魂に干渉する。どれも人にはできんことじゃろう」

 

 いいよいいよ。じいさんが神様だってことは理解した。それで、次は?

 

「まだこれも前提の一つなんじゃが、わしは時に人の作った物語を読むことがある。思考を読み、無駄を省きたがるわしらでは作れない、心の余裕を楽しむための娯楽じゃ。……他の神はそうは思わんらしいが」

 

 ロボットみたいな奴らが多いんだな。

 

「言い得て妙じゃな。それで、つい先日のことじゃ。わしは一つの話を読んだ。名前は確か、『カゲロウデイズ』とか言ったかな」

 

 おいおい随分古いのが出てきたなカゲロウデイズなんて。確か十年は前だぞ。

 

「人にとってはそうじゃろうが、わしらにとって十年などどうということはないのじゃ。と、話が逸れたな。小説、漫画、アニメと全てに目を通したんじゃが、おそらくアニメ版でループが終わったのはわかるんじゃ。しかしの、ハッピーエンドが大好きなわしからするとひとつ納得のいかんことがあるんじゃ」

 

 へえ、神様でもそんなん気にするんだな。もっとあるがままのものを楽しむ気質とかだと思ってたわ。

 

「基本的にはそうじゃ。だが二次創作でifを考える分には自由じゃろう? わしが気になるのは、漫画版のアヤノのことじゃ。目に焼き付ける蛇になった彼女はハッピーエンドに到達出来ておらん。それ以前のアヤノとそれ以降のアヤノは同一人物ではないしの」

 

 なんとなく話が見えてきたぜ。

 

「話の早い小僧で助かるわい。しかし最後まで説明させてもらう。先にも言ったがこれはわしの信条でもあるからの。お主には、少しのチートを持って漫画版の世界に行ってもらう。お主がやるべきことはたった一つじゃ。誰1人欠けることなく目が冴える蛇を打ち滅ぼす。それだけじゃ」

 

 なるほどね。いや、目が冴える蛇って勝てるのか? アニメ版だと自爆みたいな形で消滅していたはずでは?

 

「じゃから、そのためのチートというわけじゃ。お主にわしお手製の『目にする』能力を因果を逆にして授ける」

 

 ん? どういうことだ?

 

「カゲロウデイズに入り込んでしまえば目の能力を“授かって”生き返るしか現実には戻れんじゃろう? 向こうに送り込まれたお主はカゲロウデイズに入らず能力を持っておる状態なんじゃ。じゃから、カゲロウデイズに相手を巻き込んだ時点でお主に目の能力が授けられたという因果が発動して現実に戻ってくることができる」

 

 全然わからん。難しいぞ。

 

「お主は目が冴える蛇が出てきた瞬間にカゲロウデイズに入ればいい。『目にする』能力でなら、一回は自由にカゲロウデイズに触れれるはずじゃ。そうすれば、おそらく目が冴える蛇を封印できる」

 

 なるほど、心中しても俺だけ生き残るわけか。性格悪いなじいさん。神様なんだから真正面から目が冴える蛇をぶっ殺せる能力とかくれればいいのに。

 

「わしは半知四半能じゃからの。世界にあった能力を仕込むことしかできんのじゃ。全知全能にもなれば簡単にいくんじゃろうが、奴らは人の心なんか無視じゃからの」

 

 まあいいぜ。それが出来たら勝てるんだろ? 燃えてくるね、浪漫じゃねえか。

 

「今の問答でそう答える人間は多くないじゃろう。やはりお主を選んで正解じゃったよ」

 

 で、俺はいつに送られるんだ?

 

「ケンジロウとアヤカが死んだ、その瞬間にお主は前世とここでの記憶を取り戻す算段となっておる。能力の方は一日後じゃ。パニックになって台無しにされると面倒じゃからの」

 

 オーケー。いつでもいいぜ。……あ、そうだ。

 

「どうかしたか?」

 

 俺は猫を救えたかい?

 

「じゃから君を呼んだのじゃ」

 

 うわ! さらに眩しくなった! 失明しちゃうって!




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