対目が冴える蛇用オリ主   作:おれはきさまを倒すものだ

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2話

 

 目が覚めた。

 

 冷静に聞いていたけど『ケンジロウとアヤカが死んだ時』って本編前っちゃ前だけど、すでに大体の悲劇が起きた後じゃん。というかそもそも俺はメカクシ団に入れるのか? ……いや如月モモが入ってたし目の能力があったら割と入れてくれるのか?

 

 仲良しグループに急に入るのはしんどいから早めに顔見知りになっておきたいんだが……こじつけ感があると目が冴える蛇にバレるかもしれないしなあ。思ってたよりも面倒くさい時期だな。

 

 どうするか。一応同じ高校に入れれば接点はできるな。志望理由なんか気にする奴もいないだろうし、それで行こう。おし、俺ってば賢い! ……いや待て、俺は今一体何歳なんだ? ほう、15歳の中学三年生? あぶねー、ギリギリじゃん。

 

 一応大学は出てるし受験勉強は最後に総復習すれば大丈夫だとして、学校をどう見つけるかだな。あんまり頼りたくはないけど『目にする能力』次第か? 響き的には探し物が見つかるみたいな能力になりそうだけど。二人が死んだってことは今夏休みのはずだし学校見学で総当たりも視野に入れておくべきだろうな。

 

 色々考えちゃいるけどそもそも俺、熱心なカゲプロ厨じゃなかったんだよね。楽曲自体は世代ど真ん中だったからよく聞いてたけど、ストーリーがどんなんかってのはイマイチよくわかってない。アニメ版は評判悪さに一通り見たけどそれだけなんだよな。アヤノが蛇になったなんてのも……一応描写されてたか。結構前だから忘れ気味だな。大事なところでポンコツ発揮したらどうしよ……。

 

 ワンチャン俺の元の体の持ち主が知り合いだったりしない? そこんとこどうなのよ。えーっと、誰だ。アヤノ、コノハ、キド、エネ、カノ、モモ、セト、シンタロー、マリーくらいか? コノハとエネは元の肉体とは別の名前なんだったか? ……マリーを知ってる? うっそだあ、一番ないはずだろそれ。……森の中に住んでた白髪のお姉さん? まじなんすか?

 

 どえらい幸運だがや。失礼、方言が出てしまいました。ということはそこらへんから逆算して付近の高校に学校見学に行けばワンチャンあるか? あるな、いけるぞこれ。

 

 メカクシ団に入れさえすれば流れに身を任せるだけで目が冴える蛇の顕現まではいけるはず。あと気を付けるべきなのは、楽曲のカゲロウデイズだろう。あれは原作開始後の出来事だった上にコノハみたく接触する可能性もある。というか毎年8月15日は家にこもってた方がいいんじゃないかな。安全を考えるならば。

 

 あ、お母さん呼んでる。もう夕飯かよはえーな、おい。はーい! 今行くー!

 

 

「どうじゃ、現状は理解できたかね?」

 

 おお、じいさんか。すげーぜ、こいつ。マリーと顔見知りだって。

 

「なんと。容れ物の指定は特にしておらんかったはずじゃ。望外の幸運、棚から牡丹餅というやつじゃの」

 

 言えてる。というかじいさん、俺これどうなってんの? 元の体の持ち主は死んでんの? 生きてんの? 人を殺してまでやる気はないんだけど。

 

「その心配は無用じゃ。お主の人格と元の人格に強弱関係はない。一つになったのじゃよ」

 

 一つに……? まあ死んでるわけじゃないならいいが。

 

「融合というわけじゃ。時間が経てば馴染んでいき、やがて一個の存在となる。物心ついた時からお主の人格を徐々に染み出させて行っておったんじゃが、形成された人格と入れ込まれた人格にほとんど差異がなかったがゆえに目が覚めた時も乖離感に苛まれんかったようじゃな」

 

 乖離感を感じるって、そんなことになる予定だったのか。

 

「うむ。じゃから能力を授けるのを一日遅らせたのじゃよ」

 

 そういう理由だったのか。というか、能力を授けるってじいさん直接来んのな。意外だわ。

 

「仕方があるまい。なんの説明もなしに能力を授けられても困るじゃろ? メカクシ団の彼らは発現と同時に発動しているが、お主はそうではない。簡単な効果の説明と使用方法の初歩を教えるために、こうして夢枕に立っておるんじゃ」

 

 なるほどね。委細承知。

 

「ようし、話が早くて助かるわい。まずお主の『目にする能力』は、見ることに特化した能力じゃ。お主が見たいと思ったものを、ほぼ全て見せてくれる。千里眼のようにも使えるし、目的地へのピンのようにも使える。見えないものを見ようとすれば、一時的に体の構成すら組み替えて見えるようにもしてくれる一品じゃ」

 

 ほうほう。見えないものを見えるようにするってどこまでが含まれる? 幽霊とか、未来とかもいけんの?

 

「もちろん可能じゃ。わし特製の能力じゃからの。ただ気をつけるべきは、いくらソフトが有能でも、それを動かすハードはそこまででもないということじゃ」

 

 ほう?

 

「たとえばお主の上げた未来を見ようとするとしよう。『目にする能力』は未来を見ている間はお主をそれに適した体に作り替える。じゃがの、未来を見終わった後のお主の体に未来の情報は処理しきれんのじゃ。そういう頭の作りはしておらんからの。下手をすれば死ぬ。限度の一、二秒先くらいでも信じがたい頭痛に襲われるじゃろう」

 

 いや、おまけにしては破格すぎるだろ。普通にメイン張れるくらいの能力じゃん。もともと擬似ナビ機能に千里眼がメインなはずでしょ、盛りすぎだろ。

 

「前々からチートであると言っているじゃろう。それに、お主が戦わねばならんのは暗躍を繰り返す目が冴える蛇じゃからの。万全を期すに越したことはあるまい」

 

 まあ、たしかに。

 

「次に使い方じゃな。こっちはそう難しくはない。頭の中で見たいものを浮かべるだけじゃ。具体的であればあるほどより鮮明に見えるようにはなるがの」

 

 具体的?

 

「お主は明日の天気を知りたいと思ったとき何を見る」

 

 そりゃ天気予報だろ。

 

「どこのじゃ。アメリカのか、中国のか」

 

 ……そういうことね。

 

「話が早くて助かるわい。お主が見るべきは“現在地周辺の新聞の天気予報欄”といったところじゃろう。ここまで絞ればほとんど疲労なしで見ることができる」

 

 抽象的になるほど該当物が多くなって精査に必要な手間が増えるってわけか。

 

「おおむねそれであっておる。……伝えるべきはこのくらいかの。よいか、これから先はわしには何もしてやれん。今は送り込んだ直後であるがゆえに話せているが、わしとお主の時間の流れは異なっておるのじゃ。次に見るのは幾ら早くとも全てが終わった後になってしまうじゃろう」

 

 気にするほどでもないだろ。第二の生にチート能力。これ以上じいさんに貰うなら俺はあまりの有り難さに改宗しちゃうね。

 

「そうか、そこまでか。ならば良い。一生懸命頑張るんじゃぞ」

 

 ああ、まかせてくれ。吉報を期待してな。

 

 ……ん? すごい睡魔だ! 起きてらんないって! いや寝てんだわ俺……。

 




続かない。
なぜなら筆者がカゲプロを曲しか知らないから。
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