対目が冴える蛇用オリ主 作:おれはきさまを倒すものだ
目を瞑る。
ちょっとカッコつけようと思って山降ってきたけどこれからどーしよ。とりあえず言うことは言えたから良しとしようかな。敵認定されてなきゃまあどうとでもなるでしょ。
俺って目の能力に関しては大分上位の位置付けだよな。キドの目を隠すとかぼやけて見えてたし、セトくんの目を盗む能力は真っ向から弾いてたし。セトくんの方はシンプルに俺の思考力に耐えきれずに自爆しただけか。俺は何考えてたの? ……強さについて? 哲学的だね。でもよくそれでセトくんダウンさせれたね。なんかコツとかあるの? ほうほう、シンプルに量と質を兼ね備えた思考でぶん殴る。うーん、脳筋!
やっぱり神様お手製だとちょっと違うのかな? あ、そうでもないの? 前にマリーと目があっても石化しなかった……ってやばいな、この身体。いやでも一応生まれた時から俺の人格を染み出させているらしいから影響なくはないはず。
それにしても思ったより楽しかったな、範馬勇次郎ムーブ。これからも積極的に行っていきましょうかね。……元とそんなに変わってない? まあ元から勇次郎みたいなもんだったでしょそっちは。改めてって話だから。
そういや俺ってオーガとか呼ばれたりしてんの? ……あ、してるの。暴れると手がつけられないからオーガ……背中に鬼が宿ってるとかではない? ならよかった。俺のここ二日で考えたやってみたいこと全部前もってやられてたらどうしようかって思ってたよ。
目を瞑ったまんまでも割と問題なく下山できたな。筋力……というよりも神経系や脳機能まで含めた総合的な意味での身体能力が馬鹿高い。言っちゃあれだけど、よく喧嘩の仲裁をするくらいしか実戦経験を積めないトレーニングでここまで練り上げたよ。じゃあ今日からは俺がこの体でさらに厳しいトレーニングを積むね。
目標は特になし。強いて挙げるなら黒コノハを上回ること。あるいは範馬勇次郎に少しでも近づくこと。地震止めれるようになりてえなー。でも出力も技術も大体足りてない。そもそもあの人はベトナム戦争とか各地の紛争地帯を渡り歩いて叩き上げた打撃用筋肉だから真似できるかと言われると否なんだよな。
最高効率は銃持った軍人と戦争の中で殺し合うこと。次は刃牙みたいに基礎鍛練極めながらなんかたまに超強いやつと戦って勝つこと。あとは一日三十時間のトレーニングか。これはジャック・ハンマーが特異だっただけで現実的ではないな。……挙げてみて思ったけど、そんだけやったら順当に強くなるわなみたいな鍛練方法ばっかりだな。
一番出来そうなのは刃牙リスペクトくらいかな。あとの二つほど不可能度が高いわけではない。対人戦闘もやっておきたいけど、地元の不良じゃ正直相手にならないし、他の手段と言えば……道場破りとかになるのか。範馬勇次郎はやってたけど道場破りはあまり褒められた手段ではないからな、法律的に。とりあえず保留。
……山籠りして野生動物と戦うのもあり? 確かに熊とかめちゃくちゃ強いし、腕試し程度に戦うならうってつけか。よし、採用。と言うか俺が山歩きしてたのってそのためだったのかよ。
じゃあ明日からは今までやってたトレーニングよりも強度を上げていくか。暇つぶしよりも重要な目的があるし、怠惰にやってる場合じゃねえ!
自転車に跨ると、行き以上のスピードを出して道路を走って帰る。一番重いギアにしているのだが全くもって負荷になっていない。普通に走った方がトレーニングになるな、これ。
⬛︎
ということがあり、ひたすら走って戦って闘った。結局ちゃんと技術を修めている格闘家と戦えるという誘惑には勝てず、ひと月もしないうちに道場破りを始めてしまった。一応前日にアポを取ってはいるが。
そんなことをしているとあっという間に時間が過ぎ、熊が冬眠を始めてしまったので山歩きをやめた俺は少しの暇を持て余していた。日課にしていた九ノ瀬遥と榎本貴音の進学先の調査についても早々に目が二人の進路調査表を発見したことで取りやめになった。能力を使って出来そうなこともやっていたが、範馬勇次郎ができていた意識のトリガーの知覚やX線染みた弱点透視能力に至っては能力なしでもできるようになった。成長性が高すぎる。
最近では遠くの都会でやったカラーギャング潰しの噂が広まって俺に絡んでこようとするやつは減ってしまったし、有名な道場やボクシングジムはあらかた巡り尽くしてしまったのでリアルシャドーで実戦経験を積んでいる。
俺の『目にする能力』は出来ることの限界が高い。こうして眼前に愚地独歩の幻影を作り出して戦うことにも成功した。俺にしか見えないが、動きは確かに本物なのでリアルシャドーの高精度化にも一役買っている。もう少し早くから目の能力の研鑽も始めておけばよかったと今更後悔。
リアルシャドーで戦えると言っても所詮は幻影。実際には殴られもしなければ傷つけられたりもしない。範馬勇次郎に倣って言うなら実物の子犬にも劣る代物だ。調整に使うならまだしも、本格的な鍛練には向いていない。そんな事情もあって俺はまだいくつかの道場やジムに通っている。どこもかなり有望な奴らがいるところだ。
空手のみで愚地独歩のシャドーと戯れていると、13時にセットしておいたアラームが鳴った。言っていなかったが今日は合格発表の日だ。もちろん九ノ瀬遥と榎本貴音の通う高校のもの。一方的な面識で同じ高校をどうにかして調べてそこに通ったと言うと、やっていることはモロストーカーなんだよな……まあ世界の命運がかかっているから仕方ないということで一つ。バレたら印象最悪だから絶対に言わないけど。
全解禁してシャドーを叩きのめした後、早速インターネットで合否を確認する。普通に合格していた。なんというか、普通だった。賢いシンタローが入るんだから少し難しいのだと思っていたが、まあ普通。アヤノと一緒に選んだのかな? とか考えるとその…フフ……胸がぽかぽか………しちゃいましてね…………。
何はともあれこれでスタートライン。目が冴える蛇に捕捉されるのは微妙に痛手だけど、何より3人をこちらからも捕捉しておけるのは代え難かった。うーん、いよいよ原作キャラとまともに関われるとなると、なんだかワクワクしてくる気がする。やっぱり闘争以外にも心を躍らせられる感性を持たなきゃね。戦うことでしか自尊心を満たせないような人間にはなりたくないからね!
続かない。
何が正しいのか分からないから。