ボンプリ短篇集   作:つるみ鎌太朗

5 / 5

【⚠ 注意書き ⚠】

 まず第一に、
 こちらは『プリンプリン物語』の二次創作であり、
 ファンが勝手に書いた男女カップリングのSSです。
 愛ちんさんのイラストを元に連想して書き上げさせていただいたものですが、 
 小説自体は、

 R-15相当として設定しています。

 性的な接触を連想させる場面が書かれているので高校生未満の方は読まないでください。
 結果として未遂、ほぼノータッチですが……。 
 えっちな雰囲気が苦手な方も読むのは控えられたほうが無難です。

♢
 
【結局はそういう関係にはならないけど……】
 ベッドの上でなんたらかんたらはあります。
 イヤらしい接触はほぼありませんが、そういう空気が苦手な方は回れ右です。

【未成年の飲酒】
 勘違いによるものではありますが、酔っ払っている描写があります。

【カップリング】
 ボンプリです。
 それ以外はありません。

♢
 
 以上、『大丈夫!』という方のみお進みください。



いちごの誘惑

 

 

【挿絵表示】

 

イラスト:愛ちんさま

 

 ボンボンには目の前の光景が信じられなかった。

 年ごろの男の子だから、好きな女の子のボディラインぐらい想像したことがある。

 きっと驚くほど華奢で、でもかすかな膨らみもあり、とっても柔らかいんだろうな。

 そんな妄想で一夜を超えたこともある。

 しかし、それが目の前に突然お出しされるとは思わないだろう。

 甘ったるい息を吹きかけられ、ボンボンはベッドのそばで完全に立ち尽くしていた。

 

「ボンボ〜ン、こっちいらっしゃいよ」

 

 細い腕に絡まれ、天蓋の垂れた寝台から離れられない。

 そこから身を乗り出し、ふわふわの体を擦り寄せてくるプリンプリン。

 どこか危なっかしくて、ついきつく抱きとめてしまった。

 

「プリンプリン。ナンか、きみ、熱いよ。……お酒とか呑んだ?」

 

 こんな真っ昼間から未成年が飲酒するとは思わないが、何かの間違いという可能性もある。

 トロンとしたとび色の瞳を覗き込むと、長いまつ毛で覆い隠された。

 

「ふふふ。リビングのいちご水なら呑んだわよ」

「……いちご水?」

 

 先ほどから香る、甘い香りはそのせいか。

 ただイチゴだけにしては吐く息がやけに熱っぽい。

 ボンボンはうつむき、しかしすぐに視線を上げた。

 とろけた表情のプリンプリンも蠱惑的だが、下はもっと危険だからだ。

 

 薄い、透きとおる生地のワンピースに可憐な装飾のついた下着。

 ほぼ服を着ていないようなものだった。

 そんな想い人を抱きしめているなんて、思春期の男の子に刺激が強すぎる。

 目をギューッとつむってもプリンプリンの白い柔肌がちらついて離れない。

 だが、女の子はそんな努力とは無縁の世界に生きているものだ。

 プリンプリンが胸にコテンと頭を預けてくる。銀の髪が肌をくすぐった。

 

「ねえ、ボンボン。あなたの心臓、すごく早い」

「そりゃ、こんなコトされたら誰だってそうさ」

「わたしのせいなの?」

 

 見上げてくる瞳が揺れている。

 先ほどまでいじわるそうだったのに、今度は切なげに。

 反則だろう。ボンボンは口をモゴモゴさせる。

 

「いや、まあ、そうとも言えるしこっちの生態の責任とも言えるね……」

 

 碧の瞳をそらすと、両頬をグイッと手で押さえられた。

 

「目を見て言ってちょうだい!」

 

 見下ろす格好になると、この体勢では控えめな胸の谷間まで覗いてしまう。

 

(って、ダメだ! どう思われようと見ちゃだめだァ~!!)

 

 ボンボンは顔を限界まで後ろへ向け、プリンプリンの体を自分から引きはがす。

 

「プリンプリン。ちょっとおれ、席を外すから服を着たほうがいいよ」

 

 ベッド脇から離れようとしたら、いっそう強く腕を引かれた。

 柔らかく、良い匂いのするシーツの上に倒れ込んでしまう。

 

「イテテ……」

 

 何か柔らかいものに突っ伏したおかげで助かった。

 ボンボンが鼻を抑えながら見下ろすと……。

 

 仰向けのプリンプリンがベッドに背を預けていた。

 

 潤んだ熱いまなざし……桜色のくちびる。

 シーツにひろがる白銀の髪。

 このまま唇を寄せれば触れてしまいそうな距離だった。

 ゴクリとノドが鳴る。

 だがボンボンはなけなしの理性を振り絞り、腰から赤い布をほどくと彼女の身にかけた。

 

「じゃ、じゃあ待ってるから……」

 

 だがプリンプリンは白い脚でその布地をすぐにどけた。

 深紅の真下から現れる純白の落差が鮮烈で、つい目を奪われる。

 彼女はふらりとボンボンへ身を寄せ、

 

「熱いの……とっても。ボンボン……」

 

 とボンボンの腕にしがみついてきた。

 熱いのはボンボンもだ。

 顔は火を吹くんじゃないかというほどだし、心臓はもはや飛び出しそうなくらいだし——脚も、手も、震えている。

 

 このまま抱き寄せれば、二人はきっと一線を超える。

 

『子どもだ』とは言っても十五歳。体は大人に近づいてきているのだから。

 口づけて抱き寄せて……その先は頭の中でも言葉にできない!

 ボンボンはすっかりのぼせそうだったが、胸のうちにあった一抹の寂しさが頭を冷やさせた。

 プリンプリンの両肩を掴み、血走った目で美しい瞳を見つめる。

 

「プ、プリンプリン!

ダメだよ、こういうのは、本当に恋人になってから、じゃないと……」

 

 彼女の長いまつ毛がしっとりと濡れていた。至近距離でとんでもない破壊力だったが、ボンボンはほとんど気力だけで拒む。

 体じゅうから汗が噴きでていた。

 

「お、おれ、きみのことが好きだ! 大好きだ!

だから、こーゆーこと……したい……ような、気がするけどォ!

でも酔っ払ってる相手にやることじゃねえだろ! 酔いが冷めたら忘れてるとか、虚しすぎるし……。

とりあえずきみはまず服を着て! 寝るべきだ!」

 

 ぺしゃっ! と軽い体をベッドへ押し倒す。

 反対に危ない体勢になったと後から気づき、ボンボンは目を見開いた。

 だが、そこにあったのは——。

 

 すうすうと寝息を立てるプリンプリンの姿だった。

 

 呆気ないオチにボンボンはベッドからずるりと滑り落ち、その場で盛大なため息をついた。

 

♢

 

 やはりプリンプリンが口にしたのは酒だった。

 ワットが買ってきたいちご酒だったらしく、パッケージがかわいかったのでプリンプリンが勘違いしたそうだ。

 あのシースルーのドレスはワットがマイホームとムフフなことをする時のための勝負服。

 飲酒で熱っぽくなったプリンプリンが見つけて着たのが真相らしい。

 

『子どもの前にそんなモン置くな!』

 

 とボンボンが大人ふたりを叱ると、ショボンとしていた。

 オサゲやカセイジンから『悪気はなかったんだから』となだめられても、まだ腹わたが煮えくり返っている。

 

 だって、男として据え膳を耐えきらなければならなかった。

 こんな惨めなことがあるか。

 

 そんな一泊の出来事を思い返しつつ、次の国を目指すべく道中を大股で歩くボンボン。

 前方でプリンプリンがしゃなりしゃなりと歩いている。

 彼女は迫ってきた時の記憶がないらしく、目覚めたとたんにシースルードレスを着ていたために驚いたらしい。

 モンキーから事情を聞かされたとはいえ、実感もないのか……ボンボンと不自然に距離を取っていた。

 

(こうなるから困るんだよなぁ)

 

 元よりプリンプリンは恋愛に奥手どころか、忌避さえしてるきらいがある。

 そんな彼女が自分の痴態を聞かされて平然とできるハズがない。

 

(さびしい……)

 

 ボンボンがプリンプリンの背をじっと見つめていると、テレパシーでも伝わったのかくるりと振り返られた。

 

「えっ?」

 

 相変わらず気まずそうな顔。

 だがプリンプリンは凛とした声で語りかけてきた。

 

「ごめんなさい、ボンボン。その……わたし、変なコトをして」

「あ、ああ。しょーがないよ、酔ってたんだし」

 

 潔く謝られ、ボンボンは頬をかく。

 わずかに込み上げる切なさ。

 

(プリンプリンにとっては『謝る』ようなことなんだなあ……)

 

 想いさえ通じあっていれば、ボンボンはあのままでもよかった。

 だが彼女がこんな調子なら、やはり拒絶が正しかった。

 

 それにしたって。

『まだそんな対象ではないですよ』と宣言されたようで哀しい。

 

 ボンボンが力なく笑っていると、プリンプリンが神妙な面持ちになる。

 

「でも。よかったわ、相手があなたで」

「へ?」

 

 突然の切り返しにボンボンが呆けた声をあげると、目を細めて微笑まれた。

 

「だって。きみはわたしに、変なコトしないでしょう?」

 

 その笑みに宿るのは百パーセントの信頼。

 プリンプリンはまた振り返って、スッキリしたのかモンキーと一緒に足取り軽く先へ行ってしまう。

 取り残されたボンボンは後から来たオサゲとカセイジンから顔を覗かれた。

 耳まで真っ赤にしながらポツリ呟く。

 

「……そんな、そんなこと言うなよ……」

 

 わななく唇が、限界を告げていた。

 

「オトコはオオカミだって、知らないのかなァ……」

 

 そんな彼に、二人の友人は互いに目配せして『やれやれ』とばかりに苦笑いするのだった。

 

   おわり

 




あとがき

 こんにちは、つるみです。
 今回は先に愛ちんさん(Twitter ID: yumemiyaai )のイラストがあり、感想をお伝えした際に交わした会話も併せてイメージが湧いたので久々にプリンプリン単独で戻って参りました。
 グノパロのほうはのんびりやる予定です。ちょっと体調を崩してしまいまして……そのためすべてのんびり進行になっております。
  
 愛ちんさんの絵はTwitterで進捗を拝見していたのですが、完成された際にちょうどこちらが仕事で修羅場でしてね。上半期締めだったので残業続きだった。。
 その後に体調まで崩してるから、チョットどうしようもないな。ただ職場には話して負荷のないようにしてもらってるのでソコはありがたいかな。

 それで、完成直後は後からいいねつけるだけだったのですよ。
 そしたら後日しぶへ投稿されていたので、いい機会だとTwitterのほうで感想を書かせていただいたのですね。
 その際に、愛ちんさんが、

『プリンプリンもボンボンが手を出してこないのをわかっての……(意訳入っております)』

 と仰っていたので、

『ボンボンを信頼してるプリンプリン、ええな……』

 と思い、こんな形でSSを書かせていただきました。
 チョット色っぽい内容でしたが、まあソコはボンプリなので一線は超えませんでしたね。
 超えたやつも書いたことあるけど、そしてそれの続きも書こうと思ってはいるけど(冒頭なら書いてる♪)

♢ 
 
 ちなみにプリンプリンを酔っぱらいにしていましたが、あの娘が飲酒するならどういう経緯かな? と考えたところ、『赤毛のアン』のいちご水のエピソードを思い出し、そちらを参考にしました。
 ダイアナが酔っぱらってしまったヤツですね。

 ちなみにわたしは、アンは子どものころに夕方で再放送していたのを途切れ途切れに視ただけで、原作は読んだことがありません。
 去年? だったかな。NHKで再アニメ化していたのは家族の付き合いで視ていました。
 色々と言われていましたが、結構よかったと思います。
 原作に詳しい方だとこうであってほしかった、という点が多いのかな?

♢

 今回はイラストが先にあって、後付けでSSを書くというあんまりない書き方をしたのでキンチョーしました。
 もし解釈が違っていたら……、と考えたのですが、愛ちんさんが温かく読んでくださったので嬉しかったです。
 イラストも挿絵で使わせていただく許可を頂き、本当にありがたいです。

 わたしも自分の小説の挿絵とか描けたらな〜。構図や人体ムズカシスギ。
 根性出せたら、やってみようかと思いますw

 それでは、今回はこのへんで。
 また別のお話でお会いしましょう。
 ごきげんよう( ´ ▽ ` )ノ

   つるみ 2026.10.17

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  • プリンプリンの夢男子(夢女子)です!
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