東方先史時代 〜 Impurity created by the moon.   作:イフカ

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2面

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少女祈祷中(NowLoading⋯)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

BGM.平家物語 〜 Covered in wounds

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一先(ひとま)ず、咲夜の力が宿ったという時計でも探してみようかしら?」

 

 

 

 

 

 

霊夢は人里に降り、里の人間たちから情報を収集する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

STAGE2 当てもない人里

タイムウィスプ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間経っても、あまり良い情報を集めれず霊夢は、近くに居るお爺さんから情報を聞いたら終わりにすることにした。

 

 

 

 

 

「すみません〜、ちょっといいですか?」

 

 

 

 

 

すると、お爺さんは「真っ黒な服を着た高齢の男が持っていた」と明言する。

 

 

 

 

 

辺りを見渡すと、ちょうどその特徴に全て当てはまる男と目が合う。

 

 

 

 

 

 

 

 

「げげっ、博麗の巫女!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

その男は霊夢を見るや否や、面倒くさそうな顔で全速力で逃げていった。

 

 

 

 

 

 

 

「あっ、ちょっと待ちなさい!」

 

 

 

 

 

その少女は、見た目と釣り合ってあまり走るのが早くなく、直ぐに霊夢に捕まってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...!?」

 

 

 

 

その少女に触れた瞬間、霊夢は男から“良くないモノ”を感じ取り、バックステップで距離を取る。

 

 

 

 

 

 

 

「アンタ何者!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ?解放された」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「話を聞きなさい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いや、何者も何も、ただの里の人間ですが」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただの里の人間の霊力量じゃないから言ってんのよ。人間じゃないことは確定してる。幽霊かなにか?」

 

 

 

 

 

「一体全体、人里に何の用よ。人間以外は立ち入り禁止、今すぐ立ち去らなければ祓うわよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「馬鹿なのか?」

 

 

 

 

 

「は?」

 

 

 

 

 

「馬鹿、なのか?」

 

 

 

 

 

 

「馬鹿でもいいから殴っていいか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「僕は本当に人間なんですって!」

 

 

 

 

 

 

 

 

少女はそう言っているが、仮に人間だとしても、ただの人間ではないと霊夢は確信していた。

 

 

 

 

触らないと分からないレベルの隠蔽力も相まって、大いに警戒する。

 

 

 

 

 

 

 

「証拠もあるわよ。アンタは高齢の割に体温が異常に高い、46はあるわね。怨霊は熱いのよ」

 

 

 

 

「もう1つ、それほど膨大な霊力を持っていて人間の身体が耐えられるわけ無いわ」

 

 

 

 

 

 

「それでも“人間”と言い張るのなら、調べさせてもらうわよ」

 

 

 

 

 

 

 

男は怪しげに微笑む。それを見て、霊夢は戦闘の構えを取り、いつでも祓える状態にする。

 

 

 

 

 

 

 

「噂通り、鋭いね」

 

 

 

 

 

 

「半分正解で半分不正解」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「半分でも正解(ようかい)なら祓うから安心しなさい」

 

 

 

 

 

 

 

「ここまで来たら言い逃れは出来なさそうだな。僕は木野 茂雄(この しげお)。この抜け殻で受肉した怨霊だ」

 

 

 

 

 

統理縋りの怨めし屋「木野 茂雄」Shigeo Kono

 

 

 

 

 

 

「じゃあ祓うわね」

 

 

 

 

 

 

 

「早とちりが過ぎるよ。話は最後まで聞こうか」

 

 

 

 

 

茂雄は自身の経歴について話し始めた。元は普通の怨霊だったこと。未練を果たすため、生前の自分と最も近しい外見の死体で受肉したこと。

 

 

 

 

 

 

 

「その未練って何なの?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「僕は怨霊の頃、長らく封印されて退屈だったんだ。それをこの一生で満たそうと考えたわけ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「本当かなぁ〜、ただの怨霊にしては霊力が多いようだけれど?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「たまたま多かっただけさ」

 

 

 

 

 

踵を返し、その場を去ろうとする茂雄を見て、霊夢はそれを引き止める。

 

 

 

 

 

 

「待ちなさい。貴方は不可解すぎる、やっぱり調べる必要があるわ。人里で問題を起こされても困るしね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「執拗いぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霊夢は思わず身構える。

 

 

 

 

 

「(この感じ、本物ね)」

 

 

 

 

 

「正体を隠して何がしたい訳?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「買い物に来ただけ。今回は平穏に終わらせたかったのに」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごめんなさいね、でもこっちも[[rb:仕事 > 博麗の巫女]]なのよ。危険の可能性がある存在は放っておけないの」

 

 

 

 

 

「でももうこれで確定したわ、あなたが怨霊だろうがなんだろうが、危険な存在には違い無い。問答無用祓わせてもらうわよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「...言ったな?この俺に敵対するとは。なんて愚かで哀れなんだ」

 

 

 

 

 

「もう隠す必要も無い。この肉体の名前は確かに“木野 茂雄”だ。が、“俺”の名前は[[rb:菅原 恭亮 > すがわらの きょうすけ]]。さすがにお前も名前ぐらいは聞いたことがあるだろう」

 

 

 

 

 

 

 

人里に取り憑く神の断片「菅原 恭亮」Kyousuke Sugawarano

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「己を通して周りの奴らに教えてやれ、お得意の“御神託”でな!」

 

 

 

 

 

 

 

「改めて、我が名は菅原恭亮ッ!外界で名を馳せた怨霊であるッ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「長きに怯えて巻かれろ!短き物よ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

恭亮から無尽蔵の霊力が放出される。その致死量の霊力に霊夢は意識が朦朧とし始める。

 

 

 

 

 

「何よこの馬鹿げた霊力ッ...!?」

 

 

 

 

 

 

霊夢はこのままだとまずいと思い、周囲の人間に避難指示を出す。

 

 

 

 

 

 

「菅原恭亮、聞いたことはあったけど、まさかここまでとは。本気でやるしかなさそうね」

 

 

 

 

 

 

 

霊符「夢想封印」

 

 

 

 

 

 

 

 

“有り難い光”を纏った七色の弾幕を放つ、しかし、霊力で打ち消されてしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「弾幕が!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「博麗の巫女も落ちたな、先代とはまるで別人のようだ。せっかくだから[[rb:幻想郷 > ここ]]のルールで戦ってやる」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

怨符「菅原恭亮の弾幕遊び」

 

 

 

 

 

 

 

その瞬間、恭亮からとてつもない密度の弾幕が霊夢に向けて撃ち出される。

 

 

 

 

 

 

 

「(なんで前方だけ......)」

 

 

 

 

「嗚呼なるほど、そういうこと?そういうことなのね」

 

 

 

 

 

 

 

 

並外れた身体能力で恭亮の背後にまわり、思いっきり蹴り飛ばす。

 

 

 

 

 

 

 

「がァッッ⋯!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

その場に倒れ、肉体が高齢なだけあって再び魂が抜け怨霊になる。

 

 

 

 

 

 

「弾幕ごっこのやり方知らないのに、プライド持ってやるからこうなるのよ、じゃ、祓わせてもらうわね...って、あっ!」

 

 

 

 

蹴られた衝撃で魂ごと吹っ飛び、たまたまその方向にあった霊安室の死体に向かって一直線に飛んでいく。

 

 

そして、恭亮は再び受肉した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「(あれ?生きてる。というか、なんか視線が低くなった気が...)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霊夢は霊安室の扉を勢いよく開ける。

 

 

 

 

 

「はぁはぁ...間に合わなかった...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「博麗霊夢!さっきはよくも蹴り飛ばしてくれたな!裁きを与えてやる!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

怨符「菅原恭亮の弾ま────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピチュン

 

 

 

 

 

 

恭亮は地面に倒れ呻き声をあげながら憾む。

 

 

 

 

 

「な、なんで...」

 

 

 

 

 

 

 

 

「アンタはその人間で受肉したんでしょ?人間に神の力は扱えないわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え、受肉?」

 

 

 

 

 

 

 

「これを見なさい」

 

 

 

 

手鏡を恭亮に見せ、恭亮はそれを見て絶句する。

 

 

 

 

 

 

 

 

身長は30cmは削られており、若者特有のシワ無い肌、尻まで長い髪は痒くて違和感しか感じない。

 

 

 

 

 

 

 

そして特筆すべき点は、男から女に変わっているということ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「にっ肉体が変わってる!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そう、アンタは私の蹴りで一回死んだのよ、で、たまたまこの霊安室の死体で受肉したってこと」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そんな〜」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それに、別の神霊が言ってたわね、“名付けられてしまうと本来の力が抑えられてしまう”って、アンタは前の肉体と今の肉体と本当の名前合わせて実質名前が三つあるんでしょ?なら抑えられる力も恐らく三倍増になるわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「でも...俺は昔、大怨霊として祟りや災厄を引き起こした影響で、人間たちに“天神様”として祀られて...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「信仰を受けるのと祀られるのは別よ、だからアンタは別に強くなった訳じゃない。むしろ弱体化まである」

 

 

 

 

 

「しかもそんな軟弱な人間の身体で受肉したせいでそれに拍車がかかって、せっかくの膨大な力も無駄に...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もうやめてくれ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ時計を渡してもらうわね」

 

 

 

 

 

 

 

 

「急に何の話?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その瞬間だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そこのあなた!手をあげなさい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ホイッスルの甲高い音が鳴り響く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うるさいわね、こっちは取り込み中なのよ。由良?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

軋轢を生む人里のお巡りさん「川路 由良」Yura Kawaji

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「取り込み中も何も!あなたその小さな子に手をあげていたわね!?」

 

 

 

 

 

 

 

「いや違っ」

 

 

 

 

 

 

 

「情け無用問答無用!博麗霊夢!あなたを逮捕する!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

BGM.ヴァンガードサベージ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まったく⋯やるしか無さそうね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

異変調査が全く進まずイライラしていた霊夢は弾幕美も無視して倒すことに専念することにした。

 

 

 

 

由良の背後に回り込み、首に手刀を入れようとしたその刹那───。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その手刀が由良の首に触れた瞬間、全身の力が抜け倒れてしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「⋯!」

 

 

 

 

 

 

 

 

失効「ドレインタッチ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あなたの体力、吸い取らせてもらったわ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「(⋯まずいわね。体力の回復が間に合わない)」

 

 

 

 

 

 

霊夢は咄嗟に御札を四枚取りだし、由良の周囲の地面に投げ刺す。

 

 

 

 

 

 

 

 

夢符「封魔陣」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なっ動けない...!」

 

 

 

 

 

 

ついでにこっそり逃げようとしている恭亮も封魔陣で拘束する。

 

 

 

 

 

 

 

「ナニィ!?」

 

 

 

 

 

 

 

体力が回復した霊夢は立ち上がり、由良と恭亮に弾幕をぶつけてピチュンさせる。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ痛!攻撃する必要無くないですか!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あー?これは異変調査を邪魔した分よ、二度と私に逆らわないことね」

 

 

 

 

気絶している恭亮をまさぐり、時計と財布を奪う。

 

 

 

 

 

 

 

「シケてるわね、もうちょっと金品持っておきなさいよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

由良はその光景を見て、「こんなのが幻想郷を守ってるのか」と戦慄する。

 

 

 

 

 

 

 

「アンタは特別に許してあげるわ。人里の犯罪率が減っているのも事実だしね。でも」

 

 

 

 

 

 

「次は無いわよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「わ、分かったわ...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霊夢は奪い取った時計を適当に弄って調べ始める。

 

 

 

 

 

「んー...構造がよく分かんないな」

 

 

 

 

 

時計の竜頭を押し込んだ瞬間。空間が歪んで捻れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「うわ、なに!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霊夢は身動きが取れず、そのまま空間の渦に呑まれてしまった。

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