東方先史時代 〜 Impurity created by the moon.   作:イフカ

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3面

 

 

 

 

 

 

 

 

少女祈祷中(NowLoading⋯)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

BGM.時空の果てに

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「......」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...ぅん...?」

 

 

 

 

 

 

 

目を擦りながら起き上がる。目の前に広がっていたのは、人里。しかし、建物の構造や、人々の服装など、あらゆる物が違っていた。

 

 

 

 

 

 

霊夢は嫌な勘が働き、その勘は当たってしまう。

 

 

 

 

 

 

「すみません、今西暦何年ですか?」

 

 

 

 

 

「?万寿二年程だが」

 

 

 

 

 

 

 

霊夢は大いに驚愕する。

 

 

 

 

 

 

 

過去に戻った───。そんな幻想(ユメ)のような事が起こってしまったのだから。それ故、お先真っ暗となり、次に何をすればいいのか分からなくなった。

 

 

 

「(万寿...!?万寿って平安時代よ...!?なんで?咲夜の時計を弄ったから!?)」

 

 

 

 

咲夜の能力は“時間を操る程度の能力”。そしてその力が宿った時計を弄ったことで刺激を与えてしまい、余計暴走して過去に遡ったのは確定である。

 

 

 

 

 

「(先に霖之助さんとかに調べてもらえば良かった...)」

 

 

 

 

 

 

「一体どうすれば...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

STAGE3 当てもない平安京

壊想の世界

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霊夢は歩き始めた、目的もやることもも判らない状態では、博麗の巫女といえど何も出来ない。

 

 

 

 

 

 

 

 

“目的がハッキリとしない”。異変解決でこれ以上に恐ろしいものは無い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらく歩いていると、恭亮と似たモノを感じる豪邸を見つける。庭もあり、さらに見たことないほど大きな咲きかけの桜の木まであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「綺麗だけど、あれは良くないわね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

よく見ると、寝殿造の1箇所に集中して隅々まで御札が貼られており、明らかに何かが封印されていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

周りに誰も居ないことを確認し、恐る恐る中を覗くと...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこには、一人の桃髪の少女が座り込んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「誰?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっすみません、つい気になって」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そう。でも私にあまり関わらない方がいいわ、寿命が縮んじゃうから」

 

 

 

 

この少女の第一印象は“感情”や“表情”が“無い”

 

 

 

 

 

というより、まるで生きていないかのような。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それってどういう...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「誰だ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

背後から声が聞こえ、咄嗟に振り返る。そこには太刀を持った男性が居た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっまずい、ドロン」

 

 

 

 

霊夢は凄まじく速い速度で男性の横を通り抜けて逃げる。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ったく、なんなんだアイツは!」

 

 

 

 

男性は少女が居る部屋の前に立ち、怒鳴る

 

 

 

 

「おい!他人とは関わるなとあれ程言っただろう!お前の呪いが感染ったらどうしてくれるんだ!」

 

 

 

 

 

 

 

「...ごめんなさい」

 

 

 

 

男性は部屋の前から立ち去り、どこかへ行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

少女は大きくため息をつき、いつも通り部屋で過ごす。

 

 

 

 

 

そこで、辺りを見渡す。

 

 

 

 

 

「...?なに?これ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅー、危なかった、もう少しで斬られるところだったわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

空を飛びつつ、今からすべき事を考える。

 

 

 

 

 

「そういえば、あの子の部屋になにか輝いてるものがあった気が...まさか、時計?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし、そうと決まれば行くしか無いわ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霊夢はUターンして再び寝殿造に向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「むー。やっぱり見張りが居るわね」

 

 

 

 

 

 

 

茂みから様子を見ると、入口には見張りが2人追加されていた。先程侵入したからだろうか。

 

 

 

 

 

「ま、空を飛べる私には関係ないけど」

 

 

 

 

 

 

 

 

死角に行き、空に飛び立つ。が⋯

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん?なんだ?あれ」

 

 

 

 

 

見張りの1人が気づいてしまった。

 

 

 

 

 

 

「鳥では無かろうか」

 

 

 

 

 

 

「鳥にしては大きすぎる」

 

 

 

 

 

 

 

「おい!よく見ると飛膜を付けたるぞ!」

 

 

 

 

 

 

 

「何!?まさかあの小娘の死の祟りか!?」

 

 

 

 

 

 

 

「撃ち落とせ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

見張りは矢を番え、狙いを定めて撃つ。

 

 

 

 

 

 

 

矢は霊夢の肩に命中し、霊夢は寝殿造の上に落下し、天井を突き破る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐぁっ!まっ、まさか撃ち落とすなんて...」

 

 

 

 

 

 

後ろから見張りたちが霊夢を捕まえようと走ってくる。

 

 

 

 

 

 

「人間!?」

 

 

 

 

 

「気後れするな!人間に空は飛べぬ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「クソッ...!」

 

 

 

 

結界を貼って行く手を阻む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんだこれは!?見えない壁があるぞ!」

 

 

 

 

 

「奇妙な術を使いおって...!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

激痛に耐えながらも、霊夢は廊下を走って逃げていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、なんとか少女の部屋に辿り着き、スライディングで注連縄を突き破り部屋の中に入る。

 

 

 

 

 

「!?」

 

 

 

 

 

「やっと着いた...なんでこんなややこしい所にあるのよ...」

 

 

 

 

 

霊夢は部屋に入るのと同時に周りを見渡す、時計は見当たらない。少女が持っているのだろう。

 

 

 

 

 

 

「え...?え...?」

 

 

 

 

少女はまだ状況を飲み込めていない様子。

 

 

 

 

 

 

 

「もしかしたらと思ってたけど、あの見張りたちが言っていた“小娘の死の祟り”を聞いて確信したわ。あなた、幽々子でしょ」

 

 

 

 

 

 

 

 

生と死の境界「西行寺 幽々子」Yuyuko Saigyouji

 

 

 

 

 

 

 

 

「なっなんで私の名前を...」

 

 

 

 

 

混乱している幽々子を落ち着かせる。

 

 

 

 

 

 

 

「有名だから知ってるのよ(嘘)。とりあえず、時計を渡してくれない?探し物なの」

 

 

 

 

 

 

 

幽々子に近寄り、手のひらを出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だ、ダメ!近づいたら死んじゃう、それに、もう私の呪いが付いちゃったかもしれないし...」

 

 

 

 

 

 

 

 

「あーもう!みみっちいわね!こちとら異変解決で毎回寿命削ってんのよ!今更死の呪いが何よ!」

 

 

 

 

 

 

 

廊下からドタバタと足音が聞こえ、2人の見張りが姿を表す。

 

 

 

 

「居たぞ!」

 

 

 

 

 

 

「やはり共犯だったか!もういい!死の呪いが広まる前に小娘諸共殺すぞ!」

 

 

 

 

 

 

 

「来たわね!博麗の巫女ナメんじゃないわよ!幽々子!逃げるわよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

BGM.鏡花水月

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幽々子の手を取り、寝殿造から出て、幽々子を抱えて地面から飛び立つ。

 

 

 

 

 

 

が、飛び立つ瞬間に見張りの一人が幽々子の足首を掴んだ。

 

 

 

 

 

 

「逃がすか!」

 

 

 

 

 

 

「しぶと...!いい加減諦めなさい!」

 

 

 

 

 

さらにもう1人の見張りが加勢し、その腕力に耐えるのに霊夢は体力限界間近。

 

 

 

 

 

「この...!離せ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「......もう大丈夫」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突然の幽々子の発言に霊夢は驚愕する。

 

 

 

 

 

 

「手を離してほしい」

 

 

 

 

 

 

 

「幽々子...!?何言ってんのよ!?アンタが捕まっならこっちも困るんだけど!?」

 

 

 

 

 

 

 

「人を不幸にするぐらいなら、生きてても意味が無いわ。あなたも私の力で今こうして不幸になっている」

 

 

 

 

「そういえば、時計を渡して欲しいって言ってたわね」

 

 

 

 

 

 

 

 

幽々子は懐から時計を取り出し、霊夢に渡す。

 

 

 

 

「これで少しでも役に立てたのなら、もう悔いは無い」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こっちは悔いありまくりよ!私が生かそうとしてるんだから生きなさいッ!許可無しで死ぬなんて、それこそ本当の役たたずだわ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...分かってる、私をなんとか死なせないための口実だってことは。人を見捨てたら寝つきが悪くなるもんね。ありがとう、ありがとう、私の為に」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちっ違っ...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「でももう、あなたも体力の限界でしょ?このまま手を掴み続けても、道ずれになるだけ。もう人を死に誘うのは懲り懲りなのよ、だから、死なせて、お願い。」

 

 

 

 

 

幽々子は自ら手を離した。

 

 

 

 

 

 

 

「幽々子ッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、幽々子は今まで散々人々を死に誘った罰として、見張りたちに切腹を迫られ、自刃した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霊夢は空を飛びながらボーッとしていた。

 

 

 

 

幽々子が亡霊になった原因、それが自身だったのだ。時計は手に入れたが、有終の美とは言えない。

 

 

 

 

 

「...はぁ、私は何を考えてるのかしら。幽々子は亡霊になったらなったで幸せそうにしてた、未来が変わらないのなら別に後悔する必要も無いじゃない」

 

 

 

 

 

 

 

 

そう結論づけ、時計の竜頭を押して、再び時空に呑まれるのだった─────。

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