東方先史時代 〜 Impurity created by the moon. 作:イフカ
BGM.時空の果てに
「......」
「...ぅん...?」
目を擦りながら起き上がる。目の前に広がっていたのは、人里。しかし、建物の構造や、人々の服装など、あらゆる物が違っていた。
霊夢は嫌な勘が働き、その勘は当たってしまう。
「すみません、今西暦何年ですか?」
「?万寿二年程だが」
霊夢は大いに驚愕する。
過去に戻った───。そんな
「(万寿...!?万寿って平安時代よ...!?なんで?咲夜の時計を弄ったから!?)」
咲夜の能力は“時間を操る程度の能力”。そしてその力が宿った時計を弄ったことで刺激を与えてしまい、余計暴走して過去に遡ったのは確定である。
「(先に霖之助さんとかに調べてもらえば良かった...)」
「一体どうすれば...」
STAGE3 当てもない平安京
壊想の世界
霊夢は歩き始めた、目的もやることもも判らない状態では、博麗の巫女といえど何も出来ない。
“目的がハッキリとしない”。異変解決でこれ以上に恐ろしいものは無い。
しばらく歩いていると、恭亮と似たモノを感じる豪邸を見つける。庭もあり、さらに見たことないほど大きな咲きかけの桜の木まであった。
「綺麗だけど、あれは良くないわね」
よく見ると、寝殿造の1箇所に集中して隅々まで御札が貼られており、明らかに何かが封印されていた。
周りに誰も居ないことを確認し、恐る恐る中を覗くと...
そこには、一人の桃髪の少女が座り込んでいた。
「誰?」
「あっすみません、つい気になって」
「そう。でも私にあまり関わらない方がいいわ、寿命が縮んじゃうから」
この少女の第一印象は“感情”や“表情”が“無い”
というより、まるで生きていないかのような。
「それってどういう...」
「誰だ!」
背後から声が聞こえ、咄嗟に振り返る。そこには太刀を持った男性が居た。
「あっまずい、ドロン」
霊夢は凄まじく速い速度で男性の横を通り抜けて逃げる。
「ったく、なんなんだアイツは!」
男性は少女が居る部屋の前に立ち、怒鳴る
「おい!他人とは関わるなとあれ程言っただろう!お前の呪いが感染ったらどうしてくれるんだ!」
「...ごめんなさい」
男性は部屋の前から立ち去り、どこかへ行く。
少女は大きくため息をつき、いつも通り部屋で過ごす。
そこで、辺りを見渡す。
「...?なに?これ」
「ふぅー、危なかった、もう少しで斬られるところだったわ」
空を飛びつつ、今からすべき事を考える。
「そういえば、あの子の部屋になにか輝いてるものがあった気が...まさか、時計?」
「よし、そうと決まれば行くしか無いわ!」
霊夢はUターンして再び寝殿造に向かう。
「むー。やっぱり見張りが居るわね」
茂みから様子を見ると、入口には見張りが2人追加されていた。先程侵入したからだろうか。
「ま、空を飛べる私には関係ないけど」
死角に行き、空に飛び立つ。が⋯
「ん?なんだ?あれ」
見張りの1人が気づいてしまった。
「鳥では無かろうか」
「鳥にしては大きすぎる」
「おい!よく見ると飛膜を付けたるぞ!」
「何!?まさかあの小娘の死の祟りか!?」
「撃ち落とせ!」
見張りは矢を番え、狙いを定めて撃つ。
矢は霊夢の肩に命中し、霊夢は寝殿造の上に落下し、天井を突き破る。
「ぐぁっ!まっ、まさか撃ち落とすなんて...」
後ろから見張りたちが霊夢を捕まえようと走ってくる。
「人間!?」
「気後れするな!人間に空は飛べぬ!」
「クソッ...!」
結界を貼って行く手を阻む。
「なんだこれは!?見えない壁があるぞ!」
「奇妙な術を使いおって...!」
激痛に耐えながらも、霊夢は廊下を走って逃げていった。
そして、なんとか少女の部屋に辿り着き、スライディングで注連縄を突き破り部屋の中に入る。
「!?」
「やっと着いた...なんでこんなややこしい所にあるのよ...」
霊夢は部屋に入るのと同時に周りを見渡す、時計は見当たらない。少女が持っているのだろう。
「え...?え...?」
少女はまだ状況を飲み込めていない様子。
「もしかしたらと思ってたけど、あの見張りたちが言っていた“小娘の死の祟り”を聞いて確信したわ。あなた、幽々子でしょ」
生と死の境界「西行寺 幽々子」Yuyuko Saigyouji
「なっなんで私の名前を...」
混乱している幽々子を落ち着かせる。
「有名だから知ってるのよ(嘘)。とりあえず、時計を渡してくれない?探し物なの」
幽々子に近寄り、手のひらを出す。
「だ、ダメ!近づいたら死んじゃう、それに、もう私の呪いが付いちゃったかもしれないし...」
「あーもう!みみっちいわね!こちとら異変解決で毎回寿命削ってんのよ!今更死の呪いが何よ!」
廊下からドタバタと足音が聞こえ、2人の見張りが姿を表す。
「居たぞ!」
「やはり共犯だったか!もういい!死の呪いが広まる前に小娘諸共殺すぞ!」
「来たわね!博麗の巫女ナメんじゃないわよ!幽々子!逃げるわよ!」
BGM.鏡花水月
幽々子の手を取り、寝殿造から出て、幽々子を抱えて地面から飛び立つ。
が、飛び立つ瞬間に見張りの一人が幽々子の足首を掴んだ。
「逃がすか!」
「しぶと...!いい加減諦めなさい!」
さらにもう1人の見張りが加勢し、その腕力に耐えるのに霊夢は体力限界間近。
「この...!離せ!」
「......もう大丈夫」
突然の幽々子の発言に霊夢は驚愕する。
「手を離してほしい」
「幽々子...!?何言ってんのよ!?アンタが捕まっならこっちも困るんだけど!?」
「人を不幸にするぐらいなら、生きてても意味が無いわ。あなたも私の力で今こうして不幸になっている」
「そういえば、時計を渡して欲しいって言ってたわね」
幽々子は懐から時計を取り出し、霊夢に渡す。
「これで少しでも役に立てたのなら、もう悔いは無い」
「こっちは悔いありまくりよ!私が生かそうとしてるんだから生きなさいッ!許可無しで死ぬなんて、それこそ本当の役たたずだわ!」
「...分かってる、私をなんとか死なせないための口実だってことは。人を見捨てたら寝つきが悪くなるもんね。ありがとう、ありがとう、私の為に」
「ちっ違っ...」
「でももう、あなたも体力の限界でしょ?このまま手を掴み続けても、道ずれになるだけ。もう人を死に誘うのは懲り懲りなのよ、だから、死なせて、お願い。」
幽々子は自ら手を離した。
「幽々子ッ!!」
その後、幽々子は今まで散々人々を死に誘った罰として、見張りたちに切腹を迫られ、自刃した。
霊夢は空を飛びながらボーッとしていた。
幽々子が亡霊になった原因、それが自身だったのだ。時計は手に入れたが、有終の美とは言えない。
「...はぁ、私は何を考えてるのかしら。幽々子は亡霊になったらなったで幸せそうにしてた、未来が変わらないのなら別に後悔する必要も無いじゃない」
そう結論づけ、時計の竜頭を押して、再び時空に呑まれるのだった─────。
資料集って居る?
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いる
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いらない