TS転生セイアのアーカイブ   作:トリニティの閃光弾

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TS転生セイア概念いいと思います。


プロローグ
TS転生セイア「転生しても死んだら意味がないじゃないか!」


みんなは“百合園セイア”という人物を知っているだろうか。

 

ブルーアーカイブに登場するキャラクターの一人で、その可愛さときたら(ぶつぶつ……)

 

……ちょっと待って逃げないで!怖くないから!

 

……失礼。まずブルーアーカイブの説明からだ。このゲームは、学園×青春×物語RPGのスマホ向けアプリでザクっと説明すると、私たちプレイヤーが学園都市キヴォトスの先生となり、各学園で起こっている問題などを生徒と一緒に解決するというものだ。

そしてストーリー3章[エデン条約編]で、初登場となるわけだが…

 

単刀直入に言おう。


私は彼女に一目惚れした。

 

待ってって!恋とかじゃないから!頼むからその目をやめて!

 

……こほん。
なぜ一目惚れしたのかというと、まず性格がドストライクだった。
最初は配慮深くて真面目で、ちょっと毒舌……みたいな感じだったのに、ストーリーが終わる頃には子供っぽい一面が出てきて、そのギャップに完全にやられてしまった。

しかも性能面でもバフ役として強い。もう好きになるしかない。

 

他にも理由はあるが……話しすぎるとまた奇特な目で見られるので自重しよう。

 

……え?(○○に転生してあの子に会ってみてぇなぁ)とか思うのかって?

 

いや……ないかな。
キヴォトスは銃社会でテロリストがうろつき、温泉過激派が建物を破壊する世界だぞ。初日で死ぬに決まってる。

 

そもそも転生なんて―――あるわけ……

 

 

ーー同時刻ーーーーーーーーーーーーーー

 

…私では変えられなかったんだ……

 

…どんなに抗おうとしても結果は全て"無"だった……

 

…だから、きみは最後の希望なんだ……

 

…図々しいのは承知している……

 

…だが、トリニティのためなんだ……

 

…本当に…すまない……

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

……知らない天井だ。

 

確か……誰かが泣いていた気がする。


夢の中で女の子泣かせるとか最低だな、“私”。

 

「ん……んぅ?」

 

あれ、自分の声ってこんなに高かったか?

 

「あー……?」

 

いや気のせいだ。
ベッドから起きて顔を洗おうと鏡を見る。そこに映っていたのは、

 

「セイア……?」

 

……今、なぜ自分の名前を呼んだ?
いつもの朝、いつもの朝ごはん。なのに何かがおかしい。
今日は……入学式か。さすがにこれは行かないと、

 

「着替えは……ッ!」

 

裸を見た瞬間、全身が熱くなった。

 

(まさか……私はナルシストだったのか!?)

 

そんなわけはない。これまで自惚れたことなんて一度もない。
やはり何かがおかしい。

僕は……いや“僕”?
私、今まで自分のこと僕なんて――

 

「今は…8時12分!?」

 

まずい、初日から遅刻だ。
慌てて靴を履き、私は学校へ走った。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「我々在校生一同、皆さんとともに学校生活を送れることをとても楽しみにしていました。

「慣れない環境への不安や悩みを抱えていることと思います。」

「本日はこのような素晴らしい入学式を執り行っていただき、ありがとうございます。」

「ご多忙の中、ご臨席いただきましたご来賓の皆様に厚く御礼申し上げます。」

「これから始まる学校生活を、皆さんと共に素晴らしいものにしていきましょう。」 

 

入学式が始まり、在校生代表の挨拶が終わる。
続いてティーパーティの三人の話が始まった……が内容はほぼ似たり寄ったり。
パテル派代表に至っては「ゲヘナ潰しましょう」みたいな物騒な話までしていた。

安定のパテル派である。

 

三人が話し終えると周囲でヒソヒソ声が飛び交う。

 

『今のお話、さすがパテル派ですわ!』
『趣味がちょっと……』
『あなたのお脳みそ、詰まってますの?』
『言葉遣いがなってないですわ!』
『騒々しいですわ!』

 

…あまり聞かなくていいな。

そう思っていたら前の席がざわついた。

 

「ミカさんは?いらっしゃらないんですか?」

「あぁ、さっき見かけたよ。なんか探してたけど……」

「ミカ……!入学式に遅れるなんて……!」

 

桐藤ナギサ。成績トップで優しく、運動神経も良い。


聖園ミカ。彼女と同じく優秀だが少しやんちゃ。

 

…………待て。
なぜ私は彼女らのことを知っている?

 

やっぱり何かおかしい。

 

私は頭を押さえ、整理しようとした。

一つ目は、これまであったように自分の体の異変。後、意識しなくなると私ではなく僕になること。そして自分がナルシストかもしれないこと…

二つ目は、この日から前のことを何一つ覚えていない。私の両親も、私がなぜトリニティに行ったのかさえも。

 

冷や汗が流れてくる。

 

「あの……」私が何か思い出そうとするたびどんどん頭から記憶が消えていく。

 

「あの…すみません」このままでは…私すらも…

 

「すみません!!」「ハッ!」

 

急に声をかけられ、私の心臓は大きくはねた。

 

「入学式が終わっても座っていたので……具合が悪いのかと……」

 

どうやらもう式は終わっていたらしい。

 

「いや、ありがとう。助かったよ」

 

「いえ……私がそうしたかっただけですから……」

 

ふっと彼女が微笑む。
その顔を見た瞬間……

 

「……綺麗だな……」

 

何を考えているんだ私は!!というか口に出してるじゃないか!?

 

「えっ……」

 

まずい。とても気まずくなってしまった。見ろ完全になんて返そうか迷っているようなそんな気がする!

 

「いや…なんでもない、ところで名前は……?」

 

「あっすみません。自己紹介がまだでしたね。私は歌住サクラコと申します。」

 

歌住サクラコ…彼女の事もなぜだか知っている。もしや彼女なら…。

 

「…失礼。私から名乗っていなかったね。私は百合園セイア、ところで少し聞きたいことがあるのだがいいだろうか?」

 

私は彼女にこれまで起こったことを話した。記憶喪失、とまでは行かないものの自分がこれまで何をしていたかなどが頭から抜け落ちたかのように記憶が消えていること。なのに何人かの名前などは知っていること。

 

「…それは、いわゆる"転生"という物なのではないでしょうか?」

 

「…転生?」

 

「はい。死後の魂が別の生を繰り返す輪廻転生の概念でもあります。セイアさんは無意識のうちに転生してしまったのではないでしょうか?」

 

「なるほど…」

 

確かに、それなら納得がいく。何人かの生徒の名前を知っているのも…いやまて。

 

「転生…というのは記憶は残るのか?」

 

と私が問うと、彼女は少し考えるそぶりを見せた後、

 

「そうですね…聖書に書いてある内容でも、記憶を持っているのは幼児の頃までなのでおかしいといいますか…そもそも転生すら本当にあるのかも怪しいところです…」

 

すみません…と今にもいいそうな顔でそう言った。

 

「大丈夫だよ、逆にほぼ初めて会うのにここまで聞いてしまって申し訳ない。」

 

「いえ!これは私がやりたかっただけですので。」

 

この後、再び微笑んだと共にまたもや無意識に「綺麗だな…」といい彼女を困惑させるのは別の話。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

放課後。家に向かう途中、ふと“記憶”が蘇り始めた。

 

ここが“ブルーアーカイブ”の世界であること。
そして"僕"がこのゲームをとてもやりこんでいたこと。

"僕"がガチャで天井し、課金までしたのに出ず夜通し泣いた勢いで高所から転落したこと。

 

…最後のは知らない記憶だなぁ(遠い目)

 

さらに思い出す。


未来の百合園セイアの運命。

 

そして、記憶が蘇っていくと同時に、"私"のこれからの運命についても知ることができた。

 

昔から定期的に見ていた予知夢に悩まされること。

これからティーパーティに入り、フィリウス派のホストをすること。

アリウスという学校に襲撃され、意識を失うこと…

 

待った。意識を失う?

 

(私、2年後に死ぬ可能性あるじゃないか!?)

 

終わった。
二度目の人生がこれか。

このゲームの主人公、先生に頼ろうにも、先生が登場する頃にはもう手遅れだ。
つまりこれは…詰みってこと?

 

ワァ…ア…(泣いちゃった!)

 

…冗談はこれほどにしよう。私の声でこんなことを言ったら私の中の百合園セイアが壊れてしまう。

 

それにしてもどうする?先生がいない以上、私が動くかなければ始まらないが…いや、やめておこう。この世界はちょっとでも何か違ったら誰かが死んだりする世界だ。私の命が危ないに決まってる。

 

試行錯誤を繰り返しているうちに一つの策を考え抜いた。

 

(そうだ…原作キャラに近づかなきゃいいんだ!!)

 

つまり、私の命が狙われたのはミカがそう命令したからであって、ミカに近づかなければそもそもそんなことにはならないはずだ。我ながらに完璧な案だ。

 

――そう思っていた矢先。

 

 

 

バンッ!!

 

 

 

急に向こうの路地裏から銃声が聞こえた。奥の方で何やらお取り込み中のようだった。

 

(私には関係のないことだ…)

 

そう思いながらも少し路地裏をのぞいてみると…

 

「キャハハハ!!おら!もう終わりか!!」

 

「意外と脆いんだなぁ!!ハハハッ!!」

 

奥には、スケバンたちがボロボロの生徒一人を囲んでいた。

 

「返して…返せ!!それはナギちゃんの鞄だぞっ!!」

 

「やだね!これは今私らの物になったんだよっ!」

 

相変わらず意味が理解できない…そう思いながら離れようと…

 

待て"ナギちゃん"?

 

もう一回、路地裏の奥でボロボロになっている生徒をみると、ピンク色の髪にいくつものアクセサリーがついていた。

 

そう、そこでボロボロになっていた生徒は、聖園ミカだったのだ。

その事実に思わず

 

「ミ…カ…?」

 

と声を出してしまった。

しまった!と思う頃にはもう時すでに遅し…

 

「おい!!誰だ!!」

 

と声をかけられてしまった。

 

 

……終わった(遠い目)

 

 

 




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