TS転生セイアのアーカイブ   作:トリニティの閃光弾

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セイアってなんか貧血で朝弱そう。


TS転生セイア「アビドスの砂ってもう少し有効活用できないのだろうか…」

 

 

知らない天井…と言うわけにはいかないようだ。

 

「はぁ…」

 

私はベッドの中でため息をついていた。昨日、私は百合園セイアに転生し、2年後にアリウスに襲撃されるという未来を回避するために原作キャラには合わないと決めたはずだった。なのに、まさかの秒でミカと遭遇し、モモトークまで交換してしまった…。

 

まぁ、ナギサやアリウスにまだ会っていないだけマシだと考えよう…。

 

…え?もうミカと会った時点で手遅れって?

 

「ああ…もう…」

 

正直言うと、ミカと出会えたこと自体はすごく嬉しい。普通にめちゃくちゃ嬉しい。でも、それでもやっぱり「死ぬ」可能性があるのはダメだ。せっかくブルアカに転生したのに、2年でおさらばなんて嫌だ。

 

ピロリン♪

 

「…ミカ?」

 

通知が来たようだ。

 

『おはようセイアちゃん⭐︎この前のお礼と言ってはなんだけど、一緒にお出かけしない?』

 

答えはもちろんNOだ。知り合ってしまった以上、知り合い程度の関係で済ませたいからだ。でも、どう返そうか悩んでいると、すぐに追加で通知が来た。

 

『あ、別に返信しなくていいからね!今セイアちゃんの家の前にいるから!』

 

は?

 

その文を読んだ瞬間、扉からノックの音が聞こえた。

 

「セイアちゃーん、いるー?」

 

「…」

 

よし、居留守を使おう。大丈夫、気づいたら後ろにいるなんてこと…

 

「やっほ⭐︎セイアちゃん!」

 

「ヒュッ」

 

いつの間にか、ミカが後ろにいた。

 

「どうしたのセイアちゃん?まるで幽霊を見たみたいに怯えてさ。」

 

「ミカ…どうやって…ここに?」

 

「え?それは…」

 

ミカはどこかを指さした。

 

「扉を壊して…だよ?」

 

バタッ

 

私は意識を失った。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

知らない天井だ…

 

「あ、起きた?セイアちゃん。」

 

首を声のした方に向けると、ミカが私の隣に座っていた。問いただしたいことはたくさんあった、まずは頭に浮かんだ疑問を口にした。

 

「いくつか聞きたいことがあるんだが…ここは?」

 

自分の部屋にいるはずなのに、ここはどう考えても部屋以上の広さがあり、周りはすごく

賑やかだ。まるで…

 

「ショッピングモールだよ!セイアちゃん!」

 

ショッピングモール?誰しも一度は行ったことがあるだろう、色々な店やレストランが集まった施設。でも、"私"はどうもこの場所が嫌いだった。耳が大きいせいで、普通のざわつきもテーマパーク並にうるさく聞こえるからだ。

 

いや、そんなことよりも…。

 

「ミカはともかく…なぜ私の服が変わっているんだ?」

 

今の私は、原作の服ではなく、最近のクール系女子が着ていそうな服を着ている。

もちろん朝起きた時にはこんな服じゃなかったはずだ。もしやとは思っていたが…。

 

「多分セイアちゃんが考えてる通りだよ。セイアちゃんが寝てる間に私が着替えさせたの。」

 

「…へ?」

 

私の脳は一瞬フリーズした。

 

「それは…私の裸を見たってことか!?」

 

顔から火が出るほど赤くなった。すると、ミカは心底不思議そうに言った。

 

「別に女同士なんだから問題ないじゃんね?」

 

「そういう問題じゃない!!」

 

(ああ…恥ずかしい…)

 

その時、ふと考えた。なぜこんなに恥ずかしがっているんだろう?"僕"の頃はそんなこと、気にもしていなかった。

そして、薄々気づいてきたことがあった。それは、セイアと"僕"がだんだんと混ざり合い、一つの人格になろうとしていることだ。でも、それだけじゃ説明がつかないこともある。

 

なぜなら、昨日と比べてセイアの記憶が消えかけているのだ。

 

("僕"の記憶は残っているのに…)

 

そういう考えを巡らせていると、突然耳元で声がした。

 

「セイアちゃーん、謝るからさ、戻ってきてよ…」

 

「ああ…すまない…」

 

ミカが心配そうに顔を覗き込んでいた。その顔を見た後、私はミカに言った。

 

「さて…帰ろうか。」

 

「えっ…」

 

ミカが泣きそうな目で私を見つめていた。

 

「当たり前だろう。私の了承なしでここに連れてきたのだから、帰るのも私の勝手だろ。」

 

するとミカはしばらく無言になった後、泣きそうな顔を作りながら無理に笑顔を浮かべてこう言った。

 

「そうだよね…私が勝手に連れてきちゃったのに、なに期待してたんだろ…ごめんね。また迷惑かけちゃって。」

 

「ぐっ…」

 

…私は泣き顔には弱いのだ。特に、ミカのような美人にそれをされると、何でも言うことを聞いてしまうほどに。

 

数秒、考えた後私はミカに言った。

 

「…わかったよ。好きにしてくれ。」

 

「ほんと!セイアちゃん大好き!」

 

別に、ちょろいわけじゃない。ほんとに。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「これもいいかな…でも…あれも…」

 

「ミカ…これで何回目だ…」

 

あれこれ4時間。色々な店を回ったけど、結局ミカに着せ替え人形をさせられて、2時間も無駄にした。

 

(はぁ…後何時間待てばいいんだろうか…)

 

試着室でため息をついていたその時。

 

「ひぃん、ごめんホシノちゃん…」

 

「もう!先輩はいつもこうなんですから!」

 

(ん?)

 

渕上、花守ボイスが聞こえたような…。気のせいだろうか…。

 

「セイアちゃーん!これに決定でいい?」

 

「ああ。私もそれがいいよ…」

 

あまり派手なのは着られないし…。私は原作とは違ってセクスィーなものは着たくないのだ。恥ずかしいし…

 

その時、会計に持って行こうとした服を手に取ると…。

 

「じゃーん!見て、ホシノちゃん!これ似合うんじゃないかな!?」

 

「ユメ先輩!今日は服を見に来たんじゃなくて、学校の修理に必要な物資を買いに来たんですよ!?」

 

「……」

 

その声を聞いた瞬間、私は固まった。


ミカも「ん?」と不思議そうに顔を上げる。

 

私の視線の先には、

 

「あっごめんなさい!服が!」

慌てて落ちた服を拾い上げるアビドスの梔子ユメと、

 

「ユメ先輩!なにやってるんですか!すみません、私の先輩が…!」

まだおじさんではない『暁のホルス』こと小鳥遊ホシノだった。

 

……なぜここに“その2人”がいるんだ。

 

「セイアちゃん、知り合い?」

 

「いや……知り合いではない。本当に。」

 

ミカは「?」という顔をしていたが、私はそれどころではなかった。

 

(まずい……ミカとホシノ達がここで接触すると、原作崩壊もいいところだ……!)

 

特にユメは危険だ。彼女の行動の方向性は良くも悪くも“予測不能”。
そしてホシノはアビドスでの一件がある以上関わりたくないのだ。


私はすぐにミカの手を引いて、その場から離れようとした。

 

「ミカ!行こう!」

 

「きゃ!セ…セイアちゃん!?」

 

その時だった。

 

「ちょっと待って!」

 

ユメが、走り去ろうとした私たちの前に慌てて立ちはだかった。

 

「その……何か、お詫びをさせてもらえないかな?」

 

「別に大丈夫だよ。それに、私も無事だっただろう?」

 

そう言ってその場を早足に離れようとしたところ──

 

「ちょっと待ってくださいよ…」

 

今度はもう一人、ホシノが声をかけてきた。

 

「その服装……トリニティですよね? こんなところまで来て、何をしてるんですか?」

 

その言葉に、背筋がひやりとした。


やはりホシノは…いや、待て。“こんなところ”?

私はちらりと周囲の張り紙に目を向ける。アビドスの注意喚起や求人のポスターが貼られていた。つまり、ここはアビドス地区のショッピングモールということになる。

……なぜにアビドス? 他に選択肢いくらでもあっただろう。

 

「……別に、ただショッピングをしに来ただけで、怪しいことなんてしてないよ?」

 

ミカがそう答える。

 

「ふぅん……」

 

ホシノの視線が鋭く細められる。


その瞬間──

 

「ちょっとホシノちゃん! 喧嘩はダメだよ!」

 

ユメが慌てて二人の間に割って入った。

 

「別に喧嘩なんてしてませんって……」

 

ホシノは呆れ顔をしながらそう言った。

 

「……この前、学校に攻めてきたヘルメット団のリーダーの容姿、覚えてます?」

 

「ええと……たしか、キツネみたいな耳がついてたような……」

 

二人が思い出すように話し始める。

 

「ちょ、ちょっと待ってよ! キツネ耳ってだけで、セイアちゃんがその……なんとか団のリーダーなんじゃないかって怪しんでるの!?」

 

「……まぁ、それもそうなんですけど……」

 

どうやらホシノが疑った理由はそこらしい。


いや、キツネ耳だけで怪しむのは雑すぎやしないか……?

 

ともあれ、このまま警戒され続けたら厄介だ。
私は腹を決め、ホシノにある提案した。

 

「さっき、君たちは物資を探していると言っていたね。なら、私たちも手伝おう。その過程で、まだ怪しいと思うのなら……私を攻撃してくれて構わない。」

 

「セイアちゃん!?」

 

ミカが何か驚いた様子を見せた。

 

少し無言が続いた後、

 

「ホシノちゃん! この人たち手伝ってくれるって! 私たちを助けてくれるなら、悪い人じゃないよ、きっと!」

 

「ユ、ユメ先輩!?」

 

なるほど、ここに神はいた。

 

ホシノは渋々といった様子でため息をつく。

 

「……わかりました。でも少しでも怪しかったら撃ちますからね。」

 

「わかっているさ」

 

こうしてセイア、ミカ、ホシノ、ユメ。前代未聞の組み合わせでの、買い物が始まった。

 




ミカ(別になにもやってないんだから、普通にさよならすればよかったじゃんね!?)

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話をアビドス編まで

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