7月某日、セミたちが煩くも風物詩のように自己主張をする暑い日。
「ふんっ!よっこいしょっと!」
KAZORMIA高等学校には備え付けられた畑が存在する。
無論、そこには管理者が居る。その管理者は今…畑を耕していた。
「ふぅーっ、流石に暑いわね…スネジンカ!ちょっと休憩しましょう!」
「はーい!」
茶短髪の少女――スネジンカを呼んだのは学校生徒兼、
麦わら帽子に白のポロシャツと軍手、裾を上げたズボン、そして畑仕事には欠かせない長靴。
纏まった服装には、まさしく
「はいこれ。塩分タブレットとスポーツドリンク。」
「ありがとうございますダチカさん。」
二人仲良く日陰のベンチに座っての休憩。
風土的には空気が乾燥しているため、日陰に入れば暑さは大分マシになる。
「今日は暑いわね~。」
「ですねぇ。昨日の予報では曇りだったんですが…」
「まぁ雨よりは、ありがたいわね。このまま雨続きだと今頃、根腐れを起こしてるもの。」
二人の少女は駄弁りながらに水分・塩分補給を行う。
「あれ?そういえばジャガイモって、もう収穫できませんでしたっけ?」
スネジンカは思い付いた疑問を投げかけた。
「そう言われればそうねぇ。お昼を終えたら収穫に行きましょうか。」
「わかりました!」
キュイっと最後の一滴を飲み干した二人はまた農耕を開始する。
土を掘り返し、山を作り、少し移動。
少女たちが行うにしては中々の重労働だが、慣れた手つきで行う二人に疲労の色はない。
午後。昼休憩を終えた二人はまたしても畑に来ていた…ただし、別の畑である。
「おぉっ。どれもいい感じですねダチカさん!」
「ほんとね。じゃあ、パパっと収穫するわよ!」
「はい!」
二人で一気に収穫を開始する。
じゃがいもは光――蛍光灯の光ですら――に晒されるだけで緑化が進む。
そのため、圧倒的な時間勝負になる…のだが。
「見て見てスネジンカ!この大きさ!」
良い笑顔にサムズアップと大きいイモ。
実に絵になるサマで、農園管理委員長は楽しんでいた。
「ふふふ。私だってこれぐらいありますよー!」
無論、その相方ですら例外ではなく、大きなイモを見つければ笑顔で報告する。
しかし楽しむ者は強い。
大きなイモの発見という喜びを見出した二人の収穫は手際が良く、僅か30分で収穫は終わる。
「大漁ですね、ダチカさん!」
「でしょ!私が手塩にかけたんだもの!」
バスケットに入れられ、黒いシートを被されてもなお、分かるイモの大きさに
それを乾かす為に風通しの良い、日陰の
「明日ぐらいには…そうね、給食に使えるはず。」
「え!ほんとですか?」
驚くスネジンカにダチカはギョッとした。
「あ、あら?嫌だった?」
「いえ!嬉しいです!姉さんにも『私の作ったものを食べさせたい』って思ってましたから!」
「あら…ふふ…きっと喜んでくれるでしょうね。さ、手を洗って帰る準備をするわよ!」
「はい!あ、明日は水やりと雑草抜きですか?」
「ええ。終わったら好きにしていいわよ。」
ここはKAZORMIA高等学校。
とある世界と瓜二つの少女たちが平和に、それは平和にアオハルを謳歌する学校である。
いやぁ。概念抽出って楽しいですね…