ふたつぶんの足跡を刻んで   作:サワベ

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勇者の矜持を胸に 放つ勝利の矢
目に焼き付けよう アリスとケイを

というわけでヒマリオアリケイトキ実装記念です。書いてるので出る!…はず(1/20時点)
マジで10連でヒマリ出ちゃったよ…(1/21)
あと説明も入れようとしたら字数がえらいことに…




世界の合理を統べる者に

 

 

 天童アリスにとって、それは仲間であった。

 天童アリスにとって、自身は勇者であった。

 

 目覚めた時から共に居た彼女らは、私に名前を付けてくれた。

 

 彼女らは私に"ゲーム"を通じて、私の知らない、輝かしい世界があることを教えてくれた。

 

『ありがとうアリス!どんな評論家の言葉より、その涙のほうが100倍嬉しいよ!』

 

 モモイ。

 

『…ありがとう、アリスちゃん』

 

 ミドリ。

 

『……ちゃんと、全部見てた』

 

 ユズ。

 

 4人で、共に冒険した。

 立ちはだかる困難と対峙した。そんな時、力を貸してくれたのは彼女たちだった。

 

『…君が何者なのか、それは分からないが―――』

『――その剣は君のものだ』

 

 私に"光の剣"を与えてくれたウタハも、その一人だった。

 ミレニアムで一番強いと謳われる者に、真っ正面から渡り合った。

 

『――くあぁぁっ!あー、また負けた!んだよその技、ハメ技じゃねぇかよ!』

『ユズはハメ技も技術のひとつだと言っていました!』

『あァ!?セコい手使ってんじゃねぇ!』

『うわーん!チビネル先輩が弱いだけです!』

『んだとコラ!!』

 

 その最強の者とも、好きなことで交友を深めた。

 私にはアイデンティティが無かった。だが彼女らと過ごすうちに、無名の私ではなく、"天童アリス"としての自己を確立することができた。

 

 彼女たちと共に居られれば、私は勇者で居られる。そう思っていたんだ。

 

『モモイ……?』

 

 私の剣が、モモイ(私の恩人)を吹き飛ばした。あろうことか、私は守るべき者に切先を向け、叩き斬ったのだ。

 

『私の大切な―――王女』

 

 そこに私の意思はなかった。私の中に居た、従者を名乗る存在"Key"の仕業だった。

 だが、人々はそんな事は気にしない。事実を鑑みれば、ヴェリタスの部室を吹き飛ばし、モモイに電磁砲(レールガン)を叩き込んだのは私なのだから。

 

『"勇者"とは、友人に剣を向ける存在かしら』

 

 違う。

 

『むしろ、あなたのやった事は悪役ではないかしら』

 

 そうだ。

 

『そこにいるのは世界に破滅を齎す存在……分かりやすく言えば』

『―――アリス。貴方は魔王なのよ』

 

 ―――私は勇者などではなかった。

 この力は、この従者"Key"は……この世界を破壊するための、魔王の力で―――私は、ただの機械だった。

 

『やってられっか!同じ学園の、それも何も分かっちゃいない奴を攫う?んなことできるかよ!!』

 

 ネル先輩は反抗した。内心、助けてくれと願った。だが、二重三重に保険を掛けた会長とエージェントによって、それは阻止された。

 …ネル先輩は、私を庇った。しかしどう言い訳をしようと、仲間を傷つけた時点で、勇者を名乗る資格はない。光の剣は仲間を守り、困難を打ち砕くための―――魔王を倒すための、勇者の力だったはずだ。それを、仲間に振るった。

 

あなたのヘイローを破壊すれば(あなたを殺せば)解決する話よ』

 

 私は魔王だと、そう思わざるを得なかった。だから―――

 

『先生、みんな―――ありがとうございました』

 

 ―――ひとり、死ぬ道を選んだのだ。

 

 


 

 

第四話

世界の合理を統べるものに

 

 


 

 

 ヴェリタスという組織は、ヒマリが、リオ会長が作り上げた監視体制に対抗したいと言い出したことで始まった。

 ヒマリが言うには、リオ会長は"ビッグシスター・アルゴリズム"というシステムを作り出し、それを用いて、ミレニアム生全員を監視下に置いているのだそう。正直眉唾ものな話だったが、その時のヒマリの表情から、冗談の類ではないと確信した。

 

 ヒマリはそんな監視体制を窮屈に感じていたし、リオ会長への対抗心もあったのだろう。その体制を打破できるだけの、電子戦に強いメンバーがすぐに集められた。

 

 実質的な部の指揮を執る私、各務チヒロ、3年。

 同じく3年、通信系担当(隙あらば盗聴する奴)、音瀬コタマ。

 2年、ドローン使い(エナドリで健康を害してる奴)、小鈎ハレ。

 1年、新進気鋭のハッカー(そこかしこに落書きする奴)、現在昏睡中、小塗マキ。

 

 ……おおよそ真面目とは言えない、曲者揃いの組織。だが、その腕は一級品。電子の海なら負け知らず、強固なファイアウォールなんのその。自分で言うのも何だが、ヒマリと私の指揮によって善寄りに振れているだけのテロリストである。体制に反発してできた組織という点も、よりその印象を確たるものにしている。

 

『……見つけました。会計履歴に改竄の形跡、あと開発計画と位置のデータが会長のコンピュータに…これが』

「十中八九そうだろうね。場所は?」

『ミレニアム本校から北西67kmの山中です』

 

 その私達は今、セミナー(生徒会)、つまり体制側と協力し、激動の時間を過ごしている。目標は単純明快、リオ会長に連れて行かれた天童アリスの奪還である。

 

 アリスがモモイとマキを攻撃し、リオ会長に連れて行かれた後、私達は何も出来ない無力感に襲われた。対抗チームである我々も、本来の役割を果たせないままだった。

 私達も、C&Cも、セミナーも、残されたゲーム開発部も、その残酷な運命を受け入れようとしていた。

 

『こんのおバカさんどもが!』

『これがエンディングなんて絶対嫌だよ!』

『そんなの納得いかない!!』

 

 それに異を唱えた者がひとり。撃たれた本人、昏睡状態から帰ってきた才羽モモイだった。

 強い子だと感じずにいられなかった。C&C(特殊部隊)一番手(一ノ瀬アスナ)が動けなくなるほどの威力の砲を喰らい、銃弾に強いはずの身体、特に顔面に大きな傷が残っている。頬にガーゼ、頭や腕に包帯、その隙間から覗く火傷痕が痛々しい。

 それでも尚、彼女は友人を守る為に立ち上がった。その相手が、自身を傷つけた相手だとしても。

 

『…私も行きたい。モモより怪我が浅いのにさ、黙ってるなんて出来ないよ』

 

 それに同意するは小塗マキ。

 掠めただけとはいえ、マキだって少なからず怪我が残っている。だが、彼女は奮起した。

 そうなれば、先輩たちも立ち上がらざるを得ない。乾坤一擲、死なば諸共である。ネルが同意し、セミナーのユウカとノアが協力を申し出、ヴェリタスは本来の目標を再始動した。そうして、今に至る。

 

『名前は…"エリドゥ"。今、先生のデバイスにデータを送りました。共有をお願いします」

"了解ユウカ。…これか"

 

 先生。またの名を、シャーレの先生という。

 彼は最近、連邦生徒会長失踪に伴って、このキヴォトスに呼ばれたそうだ。物腰柔らか、少々少年心が出る仕草をするものの、指揮能力や教員としての能力も充分だと、ミレニアム生で初めて顔を合わせたユウカが高評価していた。

 私達に関係のあることといえば、数週間前のセミナー対ゲーム開発部の騒動だろう。出番こそ少なかったが、的確な指示でC&Cとも渡り合えた。最近はトリニティでも問題を解決したらしく、一躍時の人となっている。

 

 閑話休題。

 

 先生はタブレットに送信された画像を拡大し、皆に見えるようにそれを置いた。

 

「…近未来感が強ぇな」

「まるで要塞だね」

"これ作るのに、一体いくら掛かったんだろうね…"

『…頭が痛いです』

"…しかし、なんでリオは都市を作ったのかな"

 

 先生がつぶやくように言った問いに、通話越しのノアが答えた。

 

『リオ会長は、ご自身がやると決めたことに関して、絶対に迷いません』

「絶対に、ですか…」

『ええ。合理的な判断…重要な決断を迫られる場面でも、迷いなく、目標達成の為の最善の択を取る。…まるでブルドーザーみたいに、物事を強行することも厭いません』

「その結果がエリドゥというわけね」

『そうなりますね』

 

 エンジニア部の()()2()()、ヴェリタス、セミナーとゲーム開発部3名、C&C。5つのグループに先生を加え、作戦会議は粛々と進んでいく。

 

「……そこに、アリスがいるの?」

 

 ふと、静かだったモモイが言った。

 

『…そうね。ここの…中央のタワーに連れて行かれてる可能性が高いわ』

「じゃあ、もう行こうよ。時間が無い」

『…まさかあんた、無策で突っ込む気?』

「だってさ、ちょっとでも遅れたら手遅れになるんだよ!作戦は道中でも―――っ…い゛っ……」

「お姉ちゃん!」

"モモイ…!"

 

 気色ばんで言った瞬間、モモイの傷が痛んだようだった。ぐっすり休んで全快と本人は言っていたが、傷を受けてまだ1日も経っていない。痛むのは当然のことだった。

 モモイはポケットに仕込んであった痛み止めを口に含み、コトリから渡された水で飲み込んだ。息をひとつ大きく吐く。

 

「…ごめん。でも、どうしても焦っちゃってさ。ほら、私、考えるの苦手だし」

"…モモイ。やっぱり――"

「私は行くよ。行かなきゃいけないと思う」

 

 神妙な面持ちで、彼女は先生に言い放つ。それを受けて、先生は伝える。

 

"……本当は是が非でも止めなきゃなんだろうけど、そこまで言うなら仕方ないね"

「…ありがとね」

"ただし……モモイ。君の元気は必ず必要になる。道中で倒れることは絶対許さないからね"

 

 要するに"無茶するな、命だいじに"である。

 

「…わかった。ベストを尽くすね。……で、先生はエリドゥに突入する方法、考えてあるんだよね?」

"そうだね。まあ、私というか…エンジニア部の案だけど"

「ここからは私が説明しましょう!」

 

 威勢よく、眼鏡をくいと持ち上げながら、コトリが前へ出た。

 

「…簡潔にお願いね?」

「…善処しますっ!まず前提として、エリドゥは要塞都市であると推測されます。よって、正面から入るのはほぼ不可能だと言ってよいでしょう!」

 

 あっけらかんとしたトーンで絶望的なことを言ってのける。

 

「じゃ、じゃあどこから入るんですか…?」

「いい質問ですねユズ!流石はUZQueenの称号を恣にするお方!」

「やめて、ここでは言わないでぇ…!」

 

 顔を真っ赤にするユズを横目に、コトリは続ける。

 

「この規模の都市を建設するには、大量の資材を運搬しなければなりません。そして、その資材はエリドゥの外からの運搬になります。つまり…」

「資材の搬入口がある、ってことだよね」

「ハレさんご明察!お見事です!そして、その搬入口は特定済みですよ!」

 

 そう言いながら、コトリは自身のデバイスに記録されているデータを、皆に送信した。数刻遅れて、私達のデバイスが一斉に通知音を鳴らす。

 

"…凄いね、このデータ。一体何処から?"

「ウタハ先輩が、この搬入鉄道の建設に少し関わった、って言ってて…それ、かな?」

「…ウタハが……そういえば、ウタハってまだ連絡つかないの?」

 

 ヒビキの口から発せられた"ウタハ"の名前に、今日は彼女の姿を見ていないことを思い出した。エンジニア部が私達に協力するというのに、部長が出てこないのは不自然だ。

 

「あー、えーと、そのー……」

「寝てるのかな?」

「それはないと思いますよ、アスナ先輩」

「…私から電話、掛ける。アレがいないと分からないこともあるかもしれないし」

 

 そう言いながら、自分のスマホの通話履歴から、ウタハの欄を開いて、電話を掛ける。

 3度、4度のコール音の後―――ウタハは電話に出た。

 

『……もしもし?』

 

 その声はやたらと沈んでいた。いつもの様子とはかなり異なる。

 

「…なんでこっちに居ないの?」

『……少し用事があってね。ごめん、チーちゃん』

「まあいいんだけど…あなた、今何処にいるの?」

 

 そう言うと、ウタハは暫くの間、押し黙った。

 その時、私は違和感を感じた。何か、音が響いているような気がしたのだ。

 耳を澄ませてみると、まるでトンネルの中にいるような足音が聞こえてくる。かつん、かつんという金属音が、反響して聞こえる。

 

『…データは有効活用してもらえたかな』

 

 一瞬、ウタハが何を言っているのか、理解が出来なかった。だがすぐに、私の頭は結論を叩き出した。

 データ。ウタハが齎したデータ。

 

 ―――エリドゥ搬入口の位置データ。

 

「ちょっと待ちなさい、あんたまさか…!」

『…そういう事だよ』

「自殺行為でしょう、それは!」

『私のことは気にしなくていい。私は少し…訊きに行きたいだけなんだ』

「一体何を―――」

『…"そちらの部長"に会えるか、訊いて来る。暫く後輩たちを頼むよ。…意欲溢れる、頼れる後輩だ』

 

 反論しようとした。だがその瞬間に、電話は切られた。無機質な音とともに、通話終了の画面が浮かんでいる。

 思わず眼鏡をずらし、眉間を押さえた。皺が寄りまくっているのを感じる。それは彼女に対する怒りと、どうしようもない大馬鹿加減に対する呆れだった。

 

「あんの馬鹿……!」

「副部長…?」

「作戦はある程度まとまった!すぐ出るよ、何かあれば道中で聞く!!」

「おい落ち着けチヒロ。一体どうしたんだよ」

「ウタハの馬鹿がひとりでエリドゥに向かってる!!」

 

 そう叫ぶと、聞いていた面々に衝撃が走った。……エンジニア部2名を除いて。

 

「…実は、部長が言ってたんですよ……ヒマリ先輩の所に行く、って…」

「…特異現象捜査部の1年生が、先行しようって言い出したらしくて…それで……」

「あとアリスとレールガンのデータも回収したいって…」

 

 よく準備して、後発で来てくれと言われた、と、ふたりは答えた。

 ……要するに、その1年生に乗せられて、ヒマリ救出に単独で動いているのだ。

 ここ最近――というより、この1年ちょっとの間、ヒマリはウタハのと何かを行なっていた。それ絡みの、ある種の悪ノリなのかもしれない。ウタハにしろヒマリにしろ、その可能性が無いとはいえない。

 

"…追いかけよう。出発だ"

「……おいお前ら!ぼさっとしてねェで行くぞ!チビ2人、おでこ!お前らもだ!」

「了解です」

「了解リーダー!」

「ようっし、行くよミドリ!」

「行こう、お姉ちゃん!」

「…い、行こう!」

 

 ネルが声を張り上げて、C&Cとゲーム開発部を鼓舞する。その脇で、私はヴェリタスの面々に指示を出す。

 

「コタマは音響と通信装備!ハレはドローン類をありったけ持っていって!!」

「EMP系もいい?」

「使えるやつなら何でもいい!…あ、マキ!」

 

 機関銃とペイントカラーグレネードを持つマキを呼びとめる。

 

「なに?副部長」

「……一応、レールガンを食らってることを忘れないで。無理は禁物、OK?」

「…大丈夫。ちゃんと分かってるって」

「本当に?」

「ほんとだよ?」

「…よし。じゃあ行くよ」

 

 ヴェリタスはついに、対リオ組織としての、初めての作戦行動を開始する。その中にはC&Cも、ゲーム開発部も、シャーレの先生さえ揃っている。それでもヘビーな戦いになるだろうと、そう感じていた。

 

 

 

 

 

「…なーんか、腹づもりありそうだなァ、ウタハの奴」

 

 中庭でウタハの相談に乗っていたネルだけは、彼女の心に少しばかり気づいていた。

 

 

 

 

 

―――

 

 

 

 

 

 特異現象捜査部の1年生、和泉元エイミから打診を受けたのは事実だが、エリドゥへ単独突入を試みたのはそれが理由ではなく、はたまた悪ノリの類でもなかった。

 建前としては、アリス、及びレールガンのデータを回収すること。

 

 本音は、ヒマリに話を聞くこと。

 

 何故、リハビリルームに姿を現さなかったのか。

 答えは分かっている。リオと行動を共にしているか、無理矢理連行されたかして、この要塞――エリドゥに居るからだ。

 不自由を、極端な監視体制を嫌う彼女のことだ。自由意思でここに来ていないことは分かるのだ。

 

 だが、私の心には一抹の不安が残る。彼女が試験を嫌がって、リオと連れ立ってここにいる可能性が、どうしても脳裏にちらつく。

 些か飛躍した考えなのは理解している。だが、今まで強いてきた負担と、それに対して結果を得られていない負い目、そして、ヒマリの歩行器を作る事に依存してしまっていることが、私の不安を拭わせてくれない。

 

「…く…ぐっ……ぅ……」

 

 単独での要塞侵入は、私にそれ相応の代償を課した。

 迫る機械人形の群れ、可動式の建造物、巧妙に隠された砲台からの支援砲撃。

 私の愛銃、MAC-10SMG"マイスター・ゼロ"のマガジンなんて、何本使ったか分からない。身体中が弾痕だらけで痛む。

 それでも、持てる全ての力を以て、要塞中央のタワーに突入できた。私が意地を張ったのもあるだろうが、突破できた一番の理由はリオにあるはずだ。でなければ、湯水のように金を使ったであろう要塞都市を、何でもない一般人ひとりで陥落させられることになってしまう。

 ―――単独突入を、彼女も怪しんだのだ。

 

「はーっ……ここかな」

 

 痛む身体を引き摺って、エレベーターホールから廊下を進み、ある部屋の前で足を止める。"中央制御室"と書かれていた。

 両開きの、頑丈な自動ドアの横にある制御盤を操作してみる。驚いたことに、鍵は掛かっていなかった。迎え入れる気のようだ。

 

「……来たのね」

「…ああ」

「…ひとりで?」

「ひとりだ。誰も連れてきてないよ」

 

 月光すら届かない、ブルーライトだけが照らす薄暗い部屋。幾つも備えられたモニター類。その前に、リオは立っていた。赤いレンズのような瞳が、じっとこちらを見つめている。

 

「…単刀直入に聞くわ。貴方、ひとりで何をしにきたのかしら」

 

 自殺行為というわけではないのでしょう、と尋ねてくる。無論、自殺なんか趣味ではない。

 

「…交渉というか、質問というか…まあ、危害を加えに来たわけじゃないよ」

「なら武装解除しなさい。交渉するなら、武器を置いてテーブルに着くことが絶対条件のはずよ」

「ここはそっちのホームグラウンドなんだ。弾切れ寸前の銃一本持ってたところでどうにもならないさ」

 

 万が一交戦に入ることを想定して、銃は持っておきたかった。リオは渋々ながらも、その要求を受け入れた。頑固者のイメージがあったのだが、意外だ。

 

「それで、交渉の内容は?」

 

 いきなり、リオは本題に入った。お互い武装を保持し、突きつけ合ったままの外交戦が始まる。

 

「…ヒマリと話をさせて欲しい。少しでいいんだ」

 

 そう言うと、リオは少し拍子抜けしたような表情を見せる。しかし、すぐにいつものような切れ目な表情に戻る。

 

「悪いけど、それはできないわ」

「何故?」

「何故もなにも無いのよ。今、貴方達とヒマリを接触させるわけにはいかないの」

「……」

 

 断られることは想定内だった。だが、理由は教えてくれなかった。

 普通に考えれば、私とヒマリが接触することで、アリスの破壊を阻止される可能性が高まるからだろう。

 だがしかし。この時の私は、精神的にも肉体的にも余裕がなかった。だから、する必要のない深読みをしてしまった。

 

 ヒマリが会いたくないと言ったから。

 

 繰り返しになるが、そこを否定できなかった。

 

「…じゃあ、少し質問を変えるよ。…アリスはどこだい」

「……えっ?」

 

 リオは、彼女に似合わない素っ頓狂な声を上げる。何かおかしなことを言っただろうか。

 

「……そこに居るのだけれど。暗がりとはいえ、見えているものとばかり……」

「そこ…に…?」

 

 指さされた方を見ると、専用の器具に拘束されたアリスがいた。背中には幾つもの管が差し込まれており、その目は閉じている。休眠状態にあるようだった。

 ――アリスのいた位置は、入り口からでもはっきりと視認できる位置だった。それを見落としている。どれだけ周りが見えていないのか、その証左になっている。

 

『君は命の危険に晒されている後輩より、自分の事のほうが大切なんだよ。わかるかい』

『君は何かを成し遂げるどころか、後輩や友人すら大切に出来ない人間なんだ。マイスターの名が廃るね』

 

 誰かの声。聞いたことがあって、一番身近で―――

 

「……っ、……」

「…ウタハ?」

 

 俯き加減の顔を上げる。リオがそこにいて―――

 

 モニターの全部が、私を見ていた。

 

 機械の作動音がうるさい。

 時計の音がうるさい。

 身体が芯から冷えている感覚がする。

 吐き気がする。

 誰かが嗤っている。私を嗤っている。

 

 嗤っているのは―――

 

「…うるさい……!」

「ウタハ!」

 

 意識が戻る。気がつくと、リオが私のすぐ目の前まで来ていた。一気に肺に空気が流れ込むような、そんな感覚が体内にある。

 

「…すまない」

 

 冷静にはなった。が、未だ怒りというべきか、失望感というべきかわからない感情が、肚の中で渦巻いている。

 

「…最後にひとつ、質問していいかい」

「…期待通りの回答ではないかもしれないわ。それでも?」

「構わないよ」

 

 聞くべきか悩んだ。だが、ここでもう聞いておくことにした。

 

「…ヒマリは、自分の意思でここに来たのかい」

 

「……言えないわ。ただ―――」

「わかった、もういいよ」

 

 言えない。ただそれだけ。どちらにもとれない、誤魔化しの言葉。だが私にとっては否定の言葉になる。

 私が無理に連れてきたと言って欲しかった。この疑念を払って欲しかった。

 

「付き合わせてごめんね。私は帰るよ」

「……待ちなさい」

 

 出口に向かって歩みを進めようとした時、リオはそう言った。背後で何かを構える音が聞こえる。

 ゆっくりと振り返る。そこには、私に向かって拳銃――M1911"立案者"を突きつけているリオがいた。

 

「…悪いけど、ここまで入り込まれた以上、ただで返すわけにはいかないのよ。事が終わるまで、貴方もここにいてもらう」

 

 …どうやら帰す気は無いようだった。本人が滅多に抜かないと言っていた銃を抜いていることから、その本気度が伺える。

 投降したほうがいいのは、なんとなく分かっている。手負いだし、弾薬も少ないし、要塞を脱出する策もない。

 

「…エージェントに任せなくていいのかい」

「これは私がやるべきことよ。アリスの処理以外で、あの子の手を煩わせる必要は無いわ」

「非合理だね。らしくない。確実に拘束したいなら、撃ち慣れない()()よりもプロに任せるべきだ」

「…舐めないでちょうだい。人並みには撃てる」

 

 だが、この時の私の頭は、もうすでに冷静な判断をできる状態では無かったといっていい。

 私を嗤う声に苛立っていたのだろうか。ヒマリに見切られたと思い悲嘆に暮れていたのだろうか。あるいは何も出来ない自身に絶望し、自棄になっていたのかもしれない。

 

「…さっき、私は"そっちのホームグラウンド"と言ったけど」

 

 一歩、リオに近づいていく。撃ってこない。

 

「ホームグラウンドだからといって、100%勝てるという保証もない。"絶対"を信じはしない貴方の事だ、分かるだろう?」

 

 もう一歩近づく。銃口が、私の額に突きつけられた。

 

「…貴方の言う通り、私は絶対を信じてないわ。…だからこそ、聞きたいことがあるの」

 

 唐突に、リオはそう言った。先程まで冷徹な印象を持っていたレンズのような目に、僅かな迷いのようなものが生まれている。

 

「…どうすれば誰の手も汚さず、世界を救えるのかしら」

 

 超合理主義者から放たれた、傲慢とも理想論とも取れるひと言。リオがそんな事を言うとは思っておらず、少しばかり面食らった。

 恐らく、リオはアリスの事を訊いているのだろう。いくら取捨選択を厭わない彼女だろうと、本質は17の学生だ。人殺しには忌避感があるのだろう。そして、エージェント――トキを巻き込むことも、また。

 

「…私はその解のひとつといえるものを持っている…と、思うよ」

 

 自信は無いが、問いの解答になり得る意見を、私は持っていた。それはアリスの人柄を知っているからこそひらめいたものであるし、完全にリスクを回避することは出来ないだろうと思っていた。

 機械を作る者にとって、付けなくてはならないもの。チヒロがよく言ってくるもの。所謂、()()()()の発想。

 

「…だけど」

 

 気づかれぬよう、腰に提げた愛銃を手に取って―――

 

「それを答えるのは、()()()()()の役割だ」

「……っ!」

「ごめんね、リオ」

 

 ―――脇差を刺し込むようにリオの横っ腹に銃口を充てがって、1秒間、引き金を引いた。

 

「ぐ…!」

 

 リオはバランスを崩し、やがて尻もちをついた。その隙に、全力で出口に向かって走る。分が悪い賭け。エリドゥからの脱出を目指す。

 中央制御室を出る瞬間、壁に2、3発、弾丸が着弾した。リオの放った弾丸だろうが、やはり撃ち慣れていない。命中弾は無かった。

 

「追いかけます」

「……私が対処するから、貴方は―――」

「いえ、リオ様はここで安静に。必ず捕まえます、ご安心を」

 

 背後から、そんな会話が僅かに聞こえた。エージェントが追ってくる。早く離れなければ。

 エレベーターホールに向け、廊下を駆けていく。いくら身体が頑丈なキヴォトスの人々だろうと、高層階から落下すれば命に関わる。例外もいるが、兎に角エレベーターで下に降りるしか無い。

 その刹那、後ろから、私のものではない足音が聞こえてきた。例のエージェントだ。

 

「…っ、速い…!」

 

 一瞬振り返ると、少しずつ差が詰まっているのを感じた。やはり一般人と戦闘のプロでは、身体能力の差が歴然だ。

 発砲音。エージェントが撃ってきている。走りながらなので命中率は低い―――

 

「が…!?」

「クリーンヒット」

 

 ――と思っていた私の考えを打ち砕くように、弾丸が左肩に何発か命中した。足じゃないだけマシだ。

 ジグザグに走りながら、ようやくエレベーターに飛び乗った。急いで下階のボタンと、閉じるボタンを押す。

 閉まるドアの向こうで、エージェント、トキが猛スピードで迫っていた。無表情な、氷のような顔が、得も言われぬ威圧感を放っている。

 私はそれに向けて、ドアが閉まるまでの間、残っているありったけの弾薬を叩き込んだ。それが功を奏したのか、すんでのところでドアが閉まりきり、エレベーターは下降を始めた。

 

「……はぁーっ………」

 

 ほっと、一息。取り敢えず、迫る危機は脱した。

 

「…このエレベーター、やけに大きいな。物資運搬用のものなのかな?」

 

 落ち着いて周りを見回すと、今乗っているエレベーターはかなりの広さがあった。天井も高く、何か大きな機械でも入りそうな大きさだ。

 そう思ったその時、ポケットの携帯が着信を告げた。行きとさっきの戦いで破損しなかったのが不思議なぐらいだった。

 

「スピーカーモードで電話に出てくれ」

 

 そう言うと、声紋認証機能が反応して、自動的に電話に出た。

 

『ウタハ!今何処!?』

「分かってるでしょチーちゃん。エリドゥだよ」

 

 電話の相手、チヒロと話しながら、空っぽになったマガジンを交換する。内ポケットをまさぐってみると、残りはあと一本だけだった。しかもよく見ると使いかけである。

 マガジンロックを解除すると、空のマガジンが自重で落下し、かーん、という音を立てた。そのまま使いかけのマガジンをMAC-10に挿し込んで、チャージングハンドルを引いた。

 

『そういう事を聞いてるんじゃない!詳細な位置を教えろって言ってるのよ!!』

「あー、セントラルタワーのエレベーターだ。今下降中。それよりチーちゃんこそ何処にいるんだい?えらく喧しいけど」

『こっちもエリドゥに突入した!今交戦中!』

 

 耳を澄ませると、電話口から銃声が聞こえてくる。マキの機関銃の音や、ぎゃりぎゃりというモモイの銃声。ネルの怒声、アスナの笑い声なども。

 

「…凄いことになってるね」

『半分はアンタのせいだけどね!!』

「ごめんて、チーちゃん…取り敢えず合流を―――」

 

 その時。エレベーターが突然止まった。階数はかなりの高さでストップしていて、ドアは開かない。

 どうしたものかと思った瞬間、頭上で何かが着地したような、がん、という衝撃音が聞こえた。

 

「…嘘だろう……?」

 

 追ってきやがった。

 

『――、聞いてるの!?』

「…すまないチヒロ。話は後だ」

『どういうこと!?』

「追っ手が来た。交戦は避けられない」

 

 上を見て、エレベーターシャフトの位置を確認。直下を避け、"マイスター・ゼロ"を構える。

 その瞬間、シャフトを突き破って、何かが落下してきた。私はそれに向かって、ありったけの弾薬を叩き込んだ――はずだった。

 

「甘いですよ」

 

 気づけば、その影の回し蹴りが、私の横っ腹にめり込んでいた。私は吹っ飛ばされてエレベーターの壁に激突した。銃は手放さなかったが、行きの傷と、背を強打した痛みが私を鋭く突く。

 

「…もう弾薬は無いと見ました。そしてここは逃げ場が無く、近接戦闘向きの閉所」

「…何が言いたいんだい、飛鳥馬トキ」

 

 痛む身体に鞭打って、立ち上がって対峙する。

 

「投降することを推奨します。そうすれば、もう痛い思いをしなくていいんですよ」

「…生憎、エンジニアは諦めが悪い存在なんだ。断るよ」

「そうですか」

 

 …向こうは、こちらに近接装備が無いと思い込んでいる。その様子は、先程の会話の様子から見て取れた。

 だが、私にはまだ武器がある。それは今右手に保持している、"マイスター・ゼロ"。

 

 私、いや私達エンジニア部は、発明品をより多機能にすることが多い。Bluetoothをつけてみたり、自爆装置をつけてみたり。より多機能な一品を目指す。

 そしてそれは、この銃も例外ではない。愛用する工具セットが無い時、これさえあれば、最低限のことを行えるようにするためにつけた機能がある。

 ―――"マイスター・ゼロ"は、ハンマーになる。

 

 あとは分かるだろう。

 

「――では、対処させていただきます」

 

 トキが向かってくる。それに向かって、大きく"マイスター・ゼロ"を振り上げた。

 頭めがけて思い切り振り下ろす。しかしそれは空を切り、逆に背後に回り込まれた。

 

「終わりです」

 

 うなじに、手刀が入った。意識が遠くなって―――

 

 

 

 

 

「―――まだだ…!」

 

 意地で堪え、振り向きざまにハンマーを一振り。顔に命中こそしなかったが、防いだトキの右腕に直撃した。

 

「ん゛……!」

「ミレニアムの3年を…舐めるな!」

 

 振り向きの回転を活かし、そのまま左足を一閃。脇腹に食らわせる。

 だが、その程度で倒れるほど、C&Cは伊達じゃない。すぐに体制を立て直される。その前にと振り上げたハンマーも躱され、無情にもドアに命中、破壊するのみだった。

 トキの方を見る間もなく、左拳が私の顔を打ち抜いた。一瞬、顔の右半分の感覚が消えた。

 

「もう一発…!」

 

 そのまま顔を掴まれ、膝を打ち込まれる。1発、2発、3発。

 手が顔から離れる。鼻血が出ている。口の中が切れ、右目が少しぼけて見え―――

 

「まだです」

 

 トキの右腕が一閃。今度は左顔部に命中。血を吐いた。

 痛む目を意地で開けると、左目が一瞬、振り上げたトキの左腕を捉えた。

 

「何度も――」

 

 それを、空いている左手で受ける。衝撃で手が痺れたが、そんなの気にしない。気にしていたら喰われて終わる。意地を見せろ、白石ウタハ。

 

「な…」

「――やられるか…!!」

 

 思い切り体重をかけ、トキを押し倒す。タッパでは負けていても、こちとら機械類を毎日運んでるんだ。力勝負で負けるか…!

 馬乗りになって、ハンマーを振るう。狙うはひとつ、側頭部。

 ごっ、という鈍い音がした。鈍器を頭部に食らったのだ、気を失って―――ない。

 

 あっという間に形勢を逆転され、今度はトキが私に馬乗りになった。

 肘が私の顔に落ちる。

 痛い。

 痛い。

 なんとかしないと―――

 

 手を伸ばして、トキの顔を掴む。思い切り力を込めて、握りしめる。すると、少しだけ拘束が緩んだ。その隙を突き、劣勢状態から脱する。

 

「…思ったより、やるようですね」

「……ほぼ一方的だよ」

 

 睨み合いになった。しかし、その時。

 

『ウタハ!脱出の算段が立った!!』

 

 携帯から、そんな声が聞こえた。そういえば切ってなかった。

 

『とにかくエレベーターから出て!』

「…誰ですか、それは」

「……友達だね。切るの、忘れてたんだ」

 

 ちらりと、ドアのほうを見た。エレベーターは丁度階と階のあいだで止まっているようで、下階は人が通れそうな隙間がある。

 

「…流石に、君には勝てそうにないかな」

「なら大人しく投降してください」

「言っただろう。諦めが悪いんだ、私達は」

 

 そう言い放ちながら、トキに向かってハンマーを投げる。それを防御したトキを横目に、エレベーターから脱出する。

 

「逃がしません」

「チヒロ!何処に行けばいい!?」

『東の窓!そこから飛び降りて!!』

「何を言ってるんだ!?」

『とにかく早く!!』

 

 耳を疑った。この高層階から飛ぶ。そんなの、一部の例外でなければ無事でいられない。

 だが、チヒロが何の考えもなしに、ましてや自害を教唆する人間ではないことを知っている。しかも、後ろからはトキが迫っている。飛ぶしか、ない。

 全速力で走って、東側の窓に辿り着いた。後ろからはトキの足音が聞こえている。早く飛ばねば。

 

「くそ、どうにかなってくれ…!」

 

 走る勢いそのままに、窓をぶち破って外に出た。エリドゥの煌々と輝く光が、曇り空の夜を照らしている。正に、絶景だった。

 瞬間、重力が私を引いて、地面に急速に落下を始める。あと数秒で接触だ。

 

『手を伸ばして!!』

 

 チヒロの叫びに、反射的に手を上に伸ばした。すると、何かが手に引っかかって、私の身体は落下を止めた。代わりに、横向きの風を感じている。

 上を向く。そこには、少し大きめのドローンが、私を懸架していた。

 

「……これは」

『ソナー確認!ナイスキャッチ、ハレ!』

『チヒロ先輩、対空砲火が来るよ!どうしたらいい!?』

『躱して!!』

『そんな無茶な…!』

 

 電話越しに、ヴェリタスの面々が騒いでいる。救出の算段とはこのことだったのか。

 そんな事を思っていると、エリドゥの各地から対空砲火が始まった。色とりどりの曳光弾が、私の横を掠めていく。

 

『ウタハ先輩、ちょっと我慢してね…!』

「これは、スリル満点だね…っ!」

 

 ハレの操縦で対空砲火を躱しつつ、高度を下げていく。しばらくすると、エリドゥの端で橋頭堡を築いている皆が見えた。エンジニア部にヴェリタス、C&Cにゲーム開発部、シャーレの先生と、ドリームチームの様相だ。

 ふわりと着地する。すると、迫撃砲を打ち上げていたヒビキとコトリが駆け寄ってきた。

 

「ヒビキ、コトリ…」

「部長、心配したんですよ!!」

「死んじゃうかと思った…というか、ぼっこぼこ…」

「怪我なら問題ないよ。…すまない、勝手なことをしたね」

「それは私たちにも言うべきじゃない?」

 

 後ろを振り返ると、チヒロが立っていた。眼鏡が光を反射していて、表情がよく見えない。が、お冠なのは何となく分かる。

 

「…すまない、ありがとう。助かった」

「……あとでたっぷりお説教ね。ユウカたちも一緒よ」

「げぇ……状況は?」

「四方八方から戦闘人形…"AMAS"による攻撃を受けてる。ひとりでも多く人手がいる」

 

 どうやら状況は芳しくないらしい。見るに、侵入したは良いものの、そこから一歩も進めていない様だ。やはり私の時は本気じゃ無かったのだろう。

 

「…コトリ、"椅子"は?」

「ちゃんとあります!メンテナンスキットも!」

「よし、充分だ。前線に展開しよう」

 

 差し出された工具箱を受け取って、交戦中の前線へ歩みを進める。支援する場所は、手負いのモモイまで出張っているゲーム開発部が受け持つ戦線。

 

「…侵入した時も思ったけど」

 

 モモイたちがなんとか制圧した前線から、またしても数十のAMASの群れがやってくるのが見えた。

 

「機械にSMGだけ付けるのは、些か火力が足らないと思うんだ」

 

 "椅子"を展開する。しかしそれはただの椅子ではない。

 カタパルト付きの脚部。2丁のミニガンを搭載した武装。かつて、C&Cの狙撃手(角楯カリン)をも完封した戦術兵器。それはまさしく、(いかずち)の玉座。

 その名は―――

 

「ミレニアムの、マイスターの驚異的な技術力、しっかり目に焼きつけるといい」

 

「この椅子が、君たちを破滅させる」

 

 ―――セントリーガン、雷ちゃん。

 アリスを、ヒマリを奪還する戦いの火蓋が切られた。

 

 






ウタハの固有武器が工具にもなるって聞いて、やりたかっただけのvsトキインファイトです。
あとモモイの怪我なんですけど、多分強者側のアスナが動けなくなるレベルの威力かつビーム兵器なんで、キヴォトス人とはいえ一般人なら火傷ぐらいするやろって思ってちょっと盛りました。その方がモモイの気力の強さ出るし。あとちゃんと治ります。

感想とか高評価とかお気に入りとかしてくれると貴方のシャーレにヒマリオが来てくれますよ、多分。あと私がめっちゃ喜ぶ。
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