無個性のヒーローアカデミア   作:明灯月陽

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六月中旬

 放課後、古瀬は廊下で障子に遭遇する。

 

 障子目蔵、個性は複製腕。肩から生えた二対の触手の先端の瘤に、自信の体の器官を複製できる。

 

「暇だったら一緒に訓練しない?」

 

 途中で遭遇した瀬呂にも声を掛ける。

 

 瀬呂範太、個性はテープ。両肘からテープのようなものを射出できる。

 

 三人は運動場へと向かう。古瀬は倉庫から道具を取り出す。

 

「何する気なんだ?」

 

「ちょっと一回体力測定をやっておきたくて」

 

 飯田との競走に思う所があり、古瀬は再度個性把握テストを行うことにした。

 

「二人は四月の個性把握テストどうだった?」

 

「俺は十五位、障子は……」

 

「六位だ。古瀬はどうだったんだ?」

 

「十九位」

 

 最初はソフトボール投げを行う。古瀬が全力で投げると、ボールは燃え尽きた。

 

「うーん……」

 

「測定不能。これ最下位だったのか?」

 

 どういう扱いなんだろうね、と他人事のように古瀬は話す。実際どういう扱いになるのかが分からなかった。

 

「障子くんの握力五百五十キロか。どうかした?」

 

「いや、四月からあまり伸びていないと思ってな」

 

「俺もほとんど変わってねえな」

 

「そんなもんじゃないの?」

 

 全力で握った結果、古瀬は握力計を破壊する。彼はあまり怒らなさそうなブラド先生に謝りに行こうと思った。

 

 50m走は二秒台、速いと言えば速いのだが、瞬発力が足りていない。

 

 立ち幅跳びは不慣れもありそこそこ。持久走はかなり速い。反復横跳び、上体起こしはそれなりの結果。長座体前屈は普通だった。

 

 発揮できる力の総量は多いが、瞬発力が足りず、それなりに時間が掛かる種目には強い。古瀬は何となく、自分の長短が見えてきた気がした。

 

 古瀬はこの結果を見て、では瞬発力を鍛えよう、とは思わなかった。むしろ自分が持つ力の強さを見て、これを人に振るうのは危険だと思った。

 

 やはり力よりも技を鍛えた方がいい。気を高める訓練はするが、咄嗟に誰かを傷つけないように、寧ろ力はあまり使わないようにしようと思った。

 

「腹減ったなあ」

 

「何か食べに行く? 二人の好きな食べ物は?」

 

「イカスミパスタ」

 

「共食いだな」

 

「別にそんなことないと思うよ。どちらかと言えばタコっぽいし」

 

「たこ焼きも、好きなんだ」

 

 古瀬は瀬呂と障子と訓練をした。

 

 

 

 古瀬は柳に映画に誘われる。

 

「一緒に映画見に行かない?」

 

「行かない」

 

「えー、行こうよー」

 

「嫌です」

 

 無理やり連れて行こうとする柳を古瀬は嫌そうに押しのける。その光景を拳藤は不思議そうに見ていた。

 

「何で行かないの?」

 

「ホラーはちょっと苦手で」

 

「ひどいと思わない? こいつの家、テレビも無いからせっかく誘ってあげてるのに」

 

 行こうよ、と引っ張る柳を、止めろよ、と古瀬は引き離そうとする。

 

 拳藤は、こいつに苦手なものあったんだな、と思いつつ首を傾げる。

 

「何で家にテレビが無いこと知ってるの?」

 

「近い場所に住んでるから遊びに行ったことがあるんだけど、知ってる? こいつの家、本当に何も無いんだよ?」

 

「別にいいじゃないか。眠るだけの場所なんだから」

 

 どうせそのうち全寮制になると思って何も置いていない。テレビが嫌いなわけでも、家具なんて必要無いと本当に思っているわけでもない。

 

「そういえば、拳藤さんには趣味ってある?」

 

「話題を変えるな」

 

「まあまあ。それで、拳藤さんには好きな物とか趣味って何かある?」

 

「私はブラックコーヒーとか、あとはバイクかな」

 

「バイク? 見るの、乗るの?」

 

「どっちもかな」

 

 原作でバイク免許取得可能年齢が不明なため、この世界では高校生以上ならバイク免許を取得できるという設定にします。大型二輪も運転可能です。

 

「ツーリングとか?」

 

「たまにね」

 

「確かにそういうの好きそう」

 

 古瀬と柳は見たまんまだなあ、という反応を示す。

 

「別にいいでしょ。古瀬の趣味は?」

 

「何だろう。映画鑑賞とか?」

 

「テレビも無いのに?」

 

「スマホはあるから……」

 

 古瀬は柳と拳藤と話をした。

 

 

 

 職員室、古瀬は教師に戦闘訓練の相手を頼みに来る。

 

「エクトプラズム先生、戦闘訓練の相手をお願いできませんか?」

 

 エクトプラズムは二つ返事で引き受ける。

 

「先生の個性は確か、分身でしたよね」

 

 口からエクトプラズムを出して分身を作る。

 

「エクトプラズムってどういう物質なんですか?」

 

「煙ノヨウナ不定形デアリ、広狭不問、硬軟自在、大小自由ダ」

 

「出した後は独自に思考し、離れた場所に行っても問題ないんでしたよね。かなり汎用性が高い個性ですね」

 

「話ハココマデダ。ドノヨウナ個性カハ、自分ノ力デ確カメロ!」

 

「はい、よろしくお願いします!」

 

 しばらくの戦闘の後、古瀬はエクトプラズムの拘束に成功する。

 

「ナゼ居場所ガ分カッタ」

 

「僕は人の存在を感知できるので、どれだけ分身の中に隠れても本人の居場所が分かるんです。逆に分身の位置は分かりませんけど」

 

 戦いは全戦全勝というわけではない。勝利数で言えばエクトプラズムの方が勝っている。それでもかなり近い勝率だった。

 

「ソレデハナ」

 

「ありがとございました」

 

 古瀬はエクトプラズムと訓練をした。

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