無個性のヒーローアカデミア   作:明灯月陽

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七月

 ブラドキングより林間合宿に関する説明が行われる。今回赤点を取った生徒も林間合宿には参加、ただしそこで補習を受けてもらうとのことだった。

 

「今回赤点を取ったのは物間と古瀬。お前ら今回本当に酷かったぞ。もう少し頑張れ」

 

 全く役に立たなかった奴と、勝手にルールを変える奴。

 

「あーあ、無個性に足を引っ張られなきゃ、もう少し活躍できたんだけどなあ」

 

「そうだね。次からはもう少し足を引っ張らないように頑張るよ」

 

 相手を咎めるように言う物間と、物憂げな表情をする古瀬。この会話を聞いて、古瀬が足を引っ張ったのかな、と周りは思った。

 

 説明が終わり、ブラドキングは退室する。

 

 物間には悪いが、今回の試験結果は大変満足のいくものであった。無事補習組に入れたため、ヴィランが襲ってきても生き残る目は高いだろう。

 

 ただどこか、想像していた行き先と違う気がした。

 

 その翌日、ショッピングモールに死柄木が現れる。ショッピングモールは一時閉鎖され、合宿先が急遽変更となった。

 

「死柄木に遭遇したのA組の生徒だって」

 

「呪われてんのか」

 

 そう言いたくなる気持ちは古瀬にも分かる。USJ、職場体験と続いて、ショッピングモールでまた遭遇したとなればもはや異常である。

 

 メタ的に言うならば話の都合なのだろうが、一つクラスが違うだけでかなりの別世界である。

 

 それはそれとして、これでおそらく自分が知っている林間合宿先へと変更になったのだろうと古瀬は思った。

 

 林間合宿先にはワイルド・ワイルド・プッシーキャッツが来る。彼らはランキング32のプロヒーローチームで、メンバーはマンダレイ、ラグドール、虎、ピクシーボブの四人である。

 

 古瀬はネットでその四人について調べる。履歴を見られても怪しまれないように、他のプロヒーローについてもいくつか調べた。

 

 マンダレイ、個性はテレパス。遠方の複数人にも呼びかけが可能。

 

 ラグドール、個性はサーチ。見た相手の居場所、弱点を百人まで知ることができる。林間合宿で誘拐される。

 

 虎、個性は軟体。体が柔らかくなる。元女性。

 

 ピクシーボブ、個性は土流。土に触り念じることで、土を自由に操作できる。

 

 しかしマスキュラーがいないため、それがどのような影響をもたらすのか。戦力が低下した結果、ヴィラン連合があっさり撃退される、なんて事になるのではないかと懸念する。

 

 最終的には撃退されないと困るが、あっさり撃退されたらそれはそれでつまらない。ただでさえ、どうせ最後は主人公が勝つのだろうから、一方的なワンサイドゲームになるような、敵の戦力低下が起きるような事態は避けてほしかった。

 

 マスキュラーが脱走していないことは確認している。今回はもうどうしようもないので、できるだけ原作通りに進むのを願う事にした。

 

 

 

 古瀬はサポートアイテムとコスチュームの開発ライセンスを取得した。彼がライセンスを取得した理由は、特に無い。

 

 何となく興味を持って、作るためには許可とライセンスが必要だったため取ったに過ぎない。明確な目的があるわけではない。

 

 体育祭以降、古瀬は割と頻繁にサポート科の工房に入り浸っていた。そこでサポート科の生徒と交流しつつ、授業の内容や作り方を覚えた。

 

「これで好きに作れるわけですね」

 

「許可制だぞ」

 

 パワーローダーに色々と言われつつ、古瀬は開発を開始する。

 

「まずは何を作ろうかな。発目さんはどんなものを作ったんですか?」

 

「あの隅にあるゴミ山だ」

 

 部屋の隅に、発目が作ったサポートアイテムが積まれている。

 

「見てもいいですか?」

 

「ダメです」

 

「いいぞ。好きに見ろ」

 

 古瀬は発目が作ったサポートアイテム群を見学する。後ろでは、どうして先生が許可を出すんですか、とパワーローダーが詰められている。

 

「古瀬はどんなものを作りたいんだ?」

 

「まだ特には決めていません。他の人が作った物に面白いものがあったので、まずはそれを参考に似たような物を作ろうかと思っています」

 

 そういえば、と古瀬はあることを思い出す。

 

「そういえば、もうすぐI・アイランドで個性技術博覧会が開催されるそうですね」

 

「私も見たいです。先生のコネで招待券とか手に入らないんですか?」

 

「そんなものは無い」

 

 I・アイランドは映画、2人の英雄の舞台。プレオープン中に、緑谷たちはヴィランと戦う。行く金が無いため古瀬は不参加である。

 

 古瀬は発目とパワーローダーと話をした。

 

 

 

 古瀬は尾白に、技の実験台になってほしいと頼む。

 

「今度は何?」

 

「妨害用の技をちょっとね。未完成だけど、どんな感じかちょっと試してもいいかな」

 

 尾白は快く、ではないが了承する。何かの時に突然初見殺しが飛んでくるよりはましかもしれない、という判断だった。

 

 古瀬は糸のようなものを出して、尾白の動きを妨害する。これはドラゴンボールのボージャック一味の技、サイコスレッドを真似て作った技である。

 

 サイコスレッドは糸で相手を縛るだけでなく、抵抗するたびにパワーを奪うという効果もあるが、そこまでは再現できていない。古瀬の技は、気で作った糸で相手を縛っているだけに過ぎない。

 

 尾白は糸で体を縛られるが、動けないという程ではなかった。多少体は動かしにくいが、普通に活動可能だった。

 

「思ったよりも妨害にすらなっていないな。所詮は見よう見まねの技か」

 

「でも糸の強度を高めれば、動けなくさせることもできるんじゃないかな」

 

「今の強度でその程度の妨害にしかならないとなると、どれだけ強度を高めればいいのか。ここは方向性を変えてみるかな」

 

 古瀬は気の性質変換で水を生み出す。訓練場の床に透明な液体が広がる。

 

「操り糸」

 

 上から、広がる水に対して気の糸を繋げる。すると水が集まり、泥鰌のような形を形成する。古瀬が糸を動かすと、水は生き物のように動き始める。

 

「こんなこともできるんだ」

 

「気を通して干渉する方法を模索していたから、その応用だよ。人への干渉は抵抗があるから難しいけど、水や土なら操れるかもと思ってね」

 

 落ち葉なども操ることができる。土も操れないわけではないが、地面の硬い土は掘り返さなければ操るのは難しい。

 

「まあまだ、実戦で使うのは難しいけどね」

 

 床の上で跳ねる泥鰌を見ながら古瀬はそう言う。空を飛べるわけでも、視覚を共有しているわけでもない。ただ操っているだけである。

 

 七月中旬、古瀬は尾白と特訓した。

 

 

 

 サポート科の工房、古瀬はそこである道具を作製する。

 

「ガリバートンネル!」

 

 パワーローダーはその道具を怪訝そうに見ている。

 

「くけけ、大きいな。何だこれは」

 

「小大さんの協力のもと、彼女の個性の一部を模倣した道具です」

 

「ん」

 

 横にいる小大がガッツポーズをする。

 

「小大さんの個性はサイズ、触れた物の大きさを変えることができます。本来であれば生物の大きさを変えることができませんが、この道具は可能です」

 

 元ネタはドラえもんのガリバートンネル。大きい方から入れば小さく、小さい方から入れば大きくなる。

 

「大きい方から入ることで、人や道具を小さくすることが可能です。逆に小さい方から入れば、元の大きさに戻ります」

 

「小さい方から鼠なんかを入れたらどうなるんだ?」

 

「大きさは変わりません。あくまで『小さくする』『元に戻す』の部分を模倣した道具なので」

 

 元ネタの方は、小さい方から入れれば大きくなる。

 

「大きい方から二回入った場合はどうなる?」

 

「二回目の場合は、大きさは変わりません。効果があるのは一度のみです。効果時間ですが、効果時間に制限はありません。ただし、この道具が壊れた場合は、小さくしたものは全て元の大きさに戻ります」

 

 個性の中には、生物には効かないというものがいくつかある。効果があると強すぎるというのがメタ的な理由かもしれないが、ここでは生物に使うと危険だから無意識の内にセーブしている、ということにする。

 

「大きすぎる人間のサイズを変えるとか、色々と使い道がありそうだな」

 

「狭い土地でテーマパークなどを運営することも可能かとも考えています。最も、小大さんが許可すればの話だけど」

 

 古瀬は古代の方を見る。

 

「小大さんが、この道具が広まることで自分の個性、強みが流出する、無くなると感じるのであれば、販売は行いません。どうしますか?」

 

「ん」

 

「それは許可する、という意味でよろしいですか?」

 

「ん」

 

 小大は小さく頷く。

 

「ありがとうございます。実際にどうなるかは不明ですが、販売した際に得られた利益の半分は小大さんのものとなります」

 

「くけけ、随分と気前がいいじゃねえか」

 

「元々は小大さんの個性ですからね。自分の強みを分け与えてくれるというのだから、その辺りは最低限配慮されるべきだと考えています」

 

「ん」

 

 小大は構わないと親指を立てる。

 

 とはいっても販売計画があるわけではない。もしそういった機会があれば、という話である。

 

 古瀬はガリバートンネルを作製した。

 

 

 

 夏休み前、古瀬は凡戸と話をしていた。

 

「へー、凡戸くんってプラモ作りが趣味なんだ」

 

「うん。個性の影響もあって。接着剤には困らないからねぇ」

 

 二人は廊下を歩いて、教室へと向かう。

 

「それなら、こういうものは作れないかな。ジオラマみたいな小型のプールなんだけど」

 

「結構大きいねぇ。それなら泡瀬くんも呼んで……」

 

 古瀬は小さなプールを作り、ガリバートンネルを使って遊べないかと思った。海やその辺のプールに行ってもいいが、何となくやってみたかった。

 

 その翌日、古瀬は緑谷以外のA組B組生徒に連絡を送る。

 

『泳ぎたい奴全員集合! 水着を持ってB組教室に来て!』

 

 古瀬は緑谷の事が嫌いだが、流石に一人だけ仲間外れにするのはどうかと思った。その手の辛さは知っている。ただ、連絡しようにも単に連絡先を知らなかった。そのため連絡は麗日に頼むことにした。

 

『緑谷の連絡先を知らないので、先程の連絡を伝えたい場合は伝えてください』

 

 来てほしくはない。来ないなら来ないで構わない。そんな感情が溢れ出る内容だった。

 

「うわ、何これ!?」

 

「そこのトンネルから中に入ってね」

 

 B組の生徒が何人かやってくる。ガリバートンネルを抜けると、そこにはプールが広がっている。

 

「「「プールだ!!」」」

 

「もっと他に思うことあるでしょ。まあ、いいけどね」

 

「更衣室があるからねぇ、そこで着替えてね」

 

 見上げると、巨大な古瀬と凡戸の姿がある。

 

「凡戸が巨大化した!? いや、俺たちが小さくなったのか!?」

 

 そうこうしていると、A組の生徒が何人かやって来る。

 

「お、お邪魔します」

 

「イェーイ、どっか泳ぎに行くのか?」

 

「うぇへへへへ、いい仕事してんじゃねえか」

 

 口田、上鳴、峰田の三人であった。

 

「峰田くんと上鳴くん、ナンパしに行くって言ってなかった? まあいいけどね」

 

 続いて、轟、八百万、瀬呂がやって来る。

 

「いらっしゃい」

 

「ああ」

 

「どこかに遊びに行くのか?」

 

「通れば分かるよ。そこから先に進んで」

 

 それからも何人かの生徒がやって来る。プールに来た生徒が他の生徒を呼ぶことで、その数は時間と共に増えていった。

 

 しばらくして、緑谷、麗日、飯田の三人がやって来る。来るのかあ、と古瀬は顔に笑顔を張り付ける。

 

「泳ぎに行くとのことだが、どこに行く?」

 

「デクくんもつれて来たけど良かったのかな?」

 

「よ、よろしく」

 

「どうぞ入って」

 

 ある程度人が来たところで、製作側も中に入ろうという事になった。

 

「二人は入っていいよ。ここは僕が見ておくから」

 

「いいのかい? それじゃあ先に遊ばせてもらおうかな」

 

「悪いな。あとで交替しに来るからよ」

 

 古瀬と泡瀬はガリバートンネルを通ってプールへと向かう。中にはA組とB組の殆どの生徒が来ている。

 

 古瀬は歩いて生徒たちの様子を見て回る。その際、プールサイドに八百万と耳郎の姿を発見する。

 

「こんにちは、八百万さん、耳郎さん」

 

「こんにちは。本日はお誘い頂き有難うございます」

 

「こちらこそ、来ていたけて光栄だよ」

 

 古瀬は耳郎へと視線を向ける。

 

「こんんちは、耳郎さん。その水着かわいいね」

 

「あんた誰にでもそういう事言ってるでしょ」

 

 なお、こう言ったのは耳郎とほぼ接点が無く、会話が思いつかなかったからである。関係が薄く、音楽に関してもさほど拘りが無い。

 

「おいおい、何だナンパか?」

 

 後ろから上鳴が首に腕を回して絡んでくる。その近くには峰田もいる。

 

「水着が似合ってるねって言ってただけだよ」

 

「おっ、ホントじゃん。耳郎その水着に合ってるな」

 

「そ、そうかな」

 

 耳郎は少し恥ずかしそうに視線を逸らす。八百万も便乗するように耳郎を褒める。峰田は食い入るように八百万の方を見ていた。

 

 遠くの方で、プールの一部が日に当たって温度が上昇する。

 

「うお、ここお湯になってるぞ」

 

「本当だ。轟、冷やしてくれ!」

 

「任せろ」

 

 プールの中に巨大な氷山が出来上がる。

 

「やり過ぎ!」

 

「これじゃ冷たくては入れないよ!」

 

「悪い」

 

 轟は作った氷山を溶かし始める。プールから上がった生徒たちは別の場所で遊び始める。

 

「ねえ、ビーチバレーやろうよ!」

 

「ここビーチじゃねえよ」

 

「いいからやろうよ!」

 

「それじゃあ新しいフィールドを追加しようか」

 

 凡戸が新しいエリアを持って来る。葉隠の提案によって、バレーボールが始まる。

 

 しばらく行っていると、窓の外から風が吹く。それによって、何人かの生徒が吹き飛んだ。

 

「なるほどなあ。ただの風でも小さくなれば突風か」

 

「小さい分、外部からの影響を強く受けるようですね」

 

「もしこういった形のテーマパークを作るなら、外部からの影響を可能な限り遮断する必要がありそうだね」

 

「いや、冷静に分析している場合じゃねぇだろ!」

 

 そう話していると、次の問題が発生する。

 

「魔獣だ!」

 

「魔獣?」

 

 声がした方向を見ると、巨大な獣、猫がいた。

 

「何で学校に猫がいんだよ」

 

「今まで入ってきたことなんてなかっただろ!」

 

 猫は牙を剥いて生徒を食べようとする。それを見た緑谷が猫に殴り掛かろうとする。

 

「夜の狩人よ、今すぐ捕食を止めるのです!」

 

「緑谷、ストップ!」

 

 口田の生き物ボイスによって猫の動きが止まる。緑谷は勢いを止められず、瀬呂達に引っ張られ、何とか空ぶって軌道を逸らす。

 

 口田の命令によって、猫は生徒たちを背に乗せて走り回る。

 

「危ないから教室の外には出ないでね」

 

 色々とアクシデントはありつつも彼らは遊ぶ。減った水を増やしたり、

 

「多い多い、溢れてるって!」

 

「何人か流されてるぞ、止めろ止めろ!」

 

 巨大な普通のフルーツを食べたり。

 

「でけぇ、食い放題だ!」

 

「でもこのフルーツ、カロリーは少ないですね」

 

「八百万さんの場合、小さくなっても必要な消費カロリーは同じなんだね」

 

 その後、歩いていると緑谷、麗日、飯田に遭遇する。古瀬は表情には出さないものの、心の内でエネミーエンカウント音を鳴らす。

 

「こんにちは」

 

「こんにちは、古瀬くん」

 

「こんにちは」

 

「こ、こんにちは」

 

「麗日さん、その水着かわいいね」

 

「そ、そうかな?」

 

 麗日は少し照れるような反応を示す。

 

 あー、この後、緑谷に何て声を掛けよう。話題も声の掛け方も、古瀬には何も思いつかなかった。緑谷に対して、古瀬はしばし無言だった。

 

 取り敢えず、緑谷への話題はオールマイト、個性、ヒーロー辺りが鉄板だろうかと考える。しかし林間合宿前のこの時期に、疑われるような話題は避けなければならない。

 

「まともに泳げてる? 排水システムとか、細かい部分は作れてないから、何か問題があったら言ってね」

 

「あ、うん」

 

「それじゃあね」

 

 それだけ言って、古瀬はその場から立ち去る。凡戸と交代しに行った。

 

 古瀬は他の人たちと遊んだ。ちなみに、一応A組B組は全員が来た。

 

 

 

 訓練、古瀬は目隠しをしたまま周りの攻撃を避ける。拳や蹴りだけでなく、投擲された物に対しても明確に気を感知して弾く。

 

「だいぶ、分かるようになってきたな」

 

 古瀬は気の探知によって、近くであれば物も認識できるようになった。

 

「うーん、この個性が無いだけの超人」

 

「本当に無個性かよ」

 

 目隠しをされた状態でも歯が立たなくなり、周りの生徒たちはそんな風にごちる。

 

「先輩たちの協力のおかげです」

 

「腹立つわあ」

 

「ここにいる全員を倒せるようでなきゃ、ヒーロー科にはなれないってことか」

 

 古瀬は再度目隠しをする。今はまだ探知できるのは数メートル、より高精度かつ広範囲の状況を把握するためには、更なる研鑽が必要だった。

 

「もう少しお願いします」

 

 周りの生徒たちはため息を吐きつつも、古瀬の修行に付き合ってくれた。

 

 七月下旬、古瀬は訓練をした。

 

 

 

 古瀬はテラス席で、麗日と飯田からI・アイランドについての話を聞く。

 

「またヴィランに襲われたの!?」

 

 パーティー会場にいた人達が人質に取られたため、緑谷一行は人質救出のためにコントロールルームへと向かったのだという。

 

「他のプロヒーローを呼ぶべきだったのでは? ヒーロー殺しで何を学んだんだ」

 

 映画の都合だからしゃーない。

 

「でも怪我が無くてよかったよ。人質も、君たちもね」

 

 ただの好感度上げの台詞である。本心で言えば、そこまで興味は無い。

 

「正直こんなことを言うのはどうかと思うけど、USJ襲撃にヒーロー殺し、死柄木との遭遇に今回のこれで四度目だよ? 君たち周りから、結構厳しい目で見られてるよ」

 

 誤魔化すように二人は視線を逸らす。麗日はともかく、ヒーロー殺しに関しては、飯田は確実に原因である。

 

 A組を見る目は実際厳しい。B組と比較してもヴィランとの遭遇率が高すぎるため、このクラスが雄英に関わる騒動の原因ではないかと思われている節がある。

 

 まあすぐに、B組生徒も巻き込まれるんだけどね。インターン編にB組生徒はいただろうかと古瀬は記憶を探る。

 

「もちろん君たちのせいじゃない事は分かっているけど、こう立て続けに起こるとね」

 

「まさかそんな風に見られているとは。僕の身勝手な行動のせいでA組の皆に迷惑をかけてしまって申し訳ない!」

 

「明日の林間合宿でも何か起きそうだね」

 

「起きるんじゃない? それに備えて、準備はしっかりしておいた方がいいよ」

 

「もしかすると今日この場所で」

 

「それはやめてほしい」

 

 こんな場所で死柄木に遭遇しても困る。何の準備もしていないため普通に恐い。ワン・フォー・オール持ちの方に行ってくれと古瀬は願った。

 

 古瀬は麗日、飯田と話をした。

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