デメリット有りの能力で、可愛い子達を曇らせたいぞ!   作:片桐きな粉

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第14話 後処理は主人公の役目

 

 

 

 

 

 

 

カルアちゃんは掠れた声でそういうと、首がかくん、と落ち、その意識が無くなった。

 

「ッカルアちゃん!!!」

 

急いで駆け寄ってその体に触れようとする、が、そこに先客がいた。

 

 

「カルアちゃんの....モンスター」

 

さっきまで見えていたモンスターの姿のカルアちゃんではなくこっちはホントの方だろう。明らかに雰囲気が違うから。

 

その黒い子はカルアちゃんを強く抱き締めると、私に気づいたのかこちらに顔を向けてくる。カルアちゃんが着いていた場所にはべっとりと血が残っている。まさか、本当に....

 

 

「....カルアちゃんが、あんたに体を渡すことで力を得てるって本当なんですか」

そうじゃなくあってくれ。予想なんて外れてくれ。

 

 

 

『....うん。アタシが、カルアを傷付けた』

そう冷酷な声が私の耳を通った。

 

 

 

「__ッああああ!!!」

怒りのままにメイスを振ろうとするが壊れていたことに気づきそのままの拳で殴りかかろうとする。だけどなにも反撃の素振りを見せない。

 

『殴りたきゃ殴れば?それでこの子が治るなんてことはないけど』

と、またぽつり、と少し諦めの声色でそう話した。

 

 

 

 

振り上げていた拳を数秒空中で停止させると、私は自分を落ち着かせ、今の状況を俯瞰することにした。

 

倒れているカルアちゃん。それを抱きしめているカルアちゃんじゃないやつ、そして、流れ続けている赤い鮮血。

 

どこを怪我してしまったんだろう。

 

「し、止血を______ぇ?」

 

 

 

カルアちゃんから流れる血の元を辿ると、顔まで行った。

 

そこにはあるはずの膨らみがなく、黒く塗りつぶされているようになっている。

 

 

 

 

「そんな......まさか.....」

 

 

私は震える手で恐る恐るその瞼をめくると

 

 

 

 

そこには何も無かった。

 

 

 

その後何かが聞こえていたような気がするけど、私は何も覚えていない。次に意識を取り戻したのは、カルアちゃんがまた先輩の家のベッドで寝ている場面だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「モエ!!カルアちゃん!!!どこ!!!」

 

グリちゃんの最高速度で飛びながら捜索を続ける。

 

そこで、何人かの気配を感じたのでグリちゃんに指示をしてそこに着陸し、目的の場所まで全力で走る。

 

 

そこでよく見た紫色の髪を見つけたので駆け寄る。

 

「モエ!!!...良かった...」

 

 

 

 

声をかけるが何やら様子がおかしい。ブツブツ下を向いて頭を抱え私の言葉に耳を向けていない。

 

「....モエ?」

 

 

 

その小さな言葉を良く聞くと、

「カルアちゃんが.....カルアちゃんが.....」

と聞こえた。

 

 

 

そうだ。カルアちゃんは何処

 

 

周囲を見渡すと、案外近くにいた。

 

カルアちゃんの至近距離に契約モンスターも添えて。

 

 

 

「カルアちゃんから、離れろ!!!!」

 

強化された剣を投げる。幸いこちらにはまだ気づいていない。

このまま、殺す。

 

明確な殺意を持って突撃しようとするが、その瞬間私の体に溢れていた高揚感が抜け、私を動かしていた力がなくなり慣性でそのまま転んでしまった。

 

 

 

 

私があの時に結んだ新たな契約は、誰かを守るために力を使う場合のみ、その力を増幅させる、というもの。

今は私の私利私欲で使おうとしたためその力が剥奪された、とグリちゃんが後から言っていた。

 

 

 

 

地面にびたつく音でようやく気づいたのかあのモンスターは私の方を見ると、直ぐにまたカルアちゃんの中に消えていった。

 

 

 

また、救えなかった。

 

 

私は頭から地面に落ちたせいで着いた土も気にせず、カルアちゃんに駆け寄る。

 

「カルアちゃん!!!!!」

 

何処に怪我をしているのか急いで確認する。

 

手、は大丈夫、足も大丈夫。

一際出血が多い場所を探すと、カルアちゃんの2つしかないその綺麗な目が、あるはずの場所が、赤い液体でその指定エリアが占領されている。

 

 

 

 

「目を......モンスターに、捧げたの.....?」

 

 

 

 

 

現実を受け止められないでいると、無くなった空洞が蠢き、眩く黒い光がその部分を照らした。

 

 

 

嘘。だってその色は

「自己再生......」

 

 

 

 

 

私はモエを叩き起してぐりちゃんの背中に乗せると、カルアちゃんを背負ってここから1番近い協会に全力で向かった。

 

「グリちゃん!!目標は協会の医務所!フルスピード!!!早く!!!!」

 

 

本来の治癒能力は基本モンスターの力を使うため、それぞれ基本の色として緑、青色に光る。いわゆる受動治癒、と黒色の光で見える自己再生のふたつがある。

 

その違いは大きく2つ。受動治癒は自分の魔力を使わず、モンスターだけの魔力を使うため、効率が良い、と。

もう1つは、自己再生の場合、その治癒をする時、その時に感じた痛みが何倍にもなって返ってくる、と。

そんな話を言われた。だから絶対に医務所に行け、とも。

 

 

だとすると、カルアちゃんはその失った痛みを毎回繰り返している可能性があるんだ。

このままではカルアちゃんの精神まで壊れてしまう。

 

 

自己再生が終わる前に受動治癒をすればまだ間に合うかもしれない。幸いその光はまだ弱い

 

 

 

 

また助けられなかった、救えなかったなんてそんなことはしたくない。

グリちゃんに乗った私は1人悔しさと無力感と戦いながら、一刻も早く着くことを願った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

どこか遠くの辺境の土地の、大きな宮殿の中。

 

 

 

「___ねぇ、ボクは怪我なく連れて来いって言ったと思うんだけど」

 

 

1人の少女の前で男ふたりが正座をして項垂れていた。

 

「も、もも申し訳ございませんクネリア様!!ですが思ったよりも強く私の足も」

 

「言い訳ふよーう。結局はさっさとコンダちゃんの支配使わなかったからでしょ?」

 

 

図星を付かれた1人の男は震え始め、無くなった足が震え始め、少しずつ再生し始めると

 

 

 

「あがああああ!!!痛い!!痛い!!?」

 

その男が絶叫した。

 

「うるさいなぁ、さっさと行きな。次はないって言っといてね」

 

『えぇ、分かりました我が主。』

蛇がうずくまった男を抱えると、その重い扉を開けその姿を消した。

 

 

 

 

 

「それで、爺さん。言いたいことはある?」

 

「ほっほっほ...少しばかり年甲斐もなく興奮してしまい...」

 

「そう。それじゃこれから3ヶ月間生き物殺すの禁止ね。」

 

「なぬっ!....これは手痛い....」

もう1人の男がとぼとぼと悲しそうな背中で部屋から出ていく。

 

 

 

 

1人になった彼女は、これまでの男たち戦っている映像を目の前に投影した物を見ながら笑った。

 

 

 

「痛そう....痛いよね...助けられなかったね....ごめんね....でも」

 

「可愛いなぁ....! 今回は取り逃しちゃったけど、次は私が直接行っちゃおうかなー♪」

 

 

 

 

 

 

「あは、まっててね、ボクの将来の伴侶ちゃん?」

 

 

彼女は半透明な髪を触手のように動かし、恍惚とした顔でそう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 







設定....ちょっと盛りすぎてもバレんか...
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