デメリット有りの能力で、可愛い子達を曇らせたいぞ! 作:片桐きな粉
突然片腕が無くなったカルアにカエデが駆け寄るが、直ぐに突き飛ばされ距離を取られる。
(自分から、能力を解除した...?)
だったらどうすればいい。操られているのを止め、持ち帰るために戦っていたのにこのままだとカルアちゃんだけが傷ついてしまう。
どうすれば、という考えがモエの頭の中を支配していた。
その動かなくなった体に重い衝撃が走る。
「_うごっ!」
お腹にクリーンヒットしてしまった。
咳を何回かして前を見る。
痛みで視界が少しぼやけるが、お陰で頭が冷え、冷静に考えることができた。
(今、1番苦しいのはカルアちゃん。ホントなら戦いたくないはず。最低限の損失で解決するには.....)
これしかない。
モエはメイスを再び握りしめ、その先端に、炎を宿した。
敵意をむき出しにしているあの少女へそれを向ける。
「モエ!?今からなにしようとしてんの!?」
遠くからカエデがそう言う。
「殴って気絶させるんです。それしか....この状況は終われない」
(痛みがないように一撃で終わらせる)
そう言って、モエはまたカルアに突撃した。
攻防の途中、明らかにカルアの動きが鈍り始めた。
(これなら....隙が生まれる......)
武器を弾かれ体勢がよろけたカルアにおおきく振りかぶってその蒼く燃え上がるメイスを叩きつけ__る、その瞬間。
この場にはいない声がまた聞こえた。
「....そろそろ、ですかね♪解除!」
「_____ぇ」
今戻るんすか!?
ちょうどモエちゃんが私に向かってすっごい熱そうな棒を振りかざしてきたところで身体返しやがった!!
『主、キケンデス!直グに回避行動ヲトリ』
いや、待つんだキューちゃん。ここは素直に食らっときましょう。
モエちゃんが私のことを思って殴ってきてるんだからその愛を受け止めるのも私の特権なんだよなぁ!!!
そんでさ。
さっきまで支配の穴から力を解除してて、それが今フルで無くなった訳で。
殴られる直前に私の姿元に戻ったんだよね。
また両腕無くなってるから体重移動が全然出来なくてよろけるのね。
当たっちゃった❤
ちょうど無い腕の肩あたりにそのまま殴打❤
私は悲鳴を上げる前にメイスが当たってえぐり取られた肩を置き去りにしてちょっと離れた場所まで飛んだ。
「お”ぁ”っ”!!!....い”っ”!!がぁ”ぁ”っ”」
無い腕と無くなった片方の肩から下と食べられた片耳とかいうトリプルコンボで私の身体には力が全く入らない状況になっていた。
今にも痛みで気絶しそう!!やばい!!!!
でも私にはキューちゃんがいるので全身をキツーく縛って何とか意識を保たせているぞ痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
でもこれで意識が遠ざかる感覚が無くなった!ありがとう!!このまま動かしていただけると....
『...主、少々無理ヲシスギテイまセンカ...』
大丈夫大丈夫!
こんなところじゃ死なんぜ!!!!!!!
分からない。
(何が...起こったの..?)
カエデは1人離れたところでその現場を見ていた。
(モエがカルアちゃんを気絶させようとしてて、振りかぶった。)
その時、カルアの身体が元の姿に戻り、崩れたその小さい身体に勢いそのまま減速することのない凶器が襲った。
瞬間、飛沫を上げるカルアの肉体。
「い....いや......」
「いやああああああああ!!!!」
途端にまた私は駆け出した。飛ばされたカルアちゃんに向けて。
「ぇ...わ、私...いま、そのままのカルアちゃんを...」
殴った本人は呆然と自分がやった事を現実と受け止めきれず振り切った状態から動かない。
鳴り響いていたカルアの絶叫が急に止まった。
大振りに揺れ動いていたその小さな体も、まるで
機能していないガクガクと震えた足も、肩だった部分から溢れ出る血も、全てが止まった。
「いやー、素晴らしいですっ!仲間を傷つける覚悟!さすが私が見こんだ方々ですね♪」
聖女が、また現れた。
「約束通り、返しに来ましたよ?カエデさん、モエさん。」
「シトリン.....?なんで、ここに」
思った疑問をカエデは全て口に出す。
少し考えたふうに見えるシトリンは
「ん〜、まぁ私たちとしてはなんで皆さんがここに来たかが分からないんですが....ここは私たちの本拠地ですよ?」
なんで。
宝石商と敵対している人の場所じゃなかったの?
未だに笑顔を絶やさない聖女に恐怖を覚え、足がすくんでしまう。
その時、欠損まみれのカルアが私の前に立ち、壁になるように手を伸ばし....肘までを伸ばして聖女と応対した。
「だ.....め.......。この人たちは....」
こんな姿になってまでもこの子は私たちを守るのだろうか。
たとえ傷つけられたとしても。
「安心してください♪元より帰ってもらえれば何もしませんよ♪......あと、そこにいるモエさんも動かなくなっちゃったので持って帰ってください!」
未だに動かないモエの方を指さし、そう告げた。
また、こちらの方まで歩いてくると、カルアに手をかざし、
「これはサービスですっ♪」
と言い、手から緑色の光が照らされる。
途端、カルアの身体からも光が出、欠損していた部位が再生した。
「っ!...........痛.....く、ない....?」
生えてきた手を開閉しながら困惑している彼女を尻目に、
「そりゃあこれまで無理な方法ばかりで再生してましたからね〜。
アルカちゃんに治癒が下手って言ってあげてくださいよ?」
と言ったあと、その姿が瞬時に消えた。
(アルカ....?)
聞き覚えのない名前に疑問を持ちながらも、その聖女の言った通りに私はカルアちゃんとモエを連れ、敵前逃亡をした。
これは、決して敗北なんかじゃないから。
次は、絶対に傷付けないから。
モエちゃんどうしたのかな?
いつもだったら私を連れて風呂に行くんだけど...
主人公ちゃんに連れられ、私たち3人はカエデちゃんの家に戻ってきた。
「....カルアちゃん。今日は私が洗うね」
あ、そうなの?てっきりモエちゃんが来るかと....どうしたんだろ
まあいいか。
2人が私を助けに来る前、ミソラちゃんもいたらしいけど置き手紙をして出ていった、らしい。
なんかみんな隠し事あるんだね。
もちろん私にもあるけどね!!!!!!!!!
そんなことを思いながら、脱衣所で自分の服を脱ぐ。
あー!腕があるって素晴らしい!!!!
久々に両腕があることに感謝をしながら脱いでいると。
「_____ッ!」
後ろで息を飲む音がした。
振り向くとカエデちゃんが私の体を見て青ざめている。
どうした?わたしのせくしーなぷろぽーしょんにめろめろか?
そうじゃない?あー。はい....
「カルアちゃん....どうしたの.....その痕...」
指を差した私の身体には、まるで紐に長時間縛られ続けたような蚯蚓のような赤い痕が身体中に、正確には再生した部位以外の場所にあった。
「.........」
くそう!!!!
なんてことをしてくれたんだキューちゃん!!!!
歓喜!
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[NO.0]
はるか昔の科学者によって作られた試作品0号。プロトタイプ。
モンスターとしての認識と、製造者の意識が混合されており、製造者の夢を叶えるために日々を過ごしている。
NO1.NO.2とは敵対関係にあり、冷戦状態が続いている。
ラスボス(原作)