デメリット有りの能力で、可愛い子達を曇らせたいぞ!   作:片桐きな粉

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第32話

 

 

 

 

 

 

 

「あっ!!雪っすよ!!」

 

 

 

私たちの街、トルミンにも冬がやってきた。

 

窓の外を見ると、白い結晶達が降り注いでいる。

 

 

 

 

あの件以来、私の持ち家を売り、先輩の家で匿ってもらうことにした。

独断行動でまたやらかしても良くないし、その方が色々と楽そうですし!と言い、まあそれもそうか、と許諾。

 

部屋の一角を使わせてもらっている。

こういう時無駄に広い家が役立ってよかった。と先輩が言ってた。

 

 

 

「そういえば、カルアちゃんって雪見たことあるんすかね?」

 

 

トルミンは比較的雪が降りやすい地域だが、他はそうではない。

雪山が近くにあるためこの辺は特にだけど、カルアちゃんがいた場所はどうなんだろう。

 

「本人も昔のことは言わないからね〜、どーなんだろ」

 

そう言いながら我が家の姫に目を向ける。

 

「...すぅ...すぅ...」

 

姿勢を丸めて安心しきったような顔で寝息を立てている銀色の髪が見えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この際私の部屋着でカルアちゃんが寝てるのはいいんすけど、なんというか....無防備すぎません?」

 

 

 

外で降っている雪にも負けない白い少女は少し起きたのか、きょろきょろ周りを見渡し、私を見つけると

 

「ふぁ.....あ、もえだ〜。」

と舌足らずな声を発したあと、急に抱きついてきた。

 

「....あったかい....」

 

 

「........まだ寝ぼけてるんじゃないかな...?」

多分戻ったら恥ずかしがるよ、と先輩が言っている。

 

私はその頭を撫でながら体にくっつく子を私からも抱きしめた。

 

 

 

私が先輩の家に住み始めてから何ヶ月かくらいが経った。

 

私の街では中枢にいた人物(シトリン)がやばいことに気付いた人達が大慌てでいっぱい混乱が生じて依頼どころじゃなくなり、しばらくの休暇が強制的に与えられた。

 

その間ずっと一緒にいたからなのだろうか?懐き方のスピードが異例なのでは無いかとモエは思った。

 

 

もう既に消えてなくなっている二の腕の噛み跡があった場所に目線を向ける。

 

(あの時は、結局冗談って言ったけど...)

 

 

「今でも、思ってますから。」

 

至近距離でしか聞こえないような声量で呟いた。

 

私の罪を消えない傷で印を付けて欲しい。貴方の愛で傷つけて欲しいとは言わず、表面だけを言葉にした。

こんな汚い感情は綺麗なこの子には知って欲しくない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

病弱少女保護生活〜〜〜!!

じゃない!!!!!!!!

 

後になってきて目が覚めた時に全部思い出して「あれは寝ぼけてただけで」ってめっちゃ言い訳をしている時2人の目が温かすぎてめっちゃ恥ずかしかったんだぞ!!!!!!!

 

2人もう寝てるけどそれ思い出してまた体熱くなってきた!!

 

布団を緩めに蹴飛ばしてこっそりと外気に当たりに行く。

羞恥心で燃えそう....

 

バルコニー的なところのドアを開けると冷たい空気が私の体を通った。

うおおーーー!!!

 

冬って感じがする!!

 

冷たい白が寝巻きにいっぱい当たって溶けてく。暑いから当たってたけどこれ結構短い時間でもクールダウンどころか風邪ひくんじゃね?と思い始めたら上から視界が暗くなった。

 

 

お?

 

『なんでこんな時に外出てんの...』

 

アルカちゃんじゃないですかどうもこんばんは久しぶりですね

 

 

「むごご」

 

『今まではずっとあの二人がそばに居たから。出れるタイミングがなかったの』

 

ほお。

そうなんか!

そういえば初対面敵にしか思えない振る舞いだったね。そりゃでれないっすわ....すまない....私のせいだ!!

 

『別にカルアが心配するような事じゃないから....それで』

 

 

今の体勢は私がアルカちゃんの上着の中にいる状態で密封されてなにも身動きが取れない。

 

やっと前のジッパーらしきものが開き、顔は外に出せた。

 

頭を上に向かせ、密着しているアルカと目を合わせる。

 

 

『....』

 

「....」

 

 

あちょっとその状態で抱かれるとかなり狭いというかなんというか

 

『...また、傷つけちゃった。』

 

「?」

 

別にそんなこと無かった要な気がするけど...

 

『操られてたとはいえ、何も出来なかった、アタシ...』

 

抱きつく力を強めてくる。だから身体の凹凸がリアルにくるんだって心に悪い!.....いや良い!!

 

 

「今度は、対策考えとこう。」

 

『今度が来て欲しくないの...あ』

 

 

なにか思いついたかのようにアルカちゃんが前を向いた。

 

 

「..?アルカ..?」

 

 

『わかった。食べずに戦う方法』

 

え?そんなものあるの?

だいぶチートじゃないすか!?

 

自分でデメリット付けるバカはいない?

はい.....

 

 

 

『離れると弱くなるんなら、ずっと離れなければ良いんじゃん。』

なんだ、簡単な事だと言わんばかりに呟いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次くらいの朝。

 

目を覚ましてしょぼしょぼしている時に窓が白かったので気になった。

 

 

「...え」

 

雪が窓の半分以上積もっている。

たしかにここは1階だけど流石に積もりすぎじゃない?知らないだけでここ雪国なの????

 

 

 

「んん....ふぁぁぁ...」

 

独り言で意識が戻ったのか隣のベッドのモエちゃんが鳴いた。

 

とりあえず揺すって起こす。

 

「モエ。起きて」

 

首に力が入っていなくてグワングワンなってやっと目が開いた。

 

 

「モエ。」

 

 

「....んぅ?...まだご飯の時間じゃないっすょ...」

 

時計を確認したモエはそう言ってまた寝ようとする。

 

まってまってまって!!!

窓見て!!!

 

身振り手振りで何とか伝えると、焦った様子を不思議に思ったのか

 

「わかった、わかったっすから....」

 

とのそのそ起きた。

 

 

窓の景色を見たモエは一言

 

「はぁ!??」

と言っていた。

 

 

これやっぱり異常なんだ.....

 

「いやいや当たり前っすよ!よく考えて!...カルアちゃんくらいなら首まで埋まりそうっすね」

 

と窓と私を見比べてそう言う。

 

 

一旦様子を見に行こうとドアノブに触れ、回そうとする

 

 

「.....あれ」

 

いくらひねろうとしても回らない。

鍵掛けてある?いやなってないよね....

 

 

「開かないっすか?」

 

 

頷く。

モエちゃんが試しに捻ったら普通に開いたわ....

そんな弱かったっけ私

 

寝室をそのまま出ると廊下から広間までが

 

全て凍りついていた。

 

 

 

「はぁ!!?」

なんかさっきも聞いたよそれ

 

「こんなん見た事ないっすもん...」

 

確かにどんな状況であれ家の中まで凍てつくのは意味分からんもんね、わかる

 

 

ぱきぱきとなる床を歩きながら疑問に思ったことを聞いてみた

 

「なんで外はこんなになってるのに、あの部屋は何ともなかったの?」

 

 

と聞くとバツが悪そうに

 

「あー、それっすか...実はっすね」

 

 

 

モンスターの影響で体温とかじゃなくて周りの温度にも影響を与えるんだって。

冬はありがたいけど夏はほんとに良くないって言ってた。

 

 

「なるほど....」

 

「とりあえず異常事態なことには変わりないんで、先輩呼んで協会行きましょうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とりあえず山の方に行って変わったことあるか確認してきてくれだってさ。

協会のお偉いさんみたいなのが隈作りながら言ってた。

そりゃそうだよな原作でも聖女ちゃんの裏切りでかなり苦労してたもんな...

それが早くなるか遅くなるかの違いだとしても私のせいで苦労させてんのか....すまん!!

 

もうかなり原作破壊クラッシャーになってることはとりあえず置いておいて

 

「今度は、私も付いていく」

 

といったらすんなり許可してくれた。

あれ?前回あんなに渋ってたのに...と聞くと

 

 

「置いていってまた取り返しのつかないことになるのは嫌だから。」

 

と。

 

「そうっすよ!せめて目の届くところで守るのが1番安心するって嫌でも理解しましたし!」

と。

 

 

かなり焼かれていますね。さすがシトリンさん、好感度の下がり幅がえげつない!!

 

 

もう他人のこと信じられないんじゃないかな位のことはしでかしてるからね、しゃーない。

 

 

 

 

ブーツに入る雪がなんとまあ冷たいことで!!!!!

足の感覚が無くなっちゃうよ!!!

 

 

「さすがに降りすぎだよね〜」

 

そんな呑気に言えるような場合じゃないんすよ主人公ちゃん

 

今先頭を歩いているのがモエちゃん。

 

自分の周りに炎を纏わせながら進む道を雪を溶かして作ってくれている。

 

でも降る量が多すぎて私が通る頃にはもう積もってんのよ。

どーなってんのこれ

 

 

 

あと寒すぎて震えているせいでちょっと汚い話にはなるんですが....ね....その.....

 

 

尿意が.....

 

 

 

一旦止まって近くに建物とかあるか聞こうとした時に横から強めの衝撃がきてそのまま体勢が崩れた。

 

 

えっなになになになに

 

私に向かって突撃してきたのは猪型のモンスターさん。ちょっと小さめ

なんてことはどうでもいいんだ一瞬の隙に私の体から力が抜けちゃったんだよということはつまり

 

 

 

 

「ぁっ......」

 

 

 

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