デメリット有りの能力で、可愛い子達を曇らせたいぞ! 作:片桐きな粉
むかしむかし、まだ動物と人間が全て共存していた頃。
とある男がどこか遠い森の奥にある洞窟を見つけました。
その奥へ入ると、この世のものとは思えないほどに輝く石が何百とあり、男の興味を惹きました。
調査をしてみると、その石にはとんでもないほどのエネルギーが秘められている、との事でした。
これをとてもよく思ったと同時に、独占したいと思った男はその場所を閉鎖し、自分だけが入れるように細工をし、足繁く通うようになりました。
時が経ち、男の子供が病気で亡くなりました。
酷く男は落ち込みました。
人間はとても弱く、脆かったのです。
そこで、男は閃きました。
体の中で力を作れなくなることが死になるのなら、それを外部から補給することが出来るのならそれは生きていると同義なのだと。
男は洞窟の1番光る石を獲り、家まで持ち帰りました。
子供の遺体は地面に埋まっており、全く動く様子はありません。
妻には見放され、残った家族も居なくなり、気がどうかしていたのでしょう。
その骨だけになった子供の心臓があった場所に1番輝く石をはめ込みました。
するとその輝きが全身を覆い、細胞が蠢き、分裂し、増殖し、人の形を取り戻していったのです。
男は喜びました。この石は死をも覆してしまう空想のような物だと、神のようなものだと。
ですが、何事も完璧にはなりません。
生き返ったと思われた子供が発したのは、まるで男を覚えていないような言葉でした。
「貴方が、私を生み出してくれたお方なのですか?』
男は洞窟に籠り、ずっと解析をしていました。
どうやらこの世界には魔力というものがあり、その源がこの場所にある石なのだと。
子供だったものも男について行き、その研究を手助けしていました。
作って貰った恩、だそうです。
死体にこの石を埋め込んだ場合は生き返った。では、元々生きている者にこれを付けたらどうなるのか?
気分転換に海に出かけた男はふと疑問に思いました。
手始めに、その石を海に投擲しました。
生き物のいずれかに当たると思ったのでしょう。
実際、それは見事に命中をし、その場所から海が割れ、中から1人の女の子が出てきました。
男は研究結果として、生きている者に石を使うと、強大な力がその体に刻まれる、と記しました。
研究はどんどんとエスカレートしていきました。
虫の場合だとどうなってしまうのか、石を摂ったもの同士が子をなすとどうなるのか、また、摂ったものとそうでないものが子を成すとどうなるのか、人と人で無いものだとどうなるのか....
好奇心は留まることを知らず、自分の体でさえもその対象に入っていました。
長い年月が経った頃、洞窟の石の輝きが急に淡くなりました。
残っている石が1つしか無かったのです。
男はすっかり歳を取り、ひとりで歩くのもままならなくなり、子供だったものに支えられながら生きていました。
男は最後の1つの石を、自分の子供に渡す、と言いました。
勿論その子供は拒否をします。自分ではなく貴方が使うべきだ、と。
男は子供を生き返らせた時に、自分の子ではもうないのだと、そう思っていました。
ですが、何十年もいる内にすっかり絆されてしまった、と言い、私の跡を継いでくれ、とその石を子供に渡しました。
光が全て子供に吸収された後、男の手はぐたりと重力によって下がり、その男の一生は終えました。
「...分かりました。私が貴方の叶えたかった事を叶えてみせます」
魔力を持つものとそう出ないものでは力の差が圧倒的であり、既存していた持たない生き物は淘汰され、世界には魔力を持つものだけになりました。
その世界では、魔法を当たり前のように日常で使い、自分の身を守るため、身銭を稼ぐため、娯楽のためなど色々な部分を魔力で補うようになりました。
「......と、この男ってのが私の親、ってことね。」
長い。長すぎるよ〜〜〜〜!
もう結構うとうとしてたよ
後輩ちゃん主人公ちゃんはしっかり聞いてたけど私は意識を保つことで精一杯だったわい
え?所でお前服はどうしたんだよって?
....アイオラちゃんから借りたよ。びしょびしょで汚くなるんだからこれ着なさいって投げられた。シャワーありがとう。
お陰で私の尊厳は保たれた!!!
もう無理?そっかぁ.....
まあそんなことはどうでもいいんですよ!!
アイオラちゃんだぞ!!!?
何を隠そうミソラちゃんと出会った時にとんでもなく愛憎入り交じった表情をして襲いかかってくる章ボスだぞ!!!
それもかなり後半の。
アニメで言ったら劇場行くんじゃないのかな?そこまで行く前に死んだからわかんないや
思ったよりも接触が早いですね。
どうしましょ...
「それじゃ、貴方はその石が埋め込まれている人の1人ってことっすか?」
まあそうなるだろうね。
「ええ。....そうそう、これは言い忘れていたことなんだけども、純に石を入れられた人間の、その子供、その子供になるにつれてどんどん弱くなっているわ」
簡単に言えば子孫になるにつれてどんどん石の影響力が薄まっていくよーってやつだね。
某乳酸菌飲料を薄めて薄めて割って....ってやってったらアホみたいに味が無くなるのと同じってことだ。
「中にはその力に耐えきれなくなった物がいて、それがよくあなた達が討伐する、って奴らね。」
最初の蜘蛛とかカエルとかあーゆーのね。説明が分かりやすいぞ!さすがおばあちゃん
一方、主人公ちゃんは暗い顔をしているぞ!どうしたカエデちゃん
「....人間とそうじゃないものって、そんな言い方、まるで...」
「ええ。虫も動物も全てが母体よ。異種が混合することなんて今じゃ考えられないのかしらね。」
と呆れたような顔で言った。
「__ッ!」
急にカエデちゃんに抱きしめられちゃったよ。どうしたんだい?ホームシック?よしよし、慰めてやろう。
手を伸ばそうとしたら伸ばそうとした肘ごと丸め込まれて身動き取れんくなったわ。
「.....許さない.....絶対....」
なんかブツブツ言ってるけど何かあったのかな?わかんねぇや!
「さあ、これで私からの情報は言ったわよ。もう少しその子について話しなさい。」
そういやあんまり言ってなかったっけね。
まだ落ち着いていない主人公ちゃんは置いておいてモエちゃんが話し始めた。
とりあえず警戒は止めたっぽい。
「そう....ただの狂いに狂って世界を壊した研究者の末裔が貴族だなんてね....とんだお笑いね」
また呆れてる。でも今回はちょっと悲しい感じもあるね。
「私の契約モンスターが石を取り込んでたのも、それが理由..?」
自分の胸に手を当てたモエを見、考えるような仕草をする。
「貴方の契約者が誰なのかは知らないけど、恐らくはそうね。」
今の魔物は基本どこかに石が埋まってるわよ、と言った。
じゃあ人間は?と聞こうとしたけどその前に大きな衝撃がこの建物を襲ってきた。
「さっき討伐がどうとか言ったけど、この辺は別に安全でもなんでもないのよ。」
揺れが大きくなり、私たちが通った扉が破壊される。
その開けた場所に佇むのは、全身が雪に覆われている白一色の獣。
「貴方たちが追っていた異常事態の原因は恐らくあいつでしょうね。」
「自分の中の魔力が制御出来なくなるとああやって環境とかの周りにも被害がくるから面倒....そこでよ」
「貴方たち、これをさっさと倒しなさい。出来たら協力してあげる。」
座ったままの状態でアイオラちゃんはそう宣言した。
「あ、そこの白いちっちゃいの、私の所まで来なさい」
え、まじすか?