挿絵がない時はタイトル名に挿絵在りは書かないと思います。
始まりは中国の地方で発光する赤子が生まれたというニュースだった。
今では、報告事例が最初というだけであって、これより前から、個性の発現者自体はいたと言われている。
以降、各地で超常は発見され、今でも原因は判然としない。
いつしか超常は日常に、架空は現実に、
世界の総人口の八割が特異体質者となった超人社会、ある職業が脚光を浴びていた。
それはヒーロー活動だ。
ある世界において緑谷出久と呼ばれる無個性がいた。彼はオールマイトからワン・フォー・オールという受け継ぎ、世界を救った。
しかし、数多ある並行世界の一つ結果だ。
緑谷出久が世界を救う世界は多いだろう。しかし、その道は多くの分岐が存在する。
これはその多くの分岐の物語だ。
雄英高校の実技試験に緑谷出久はいた。
実技試験が始まると彼は圧倒的な実力を見せた。
緑谷出久仮想敵に触れると対象にジッパーが表われ、分離し、戦闘不能となる。
個性の都合上、敵対する相手がどんなに硬い防御力を誇っても無意味だ。
そして最後に、
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鉄の巨体が轟音を上げて迫ってきた。3号敵――高さ8メートルの巨大ロボットだ。腕部の大型アームが振り下ろされる。「まずい!」出久は咄嗟に地面に伏せた。コンクリートが粉砕され、破片が飛散する。
「この巨体……パワーだけじゃなく装甲も厚い。でも……」
彼の目が獲物を見定める鷹のように細まった。0ポイント敵には意味がない――そう判断した者も多いだろう。だが目の前の機械仕掛けの怪獣は明らかに他の仮想敵とは格が違う。ならばこそ、「これくらいの相手を無力化できないなら、僕のヒーロー志望なんて所詮は机上の空論だ!」
深呼吸一つ。脳内で解析が始まる。
『関節部分の動作音……駆動系が複数箇所にある。特にあの二の腕と上腕の継ぎ目――』
そこへ向かって跳躍した。右肩に着地すると同時に右手の人差し指を立て、敵の駆動部材に突き立てる。
「ジッパー!」
銀色のラインが浮かび上がる――関節部そのものを縫い止めたのだ。指を引き上げる。シュッ!と金属が噛み合う音と共に、二の腕が完全に固定された。アームが宙ぶらりんになる。
「次はこっち!」
左膝関節部へ飛び降りながら左手中指にもジッパーを開ける。ズィン――!鈍い衝撃とともに膝が固着する。
固定された左足を軸にロボットがバランスを崩しかけた瞬間、出久の視線が一点を貫いた。胸部中央――装甲パネルの隙間に微かに露出するコネクタ。あれこそが司令塔だ!
「お前の弱点は――ここだ!」
全身のバネを駆使してジャンプ! 伸ばした両手で胸部装甲に触れた指先から銀閃が迸る。ジッパーラインが十字架のように刻まれた刹那――
*ガシュウゥッ……!!*
重厚な金属が噛み合い、ロボット全体が電気的に痙攣した。動作音が遠ざかり、関節の発条が一斉に緩む。巨躯がゆっくりと膝から崩れ落ちる。
『目標オブジェクト・ダウン。行動不能を確認』
無機質なシステム音声が響く中、出久は煤けた顔で呟いた。
「……これが"捕獲"スタイルさ。壊すよりずっと合理的でしょ?」
観覧席からどよめきが起こった。0P敵の完全制圧など前代未聞だ。審査官たちが即座にスコアボードを再計算し始める――戦闘力だけではない、“危険因子を非殺傷で無力化”という新たな評価軸を刻んで。
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個性「ジッパー」
元ネタ「ジョジョの奇妙な冒険」「スティッキィー・フィンガーズ」
スタンドを画像生成で作れませんでしたがジッパー要素はできたので良しと言うことで