もしもデクが個性を持っていたら   作:フィル

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今回はAIのべりすとを使っています。


05 個性「ベクトル操作」 挿絵あり

 

 

 

始まりは中国の地方で発光する赤子が生まれたというニュースだった。

 

今では、報告事例が最初というだけであって、これより前から、個性の発現者自体はいたと言われている。

 

以降、各地で超常は発見され、今でも原因は判然としない。

 

いつしか超常は日常に、架空は現実に、

 

世界の総人口の八割が特異体質者となった超人社会、ある職業が脚光を浴びていた。

 

それはヒーロー活動だ。

 

 

 

 

 

 

ある世界において緑谷出久と呼ばれる無個性がいた。彼はオールマイトからワン・フォー・オールという受け継ぎ、世界を救った。

 

しかし、数多ある並行世界の一つ結果だ。

 

緑谷出久が世界を救う世界は多いだろう。しかし、その道は多くの分岐が存在する。

 

これはその多くの分岐の物語だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……静かすぎる」

 

薄暗い地下通路の壁に背を預けながら、緑谷出久は息を詰めた。警察から提供された情報通りなら、この先50メートル地点に「ヘイズ」と呼ばれる個性犯罪集団の拠点があるはずだ。

 

壁面に設置された非常灯がかすかに揺れている。空気には硝煙と鉄錆のような匂いが混じっていた。

 

 

「――おい!誰かいんのか?」

 

鋭い怒声と共に曲がり角から現れたのは、黒いパーカーに身を包んだ男。その指先には電気が走っている。「放電」系統の個性か?

 

緑谷は迷わず行動を選択した。

 

「……ッ!」

 

瞬時に地面を蹴る。常人の5倍速の反射神経を備えた脳みそが判断を下す――捕縛すべき相手ではない。

 

だが男も素早かった。「テメェ……逃げるな!」

 

パーカーの袖から放たれた稲妻が空間を引き裂きながら迫る。

 

刹那。

 

緑谷の掌底が床に触れた。

 

「ベクトル――操作」

 

バシュン!

 

発射された雷撃の軌道が90度上方へねじ曲がった。天井で炸裂した閃光が火花を散らす。呆然とする男へ向けて緑谷は低く告げた。

 

「個性は制御するのが基本だろ」

 

次の瞬間、彼の足元で重力が強くなり、男の身体が床に吸い付くように崩れ落ちる。

 

「ぐ……っ!?」

 

「重力をさらに3G。動けないだろう?」

 

倒れた男の首筋へ手刀を当てて気絶させると同時に、背後の部屋から複数の足音が響いた。まずい、仲間がいる!

 

扉を蹴破って躍り込んだ男たち4人組。全員が武器を構えている。

 

「見つけたぞ小僧!」「おとなしく投降しろ!」

 

銃口と刃物が一斉に向けられる光景は悪夢のようだった――普通なら。

 

しかし緑谷の表情に怯えはない。むしろ目の奥に冷たい光が宿っていた。

 

「降伏?君らが捕まるんだよ」

 

そう呟いた瞬間。

 

ダン!ダダダダーン!

 

発砲音が轟く。放たれた弾丸が緑谷出久に当たると――銃を構えた男たちへ逆襲した。

 

「ギャアアッ!」

 

「な、なんで!?」

 

跳弾による同士討ちが始まっていた。壁に叩きつけられた散弾銃が火花を散らす。

 

 

ダン!ダダダダーン!

 

銃弾の雨が狂ったような軌跡を描きながら逆流していく。放った側の男たちの肩や太腿を貫通し、悲鳴が地下空間にこだました。

 

「馬鹿な……!?」

 

残るひとりの巨漢が愕然と立ち尽くす。その腕からは青白い炎が立ち上っていた。

 

「"炎熱拳"……こいつをくらえ!」

 

灼熱の右腕が猛獣のように振り抜かれる――その軌道すれすれで緑谷は身をひねった。

 

「へへ……見たかよ?熱そのものを操るのが俺の"個性"だ。お前の身体に触れなくても……」

 

「あぁそうだな」

 

緑谷は平然と言葉を遮った。「確かに便利な力だ」

 

その声のトーンが急変する。

 

「だけど……」

 

ガキン!

 

突然部屋の気温が氷点下まで落ち込んだ。吐く息が真っ白になる。巨漢の額に汗が滲む。

 

「お、おい……寒いぞ……!?」

 

「熱というのはエネルギーの移動だ」

 

緑谷は静かに説明した。「お前が放出した熱のベクトルを全部部屋中にバラまいてやった。結果的に室温が下がる」

 

「ふざけるな!」巨漢は絶叫し炎の腕を振り回した。「熱が足りなきゃ自分の体から奪えばいいだけだ!」

 

ブワァッ!!

 

彼の皮膚が赤く発光し始める。命を燃やす異常な火力が空間を満たしていく――

 

しかしそれより早く。

 

「ベクトル……収束」

 

ピシィン!

 

空気が震えるほどの高音とともに室内の温度が暴落した。巨漢の全身から噴出していた炎が急速に勢いを失う。

 

「あ……が…!?」

 

関節から白い蒸気が立ち昇った。筋肉の水分が凍結し始めたのだ。

 

「熱を逃がさず一点に閉じ込めた」

 

緑谷が淡々と宣告する。「内部圧力が限界を超える前に……終わらせよう」

 

ビキッ!

 

巨漢の額で血管が破裂し血が吹き出す。それでも緑谷は容赦しなかった。さらに熱エネルギーを凝縮させる。

 

「これが……最後だ」

 

バキバキバキバキ!!!

 

彼の肉体が内側から砕ける嫌な音が響き渡り――巨漢は膝から崩れ落ちた。

 

完全なる静寂。

 

残った敵たちは気絶しているか恐怖に固まっているかの二択だった。

 

「終わった……かな」

 

緑谷は深く息をついた。掌に残る感触。ベクトル操作が生み出した「命を凍らせる死の気配」。

 

 

遠くでサイレンの音が聞こえ始めた。

 

警察が来たらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

個性の影響で白髪になった緑谷出久。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

 

 

 

個性「ベクトル操作」

 

 

元ネタ「とある魔術の禁書目録 一方通行」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






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