お気に入り 19件
感想 5件
評価 投票者数:1人
ありがとうございます。
これを励みに頑張ります!
始まりは中国の地方で発光する赤子が生まれたというニュースだった。
今では、報告事例が最初というだけであって、これより前から、個性の発現者自体はいたと言われている。
以降、各地で超常は発見され、今でも原因は判然としない。
いつしか超常は日常に、架空は現実に、
世界の総人口の八割が特異体質者となった超人社会、ある職業が脚光を浴びていた。
それはヒーロー活動だ。
ある世界において緑谷出久と呼ばれる無個性がいた。彼はオールマイトからワン・フォー・オールという受け継ぎ、世界を救った。
しかし、数多ある並行世界の一つ結果だ。
緑谷出久が世界を救う世界は多いだろう。しかし、その道は多くの分岐が存在する。
これはその多くの分岐の物語だ。
# 超越者の咆哮
「こいつ……!」
マスキュラーの表情が驚愕に歪んだ。拳と拳が激突し、衝撃波が周囲の木々を揺らす。
「何だよお前……どこにそんな力が……」
マスキュラーの筋肉がさらに膨張する。皮膚の下で筋繊維が蠢くのが見えるほどだった。だが—
「もう、逃げない」
出久の体が緑色の光を放ち始める。全身の筋肉が唸りを上げる音が聞こえた。
「うおおおぉっ!!!」
大地が震える咆哮と共に、出久の腕が一瞬にして倍近くに膨れ上がった。その異様な姿にマスキュラーが後退する。
「洸太くんを狙う奴は許さない!」
振り抜かれた拳が空を切る—そう見えたのは一瞬のこと。次の瞬間、マスキュラーの巨体が5メートル以上吹き飛ばされていた。
「ぐはっ……!?」
地面に叩きつけられる前に回転して受け身を取るマスキュラー。しかし顔には明らかな焦燥が浮かんでいる。
「こいつ……本当に子供か……!?」
マスキュラーの背後に飛び散る木の葉を見上げた洸太が呟いた。「緑谷さん……」
出久はゆっくりと前に進む。全身から緑の蒸気が立ち上っている。筋肉が躍動するたびに服が裂け始める。
「もう一度言う。洸太くんから離れろ」
その言葉にマスキュラーの表情が怒りに変わる。「クソガキが……調子に乗るんじゃねえぇっ!!」
マスキュラーの全身が異常な速度で肥大化していく。まるで巨大なゴリラのように変貌した姿は、元の人型からは想像もつかない凶悪なものだった。
「これならどうだぁあああ!!」
「やめろ……!」
洸太の叫びも虚しく、巨大化したマスキュラーの両腕が大地を砕きながら落下してくる。まさに地震級の一撃。
だが—
「グォオオオオッ!!」
出久の体内から湧き上がる緑の光が爆発的に増幅した。彼の全身から装甲のような外殻が隆起し始める。筋肉が膨張し、皮膚の表面に緑の模様が浮かび上がる。
「何だと……!?」
マスキュラーの目が見開かれた。目の前の少年だった存在は今や—巨人へと変わりつつあった。背丈が二倍近くまで伸び、肩幅も広がる。緑の筋組織が皮膚の下で蠢き、全身が装甲のような外殻に覆われていく。
「こんなことって……」
洸太が口を半開きにしたまま呟く。そこに立っていたのはもう緑谷出久ではなかった。
頭部の皮膚が裂け、額の骨格が露出する。巨大な鼻梁が形成され、歯茎から鋭い牙が生えてくる。瞳孔が収縮し、鮮やかな緑色に染まった。最後に緑色の短い髪が逆立つように伸びた。
そこには緑の巨人が佇んでいた。肌全体を緑色の外殻が覆い、胸部から腹部にかけて鱗のような筋繊維が浮かび上がっている。手足の筋肉は常人の数倍に達し、指先からは岩を砕くほどの爪が伸びていた。
「これが……緑谷お兄ちゃん……」
洸太は思わず息を飲んだ。
マスキュラーが一瞬ひるむも、すぐに凶悪な笑みを取り戻した。
「上等だ!こっちの方が楽しめるじゃねぇか!」
巨大な拳が再び振り上げられた。
マスキュラーの巨大な拳が迫る。轟音と共に風圧が洸太を吹き飛ばす——だが。
「グォオオオッ!!」
緑の巨人が一歩踏み出した。大地が深く陥没し、衝撃波が森全体に響き渡る。マスキュラーの拳は——ハルク化した出久の片腕だけで止められていた。
「なん……だと!?」
驚愕するマスキュラーの顔面に、緑の巨人の反撃が始まる。
圧倒的破壊
「ギャアアァッ!!」
緑の巨拳が炸裂する。マスキュラーの顔面に直撃した拳は容赦なく肉を砕き、骨を粉砕した。マスキュラーが吹き飛ぶ——だが再生能力によって傷が瞬時に治っていく。
「死ねよこの化け物が!」
マスキュラーが筋肉を鞭のようにしならせ反撃に出る。
「グゥゥ……!」
ハルク化した出久の動きは鈍重に見えるが——実際はマスキュラーの攻撃を全て見切り、最小限の動きで回避している。その目は怒りに満ちながらも冷静さを失っていなかった。
「緑谷お兄ちゃん!後ろだ!」
洸太の叫び声が響く。
緑の巨人が振り向いた先には——巨大化したマスキュラーの影に隠れて別のヴィランが迫っていた。だが遅い。
「グルァァァッ!!」
ハルクの裏拳一閃。接近しようとしたヴィランの胴体が真っ二つに切断される。
その隙にマスキュラーが殴り掛かった。
マスキュラーの拳が緑谷出久の顔面に直撃する。だが―――
「きか―――ない!」
「ば―――馬鹿な!?」
プロのヒーローでも即死するであろう殴打を緑谷出久は耐えた。
そして緑谷出久は拳を構える。
「ハルク―――スマッシュ!」
緑谷出久の拳はマスキュラーに直撃した。威力は凄まじく、50メートル以上の距離までマスキュラー吹っ飛ばした。
「か、勝った…」
その姿に洸太は目を輝かす。
「緑谷お兄ちゃん…かっけー…!」
ハルクな緑谷出久
個性「緑の巨人化」
元ネタ「アメコミ」の「ハルク」