始まりは中国の地方で発光する赤子が生まれたというニュースだった。
今では、報告事例が最初というだけであって、これより前から、個性の発現者自体はいたと言われている。
以降、各地で超常は発見され、今でも原因は判然としない。
いつしか超常は日常に、架空は現実に、
世界の総人口の八割が特異体質者となった超人社会、ある職業が脚光を浴びていた。
それはヒーロー活動だ。
ある世界において轟家という家族が存在する。
その家族はあらゆる面で失敗した。
父が家族を蔑ろにしなければ…。
母が心を強く持ち続ければ…。
長男がもう少し家族を見ていれば…。
長女が家族崩壊を恐れずに強い言葉を発していれば…。
次男が家族から目を背けていなければ…。
三男が生まれていなければ…。
今から見るのは、数多ある並行世界の一つだ。
もしも、轟家にもう一人、家族がいれば…。
これはその多くの分岐の物語だ。
世界観は僕のヒーローアカデミア
もしも、轟家の家族がもう一人いたら…
もう一人の家族はライトノベル、灼眼のシャナの「シャナ」
長男である轟燈矢は家族関係も良好で成長した。
轟家全体が仲良し。
# 炎の舞いと氷の刃
「やるな燈矢!」シャナは飛び上がりながら叫んだ。「なら私も全力でいく!」
彼女の体から真紅の炎が噴き出し、周囲の空気が熱波となって渦巻いた。シャナの目が金色に輝くと同時に、地面から炎の柱が何本も立ち上がる。
「ふざけるな……私は漢字を極める者だぞ!」片手になった漢字ヴィランが再び文字を描こうとする。
「させるかよ」燈矢は冷静に構えた。両手から青白い炎と透明な氷結粒子が同時に放出される。「"双焔"!」
氷と炎が交差し、複雑な軌跡を描きながらヴィランに向かう。漢字ヴィランは左腕に残った文字で防御しようとしたが—
「遅すぎるわ!」
シャナが空中で一回転し、右手を振り下ろした。爆発的な炎の渦が生まれ、ヴィランの防御を引き裂いていく。同時に燈矢の氷結がヴィランの足元を固め、動きを封じた。
「くっ……!」「まだ……終わってない!」
ヴィランの体から最後の力を振り絞るように光線が放たれる。しかし—
「兄ちゃん!」「おう!」
燈矢の左手から青い炎が盾となり光線を受け止め、右手から放たれた鋭い氷の刃が敵の残った片腕を切断した。
「これが俺たちの答えだ」
地面に落ちた漢字ヴィランは震える声で呟いた。「こ、こんなはずでは……」
「あなたには分からないかもしれないけど」シャナが静かに歩み寄る。「愛のある家庭を壊そうとする者は誰であろうと許さない。それが私と……この家族の信念だから」
「ぐぅ……」
ヴィランの体から光が消えていき、ついに完全に動きを止めた。
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「おい!しっかりしろ焦凍!」エンデヴァーが焦凍を抱きかかえている。
「大丈夫です父さん……ちょっと油断しただけです」焦凍は顔を歪めながらも笑みを見せた。「シャナ姉さんと兄さんが来てくれたんで」
「まったく、心配させないでくれ」エンデヴァーの頬に涙が伝っていた。
燈矢が近づき、弟の肩を支えた。「無茶しすぎだろ。でもよく耐えたな」
「ありがとうございます」
シャナも駆けつけ、焦凍の額に触れて小さな火球を作り出す。「応急処置よ。本格的な治療は病院で受けなさい」
「シャナ姉さんの炎、あったかいです」
救急車のサイレンが聞こえ始め、警察の到着も知らせた。
「終わったな」燈矢が息を吐く。
「ええ」シャナも微笑む。「また一つ、守れたわね」
エンデヴァーが三人を見渡し、珍しく柔らかな表情になった。「帰ったらお前の好きなものを食べさせてやろう、焦凍。そして……燈矢、今日は本当に助かった」
燈矢は照れ隠しのように髪を掻いた。「当然のことしたまでですよ」
シャナはそんな三人を見て思った。かつては冷たく凍てついていたこの家族の絆が今、確かな炎となって灯っている—そしてそれは誰にも消せないと。
「さあ、帰りましょうか」シャナが微笑みながら言った。「我が家へ」
元ネタ「灼眼のシャナ」「シャナ」