地獄の轟ん家2シーズン 地極楽の轟ん家   作:フィル

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今回はAIのべりすとを使っています。


012 轟綱吉

 

始まりは中国の地方で発光する赤子が生まれたというニュースだった。

 

今では、報告事例が最初というだけであって、これより前から、個性の発現者自体はいたと言われている。

 

以降、各地で超常は発見され、今でも原因は判然としない。

 

いつしか超常は日常に、架空は現実に、

 

世界の総人口の八割が特異体質者となった超人社会、ある職業が脚光を浴びていた。

 

それはヒーロー活動だ。

 

 

 

 

 

 

ある世界において轟家という家族が存在する。

 

その家族はあらゆる面で失敗した。

 

父が家族を蔑ろにしなければ…。

 

母が心を強く持ち続ければ…。

 

長男がもう少し家族を見ていれば…。

 

長女が家族崩壊を恐れずに強い言葉を発していれば…。

 

次男が家族から目を背けていなければ…。

 

三男が生まれていなければ…。

 

今から見るのは、数多ある並行世界の一つだ。

 

もしも、轟家にもう一人、家族がいれば…。

 

これはその多くの分岐の物語だ。

 

 

 

 

 

 

## 交わる炎と氷の意志——零地点突破

 

「ふん……この程度の熱量じゃ俺の動きは止められねぇな」

 

溶岩の腕を再生しながら嘲笑うヴィランに対し、私は静かに構えた。

 

「綱吉……気をつけろ!奴の『溶解装甲』は接触した熱エネルギーを吸収し倍増して放出する!」

 

背後から響く燈矢の警告。

 

その言葉通り、先程エンデヴァーの全力一撃を受けたヴィランの胸甲が赤黒く脈動していた。

 

「いいや……お前の炎は確かに強い。だがな……」

 

ヴィランの周囲の空気が歪む。

 

「この装甲には限界があるんだよ!!」

 

彼が両手を広げると、圧縮された熱エネルギーの奔流が襲いかかった!

 

「危ないッ!」

 

炎を纏って突進する燈矢。

 

しかし—

 

「遅い!!」

 

巨大な熱波が二人を包み込む寸前—

 

ピシッ!

 

空間そのものに亀裂が走ったかのような冷気が走る。

 

私の周囲だけが真空状態となったように風が止んだ。

 

「なんだ……?」

 

「お前が言う『限界』とはこういうことか?」

 

額に浮かぶのは橙色の『大空』の炎。

 

そして心臓部から放たれる青白い冷気—

 

「《死ぬ気の零地点突破改》」

 

それは父(エンデヴァー)の蒼炎と母(冷)の氷結を融合させた完全新形態だった。

 

かつて幼少期に体得した《氷結拳》とは異なり、今度は炎を燃料にして氷を生み出す。

 

ドゴォン!!

 

熱波は一瞬で凍結し無数の氷柱となって砕け散った。

 

溶解装甲の表面温度が急激に低下し、脆弱な鉄片へと変質していく。

 

「ぐあぁっ……何だこの冷気は!?」

 

ヴィランが悲鳴をあげる間もなく、私と燈矢は同時に駆け出した。

 

「行くぞ綱吉!」

 

「ああ!」

 

燈矢の灼熱が前方に炸裂し視界を焼き払う。

 

そこに私が零地点突破を重ねると……

 

ジュゥウウッ!

 

氷と炎の相反する力が一点で爆発的な対消滅反応を起こした。

 

その衝撃波が溶解装甲の最後の一枚を粉砕した。

 

「決めるぞ燈矢!」

 

「ああ!」

 

背中合わせになった瞬間—

 

私達の身体から同時に蒼炎と超高温のオレンジ炎が噴き上がる。

 

二つの光条が螺旋を描きながら一つの超火力となり……

 

「「《双極・零壱ノ業》!!」」

 

ビリビリッ!という震えるような唸りと共に

 

全ての色彩が吸い取られるほどの純白の閃光が夜空を貫いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ……はぁ……」

 

荒れたビル群の中心で膝をつく私の前で

 

装甲を失ったヴィランが無力に横たわっていた。

 

「……勝ったのか」

 

肩に置かれた燈矢の手がじわりと熱を持つ。

 

「ああ……生きてるぜ」

 

彼の指さす先、瀕死ながら確実に呼吸する敵の姿があった。

「殺さずに済んだ」

 

「当たり前だろ。お前も俺も……」

 

「家族になればわかることもあるんだ」

 

燈矢の台詞に頷きながら振り返ると

 

遠くにエンデヴァーの巨影が立っていた。

 

彼の右手には救護班を呼ぶ無線が握られている。

 

「よくやった……お前たち」

 

その声は父親として初めて聞く穏やかな響きだった。

 

「父さん……!」

 

駆け寄ろうとした私を燈矢が制した。

 

「まだ終わりじゃない」

 

瓦礫の中から這い出たヴィランが呻く。

 

「クソ……なぜ殺さない……こんな俺を……」

 

「だからこそ」

 

私は深く息を吐き、零地点突破の余韻を静めながら言った。

 

「お前にも熱くなるべき場所はあるはずだ。

 

それがどこか見つけに行く……それが『更生』というものだろう?」

 

ヴィランの目元に僅かに潤みが宿る。

 

「……くそっ……」

 

遠くからサイレンの音が迫ってきた。

 

夜明け前の薄明かりが凍てついた大地を優しく照らし始める。

 

「さて……帰るか」

 

燈矢がぽつりと言った。

 

「ああ……待っている人達のところへな」

 

三人並んで歩き出す背中に

 

朝陽が三本の長い影を伸ばした。

 

この時、僕らは気づいていなかった。

 

この一件が新たな戦乱の序章だと知るのは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





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