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ありがとうございます。
これを励みに頑張ります。
始まりは中国の地方で発光する赤子が生まれたというニュースだった。
今では、報告事例が最初というだけであって、これより前から、個性の発現者自体はいたと言われている。
以降、各地で超常は発見され、今でも原因は判然としない。
いつしか超常は日常に、架空は現実に、
世界の総人口の八割が特異体質者となった超人社会、ある職業が脚光を浴びていた。
それはヒーロー活動だ。
ある世界において轟家という家族が存在する。
その家族はあらゆる面で失敗した。
父が家族を蔑ろにしなければ…。
母が心を強く持ち続ければ…。
長男がもう少し家族を見ていれば…。
長女が家族崩壊を恐れずに強い言葉を発していれば…。
次男が家族から目を背けていなければ…。
三男が生まれていなければ…。
今から見るのは、数多ある並行世界の一つだ。
もしも、轟家にもう一人、家族がいれば…。
これはその多くの分岐の物語だ。
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瓦礫の雨が降る戦場に、深紅の炎が轟いた。
ドォンッ!!
地を穿つ灼熱の拳がヴィラン集団の中心を貫く。エースの拳から放たれた業火は瞬時に周囲の鋼鉄製コンテナ群を溶かし尽くし、黒煙を噴き上げながら崩れ落ちる壁面から巨大な「穴」を空けた。
「───ぐあぁぁッッ!?」
「な……なんだコイツ……!?火力が尋常じゃねぇ……!」
焼け爛れた鉄骨の上で跳躍しながら叫ぶヴィランリーダー。その背後から青白い軌跡が走った。
「"赫灼熱拳・燐灼"!」
弟・焦凍の放つ蒼炎の刃がリーダーの足元を焼き払う。しかし敵は素早く氷結能力で応戦した!
ガキン!
パキパキパキ……
「無駄だ!俺様の"鋼鉄凍結"に炎は効かん!」
リーダーが嗤う。彼の両腕は鋼のような青い氷の鎧に覆われていた。しかも氷は液体窒素のように沸騰している──触れれば即死する低温兵器だ。
焦凍の氷結装甲が軋む。炎熱を纏わせても相殺されるどころか逆に氷結させられつつあった。
「チィッ……!」
その時だった。
ゴォォォォォォッ!!!
突如として巻き起こった"赤い竜巻"が鋼鉄の氷塊を吹き飛ばした!
「焦凍ォォォーーーッ!」
エースの咆哮と共に現れたのは……炎の竜だった。否、それはエース自身──全身を高密度の炎で包んだ"炎人態"だ!常人なら一瞬で灰になる高温なのに彼はそれを自在に操っている。
「兄貴……!?」
「油断すんな馬鹿野郎!」
エースが吼える。迫る氷刃を右掌で受け止めると、
ジュウゥ……!
蒸発音とともに氷が霧散した。「メラメラの実」の特性──一切の凍結を拒絶する"燃焼細胞"が牙を剥く瞬間だった。
「な……俺の氷が……蒸発だと……!?」
ヴィランリーダーの顔が引き攣る。
「焦凍!合わせるぞ!」
「……ああ!」
少年たちの声が重なる。
エースの灼熱がヴィランの防御を完全に溶かし切り、露になった胴体へ向けて焦凍が溜めた氷結の刃を突き刺す──!
バシュン!!
バリバリバリッ……!
青白い閃光。極限まで圧縮された冷気が炸裂し、内部から鋼鉄を粉砕していく。
「ぎゃあああぁぁ───!!」
断末魔と共にリーダーの巨躯が爆ぜた。残骸は既にエースの炎で塵となる。
「やった……!」
焦凍が安堵の息をつく。だがまだ終わっていない。他の下部構成員が反撃しようと銃を構えた瞬間──
ズドン!
上空から突風が吹き荒れる。見上げればビル屋上の影から放たれた紅蓮の弓矢──燈矢の"蒼炎連射"が全てを薙ぎ払っていた。
「弟どもに手ェ出したら承知しないよ?」
「兄さん!」焦凍が声を弾ませる。
燈矢がふわりと着地し、三人の兄弟が肩を並べる。轟家の赤い髪が夕陽に染まり輝いた。エースは二人を見回すと、ニヤリと笑う。
「よし。じゃあ帰りにアイスでも食いに行くか!」
「また糖質高いの食べる気か!?」と焦凍。
「お前こそ氷菓しか食べない癖に!」とエースが言い返す。
「二人とも痩せる努力しろよ」と燈矢が呆れ顔。
そんなやり取りの中、遠くに見えた人影──冷が手を振っていた。その横には大きなスーパー袋。家族全員分の夕飯材料が入っている。
「ほらね。母さんが待ってるぞ」燈矢が指さす先には笑顔の母。そして──遅れて来た父親・炎司も立っていた。かつての険しい表情ではなく、穏やかな目をしている。
「……帰ろう」
エースが呟く。炎を静めると普段着姿に戻り、ポケットに手を突っ込んだまま歩き出した。焦凍と燈矢が続く。三人分の足跡が街路に響く。
その背中を、温かな夕陽が照らしていた。
彼が次男として生まれたことにより、エンデヴァーの弱点である熱がこもるという部分は、自分の身体が炎そのものという形で理想の炎系のヒーローが生まれた。
家族と一緒のヒーローとして、オールマイトと肩を並べることが出来るようになった。
炎司は心の余裕ができ、他の家族を見ることができるようになり、燈矢が燃え盛ることもなかった。
家族が全員幸せになった。
元ネタ「ワンピース」「火拳のエース」