地獄の轟ん家2シーズン 地極楽の轟ん家   作:フィル

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今回はAIのべりすとを使っています。


09 轟裏梅

 

始まりは中国の地方で発光する赤子が生まれたというニュースだった。

 

今では、報告事例が最初というだけであって、これより前から、個性の発現者自体はいたと言われている。

 

以降、各地で超常は発見され、今でも原因は判然としない。

 

いつしか超常は日常に、架空は現実に、

 

世界の総人口の八割が特異体質者となった超人社会、ある職業が脚光を浴びていた。

 

それはヒーロー活動だ。

 

 

 

 

 

 

ある世界において轟家という家族が存在する。

 

その家族はあらゆる面で失敗した。

 

父が家族を蔑ろにしなければ…。

 

母が心を強く持ち続ければ…。

 

長男がもう少し家族を見ていれば…。

 

長女が家族崩壊を恐れずに強い言葉を発していれば…。

 

次男が家族から目を背けていなければ…。

 

三男が生まれていなければ…。

 

今から見るのは、数多ある並行世界の一つだ。

 

もしも、轟家にもう一人、家族がいれば…。

 

これはその多くの分岐の物語だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

# 氷雪の守護者

 

「裏梅ちゃん!後ろ!」

 

焦凍の叫び声が耳に入るより先に、私の背後から迫る黒い影を感じ取った。振り返らずとも分かる。この感触──間違いない。

 

「凍てつけ」

 

指先から放たれた青白い閃光が空間を裂き、襲いかかってきた異形の怪物を瞬時に氷塊へと変えた。轟音と共に砕け散る氷片の中、私は静かに構えを解く。

 

「ありがとう……お姉ちゃん」

 

小さな冬美が震える声で言った。彼女の周りには炎の壁が立ち上がり、他の弟妹たちを守っていた。

 

「当然だ」

 

私は無表情のまま答えた。幼い頃から感情表現が苦手なのは変わらない。だが今は違う。あの冷たい雪山で目覚めた時とは違って、私には守るべきものがある。

 

「裏梅!集中しろ!」

 

父・炎司が怒鳴った。

 

「まだ終わりじゃない!」

 

炎司の言葉通り、崩れかけた街並みから次々と黒い人影が現れる。オールフォーワンの残党──奴らは決して諦めない。

 

「燈矢兄!北側を頼む!」焦凍が指示を飛ばす。

 

「了解」

 

燈矢は蒼炎を纏い、瞬く間に姿を消した。かつての狂気はもう見当たらない。冷静に状況を判断する瞳だけがあった。

 

「裏梅」夏雄が横に立つ。「大丈夫か?」

 

「問題ない」私は淡々と答えた。「お前こそ無理をするな」

 

そう言いながらも、身体は勝手に動いていた。両腕を広げると同時に、周囲の気温が急激に下がり始める。呼吸が白くなるほどの冷気が肌を刺す。

 

「何をするつもりだ?」炎司が警戒するように問うた。

 

「殲滅」

 

短く答えると、両手を前方に突き出した。

 

「凍結領域(コールドフィールド)」

 

瞬間、半径50メートル圏内の空気が凍りつく。瓦礫も、人々の吐息も、そして迫り来る敵さえも。全てが動きを止めた世界で、私はゆっくりと歩みを進める。

 

「やめろ裏梅!」焦凍の声が響いた。「それ以上進めば凍傷になる!」

 

「心配ない」私は足元の氷を踏み締めながら言う。

 

「私の凍結は対象を選択できる」

 

それは嘘だった。この力を使うたび、自分の体温まで奪われていく感覚がある。だがそんなことは些細なことだ。

 

視線の先に見えるのは巨大なヴィランの本体──オールフォーワンの遺志を受け継ぐ存在。その漆黒の装甲が歪み始めていた。

 

「お前が……あの女か」低く響く声。「"無限城の氷姫"と呼ばれる異物め」

 

「どうでもいい名前だ」

 

私は冷たく返した。

 

「貴様のようなゴミに興味はない」

 

「ならば死ね」

 

ヴィランの全身から放たれる暗黒の触手。普通なら回避不能な速度だ。

 

しかし──

 

「遅い」

 

触れた瞬間、それらは粉々に砕け散った。氷点下270度の絶対零度領域ではどんな物質も形を保てない。それはかつて私が雪山で学んだ真理だった。

 

「馬鹿な……!?」

 

ヴィランの驚愕の声。その隙を見逃さず、私は一気に距離を詰める。

 

「冥途の土産だ」

 

掌底を突き出す。「裏梅流・氷結掌握(ひょうけつかそつしょうあん)」

 

掌が接触した瞬間、ヴィランの巨体が内側から凍りつき始めた。外殻ではなく内部から崩壊させていく術式。私の唯一の必殺技。

 

「ぬっ……がああぁぁ!!」

 

断末魔の叫びと共に、黒い巨人は粉々になった。舞い上がる氷片の中で、私は静かに手を降ろした。

 

戦いは終わった。周囲を見渡せば、弟妹たちは皆無事だった。父・炎司も軽傷だけで済んでいるようだ。

 

「よくやった」

 

焦凍が肩を叩いてきた。その手の温もりが不思議と心地よい。

 

「当然だ」

 

私は答えた。そして初めて気づいた──頬に何かが伝っていることに。

 

「あれ?」冬美が小さく笑った。「お姉ちゃんが泣いてるよ」

 

「違う」慌てて顔を拭う。「これは……ただの汗だ」

 

嘘だと誰もが分かった。けれど誰も追及しなかった。ただ静かな笑い声が周囲に満ちるだけだった。

 

家族と共にいることが、こんなにも暖かいと感じる日が来ようとは。あの雪山で孤独に過ごしていた自分には想像もできなかっただろう。

 

「帰ろう」

 

私は小さく呟いた。「私たちの家へ」

 

父と兄弟たちが並んで立つその姿を見て、私は再び確信する。この幸せは二度と手放さない──どんな代償を払ってでも。

 

夜明けの光が差し込む中、私たちは崩壊しかけた都市を後にした。凍りついた地面が朝日に反射してキラキラと輝いている。

 

これが新しい物語の始まり。

 

私──裏梅という名を持つ者の、

 

本当の人生の始まりだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

元ネタ「呪術廻戦」「裏梅」

 





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