「……うそ、だろ?」
俺は、思考を止めたまま何とかそう絞り出した。
「……ね、いっしょに入ろ?」
「……背中、流してやる」
「ちょ、ちょちょちょ、ちょっと待って!?」
あまりの展開に頭が着いてこない。突然、風呂場突入してきた水着姿の閃刀姫2人は少し頬を朱に染めながら俺に近寄ってくる。
いやっ、ちょ、まって!?ほんとまって!?
ま、まず状況を整理しよう。
えっと、買い物から帰ってきて。
お風呂沸かして?
いつもみたいに俺が先に入って。
で、2人が水着きて突撃かましてきた(イマココ)
……いや、わからん。どうなってるのマジで!?
「……ね」
ぴと。
ふびょるぼ!?
そして慌ててる間にレイが俺の背中に手を当ててきた。それに飛び上がると同時に、壁に掛けてあるタオルを神速で腰に巻く。
「……ちょ、マジで待てって!…2人ともなんで入ってきてんの!?」
「…出雲を労いたいと思って…」
「水着ならいいでしょ?」
「俺は水着じゃないんですけども!?」
2人は俺の巻いたタオルをちらっと見て頬を染める。俺はその隙にふたりの間をすり抜け出ていこうと試みるが、当然捕まりバスチェアに座らせる。
「いいでしょ?お背中流してあげるっ」
「……ふんすっ」
「……え、えぇ〜……」
これはなんのお店ですかね。
俺は観念して大人しくした。まぁ確かに水着なら何とか耐えれるかもしれないし…。
「……えへへ、まずは頭洗わないとね。…ん、よいしょ」
ふるんっ。
その時、シャワーを取ろうとしたレイの白のひらひら付きのビキニに包まれた胸が俺の目の前で揺れた。
「コヒュッ」
全然大丈夫じゃねぇぞこれェ!?
あまりの不意打ちなもんだから、思いっきりガン見してしまった。流石にレイもわかったのか、シャワーからお湯を出しながら赤い顔でちらりと流し目を送ってくる。
「人の髪を洗うのは初めてだな」
そんな中、ロゼはシャンプーを手に取って泡立てている。レイにお湯を掛けてもらったところでロゼは俺の正面に回り込んで膝立ちになり、俺の頭を洗い出す。黒の紐タイプのビキニの下から伸びる綺麗な太ももが俺の視界を埋めつくした。
「な、なんで正面からっ?」
「…そっちの方が顔が見えるだろ」
「別に関係なくない!?」
「……私が構う」
そんなこと言われましても!?
目を開けると俺の髪を洗っているロゼと目が合った。髪は小さい手が細かく洗ってくれているお陰でとても気持ちいい。
そしてレイは何をしとんの?なんで俺の手を取って自分の頭を撫でさしてんの?君が俺の手に頭グリグリする度にそのお胸がぶるんぷるん揺れてるんですけどォ!?
だけどもあまりにも可愛すぎるので猫を撫でるみたいに顎の下を撫でると、顔がとろんとしてきたので手を引っ込めた。
「……む、こっちも見ろ」
そうすると今度はロゼが洗い終わって泡を流した手で俺の頬を挟んでくる。
ロゼの方も勢いでやったのか、近くまで寄った俺の顔を見て、さらに顔を赤くした。……そして、……え?……なんで顔を近づけてくんの??
「……ちょ、ロゼッ、だめっ!」
「……ぅ、まだ…か?」
「…い、今はとりあえず背中流そうよ…?」
そしてなんかレイとわちゃわちゃしだした。
正直ここまで来るとドキドキで頭も回らん。シャワーを持ったレイに頭の泡を流して貰うと、ロゼが今度はボディソープを手に取り、そのまま手で泡立てだした。…ちょっと待て?
「え、手でやるつもり…?」
「もちろん」
何を当然のことを?みたいな顔をするロゼ。いやいや、垢擦りあるけど!?
「垢擦りあるよ!?」
「垢擦りは苦手だ、痛いから」
「洗う側なら関係ないのでは!?」
「私も洗うよっ」
「頼むから話を聞いて?」
これはなんのお店ですかね(2回目)。
あわあわを両手に構えたロゼが俺の前、レイが後ろに回り込み、同時に手を伸ばしてきた。ぬるぬるの小さい手が俺の身体を這い回り、変な声が出そうになる。
「……っ、…………」
声出したら変な感じになると必死に我慢していると、俺の顔を見たロゼがちょっとニヤつきだしてる。そのまま俺の腹や脇腹を洗っていた手が脚へ降りてくる。
「……んー、手だと背中が洗いにくいね…」
「…っ、だ、だろ?だからやっぱり垢擦りを使って…」
「……そ、そうだ。……え、えいっ」
「!?!?」
なんか突然、背中に超絶柔らかい感触がぶち当たる。下を見ると俺の脇の下からレイの腕が出ていた。……これはつまり。
「レイっ!?…な、なにして」
「……えへへ、だってこっちの方が洗いやすいでしょ?」
そう言いながら、ぬるぬるぽよぽよと俺の背中にダメすぎる攻撃をしながらレイは身体を上下に動かす。そして前に回されたでも一緒に動くもんだから、俺の理性くんに大きくヒビが入った。
そして、何がいちばん終わっているかって言うとね。
流石にこんなことされて、無反応でいるほど男を捨てているわけでも、理性を保つ先行ワンキル盤面も万能ではないわけで。
「……♡」
そして、その特殊召喚されたアショカ・ピラーを脚を洗っていたロゼが気が付かないわけがなくて。なんなら、今腰に巻いてるタオルが1人用の小さいヤツのお陰で下から見るロゼからしたら何も隠せていないわけで。
ロゼはちらりと"俺"を見て嬉しそうに笑い、そのまま脚を隅々まで洗う。ちょ、足の指の間は普通にくすぐったい。
「…よいしょ、よいしょ……どう、気持ちいい?」
「……っ、……あ、うん…」
「ロゼ、出雲どんな顔してる?私からは見えなくて…」
「…大丈夫だ。とても満足そうにしている」
ロゼさん、その…君が今見てるところは俺の顔じゃないッス。
あー、終わった。マジで俺の人生終わったかもしれん。
情けなさに俺の心は萎んでいくが、アショカさんは全く動じない。そうこうしているうちにロゼが脚を洗い終わってしまった。彼女の視線は唯一洗ってないただ一点に注がれている。
そして遂にレイも気づいたのか、後ろから「…ぁ」とか細い声が聞こえた。しにたい。
「……こ、ここはどうする?……わたしたちが洗ってもいいが…?」
「自分でやりますっ!お気遣いありがとうございますッッ!!!」
つか尋ねながらタオルを剥がそうとするのやめてもらっていいですか!?
そのあとは普通に身体の泡を流して貰った。………いろいろ大ダメージは貰ったけど、何とか乗りきった。いやフル起動の俺を見られてる時点でもうダメだと思うけどね?
ただ、最大の危機は過ぎ去った。よし、これならもう風呂から出ても言い訳が……。
「…じゃっ、洗ってくれてありがとうね2人とも。俺は出るから……」
「……ね、出雲」
「……なんでしょうか」
未だにアショカさんがメインモンスターゾーンに居座ってるので前かがみになりながら立ち上がろうとした俺に、レイがちらりと目を向けてくる。
お湯を被って暖かいはずの背中に冷たい汗を垂らしながら振り返ると、レイは俺の耳元に口を寄せて囁いた。
「……こんどは、…私たちも洗って?」
「……」
……マジで、本当に今日ダメかもしれない。
衝撃と戦慄でアショカさんが墓地に送られた俺はすくっと立ち上がる。何も反応を返さない俺に、2人がちょっと悲しそうな、寂しそうな顔をして見上げてきた。……その顔されるのが1番精神的に来るんよ。
だが、こんな状態で2人を洗うとか、もうどうなるかわからない。ここで断る方が俺の為になるんじゃないのか?
……でも。
2人を悲しませたくはない。それだけは絶対に……っ!
俺は深く深呼吸をして、……どうなろうと一線だけは超えないと覚悟を決めた。
……ある意味もう全部見られたわけだし、もう怖がることはない。これから3人で暮らしていく為に、爛れた関係にだけはなるわけにいない。
「………せめて、水着だけ着させて?……流石にこのサイズのタオル1枚だと洗えないから」
「……ぅ、うん。……そうだよねっ!」
「あ、ああ。……き、着替えてきてもいいぞ…?」
しどろもどろの2人に許可を貰い、1度風呂場を出て自室のタンスの中からサーフパンツを出して履く。最後にひとつ深呼吸をして、精神を安定させた。ついでにリビングに置きっぱのスマホから、引っ越したあとに3人で自撮りしたスリーショットを眺める。ソファに座る俺の後ろからを顔を出したレイとロゼとの写真。2人とも本当に幸せそうに笑っていて、見ているだけで俺の心も暖かくなる。
その生活を守るためにも、俺はここで終わる訳には行かないッ!
それに、2人は別に裸じゃない。普通の水着姿だ。それならまだどうにかしようもあるし。
そう考えながら風呂場の扉を開けたんだけど。
……しゅるっ、…びしゃ。
「……はぇ?」
風呂場だ聞こえるはずのない音に俺は間抜けな声を出した。それに反応して、バスチェアに座っているレイが首だけで振り返る。
「……ぁ、……いいよ?……好きに洗って?」
「……え、……い、いやいやいやいや……なんで?」
いいよ、とレイは髪を前に寄せて、自分の真っ白な一糸まとわぬ背中を向けてくる。そう、一糸まとわぬ。……水着はどこかって?
「……な、なんで水着脱いでんの?」
「……こうしないと水着が邪魔で洗えないでしょ?」
なんと、レイは水着の紐を解いてしまっていたのだ。……いや、まだ100歩譲って上だけならまだわかる。でもこの子、何故か下まで脱いどんのよ。座ってから腰の紐を解いたせいか役目を失った水着が、椅子と意外と大きめなレイのお尻の間から垂れ下がって何も無いよりも扇情的な絵面になってしまっている。
つか何お尻ガン見してんだ死ね俺。
ちなみにさっきの音から察して欲しいんだけど、上の水着は完全に脱いで床に落としたのでもうほとんど全裸と変わらないです本当にありがとうございます。あとレイさん。鏡に反射して前も何もかもがもう全部見えてます本当にありがとうございました。
白金の髪を前に持っていってるお陰で本当に際どいところは見てない。………嘘です。バッチリ見えてます。髪ブラとか現実でそう簡単に起こると思うなよ。肌も白いし髪も白金だからピンクが目立って見えんだからなオラァァァ!!!…俺は何にキレてんだ?
「……レイ、鏡」
「……ぇ、あっ、……ぅ、うん」
流石に指摘すると、レイは真っ赤になって手で胸を隠した。ちなみにロゼはと言うと桶にボディソープとお湯を入れて泡をすごい作ってくれてた。……その技どこで覚えたの??
「…ほら出雲、これで洗ってくれ」
「お、おう」
「……きて?」
その来て?は効くからやめて欲しい。ただここで引き下がる訳にはいかないので、泡を手に取ってレイの背中にゆっくりと落とした。
「……んっ…!」
んぐぅ!(反射ダメージ)
なんで女の子ってこんなに肌柔らかいんだ?
レイの背中に手を滑らせながらしみじみと思う。シミひとつないしすべすべだし洗ってるこっちが気持ちいいくらいだ。
「これくらいの力加減で大丈夫?」
「…ぅ、…んっ、……ぅん……っぁ……」
エロい。
あーだめだ。やっぱりこの光景目に猛毒すぎるよ。少しづつ背中を上から洗っていき、腰位で手を止める。……よ、よし。このまま腕を…。
「……ん…」
腕に行こうとしたその時、レイは洗いやすいように少しお尻を上げた。まるでそこがまだ洗えてないよ?と言わんばかりに、何も隠すものがない下半身を俺に突き出してくる。幸い上から見る形になってる俺の目線には新しく見えたものはないけれど、それでも十二分に危険な光景だ。
……もう、ここまで来て、ここまでされると俺の理性くんも判断がつかなくなって来た。あれ、どこからがまずいんだっけ?…お尻洗う位は大丈夫なんだっけ?あれ?
ただその間には身体が本能に従って動き、レイの背中の更に下を洗っていく。
「……っ、……ん…」
さっきまで椅子に座って洗えなかった部分を手を通して、俺は背中から変化する感触と大きさを感じながら手を動かした。
こうやって触ると、改めて男とは根本的に身体の構造が違うことを思い知る。柔らかすぎる感触が泡のぬるぬるでさらにとんでもない威力になっているのを極力無視して、レイのお尻を洗った。
「……い、嫌だったら言ってね?」
「…出雲に触られて嫌なところなんてないよ?」
「頼むから少しはあってくれ…」
椅子に座り直したレイが荒い息遣いのまま言う。レイの顔がいつもさっきよりも蕩けているようにも見えて、いつの間にか胸を隠してた手も下がってその綺麗すぎる肢体を晒していた。やっぱり髪ブラなんて存在しないんだ。一瞬目を引く桃色な部分を見ないようにして目を逸らし、手に着いた泡を流す。
「……よ、よし。洗い終わったし、俺はこの辺で…」
「まだ私のことを洗ってないぞ」
「………そうだった」
まだロゼが残ってたァ!!
さっきから待ちきれない様子で見てたから、ロゼは水着を着直して湯船に浸かったレイと交代し意気揚々と座る。そして水着の紐に手をかけて……赤面して止まる。
「……はい」
「ひゃっ、…ぃ、出雲…?」
個人的に早く終わらせたい俺はもう待てなくてロゼの水着の紐を解いた。しゅるりと解けて落ちる水着のカップ部分を抑えてこっちを向いたロゼの頭を撫でながら、そのまま流れで腰の紐も両側ばしてやる。日頃ロゼの身体は触らさせてるから、レイよりはまだダメージが少ない。というかもはや安心感すらある。
「…出雲、私の時となんか違くない?」
「いやっ、ただ2人目で慣れてきただけだよっ?」
「……う、うぅ…」
あー、ロゼかわいっ。一周まわってなんか俺ちょっと楽しくなってきたぞ?
俺はもう慣れた手つきで泡を手に取り、ロゼの背中を洗い始める。ロゼはくすぐったいのか小さい声を上げながら身動ぎをした。
「……痛くないか?」
「……ぅん」
するとロゼは背中を洗ってる俺の手を取り自分のお腹側に持ってくる。……そっちも洗えと?
………いくぜっ。
「……っ、……んっぅ…」
「ちょっとだけ我慢してね」
もう行ったれと、俺はロゼの前側も洗い始めた。……ま、毎日修行(?)してるし、い…行けるっ!
ただ泡によって化学変化を起こした感触は最後の一言。俺、明日死ぬんじゃねぇかってくらい手が幸せだ。くたりと俺の肩に寄りかかってきたロゼを支えながら、胸の膨らみから脇の下、脇腹を手早く洗うとすぐさま泡を洗い流した。……そういやどこまで見えてるのかって?…全部だよ馬鹿野郎。ロゼの髪型はいつもの2つ縛りを3つ折りにしてまとめてるから、隠すものさえない。腕も俺の手を力なく握ってるし。
ああもう、なんのエロ漫画ですかこれは。俺は一体いくら払えばいいんだよ(錯乱)。
「……ほら、洗い終わったから」
「…ぁ、……ぅ、うん」
「自分から頼んできたくせに」
流石に3人で入れる程浴槽は広くないので水着を着させたロゼを先に入れてあげて椅子に座ると、ずっと真っ赤な顔で俺がロゼを洗うのを見ていたレイがその間にまとめた髪をいじくりながら言う。
「……出雲は…大丈夫だった?……私たちが聞くのもなんだけど…」
「……はぁ、平気だったと思う?」
「…ううん」
「…私を洗ってるとき、…当たってた…」
「はじめて見た……」
「やめて?」
流石にそれは仕方ないでしょうよ。あの状況で無反応な方がちょっと怖い。つか本気で心配する。
「……というか、なんで2人とも急にこんなことしてきたんだよ?…心臓止まるかと思ったよ」
「……さっきモールで水着買ったから、ちょっと見せようかなって…」
「……ついでに、いつも世話になってるからなにか労えないかと…」
「最近で1番心臓に負担かかったよ」
まぁ役得でしかないけども。
そこまで言うと、レイとロゼが俯きながらもちょっと見上げて来た。
「……い、嫌だったら言ってね?……出雲、やさしいから…もし鬱陶しくても我慢しなくていいよ?」
「いや、鬱陶しいとかは全然思ってないよ」
むしろ役得でした。……俺が手を伸ばすと、2人とも不安そうな顔のまま撫でられてる。
「……前にも言ったけど、俺はただレイとロゼに幸せに暮らしてもらいたいってだけ。2人はただ俺を癒そうとしてくれたんでしょ?……だからやめろとかそういうのは言わないよ。……………ただ、頻度と服装はちょっと改善して欲しいけど…」
ロゼは俺の言葉に安心感したように微笑むと、頭の上の俺の手を取り指を絡めた。それを自分の頬に当てる。
「じゃあ、……きもちよかった…?」
「…………最高でした」
「ああ、……わ、私も気持ちよかった…」
「わ、私も……。もっと触って欲しいって思ったし…」
レイも同じく俺の手の感触を確かめるように握り、自分の心臓の上に当てる。…あれ?……今ちょっといい話風に纏まらなかったっけ…??
2人の目がまだ蕩け出した、冷や汗が背中に伝う。
「…………俺も浸かっていい?」
あー……ほんと。このふたり相手に、俺はあとどれくらい持つんだろうか。
なんやかんやあって俺の最大の危機を乗り越え、ちょっとのぼせ気味の身体を自室のベットの上で休む。……はぁ、ほんとにマジで危なかった…。何で切り抜けられたんだ今の。
目を閉じて心頭滅却に励むけど、目に焼き付いた2人の身体が頭から離れない。なんなら目を閉じると、洗いながらガン見してしまった2人の身体の各部が脳裏に浮かび上がってくる。
そんなことを悶々と考え、情けなさとエロさでベッドの上で逆折りになっていると、2人の自室の扉が開き、とてとてと足音が近づいてくる。
ん、だれだろ。
「……いーずもっ♪」
わ、なになに可愛い。
部屋に顔を出したのはレイだった。白のTシャツと白のフレアスカート姿の彼女は、俺の顔を見るなり笑顔で入ってきてベッドに座ってくる。
音符が着いてそうな感じで俺の名前を呼んで犬みたいにくるのが可愛すぎて、思わずとどめ刺されそうだった。
「ん、ロゼは?」
「のぼせて寝っ転がってたらそのまま気持ちよくて寝ちゃったみたい」
「ありゃ、1番長く浸かってたからなぁ」
それで、レイはどうしたの?……て聞こうとしたら、レイがそのままベッドの上によじ登って俺にしなだれかかるように抱きついてきた。寝たまま上体だけ起こした体勢だったから、そのまま押し倒される。
「……ん〜…♪」
「なになにどうした?」
「……ふふっ、…いずも〜♪」
なんだそれ。いくらなんでも可愛すぎないか??
レイはお風呂上がりのポカポカの身体でまるで俺にマーキングでもするかのように自分の身体を押し付け、すりすり擦り付けて来る。このままだと埒が明かないので身体を起こすと、レイは俺の片脚に跨り、首筋に顔を埋めながら俺の名前を呼んで来た。
「なんだ、今日は甘えん坊だなぁ」
「……えへへ、出雲どきどきしてる」
「当たり前でしょ」
首にレイの髪がかかってくすぐったい。髪をすくってレイの耳にかけてやると、覗いた耳がほんのり赤かった。ちゃんと照れてんじゃん。そんなレイが可愛くなった俺は、ピンク色の耳の縁を指先でつーっとなぞってみる。
「…ひぅっ!」
「……耳赤いね。レイも逆上せた?」
「……ち、ちがうよ?」
今の俺は半分賢者である意味最強だ。ちょっと仕返してやろうとレイを抱き締め返して逃げられなくすると、俺は無限なでなで編へと突入した。
「…あ、あぅ…、出雲ぉ…?」
「……っ、ああもう、ほんとに可愛すぎ」
レイは俺に頭をなでなでされ、力が抜けそうになりながらも必死に俺に抱きついている。それがあまりにも可愛すぎて、なんだか変な流れになってきた。
「……んぁ…、いずものなでなで、すきぃ…」
もうすっかりとろとろのレイがますます俺によじ登り始めた。こんどは俺を抱えるようにして抱きついてくる。首元にレイの胸がバッチリ当たり、さっきの光景が蘇ってきた。
「…ほんとにどうしたの?」
「…ん、久しぶりに2人っきりだから…今のうちにって」
「2人きりの時間は風呂の時毎日あるだろ?」
「…でも、今は朝まで2人きりかもしれないよ……?」
サラサラの髪を手で梳きながら効くと、レイはまるで恋人みたいな感じですりすりしながら、俺のほっぺや腹を触る。俺も俺でいつの間にか撫でているところが頭から移動して耳や首筋、腰を撫で出していた。ヤバいってわかってるけど、お風呂上がりの身体で抱き合ってるのが気持ちよすぎて、あんまり頭が回らない。
「……ぅ、ん…っ、ぁ…んっ、……ぃずもぉ…」
「……どう?」
「……ん、んぅ…ん、……きもちぃ…」
「…そりゃよかった」
指先で耳の縁をなぞるように撫で、逃げようとするレイの腰をしっかり抱いて動けないようにすると、レイからふにゃふにゃの声が聞こえてきてちょっと楽しい。
「……い、出雲って…ほんとうはこういうほうが好きなの…?」
「んー?…いや、初めてやったけど結構楽しいよ」
「……ど、どえすっていうんだっけそういうの…」
レイははぁはぁと荒い息を吐きながら、俺の上でもぞもぞ腰を動かす。ちょ、そのうごきやめて?
なんだろう、今までこういう感じでくっつかれるのがソファの上が多かったし、時間もそんなに長い間やってた訳じゃないからあんまり感じなかったけど。
時計を見ると、レイが来てからもう1時間近く経っている。でも、まだまだ全然続けてたい。目を開けると上目遣いの美少女。呼吸をすると彼女の安らぐようないい香り。身体全体に感じる彼女の暖かくて柔らかい感触。耳に通る可愛らしい声。五感のほとんどがレイにやられて嬉しい悲鳴をあげていた。
「……ね、出雲」
「…ん?」
「………だいすき」
「っ…、どういう意味で…?」
「………男の人として」
あっ。やばい、死にそう。
いや、わかってはいた。美咲から聞いたのもあれだし、レイの俺への態度や距離感を見てれば一目瞭然だったけども。
実際言葉に出されると、こう、来るものがあるというか。
「……私、日頃からずぅーっと出雲のことばっか考えてるんだよ?バイトとかで出雲がいない時も、今何してるのかなとか、早く帰ってこないかなーとか、……なんて口実で抱きつこうかな…とか」
「……結構打算的なんだね」
「……うぅ、…いいでしょ?…ロゼは自然に出雲に甘えてるから、羨ましかったんだもん」
レイはそう言いながら、今度は横から抱きついてくる。腕を抱えるようにしたせいで当然レイのお胸がダイレクトアタック。
「…こういうのも?」
「えへへ、私の立派な武器だからね」
「狙ってたんかい。……平気なの?」
「……確かめてみる?」
「あ、この話の流れはヤバ…あ〜……」
「んっ、……ほら」
あーもう、止める前に握られた俺の手がレイの膨らみに着弾。そのままレイが俺の手を動かそうとしてきたのでびゃっと音が出そうな勢いで手を下げた。い、いま揉ませようとした?
「……ちょっと俺、レイと2人きりなのが怖くなってきた気がする」
「…ロゼのは毎日触ってるくせに。私のはダメなの?」
「……アレはその、マッサージ…ですし…」
「………じゃあ、私にもやってよ」
「……や、あれは……ぉ、大きくするための?やつで……」
「私、まだEカップだよ?」
「十分大きいよぉ…」
「そんなことないもんっ」
「勘弁してください」
レイはふくれっ面で突然俺を押し倒して来た。今度は俺とレイの顔が数cm先まで近づく。
「……じゃあ、さ」
「……レイ?」
レイは据わった目で俺の顔をじっと見る。何をしようとしてるのかはすぐにわかった。……でも、レイとくっっているのが気持ちよくて、避けたり止めたりする気が起きない。
ああ。
……俺の理性、とっくの昔に破壊されてたんだなぁ。
「……レイ」
「…いずも…っんむっ…!?」
───気づけば、俺はレイの唇を奪っていた。
あなたなら耐えられますか?
-
無理やろこんなん。
-
まだギリ耐えれる
-
耐えれる
-
余裕