基本妖怪のせいにできる世界に転生したちょっと癖強いサラリーマン(現小学5年生)   作:暇なグリッチ

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見切り発車だ悪いかッ!!


第一章 友との絆は砕けない
俺の名前は天野…ケイジ?


妖怪ウォッチ

 

2013年、7月11日にLEVEL5より発売されたニンテンドー3DS用ゲームソフト。コミカライズ化やアニメ化、さらにそこから映画化もされている人気作品であり、一時期はポケモンすらを超える勢いであった

 

かくいう俺も、かつてやったことがある。あとから聞いた話ではナンバリングは4まで発売されたが、俺は随分昔に初代をやったのみで、正直よく知らない。

しかしそれでも面白かったことは覚えている。だから人気が衰退してしまったと聞いた時は少し寂しくなったものだ。

 

…なんで急にこんな話をしているか気になっているところだろう。そんなものいたって単純だ。

 

「…背、低いんだな。小学生って」

 

その妖怪ウォッチの世界に、来てしまったからある

 

――――――――――――――――――

 

柊龍我

 

年齢31歳、独身、いたって普通のサラリーマン…()()()()()()

 

「…まさかこんなことになるとは」

 

今、俺の姿は明らかに小学生ほどの子供である。とりあえず色々話を整理しよう。

まず、なんでこうなっているかは十分に理解している。()()()()()。転生したのだ。

それは快晴で、気分のいい日だった。いつものように仕事に通い、いつものように仕事を処理し、いつものように定時で帰るつもりだった。

俺は時計で時間を確認していた。今日の1点の曇りもない空を見ていたら、今日はきっといい日なんだろうと浮かれてしまった、そのせいでやってしまったのだ。

 

時計に夢中になりすぎて、前も確認せずにそのまま横断歩道を渡ってしまった。

 

そして赤信号だったことに気づいた頃には、クラクションを鳴らした車が横から迫ってきており…そこから考えるのは無駄だろう。

 

「晴れの日だからと浮かれるとは、俺もらしくない…」

 

まぁ、正直なところ自分の人生に大した悔いはない。むしろ()()()()()()まである。なぜか、まぁそれはどうせすぐに分かるだろう。

自分がこの世界に来た理由はこれで以上だ。では次、

 

なぜこの世界が妖怪ウォッチとわかったか。

 

これは至って単純。先ほど起こしに来た人が、どう考えてもケータの母親だったからだ。

そう言えば妖怪ウォッチなんてあったな、と久々に色々動画を漁っていた甲斐があった。おかげですぐに気づくことができた。父親もしっかりケータの父親だった。ちなみに、たまたま見に行ったらちょうど勝手にゴルフクラブを買って怒られてる最中に遭ってしまい、そーっと帰ってきた。どの世界でも母親はおっかない…

 

では最後。俺の名前がなぜ天野ケイジなのか。

 

この世界の主人公は天野ケータじゃなかったのか?なぜ絶妙に違うのか?

親も他人の空似と言うにはあまりにも似すぎている。ケータの両親で間違いないだろう。ではなぜ俺だけ…?

これに関してはもはや考えるのは無駄だ、わからなさすぎる。そういうものだと受け入れるしかない。

 

ともかく、いろいろ考えたって無駄無駄無駄。

 

「…昔なんてどうでもいい、前に進もう」

 

なんとも奇怪な、俺の第二の人生が幕を開けようとしていた。

 

――――――――――――――――――

 

「…小学生って、こんなに楽だったのか」

 

あれから数ヶ月が過ぎ、帰宅途中、そうぼそっと言葉をこぼす。昔は面倒だと感じていた授業が、これほど楽なものだと思っていなかった。ただ聞いて、時折何かを書いたりするだけで呆気なく時間が過ぎ、昼食を食べて、昼休みは遊んでから、また授業を受け、すぐに帰る。

 

「柊龍我…いや、天野ケイジが嫌いなことその1。家に帰るのが遅くなること」

 

俺は帰宅するのが遅くなるのが物凄く嫌いだ。家は最も落ち着く場所。誰にも邪魔されない俺のプライベートルーム。俺は普段から家に帰るためだけに日中に仕事を必ず終わらせるようにしていた。

それが残業などで遅くなったりすると…腸が煮えくり返りそうになる。本気で

 

「だが相当なことがなければ学校側から残されることがない…わざわざ心配する必要がないなんて」

 

軽く感動した。ストレスのなさすぎる生活に。楽すぎる生活に。社会人になってから分かる、この気楽さ

 

「ケイジ君!」

 

そんなふうに学校の素晴らしさに浸っていると、後ろから声が聞こえてきた。

 

「君は…木霊さんか」

 

木霊文花。確か原作での女性主人公で、普通なケータと違って優等生…のような設定だったと思う。

 

「これ、忘れてたから!」

 

彼女が手に持っていたのは俺の筆箱。また浮かれて忘れ物してしまったか…

 

「あぁ、ありがとう。ちょっと浮かれてたらしいね…感謝するよ」

 

「! …う、うん!」

 

ただ、そんな彼女も少し様子がおかしい。かれこれこの世界に転生してから既に数カ月が過ぎ、彼女とそれなりのコミュニケーションを取った。

前世では「やけに大人びている」と言われ、なかなか人と交友関係を築くことができなかった。しかしこの世界ではそんな俺にも皆優しく接し、随分優しい世界だなと実感した。まぁ、この作品は子供向けだと言ってしまえばそれまでだが

話が逸れたが、そんなこんなで彼女とは何度も話したことがあるのだが、時々彼女が頬を染めることがある。

俺が不意に声をかけた時、俺が微笑みかけた時、俺が感謝を伝えた時

…俺は俗に言う鈍感系主人公、とやらではない。だからわかる

 

これは、おそらく惚れられている。

 

…今まで人にそういう感情を向けられたことがないため、正直どうしようか悩んでいる。責任を取れ、と言われそうだが、ただ気持ちを受け入れようとすることだけが責任を取る、ということではないと思う。

自分は好きではない、というのならはっきり明言してやるのもまた責任を取るということだろう。愛してもいないのに付き合うなど、どうせ長くは続かない。無駄だ。

でも、どうせ小学生の恋など正直そこまで本気になるようなものじゃあない。そこから結婚につながるなどほぼフィクションの話だ。そうあることじゃない。

 

「ケイジ君?」

 

ともかく、しばらく様子見しよう。まだ関係が浅すぎる

 

「ケイジ君!」

 

せめて、1年以上は…「ケイジ君!!」

 

「うぉぉっ…あ、あぁ悪い。考え事をしていたから…」

 

「そうだったんだ。でも返事してくれないと、心配になるからね?」

 

「すまない木霊さん、善処するよ」

 

「大丈夫だよ、じゃあまた明日、さんかく公園でね!」

 

「あぁ、また明日」

 

今日は7月17日、金曜日。明日から夏休みだ。つまり…

 

「原作が開始する、ということでいいんだろうか」

 

原作通りなら、もう物語が始まろうとしていた




こんな主人公ですが大丈夫です、これからちゃんと人間味も出てくるので
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