基本妖怪のせいにできる世界に転生したちょっと癖強いサラリーマン(現小学5年生) 作:暇なグリッチ
な、何が起こっとるんや…?!
あ…ありのまま今起こったことを話そう。「進化しないはずのホルが光りに包まれ、人の姿に進化した」何を言っているか分からないと思うが、俺も何が起こっているかわからない…頭がどうにかなりそうだ…
というかお前、メスだったのか…
「…今なら、今ならやれる気がする。ケイジ君…立てる…?」
「あ、あぁ…」
ホルが手を差し伸べ、俺がその手を取り立ち上がる。
声も暗いのには変わりないが、前以上に可愛くなってる。本当になんというか、暗い雰囲気の美少女って感じだ。
「姿が変わっただけデ、倒せると思うナァ!ギョロロローン!!」
だがそんな悠長にしている暇はない。そうこうしているうちにヤツが再び口を大きく開け、3つの首から炎を放った。
「さっきまでのボクとは…違う…!」
しかし、ホルはその炎を風で巻き込み、炎の竜巻を作り出して逆にヤツへ飛ばし返した。
「ギョロッ?!ダガ目に当たらなければ痛くも痒くモ…」
「今だ!ジバニャン!」
「任せるニャン!!―――ひゃくれつ肉球ー!!」
「ギョロッ!!シまっ…ギョロロロ〜ン!?」
だがジバニャンがすぐさまヤツの首を攻撃し、思わず目を開けさせたところにすかさず炎の竜巻がヤツを焼き尽くす。
「閉じてわからないなら無理やり開けさせばいい!主な攻撃はホルに任せて俺達はあいつの目を開かせることに集中するぞ!!」
「わかった!」
「了解だニャン!」
「グヌヌ…オ、己ェ…!」
今まで随分好き勝手やられてきたからな。ここからは…反撃だッ!!
「お前の好き勝手もここまでだ!ジバニャンは右を、ユキは左を狙え。真ん中は任せろ」
「ケイジは…大丈夫なの?」
「全身に打撲とかすり傷程度だ、屁でもない。お前らは目の前のことに集中しろ」
まぁ小学生という観点で見れば全然大丈夫じゃない怪我なんだが…
ここでそんな甘ったれた事を言っている暇はない。何より見た目は小学生でも中身は立派な大人だ。甘えてたまるか。
「モウ許さないギョロォーッ!!」
「こっちのセリフなんだから!!」
「いい加減ぶっ飛ばしてやるニャーン!」
「ボクが皆を守るんだ…!」
戦いはさらに熾烈を極めていった。
俺とユキとジバニャンが首に攻撃をし続け、目玉が露出した途端ホルの鋭い風の刃が突き刺さる。俺の投げた石なんかより余程痛がっているところから、やはりかなり強くなっているんだろう。
なにより彼女の目から先程までの"迷い"と"恐れ"が感じられない。進化したおかげだろうか、本来は進化しないはずだが…何だか応援した甲斐があるとちょっと感動した。
ヤツも最初は大暴れで対抗していたが、動きがみるみる鈍くなっている。ヤツは確実に消耗している。
今までの妖怪達とは格が違うとは言え、あくまで強いだけの妖怪。限界くらい、あるに決まっている。
「いいぞッ!その調子で攻めろ!!」
「コれ以上はやらせないギョロォォォッ!!!」
ヤツが辺りに凄まじい妖気を纏い初め、既視感のある感覚を覚える
―――ドンヨリーヌが必殺技を出そうとしたときと、同じ
いや、あの時以上の悪寒…とんでもない何かが、来るッ!
「き、来ますよケイジ君!」
「わかってる! …ホル」
だが、俺は何も恐れていなかった。恐れるわけがない。俺には…友達がいる。
「…うん。わかってる。」
彼女はヤツの目の前まで歩き出した。悍ましく濃い妖気が彼女の体に絡みつくも、全く物怖じもしない。
「わざわざ死にに来たナ?!愚かな奴メ!後悔するギョロ!!」
「…後悔するのは、そっちだよ…!」
「ダマレッ!!―――モーレツ三叉撃!!!」
ヤツは3つの頭を凄まじい速度で振り回し、ホルに打ち付けようとする。
そしてホルも、ヤツに手を伸ばし…
「ボクだって…いつまでもカッコ悪いままじゃない…
―――風迅破!!!」
「きゃっ…?!」
「と、飛ばされちゃいますー?!」
ヤツの怒涛の頭突きと、ホルの巨大な風の刃がぶつかり合い、拮抗し、辺りに凄まじい風が発生する。
だが、風の刃はヤツの頭突きなどものともせず。みるみる押していき、ついに―――
「ソ、ソンナ…?! ギョロロローン!?」
目を見開き、見事直撃してしまいその場に倒れ伏した。
「…やった、やったぁ…!」
「おぉ〜!!」
「やったねホル!」
「大勝利ニャン!!」
各々が彼女に駆け寄る。ホルは嬉しさのあまり涙ぐんでいた。当然だろう、今まで自分は役に立たないとずっと言っていたのだ。やっと誰かの役に立てた、というのが嬉しいんだろう。
「ブラボー、だな」
「ブラボー…?」
「上出来だ、って意味だよ」
「…! ありがとう…っ!」
「おぉっ…?!」
彼女はその言葉を聞くと、俺に思いっきり飛びついてきた。ち、力思ったより強い…く、苦し…
「ギョロローン!」
「ッ?!」
「え…!?」
何ッ?!あんなにやられたのに、まだ動けるのか…?!
ヤツは首を起こすと、再び炎を放った。
「マズい、ホル…!」
俺がホルを庇うように前に出る。…が、また熱さが来ない。
今度はなんだ…?
「…誰だ、お前は」
そこには水色のマフラーを巻いた少年が、俺たちを守っていた。何となくその妖気からわかる。
こいつはジバニャン達どころかあのデカブツとすら格が違う
「…ふん!!」
「ぐぎぇぇぇぁぁぁぁぁ〜!?」
少年が放った竜の形をしたマフラーが飛んでいき、弱っていたとは言えあのデカブツを一瞬にして撃退してしまった。
そしてこちらを少し見た後、一瞬で消えてしまった。
「っ、オイ!待て!お前は…!」
「行ってしまいましたね…しかしもう大丈夫。気配は消えました。誰か分かりませんが助かりましたね」
「ごめんなさい、ボクがちゃんとトドメを刺してたら…」
「卑屈になるな、俺だって予想できてなかったんだ。お前だけじゃない」
そう言いながらホルの頭を撫でる。あ、前までの癖でサラッとやったけど、今は人の姿なのか…ただ嬉しそうにしているところから嫌なわけじゃないらしい。よかった。…ユキからの視線が刺さりまくっているが。
ちなみに後で撫でてやると行ったら渋々許してくれた。チョロいな
「では、最後の結界も戻してしまいましょうか」
「あぁ、そう言えばそうだったな。よろしく頼むぞ、ウィスパー」
「お任せください!結界よ〜閉じろゴマ!!」
ウィスパーが不思議な動きとそのその呪文を唱えると、先程まで常に感じていた濃い妖気が消えていくのを感じた。
適当すぎて信じてなかったけど本当に効果あるのかそれ…
「辺りに満ちていた妖気が消えましたね、ケイジ君!」
「あぁ、そうだな…」
「…どうされました?そんな難しい顔をして」
「この結界達は、あの妖怪を封じ込めるためのものだったのか?」
「それは解りませんが…このさくらニュータウンには大きな秘密が隠されている気がします」
「大きな秘密かぁ…」
「面倒くさそうニャーン…」
「まっ、どうにかなりますよ。今回もどうにかなったんですから」
「俺は結構痛い目見たけどな…」
これは鍛え直しだな、なんて思いながら首を回す。ただ、今回の戦いは全く無駄じゃない。最後はホルに任せっきりだったが、学ぶことは確かにあった。今後の戦いに活かしていくとする。
「さぁ、うちに帰りましょう。ケイジ君!」
「だな、行くぞ〜」
「チョコボー食べたいニャン!」
「またチョコボーの話してる〜」
「美味しいから仕方ないニャン!」
「わかったわかった。買ってやるから」
「やったニャン!」
「楽しそうだね…」
「えぇ、仲がよろしいようで何よりです。うぃす!」
こうして、今日も波乱な一日が終わった。
いやもうホント!この作品を見てくれてる全ての人に感謝を!!
ちなみに進化したホルちゃんのランクはAだよ
コメント、評価、お気に入りのほどよろしくお願いします!この調子でドンドン伸びてけ!!