基本妖怪のせいにできる世界に転生したちょっと癖強いサラリーマン(現小学5年生) 作:暇なグリッチ
ちょっと難産だったからあんまり良くないかも、許しておくれ…
俺の名は天野ケイジ、妖怪ウォッチの世界に転生した元サラリーマン。
意外とこの世界にも馴染み、謳歌していると言っても過言ではない。なかったのだが…今少し、困ったことになっている。
「そ、その…一目惚れ、と言う奴なのじゃ…」
今、杖を持ちながらもじもじしている目の前の女に告白されてしまった。
オイオイオイ、流石にホルとユキ以外にそういう妖怪はもう現れないだろうと思ってた矢先にこれだと?!ユキとデートの約束もしていたのに、これじゃあ説教追加確定じゃあないか、勘弁してくれ…
というか、何故こんな事になったのか。それは少し前に遡る。
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「…今日はここまでだな」
俺はついさっき、日課のランニングをしていた。ひょうたん池25周を終え、そろそろ帰ろうとしていると…
「お前のその杖、いい加減貰おうか…」
「嫌なのじゃ!!これがないと私は…!」
着物を着た妖怪と、刀を持った妖怪が揉め事を起こしていた。周りの妖怪が怯えて近づこうとしない辺り、どちらの実力も高そうだな…
「…何やってるんだ、女性に強引に迫るのはあまり良い気分はしないな…」
「…俺のことが見えているのか、人間。痛い目を見たくないならさっさとそこを退け。ボスがそいつの杖をご所望なんだ…」
そう言い、彼女が持っている杖を指差す。彼女の反応を見る感じ、かなり大切なもののようだ。
「この杖を手に入れて、どうするつもりだ?」
「お前に教える必要はない…退け」
そう言い、刀をこちらに向ける。なるほど…やるしかないようだ。
「俺の名はむらまさ…今からお前の血を狩り取る者…!!」
「天野ケイジだ。お前のその身に、俺の拳をとくと刻んでやる…ッ!?」
俺が拳を構えた瞬間、ヤツは既に俺の眼の前にいた。なんとか身を仰け反り、掠り傷で留める事は出来たが…やはりこいつ、只者じゃない。これは…油断すれば狩られるぞ
「…お前のことを少し舐め過ぎていたらしい。謝るよ。ここから一切の容赦はしないッ!!」
「やれるものなら…むっ!!」
ヤツに回し蹴りを放つが避けられる、だがこれは予想できていたことだ。だからここで…
「お前もかなり動けるようだが、それだけでは…」
「あぁ、これだけじゃあ無理だ」
「ッ、何ッ?!」
しかし、ヤツがしゃがんで避けたのが運の尽き、蹴りを突然止め、いきなりかかと落としに切り替えヤツの肩に叩き込んだ。
「ぐぅっ…!?」
「次にお前は、『人間離れした芸当…! お前、本当に人間か?』と言う」
「人間離れした芸当…! お前、本当に人間か? …ハッ?!」
決まったッ! やってみたかったんだよなぁ、これ…いや、ここまでキレイにハマるとは思わなかったが…せっかくだしここはカッコつけさせてもらおう。
「なるほど…俺もお前のことを舐めていたらしい…礼として一切の苦しみなく切り捨ててやろう!!」
先程よりさらにスピードを上げてこちらに刀を振り下ろしてくるのを横に転がり避け、懐からあるものを取り出す。
「俺も、そろそろこういうのを解禁していかないとな…」
用意したのはメリケンサック。本当はこれからも拳一筋で行くつもりだったのだが
―――ケイジ君は無理しすぎだよ…鬼時間に巻き込まれた時なんて、無理して金棒に拳を叩き込みすぎたせいで、ボロボロになっちゃったし…何か用意しないと、ボクでも怒るよ…!
と、ホルからありがたい言葉をいただいてしまったので渋々探してみれば、俺との相性完璧のこいつを見つけてしまったのだ。確かにこの先、毎度毎度怪我をしていれば訳ないと言うのは事実。こういうのも必要だと気づかせてくれたホルには感謝しなければならない。
「ハッ!!」
「弾いただと…!? 己、舐めるなよ…!!」
振り下ろされた刀をメリケンサックで殴って弾き、飛んできた拳を刀でいなす。そんな激しい攻防が繰り広げられ、気づけば周りにも妖怪が集る始末。
参ったな、すっかり騒ぎになってしまった…これは帰るのも遅くなるぞ…
「す、凄いのじゃ…」
「どうした…少しスピードが落ちてきたんじゃないか…!!」
「お前こそ太刀筋が鈍ってきているじゃあないか!」
「ほざけッ…!!」
再びヤツが刀で薙ぎ払う…が、避けると同時にヤツに一瞬の隙ができたのを見逃さなかった
「そこだッ!! オラァッ!!」
「ぐほぁっ…!?」
俺が放った鋭い拳はヤツの腹に当たり、流石に効いたのか苦しそうに後ろに後退る。
「…まだやるか?」
「いいや、俺の負けだ…今回はな」
「なんだ、続けないのか?」
「…お前、まだ何か隠しているだろう?」
「…!」
これは驚いた。どうやら俺が用意していた"切り札"に気づいていたらしい。まぁ、相当なことがなければ使うつもりはなかったが…
「完敗だ。受け取れ…」
「おぉっ…いいのか?」
投げ渡されたのは、彼の妖怪メダル。というかわざわざ手で触れて光から生成しなくてもいいのか、これ…
「俺が認めた強者なら、渡さなければ無礼だろう…それと、気をつけろよ。その女を庇うならかなり面倒なことになる…」
「…そうか」
そういうと、彼は紫の煙と共に何処かへ消えてしまった。どういうことなのか聞きたかったが、まぁいいだろう
「あぁそうだ、大丈夫か?」
「あ、あぁ…」
…後ろを振り向くと、彼女は頬を赤らめていた。
待て、待て待て待て待て…オイオイ、まさかとは思うが、『一目惚れ』とかそんなんじゃあないだろうな…俺の過信で合ってくれよ?
「わ、私と友達になってくれんか…?」
「いいが…なんでだ?」
すると彼女は杖を持ちながらもじもじと
「そ、その…一目惚れと言う奴なのじゃ…」
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で、今に至るというわけだ。神様、あんたまさか俺のこといじめてる?
「そ、そうか…」
「た、ただ!いきなり告白と行くわけにはいかんから、とりあえず友達からで…」
「それはわかったんだがな…お前、なんで揉めてたんだ?その杖には何があるんだ?」
「まぁ、気になるじゃろうて…全て教えよう。まず、私はふじみ御前。Sランクのえりーと妖怪じゃ!!」
…うん、思ったよりとんでもない妖怪拾ってたわ。
第三のヒロイン、参戦ッ!
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